インタビュー
[インタビュー]2024年の「ラグナロクオンライン」はYggdrasillワールドが熱い? RO運営スタッフにロードマップを聞いた
※ビデオゲームの公式コスプレイヤーを務めた最長期間(女性) -Longest career as an official videogame cosplayer (female) -
ともあれ,サービス22年めに足を踏み入れたROは,2024年にどのような施策が考えられているのだろうか。もはや毎年恒例となっているRO運営スタッフへのインタビューを今年も行ってきたので,その内容をお伝えしよう。
パートナー・パブリッシング本部 山本兼寛氏(左) パートナー・パブリッシング本部 中村聡伸氏(右) |
ゲーム内外で話題を振りまいたRO。拡張4次職に沸くも,その余波でYggdrasillワールドが手つかずに?
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。先日,ROが21周年を迎えましたが,2023年は20周年の記念イヤーだったので,例年よりもいろいろと忙しかったのではないでしょうか。
ええ,いろいろやりましたね。X(旧Twitter)でハッシュタグを付けてつぶやくとポリンのホットサンドメーカーや,かき氷機とポリングラス,配信者さんにマイクをプレゼントするなどのキャンペーンに力を入れました。あと,いま開催中の「ゴージャス夜市」のキャンペーンでは,金ゴキ(黄金蟲)カードデザインのAmazonギフトカードをプレゼントしていたりして,プレイヤーさんに喜んでいただけそうな企画を頻繁にしていて,話題になっていました。
4Gamer:
ほかにもゲーム外ですが,先日のよきゅーんさんのギネス記録認定も記憶に新しいです。
中村氏:
あれは,よきゅーんさんの事務所で手続きを行っていて,こちらからは活動記録の証明となる資料の提供などを行ないました。
4Gamer:
発表会場のスライドに4Gamerで掲載した記事の写真もありましたね(笑)。一方,ギネス記録は8月以降の認定でしたが,実際はそれよりも前から活動していたと記憶しているのですが。
中村氏:
でも,オンラインゲームのコスプレイヤーとしてギネスに載るってすごいなと思いました。他人事じゃないんですけど(笑)。
20年以上「ラグナロクオンライン」公式コスプレイヤーとして活躍。よきゅーんさんがギネス世界記録保持者に
PC向けMMORPG「ラグナロクオンライン」の公式コスプレイヤーとして活躍するよきゅーんさんが,「ビデオゲームの公式コスプレイヤーを務めた最長期間(女性)」としてギネス世界記録に認定された。その認定証の贈呈式が11月14日に都内で執り行われたのでレポートしよう。
4Gamer:
それにしても20年ですよね……ハードルがすごく高くなりました(笑)。
中村氏:
今から記録を超えようと思うと,長寿タイトルのお世話にならないといけないですから。よきゅーんさん自身も,自分のケアをすごくやられていて,ずっとコスプレの最前線に立っているじゃないですか。コスプレ広告企画など,運営チームからいろいろとお願いしていますけれど,やっぱりご本人の努力が大きいと思います。
4Gamer:
では,ゲーム内の2023年はどうだったのでしょうか。先日,拡張4次職が実装されましたが。
中村氏:
遅くなってしまいましたけれど,無事に実装できて何よりといったところです。ストーリーアップデート「EPISODE:ISGARD〜説話の地〜」も実装できましたし。
4Gamer:
「説話の地」は予定よりも早かったですね。
中村氏:
はい。それと幻想叢書も予定どおりに教皇の話をはじめとして入れることができました。あとは拡張4次職に合わせてエンドコンテンツ「星座の塔」を実装できましたし,2023年内にアップデートしようと思っていたものはできたかなと。
一方,Yggdrasillワールドですが,拡張4次職の実装を待ってから入れようと思っていたものが,(実装が)ズレたことによって軒並み先送りになってしまっているんです。
山本兼寛氏(以下,山本氏):
蜃気楼の塔YEとティアマト攻城戦YEのリニューアルができたぐらいですね。あとは拡張4次職に追われていまして。
4Gamer:
前回のインタビューで山本さんが熱く語っていた不夜城が入ってないな,とは思っていました。
[インタビュー]20周年を迎えた「ラグナロクオンライン」の新たな挑戦とは? RO運営スタッフに2023年のロードマップを聞いた
2022年12月に運営20周年を迎えたMMORPG「ラグナロクオンライン」。12年ぶりとなる上位クラス「4次職」や大幅なレベルキャップの開放などで盛り上がりを見せた本作では,2023年も数々のアップデートが予定されているようだ。RO運営スタッフに話を聞いてきたので,その内容をお届けしよう。
山本氏:
はい。手を付けられる状況にありませんでした。
中村氏:
キャラクターの強さが横並びになって初めて作れる,実装できるというものもあります。来年(2024年)の話にはなりますけど,準備をしてやっていかなきゃなと考えています。
拡張4次職に続いて新職業の構想も? エクストラカラーの新色で,よりオシャレがはかどりそう
4Gamer:
まだ実装からそう日が経ってませんが,拡張4次職の評判はいかがでしょうか。
手ごたえはいいですね。とくにスピリットハンドラーで遊ばれているプレイヤーが多くいるようです。再来週(※2023年12月19日)にはBaeseLv240から入場できる「アルデバラン時計塔 未知の空間」の実装を予定しています。これは,BaseLv240から250を目指せるダンジョンという位置づけですね。
4Gamer:
BaseLv250のレベルキャップ開放は,拡張4次職の実装と同時に行われましたよね。
中村氏:
拡張4次職と一緒にBaseLv250,JobLv50まで上げられるようにしました。
4Gamer:
すでにBaseLv250になった人がいると耳にしています。
中村氏:
実装から1週間経たずに最初にBaseLv250になった人がいらっしゃったみたいです。そこまでレベルを上げづらくはしていないので,だいたい想定どおりかなと。通常のペースで遊んでいただいても,BaseLv240から250へは1か月ぐらいでいけると思います。
山本氏:
いまはイベントもやっているので,合わせてやれば2週間から3週間で到達できると思いますよ。
4Gamer:
なるほど。ともあれ,これで職業回りはひと段落という感じでしょうか。
中村氏:
はい。その代わりではないですが,韓国では12月に4次職に3次職の衣装が使えるようになるアップデートを実施する予定です。
4Gamer:
それは,4次職で3次職のアバターを着せるといった機能ですか。
中村氏:
ええ。カーディナルをアークビショップの外見にできるみたいな機能です。これに合わせて3次職のエクストラカラーを拡張して6色にする予定もあります。
ロイヤルガード | |
ハイプリースト | |
サモナー ※開発途中のため,内容は変更される可能性があります |
4Gamer:
パッと見た印象ですが,衣装の見た目でどれぐらいの強さなのか分かりづらくなりそうですね。あと,職業によっては肌色成分も減りそうです。
中村氏:
もともとセカンドコスチュームは着こんでいる衣装が多いですけどね(笑)。今回,ドットはまったくいじっていなくて,カラーが増えるだけになります。韓国での実装状況を見て,日本での実装時期を決めようと思っています。
4Gamer:
職業回りでそのほかのアップデートや調整はありますか。
中村氏:
4次職と拡張4次職がそろったので,2024年は高レベル向けのコンテンツを出せるようにするのが第一です。ただ,4次職になるのに時間がかかりすぎるとキツいので,まずは拡張4次職のアップデート日にミミミのミッションマスターも新装開店しました。報酬もメロンシリーズの武器を+9の精錬状態で入手できるようにしたので,ある程度まではミッションマスターで手に入れた装備で挑戦できます。あとは幻想叢書ですね。
4Gamer:
あれをレベル上げに使っている人も多いですよね。
中村氏:
はい。BaseLv180からチャレンジできて,BaseLv220になるまで経験値がもらえます。稼げる経験値が%でもらえることと,毎日7つの幻想叢書を遊ぶことで,1日あたり最大で55%稼げるんです。
4Gamer:
2日遊べば1レベル上がると。
中村氏:
通常の狩りの合間にクリアしやすいものを回すだけでも,そのレベル帯が通過しやすくなります。BaseLv220になれば「説話の地」に挑戦できるようになるので,ミミミと幻想叢書を併用してレベルを上げて,装備もそろえてというのが現在の育成コースでしょうか。
新しく始める方も,久しぶりに遊ぶ方もぜひそのコースで遊んでいただいて,4次職,拡張4次職になって遊んでいただければと思います。
4Gamer:
3次職向けに出ていたスターターパックの4次職版は予定していないのでしょうか。
中村氏:
出そうと思えば出せますが,まだいいかなと。あれを出してしまうと,その職業の育てる方向性を定めてしまうという面があるので,出すタイミングが難しいんです。ROはいろいろな育て方があるゲームでもありますから。そのアピールも兼ねて,これが掲載される頃には終わっていますが,2023年内にBaseLv220に達成した人のステータスや装備をXで紹介ポストして,ゲーム内アイテムをもらおうというキャンペーンをやろうかと思っています。
もう少し時間が進んで,改めて4次職への導線が必要かなとなったときに,パッケージを作らせていただくことになると思います。
4Gamer:
装備などの情報は参考になると思いますが,プレイヤーの装備を参考にするとなると,この育成タイプで必要な装備は〇〇年のアニバーサリーパックを買わないと,という例が出てきそうで少し不安です。
中村氏:
その点は否定できませんが,ROは基本的にほぼすべての装備がZeny(ゲーム内マネー)で取引できるので,なんとかなると思っています。最近はパッケージに装備だけじゃなくて動画配信者さんやVTuver向けのモデルが付録で付いているので,そちらを目当てに買っていただくのもアリですね。配信のガイドラインも緩くてネタバレ禁止とかもないので,自由にやってもらえると嬉しいです。
イスガルド第二幕となるストーリーアップデート「EPISODE:ISGARD〜死なない者〜(仮)」は2024年秋に。キーとなるキャラは……伸びるネコ?
4Gamer:
先ほど話の合った「EPISODE:ISGARD〜説話の地〜」ですが,2024年もエピソードの追加はできそうですか。
中村氏:
秋ぐらいにはエピソードの追加をしようと思っています。韓国だとエピソード20として実装済みで,そちらの翻訳などを進めているところです。仮のタイトルは「EPISODE:ISGARD〜死なない者〜」で,「説話の地」の続きとなります。
実装済みの「説話の地」のあらすじは,ヨルムンガンドを崇拝しているルガン一族のボス的存在であるラスガンドを,「EPISODE:The Double Goddess 〜祈りの方向〜」で逃げだしたバゴットという研究員が「自分の研究があれば強くなれる」とそそのかした結果,ルガンたちと冒険者(プレイヤー)が戦うことになる。しかし,そのどさくさでバゴットとラスガンドに逃げられてしまう……というものでした。
4Gamer:
最後に逃げ出すというのは,いつものパターンですね(笑)。
中村氏:
その逃げられたところで「説話の地」が終るので,新エピソードは彼らを追跡するというものになります。冒険者は大陸中を探すけれど,全然見つからない。残っている場所は禁忌の地域と言われている「氷の峡谷」。そこに足を踏み入れていく,というストーリーになるようです。
そして,こちらがラスガンドのイラストとなります。それとNPCとして謎の猫が登場しますが,妙に長いんですよ。
4Gamer:
なるほど。長い……ですね。
中村氏:
この猫が,くにゃくにゃしながら「やんのか!?」ポーズをしたりして微笑ましいんですが,その正体がエピソードのキーになります。だいたい予想はつくと思うんですけど(苦笑)。
中村氏:
ストーリー的にも続編なので,「説話の地」に登場した冒険者の一向などは引き続き出てきます。それに加えて,名前だけだったラスガンドが初お目見えになります。
イスガルドは新大陸ということで,これまでになかった新しいグラフィックスがプレイヤーに好評でした。その続きの読み物として期待してもらえればと思います。ほかには韓国で実装されて,日本ではまだ入ってないインタフェース系のアップデートを継続的に行います。アイテムの整列機能や取引の際のzenyの桁数が色別で分かりやすくなる表示などですね。
4Gamer:
UIの変更というよりも,追加がメインという形ですか。
中村氏:
基本的には古い部分のUIに付け足すことで,より見やすく,分かりやすくするという方向ですね。これまでにも手を入れているので,遊びやすくなっていると思うんですけど。
4Gamer:
メインメニューも,サービス開始時に比べれば格段にグラフィカルになっていますよね。
中村氏:
βのころはボタンが8つしかなくて……あとはショートカットでどうにかしてくれみたいな感じでした。
そのほかにDirectX9への対応も進めていて,これは年内に導入できるかもしれません。導入できればローディングもかなり早くなりますし,遊びやすくなるかな,と。
山本氏:
攻城戦などもひと昔前のPCだとローディング中に無敵時間が終了してしまうみたいなこともありました。
4Gamer:
というか,まだDirectX9に対応してなかったのに驚きというか,気づいていませんでした。
中村氏:
DirectX7で動いてたのですが,韓国でDirectX9を導入しましたということだったので,じゃあ日本にも早めに入れようと。システム系の足回りの改修も進めているので,プレイの環境はどんどん良くなっていくと思います。
4Gamer:
となると,2022年や2023年みたいな大きなアップデートはないのでしょうか。
中村氏:
新たな職業が入る規模のアップデートはしばらくないですが,2024年内にBaseLv上限を260までは上げようと思っています。
4Gamer:
JobLvはそのままですか? また,上限開放のタイミングはいつ頃になるのでしょうか。
中村氏:
JobLvは50のままです。実装時期は未定ですが,新エピソードの前ぐらいを想定しています。
あと,ようやく職業回りが揃ったので,新しい深淵の回廊が実施できるようになるといったところでしょうか。
昨年(2022年),ゲーム内だけで出していた予告イラストがこちらです。若返って途轍もないパワーを手にしたジラントと戦うコンテンツとなります。こちらはまだ作業を進めているところなので,実装時期が決まり次第お伝えします。
あとは,2020年に「ラグコレ」という,いろんな衣装をつけて,コーディネイトの点数で勝負するおしゃれバトルイベントをやっていたんですが,そのパワーアップ版の「コーデバトル」というイベントをやろうかと思っています。実は,ROに実装されている衣装装備が2200を超えたんですよ。
4Gamer:
それは通常の頭装備などを抜いて,純粋な「衣装」装備だけでですか。
中村氏:
そうです。なので,組み合わせを考えるととんでもない量になるんです。ここまで増えると衣装が被ることもないので,組み合わせでボーナスが付けたり,系統でまとめると属性を付けたりと,コーディネイトで勝負するみたいなバトルイベントをやろうかと。
4Gamer:
コーディネイトには,先ほど色が増えると話していたエクストラカラーの色や,セカンドコスチュームも含まれるのでしょうか。
中村氏:
大きな影響はないようにする予定です。
4Gamer:
先ほど話題にあがったので,それも込みでのトータルコーディネイトかと思いました。コーデバトルは公式Xなどは使わず,ゲーム内で完結させるのでしょうか。
中村氏:
オシャレ自慢キャンペーンぐらいはやるかもしれませんが,基本はゲーム内で,いつもと違う雰囲気のNPCに話しかけるとバトルになる,みたいな感じですね。
4Gamer:
ほかのプレイヤーとバトルはあるのでしょうか。
中村氏:
バトル相手はNPCのみです。各地にいるNPCを探してバトルを挑むというイベントになります。ほかのプレイヤーとのバトルは,人気が出たら考えましょう。
4Gamer:
コーディネイトのポイントランキングとかはしないのでしょうか。別のゲームになってしまうかもしれませんが。
中村氏:
バトル回数に応じて称号などを付けられるようにしようかとは思っています。イベントというとモンスターとのバトルが関わってくるものが多いですが,今後は戦うだけじゃないイベントも増やしていけたらと思います。
もちろん,毎年やっている季節イベントなどは踏襲していきますし,皆さんにご参加いただいている精錬祭やブートキャンプといったところもキッチリ開催していきます。
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