「EVE Online」次期大型アップデート「RETRIBUTION」ショートインタビュー。今度は悪人を追う“賞金稼ぎ”になれる

　アイスランドのCCP Gamesにより，9年にわたって運営が行われているSF MMORPG「EVE Online」。今年の12月に実装が予定されている，本作の次期大型アップデート「RETRIBUTION」について，開発者であるトルヴェ・フランス・オーラフソン氏にちょっとだけ話を聞くことができた。

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「EVE Online」公式サイト

トルヴェ・フランス・オーラフソン氏（以下，トルヴェ氏）：
　「EVE Online」は年に2回のスパンで大型エクスパンションを公開しています。今年の12月4日（アイスランド時間）に，18回目となる新たなエクスパンションを無料でリリースする予定となっています。その名は「RETRIBUTION」，日本語で言えば「因果応報」ですね。

4Gamer：
　名前からして殺伐としているというか，とげとげしい響きがしますね（笑）。

トルヴェ・フランス・オーラフソン氏

トルヴェ氏：
　今回は「復讐と正義」をメインテーマにした数々の新要素が加わりますが，なかでも重要な要素となるのが「賞金稼ぎ」です。今までは攻撃された側が懸賞金をかけることしかできませんでしたが，今度のエクスパンションでは，その“権利を売る”ことができるようになります。つまり，“賞金稼ぎ”や“復讐請負人”といった商売が成り立つようになるんです。

4Gamer：
　それはカッコいいですね。しかし，実際に賞金首を探し出すのはかなり難しいんじゃないですか？　広大な宇宙空間の中から手さぐりでターゲットを探すのは大変でしょうし，本当に成立するんですか？

トルヴェ氏：
　そこは大丈夫ですよ。RETRIBUTIONでは，もしあなたや第三者のプレイヤーが賞金首を見かけた場合，その情報を売り飛ばす“タレコミ屋”になることも可能なのです。正しい情報を売った場合は，NPCが情報料として代価を支払ってくれます。

4Gamer：
　みんなでチクリを入れられるんですね。その情報をもとに賞金首を少しずつ追い詰めていって，最後に倒す……テンションの上がる流れじゃないですか。ちなみに，今のお話はプレイヤーキャラクターの場合だと思いますが，NPCが目撃情報をタレこむケースもあるんでしょうか？

トルヴェ氏：
　はい。ただし，NPCキャラクターは目撃しても30分から1時間ほど遅れて報告するようになっているため，情報の鮮度は失われていることでしょう。

4Gamer：
　駆けつけても誰もいなかったり，すでに別のプレイヤーが倒していたりする可能性があるんですね。

トルヴェ氏：
　はい。あくまでもプレイヤーにアドバンテージを持たせるようにしています。

4Gamer：
　情報収集能力が問われますね。それにしても，ロマンを感じる新要素です。

2012年5月24日に実装されたアップデート「Inferno」では，ミサイルの発射エフェクト描画などが強化された

トルヴェ氏：
　次回のアップデートについてですが，もう一つ本当に重要な，ロマンを感じる新要素がありますよ。それは，艦船が爆発するときの“粉々に飛び散る様子”が，よりドラマチックなグラフィックスになるというものです。過去2回のグラフィックスアップデートでは，タレットやミサイルといった部分の強化に留まってました。次のアップデートでは“破壊の瞬間”の表現が，より美しくなります。

4Gamer：
　宇宙船が壊れる瞬間の表現アップデートですか……。いい意味でマニアックですね（笑）。

トルヴェ氏：
　はい（満面の笑み）。

4Gamer：
　ところで，このエクスパンションのリリース予定日（12月4日）には，日本語版の実装も含まれていますか？

トルヴェ氏：
　もちろんです。

4Gamer：
　それを聞いてほっとしました。本日はありがとうございました。


　悪事を専門としているプレイヤーには，今回のエクスパンションは少々気の重いアップデート内容となるかもしれない。まさに因果応報……「RETRIBUTION」というエクスパンション名に恥じないアップデートといえるだろう。

　個人的に好感を持ったのは“宇宙船が大破する瞬間の表現力向上”だ。今回は実際の映像を見ることはできなかったが，SF映画のように宇宙船が藻屑と化すまでの，壮絶なプロセスが描かれていることに期待したい。
　まもなく10年という運営期間を迎える「EVE Online」。進化に行き詰まって迷走したり，「まだやってたの？」などと存在を忘れられたりすることなく，順当に成長を続けていく本作に，これからも期待したい。

「EVE Online」公式サイト