「テイルズウィーバー」開発チームインタビュー。新キャラクター「ベンヤ」をはじめ「ファン感謝祭2014」で発表された新要素について聞いてみた

　ネクソンがサービス中のMMORPG「テイルズウィーバー」にて，2014年3月26日，新キャラクター「ベンヤ」が実装される。そのほかにも，2014年夏までに掛けてのアップデートで，新PvPコンテンツ「星の戦場」や，新地域「オルランヌ公告」の実装およびキャラクターのバランス調整などが予定されているというのは，3月15日に行われた「ファン感謝祭2014」のレポートでお伝えしたとおりだ。
　今回，4Gamerでは，一連のアップデートについて，テイルズウィーバー開発チームのディレクター シム・キフン氏，アートディレクター ク・チャンヘ氏，プランナー ソ・テヨン氏の3名に話を聞いてきた。


4Gamer：
　本日はよろしくお願いします。テイルズウィーバーは，2014年に10周年を迎えます。まずその感想から教えてください。

ディレクター シム・キフン氏

シム・キフン氏（以下，シム氏）：
　3月15日に行われたファン感謝祭 2014には，私達も出席したのですが，10周年だけあって，例年と違う特別な雰囲気を感じました。また，日本のプレイヤーがゲームに何を望んでいるのかを実感できたので，今後のアップデートに反映していければと考えています。

4Gamer：
　ファン感謝祭に参加したプレイヤー層が，数年前よりも若くなっている印象を受けたのですが，開発者の視点から見るとどうでしょう？

シム氏：
　若いプレイヤーが増えているとしたら，それは新規獲得に成功しているという意味ですから，喜ばしいことですね。ここ数年，テイルズウィーバーをより多くの人に楽しんでもらおうと努力してきた結果が現れたんじゃないでしょうか。

4Gamer：
　今回は，ファン感謝祭で発表されたアップデート内容についてお聞きしますが，まずは3月26日に実装される新キャラクター「ベンヤ」について教えてください。

ソ・テヨン氏（以下，ソ氏）：
　ベンヤは，これまでNPCとして登場していたのでご存じのプレイヤーも多いことでしょう。彼女は，もともと幽霊で人間になりたがっていました。そして今回，「生命の指輪」の力により，念願叶って人間として生まれ変わったのですが，その代わり，それまでの記憶を失ってしまいます。そこで彼女は，生命の指輪に封印された死神の力を借りて，自分が本当は何者であるのか，どんな人間になりたかったのかを探す旅に出ます。
　ストーリーの冒頭では，ベンヤが心を持った人形「アピーノ」と出会うのですが，このシーンは韓国でも好評でしたので，ぜひ期待してください。

ク・チャンヘ氏（以下，ク氏）：
　アートディレクターとしては，ベンヤが幽霊から人間に生まれ変わるにあたって，より可愛い姿になるよう，とくに衣装には配慮しました。武器の大きさも，ほかのキャラクターより大きいので，ベンヤの小さな身体とのギャップが感じられると思います。


4Gamer：
　ベンヤのゲーム中での性能は，どういった特徴があるのでしょうか。

ソ氏：
　ベンヤは見た目こそ幼いですが，「デスサイズ」と「ホーリーハンマー」という巨大な武器を使用できます。

4Gamer：
　デスサイズとホーリーハンマーは，死神の鎌と聖なる武器とで，イメージが対になっている印象を受けますね。

ソ氏：
　性能もそれぞれで大きく異なります。デスサイズは，攻撃主体のスキルが中心で，瞬間火力が高いので，多数の敵を一気に倒すことができるでしょう。一方，ホーリーハンマーのスキルは防御主体となっており，安定したプレイができるのが特徴です。
　また，ほかのキャラクターと異なり，クールタイムのあるスキルがいくつかありますから，それをどう扱うかでプレイスタイルが変わってくるでしょう。


4Gamer：
　ベンヤは，ゲーム中，「秘密の小部屋」を介して，死神とコミュニケーションを取るということですが，これにはどういった意味があるんですか？

ソ氏：
　秘密の小部屋はベンヤの心の中にあるという設定で，生命の指輪の力で入ることができます。部屋の中では，死神からクエストを受託したり，専用のスキルを習得したりできます。マスタリースキルを習得すれば，ほかのスキルを強化することもできるので，死神の力を借りてベンヤを強化してあげてください。
　ベンヤは，操作も比較的簡単なキャラクターなので，テイルズウィーバーを始めたばかりという人でも扱いやすいと思います。この機会にテイルズウィーバーを遊んでみようという人は，ぜひベンヤを選んでみてください。

4Gamer：
　分かりました。ところで，ベンヤのボイスは花澤香菜さんが担当しますが，花澤さんは新しい主題歌も歌われるんでよね。

シム氏：
　ええ。楽曲の制作過程では，開発チームにも意見を求められたのですが，ベンヤのコンセプトにピッタリの良い曲に仕上がっていますよ。

ク氏：
　ストリングスのアレンジが綺麗で，印象に残っています。とてもメロディアスな曲ですね。花澤さんは，韓国のアニメファンの間でも人気が高いので，今回主題歌を担当していただいて光栄です。曲の公開を楽しみにしていてください。

リニューアルした「旗取り」と攻城戦から成り立つ「星の戦場」

4Gamer：
　それでは，5月実装予定のPvPコンテンツ「星の戦場」について教えてください。ファン感謝祭では，プレイヤーは「傭兵訓練」を経て攻城戦「星の戦場」に参加すると発表されましたが。

シム氏：
　実は，その説明はストーリー上のもので，傭兵訓練と攻城戦はそれぞれ独立したコンテンツなんですよ。
　まず傭兵訓練から説明すると，このコンテンツは，プレイヤーから復活の要望が多数寄せられていた「旗取り」をリニューアルしたものになります。2vs2から5vs5のチーム戦コンテンツで，先に旗を取った側の勝ちというルールは変わりありませんが，舞台となるマップを小さくすることで，よりお互いが遭遇しやすく，スピーディな展開が楽しめるようになっています。

4Gamer：
　攻城戦はまた違うルールなんですか？

シム氏：
　攻城戦は，プレイヤーが国王派と王政派に分かれて争いながら，AIで動く共和派の打倒を目指す，PvP，PvEの形式になっているんです。

プランナー ソ・テヨン氏

ソ氏：
　攻城戦は2つのフェーズに分かれていて，フェーズ1では，制限時間内に中央にある共和派の塔の破壊を目指します。そしてどちらかの陣営が塔を破壊するか，制限時間を迎えるかすると，フェーズ2に移行します。

シム氏：
　フェーズ2の目標は，制限時間内に共和派のリーダーを討伐することです。最終的に，リーダーを討伐した陣営が勝利となります。仮に制限時間内にリーダーを討伐できなかった場合には，各陣営のプレイヤーがプレイ中に獲得した貢献度の合計で勝敗が決まります。このとき，フェーズ1で塔を破壊した陣営は高いポイントを獲得できるので有利です。

4Gamer：
　攻城戦を攻略するにあたって，ポイントがあれば教えてください。

シム氏：
　マップ上に，攻城戦でしか使えないアイテムがランダムで出現します。そのアイテムをどう使うかで，戦況が大きく変わりますので，ぜひ活用してください。

2014年夏までバランス調整や新要素追加を毎月実施。6月にはEP3新章もスタート

4Gamer：
　続いては，ファン感謝祭で公開されたロードマップの項目について，それぞれ教えてください。まずは既存キャラクターの調整についてお願いします。


シム氏：
　はい。これは，昨今追加された，あるいはされる新キャラクターであるイソレットやベンヤと，既存キャラクターとのバランスを図ることを目的としています。基本的に，既存キャラの能力を上方修正し，さらに個性を伸ばすような調整を行う予定です。

4Gamer：
　調整は3月，5月，夏頃と3回に分けて行われるそうですが，それぞれどのキャラを調整するのか，内訳が決まっていれば教えてください。

シム氏：
　3月にアナイス，5月にシベリン，ナヤトレイ，マキシミン，イスピン，そして夏にボリス，ミラ，ティチエル，ルシアンという予定です。

4Gamer：
　分かりました。それでは4月に予定されている「夜明けの塔」のHellモードについて教えてください。

シム氏：
　その名から想像できるとおり，夜明けの塔の高難度モードです。そのぶん，報酬もよくなっています。またHellモードは，ノーマル/ハードモードとは異なり，最大8人のプレイヤーが参加できます。

ソ氏：
　合わせて，ノーマル/ハードモードの難度を全体的に下げる予定です。また夜明けの塔といえば，遠距離攻撃が有利という傾向がありましたが，すべてのモードで敵の物理攻撃耐性を下げるなどの調整を行いますので，近接攻撃のキャラクターでも現在よりも活躍しやすくなるかと思います。

4Gamer：
　6月に実装される予定のEpisode 3 Chapter 3や，夏頃に追加される新地域「オルランヌ公国」など，少し先の予定について，現時点でお話できる情報はありますか？

シム氏：
　Episode 3 Chapter 3では，ネニャフル学院を舞台に，少々軽めでコミカルなストーリーを展開する予定です。これ以上のことは，プレイして確かめてみてください。
　オルランヌ公国は，高レベルプレイヤー向けに，サンスルリアとシオカンヘイムで人気の高かった要素を盛り込んだマップとなる予定です。最高レベルのダンジョンや最上級アイテムを用意するので，やり込んでいるプレイヤーは楽しみにしていてください。

4Gamer：
　最後に，ベンヤ実装から始まる一連のアップデートや調整について，期待している人に向けてメッセージをお願いします。

シム氏：
　繰り返しになりますが，これまで10年間，テイルズウィーバーをプレイしていただき，非常にうれしく思っています。2014年は，皆さんが望むアップデートを継続して提供できるよう，今まで以上に努めます。今後とも，よろしくお願いします。

アートディレクター ク・チャンヘ氏

ク氏：
　新キャラのベンヤを，これまで登場したキャラクター同様，かわいがってください。今後も面白いコンテンツを提供できるよう，頑張ります。

ソ氏：
　ベンヤはもともとプレイヤーによく知られていたものの，プレイアブルキャラクターではありませんでした。それでも，今回，ファン感謝祭のファンアートコーナーで彼女のイラストを見つけ，日本での人気の高さを感じられました。開発チームとしても，非常に力を入れて作ったキャラクターなので，皆さんに楽しんでもらえるとうれしいです。

4Gamer：
　ありがとうございました。


　3月26日についに実装されるベンヤ。キャラクターの噂自体は，テイルズウィーバーの正式サービス前，オープンβテストの頃からあったが，当時詳しく情報を追っていた人であれば，ようやくの登場に感慨深いものもあるかもしれない。
　なお，このアップデートに合わせて，新サーバー「ブルエット」も追加される予定だ。ベンヤ実装の機会に新しく始める人，あるいは久しぶりに遊んでみようという人は，新サーバーでのプレイも検討してみよう。

「テイルズウィーバー」公式サイト