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「RO」に新しい戦いが生まれた。実装後初の新攻城戦の模様をレポート
新オブジェクト,「守護石」と「城門バリケード」
今回,新しいルールで行われることになる新攻城戦ではあるが,実施時間やシーズモードによるスキル制限,砦最深部にあるエンペリウムを破壊したギルドが,新たな城主ギルドに交代するといった基礎部分は,既存の攻城戦からは変わっていない。また,既存の攻城戦が廃止されるわけではなく,新攻城戦用としてヴァルフレイヤ(アルナベルツ教国),ニダヴェリール(シュバルツバルド共和国)の2か所に,計10か所の新たな砦が追加されているのは既報のとおりだ(関連記事)。では,新攻城戦は一体何が違うのか? 実際のスクリーンショットを見つつ,順番に解説していこう。
新攻城戦では砦正面の城門バリケード外側に,「守護石」という新たなオブジェクトが二つ配置されている。城門バリケードはこの守護石と連動しており,両方の守護石を破壊して消滅させなければ,通過することはもちろん攻撃も不可能。視線も通らないため,城門バリケードを越えて,魔法や矢を打ち込むこともできない。つまり攻め側ギルドが最初に行うべきは,両守護石を破壊し,城門バリケードを消滅させることである。ただし,この守護石は城主ギルドのメンバーであれば,誰でも修理可能になっている。どの砦も二つの守護石は離れた位置にあるので,片方の第1守護石を壊し,第2守護石の破壊に向かっていたとしても,その間に再び第1守護石を修復されてしまえば城門バリケードが開くことはないわけだ。
では城主ギルドが有利かと言えば,そうとも言い切れない。まず,守護石は破壊されてから一定時間経たないと修理できないうえ,守護石の修復には石30個,オリデオコン1個,エルニウム1個,レッドジェムストーン5個,ブルージェムストーン5個,イエロージェムストーン5個という材料が必要になる。攻城戦に積極的なギルドであればこの程度の材料費は大きな出費ではないだろうが,修復中のプレイヤーが倒されれば,当然一からやりなおしとなる(材料は消費されない)。また,守護石がひとつになっても城門バリケードを維持することはできるが,守護石が両方破壊され,城門バリケードが消滅してしまった場合,復活させるためには,二つの守護石を両方直さなければならない。やっかいなのは,片方の守護石が修復されると同時に,その場にいる全プレイヤーに向けて「守護石が修復されました」というログが流れ気づかれてしまう点で,修復をほぼ同時に終わらせなければ,攻め側ギルドが完全修復させまいと,修復済みの守護石を再度破壊しようと攻め込んでくる。そのため,タイミングを図るのにどの城主ギルドも手を焼いていたようだ。ただ,中には守護石の修復まで人員が回しきれなかったのか,完全に修復を諦め,砦内部での徹底防衛に努めたギルドもいくつか見られた。
「緊急召集」の使い方が問われる,第1〜第3バリケード
そしてエンペリウムルーム
既存の攻城戦で使われる砦は,入口からエンペリウムルームまで複数のマップを経由せねばならず,しかも,通行可能ルートが,ちょっとした迷宮のように分かりにくくなっている。そのため攻守を問わずギルドメンバーには各砦内部の構造に関して,“一人で歩いてたどりつける”だけの知識が最低限要求されたのだ。ところが新攻城戦の砦は,城門バリケードからエンペリウムまで,たった1枚のマップで構成され,さらにほぼ一直線のルートになっている(間をつなぐ道は狭かったり蛇行したりはしているが)。
そこで城主ギルドにとって心強い存在となるのが,第1〜第3まであるバリケードなのだ。このバリケードは城門バリケードと違って,視線も魔法も通してしまうが,耐久度は抜群。城門バリケード破壊後は基本的に,第1〜第3バリケードを挟んでの攻防が繰り広げられる。攻め側ギルドはすべてのバリケードを壊すまで,先には進めない。城主ギルドはバリケード越しに応戦するだけではなく,隙あらば守護石を修復することで城門バリケードを復活させ,その間に敵ギルドのメンバーを全員封じ込めることも可能。そのうえ,砦内部のあちこちにはギルドフラッグが配置されており,城主ギルドのメンバーであればフラッグ経由で砦内を,瞬時に移動可能になっているのだ。
ただし,一度壊されたバリケードは新たに城主ギルドが交代するまで,二度と修復できない。また,エンペリウムを破壊して新ギルドが所有権を握ったとしても,自動で復活するわけではない。最深部の第3バリケードから順番に修復させていく必要があり,それもギルドマスターしか修復作業ができないシステムになっている。
すでに守護石が破壊され,第1バリケード越しに熱い戦いが始まっている。魔法のエフェクトが激しすぎて,よく見えないのは攻城戦のお約束 |
こちらは別の砦の第2バリケード。残りわずか2本となっているが,すべて壊しきるまで攻め側ギルドは前進できない |
各砦の戦闘を見ていて気がついたのは,今まで以上にギルドスキル「緊急招集」の使いどころが問われる,という点だ。たとえ守護石が修復されてしまい,攻め側ギルドの前線と後続のメンバーが,城門バリケードで分断されてしまったとしても,ギルドマスターさえ内側にいれば緊急招集で全員を呼び出すことが可能だからだ。職業によっては広くて死角の多い砦内部に隠れておいて,城主ギルドが油断しきったところで招集をかけるという作戦もアリだろう。
また,とある城主ギルドはエンペリウムルームギリギリまで攻め込まれた状態で,なんとか守護石を修復。その上でギルドマスターだけがフラッグを使って,今まさに第3バリケードを破壊せんとする敵ギルド背後に回りこみ,全メンバーを一気にバリケードの外側に召集,急襲して排除というなかなか面白いシーンを見ることもできた。
この便利なギルドスキル緊急招集だが,1回使うと5分間のディレイがかかる。そのため従来の攻城戦では,一つのギルドにメンバーを上限まで集めるのではなく,メンバーをだいたい均等に分散させて同盟ギルドの関係にしておき,緊急招集を順繰りに使って戦線を保つ戦術が多かった。しかし,先述のように城門バリケードが復活した状態でも構わずメンバーを招集して内部から攻撃する,あるいは敵ギルドの背後に回って敵を強襲するという手段をとるためには,一つのギルドに最大限までメンバー所属させるほうが効果的かもしれない。
しかし,カジュアルMMORPGとして人気があるROでは正直なところ,大手の同盟ギルドでもない限り,攻城戦の人材は決して豊富ではない。新攻城戦を楽しみたい中小ギルドにとっては,ちょっと頭の痛い点になりそうだ。
初の新攻城戦の模様をお伝えした本レポートは以上となる。守護石,城門バリケード,第1〜第3バリケードというオブジェクトは,とにかく人数と力でゴリ押しという従来の攻城戦にはない,ユニークな戦い方を見せてくれた。また,これが初の新攻城戦だとは思えないほどプレイヤーの適応力が早く,最初の1時間で攻守共に戦い方のおおまかなコツはつかんでしまったようだ。今後はさらに研究が進み,新たな戦術が生み出されるのであろう。
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