「GetAmped」がロシア，バルト3国などでサービス決定，サイバーステップはアジア＆BRICsの任天堂を目指す

サイバーステップ社長佐藤類氏

　サイバーステップは，本日（9月26日）都内で記者発表会を行い，同社がサービス中のオンラインアクションゲーム「GetAmped」のロシア，CIS地域，バルト3国でのサービス契約をロシアのパブリッシャ/デベロッパであるAkellaと締結したことを発表した。
　GetAmpedは，現在，世界11か国にライセンスされているという国産オンラインゲームとしては最も世界展開に成功した部類のアクションゲームだ。国内では「ゲットアンプドR」としてサービスされている。国内よりは，海外での認知度が高いことでも知られており，韓国では実に1300万人の登録ユーザーを誇る（韓国の人口は4900万人）。全世界でのユーザー数は2600万人に達するという。
　Akellaは，ロシアを中心としたパブリッシャだが，4Gamerのニュースでもときおり見かけるように，最近では開発にも力を入れている。今回，サイバーステップがロシア地域でのパートナーとしてAkellaを選んだのは，15か国で400を超える販売拠点を持っていることがポイントとなったという。GetAmpedのような低年齢層向けのゲームの場合，課金にクレジットカードなどを使うことは稀で，店頭でのプリペイドが重要になるため，とくに重視したそうだ。すでに多くの地域でライセンスを行ってきている同社の経験に基づく判断であろう。

　今回の契約を含めた世界展開について，サイバーステップ社長の佐藤類氏は，GetAmpedを「インターネットにつながったファミコン」と位置づけており，エンターテインメントの少ない地域を中心に誰でも遊べるゲームを提供していきたいと意欲的に語った。エンターテインメントの豊富な日本や欧米といった，一見大きなゲーム市場ではなく，潜在的な市場を開拓していくというあたりが，他社の海外戦略とは異なる点である。
　今回の契約によって，GetAmpedのサービス地域は日本以外に26か国（地域）となり，地球人口に対する人口カバー率は37.8％となる。今後は，対応地域を200まで増やし，GetAmpedのサービス地域については，同社の新タイトルをさらに追加投入していくなど，全地球的な展開を目指すという。「アジアとBRICs（急成長中のブラジル，ロシア，中国，インドの4か国）での任天堂を目指す」との言葉どおり，着実に世界展開を進めている。今後BRICsの残り1国であるインドへのサービスを果たせば，GetAmpedは世界人口の50％以上をカバーするゲームとなる。来春発売されるというニンテンドーDS版などで，同社が（むしろ）苦手とする日米欧といった地域をカバーし，10年後くらいには売り上げ1兆円を目指すと夢は大きい。
　国内オンラインゲームメーカーとしては，海外展開での着実な成功を収めている「例外」的な存在であるサイバーステップ。今後数年でさらに積極的な展開を目指しており，その成果が期待されるところだ。

サイバーステップ、ロシアのオンラインゲーム運営会社と
『ゲットアンプド』のサービスに関するライセンス契約を締結
〜日本製オンラインゲームのロシア・ＣＩＳ地域及びバルト３国におけるサービス立ち上げを開始〜

オンラインゲームの開発、ライセンス事業及びサービス事業を行っているサイバーステップ株式会社（本社：東京都渋谷区、代表取締役社長：佐藤類、以下「サイバーステップ」）は、主力タイトルである『ゲットアンプド』において、ロシアのオンラインゲーム運営会社アケラ社（Akella Ltd.）とライセンス契約を締結したことをお知らせいたします。
サイバーステップがかねてより進めておりましたライセンス事業は、現在アジアを中心に展開しており、1タイトルにつき1カ国1社を原則に、世界各国の有力な運営会社にゲームタイトルの運営権を提供しております。主力タイトル『ゲットアンプド』の全世界の登録ユーザー数は、2008年8月末時点で2,600万人を超えております。
このたびロシアを含むCIS地域およびバルト３国においてのライセンス提携先として、ロシアのオンラインゲーム運営会社アケラ社とライセンス契約を締結することが決定いたしました。
ロシアのオンラインゲーム市場はインタネットインフラの普及と共にモスクワなどの大都市を中心に2002年から成長し始め、現在はインタネットユーザが約1500万人、オンラインゲームユーザが約250万人と推測されております。ロシアの着実な経済成長と共にオンラインゲーム市場においても今後の急速な成長が期待されています。
また、アケラ社はロシアおよびCIS地域において400ヶ所以上の流通拠点を持ち、2007年までに800タイトル以上のゲームをリリースした大手ゲーム会社です。オンラインゲームをパブリッシングして成功させた経験も豊富で、現地に専門的で安定したサービスができることを期待し、今回『ゲットアンプド』のライセンス契約を締結するはこびとなりました。
これにより、『ゲットアンプド』のライセンス供与先は韓国、中国（香港、マカオ含む）、タイ、台湾、インドネシア、シンガポール、マレーシア、ベトナム、フィリピン、ブラジル、オランダ、ロシアを含むCIS加盟国12カ国、バルト3国となり、日本の自社運営を含めますと、27カ国・地域でサービス提供されることとなります。
今後もサイバーステップでは、「世界中を楽しくするエンターテインメントを世に送り出す」という信念のもと、世界各国へのスピーディーな展開を図ってまいります。