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印刷2013/04/22 22:11

イベント

「新・天上碑」,サービス開始10周年を記念したオフラインイベントを開催。“三次仙人(中級)“など2013年のアップデート計画が発表に

画像集#001のサムネイル/「新・天上碑」,サービス開始10周年を記念したオフラインイベントを開催。“三次仙人(中級)“など2013年のアップデート計画が発表に
 2013年4月21日,ゲームオンは,MMORPG「新・天上碑」の正式サービス開始10週年を記念たオフラインイベント「新・天上碑 感謝祭 〜天壌無窮〜」を,大阪で開催した。
 イベントでは同社ならびに開発を行っているGameOn StudioのCEOが登壇。さらに,2013年内に予定されているアップデート計画が,本作の運営プロデューサーなどによって発表された。そのほかにも質疑応答コーナーや,縁日のような催しなどが行われたイベントの内容をお伝えしよう。

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「新・天上碑」公式サイト



 イベントは,ゲームオンの代表取締役社長を務める李 相燁氏の挨拶でスタートした。李氏は,天上碑のサービスを10年も続けられ,それを記念したオフラインイベントを,個人的に思い入れがある大阪で行えることがとても嬉しいと語った。

 李氏が最初にゲームオンに入社した2002年当時は,世間のオンラインゲームに対する認知度は高くなく,会社の経営も決して順風満帆とはいえなかったという。最初にパブリッシングを手がけた新・天上碑(当時は天上碑)も,サービスを中断すべきか悩んだこともあったそうだ。

 また,激変するオンラインゲーム業界の中で生き延びるべく,開発会社を同社傘下であるGameOn Studioにし,運営から開発までの管理体制を変えたり,ビジネスモデルを“基本プレイ無料+アイテム課金”に変更したりと,時代に合わせて対応。

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ゲームオン 代表取締役社長 李 相燁氏
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GameOn Studio CEO キム・ジョンチャン氏

 そして,ゲームオンという会社が存続する限り,新・天上碑のサービスを継続し,さまざまなサービスを行い,ファンを満足させていきたいと締めくくった。

 李氏に続いて,新・天上碑の開発作業を行っているGameOn StudioのCEO キム・ジョンチャン氏が登壇。挨拶を行った後,開発会社の視点からこれまでのサービスを振り返った。

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 一つのオンラインゲームが10年もの間サービスを続けられるという事例は,日本はもちろん,世界的に見てもあまり多くない。新・天上碑がそれを成し遂げられた大きな要因として,開発会社であるGameOn Studioがゲームオンの傘下企業であり,ファンのニーズを運営から開発へ,着実に反映させるという体制を作りあげたことにあると語った。

 運営チームからの開発要請の中には,キム氏らがあまり馴染み深くないものも含まれていたそうだが,それらに対応する努力はいとわなかったという最近の事例として“タツノコプロ”とのタイアップを挙げ,彼等にとってリアルタイムで見たアニメーションではなかったものの,忠実に作ることを心がけたそうだ。

 また,そういったチャレンジングな試みも開発会社としてのスキルアップに結びついたと語る。これからの10年も,ゲームオンと密なやりとりを行い,頑張っていきたいと抱負を語った。


アップデートカンファレンス。2013年の導入コンテンツが発表に


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新・天上碑 運営プロデューサー 石元一輝氏(右)と,第一事業部 グループ長 石井英貴氏(左)
 続いて,天上碑の運営プロデューサーを務める石元 一輝氏と,以前プロデューサーを務め,現在は同社の別部署に所属する石井 英貴氏が登壇。2012年のアップデート内容を振り返り,来場客にとって気になるであろう,今後のアップデート予定に関する発表を行ない,2013年は,“夏・秋・冬”に,それぞれ大型アップデートを行うことを明らかにした。


【2013年夏 実装予定】「龍のダンジョン」
 2013年の夏に行われる大型アップデートでの大きな見どころは,「龍のダンジョン」なるものが7種類実装されること。これはプレイヤーキャラクターの強さに応じて,難度の異なるダンジョンが選べるという仕組みだ。

 龍のダンジョンは入場条件が独特で,サーバー内のプレイヤー達が狩りや修練,採集などを行うことで,特別なポイントが少しずつ蓄積される。それが一定量溜まると,龍のダンジョンへの入口が一定時間オープンするのだ。報酬は“龍の武器”を作るための材料や,セット防具の“鷹龍防具”などがあるという。

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 また,2013年夏の大型アップデートでは,「風水システム」「紫霞神功クエスト」も導入される。風水システムは,フィールド上で行う宝探し系のコンテンツだ。お宝のある場所の座標がヒントとして示されるので,プレイヤーはそれを頼りに探していく。

 もう一方の紫霞神功クエストは,自分のキャラクターが“耐性”のステータスを一定値以上に上げると受けられるというもの。達せいすると,耐性と力の2つが同時に上がるという強力な武技が得られる。現在はパラメータを慎重に調整しているとのことだ。

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龍のダンジョンのコンセプトアート。これまでゲーム内に登場してこなかった“龍”がモチーフで見た目も新鮮

【2013年秋 実装予定】「新日本MAP」
 続いての“2013年 秋”に実施が予定している大型アップデートでは,日本をモチーフにしたマップが追加される。最初に追加されるのは「平安京」がモチーフで,“東の国”よりも断然広く,出現モンスターもワンランク強くなっているという。ちなみにこれを含めた,各大型アップデートの実装前は,公開テストを行う予定とのこと。

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【2013年冬 実装予定】「三次仙人(中級)」
 最後に紹介された“2013年 冬”の大型アップデートでは,複数のフェーズからなる一連クエストをこなすことで変身できるようになる“三次仙人(中級)”が紹介された。三次仙人(中級)になると専用武技が習得できるだけに,クエストの難度は相当高くなるという。なお,コンセプトアートは,ラスボスをイメージして作ったとのこと。
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4月24日に行われるアップデートで,キャラクターを作成したあとに流れるムービーに,音声ナレーションが追加される。小山力也氏の渋いボイスに,ぜひとも注目してほしいとのことだ
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2013年3月に「ハクション大魔王」「黄金戦士ゴールドライタン」を皮切りに始まったタツノコプロとのコラボレートは1年にわたって続くとのこと
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2012年に行なわれたアップデートを振り返ると,“三次仙人”の実装により名声が2500以上のキャラクターが大幅に増えたという。この動きを踏まえて今後のアップデートでは,名声3000を越えるようなベテランプレイヤー向けのコンテンツ環境を整える必要性を強調した
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 カンファレンスに続き,GameOn Studioで開発プロデューサーを務めるシム・ヒョンソ氏が登場。石元氏と石井氏も交えた3人が,あらかじめ寄せられた質問に対して回答していった。主だった質問と回答を紹介していこう。

画像集#025のサムネイル/「新・天上碑」,サービス開始10周年を記念したオフラインイベントを開催。“三次仙人(中級)“など2013年のアップデート計画が発表に
 「今後はGMイベントも積極的に開催したいですね。オフラインイベントは,お客様からの要望があれば,日本全国どこにでも行きたいです。たとえば関東と関西でイベントを同時開催したり,名古屋や福岡といった遠方の人でも楽しめるイベントを企画したいですね」(石元氏)


画像集#026のサムネイル/「新・天上碑」,サービス開始10周年を記念したオフラインイベントを開催。“三次仙人(中級)“など2013年のアップデート計画が発表に
 「まずはモンスターの出現数を2倍に調整し,それで問題なければ3倍まで引き上げます」(シム氏)。「いきなり3倍にするとラグなどの問題が生じる可能性があるので,段階を踏んで作業します。また,幽玄場と同程度の難度で,新しい狩場を追加することも検討しています」(石元氏)

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 「“洛陽”クラスの街エリアを,いきなり追加するというのは難しいです」(シム氏)。「新たな街エリアの追加も検討していますが,とりあえずは日本MAPに利便性のあるNPCを複数追加し,洛陽の負荷を減らしたいです」(石元氏)

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 「単純に新しいサーバーを設置するだけでは,プレイヤーの人数がばらけてしまうなど,快適なプレイ環境が実現できないので難しいです。“肉の日”イベントに関してはおっしゃる通りだと思いますので,実装日は確約できませんが,改善要望を出していきたいと思います」(石元氏)

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 「闘魂可能時間はおそらく対応できますが,特務時間の4倍に関しては,ゲームバランスの観点から実装が難しいと思います。」(シム氏)。「武技スロットの変更は,UIデザインの調整が大変そうですが,不可能ではないと思うので検討します。プレイヤーのモチベーション向上に結びつくのなら,どんどん提案していきたですね」(石元氏)

 また,過去に行なわれたアンケートの集計結果も発表された。“10周年イベント”に関しては半数以上が満足しているものの,“攻城戦”のリニューアルは著しく不評で,コアプレイヤーに向けたコンテンツ整備が大きな課題と認識しているようだ。

 会場では,攻城戦を面白くするには実際にどうすればいいのか,来場客を交え活発な議論が行われた。来場客からの熱心な意見に対し,石元氏らの真摯な対応が印象に残った次第だ。

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 最後に,オフラインイベント終了後に石元氏と石井氏にインタビューをする機会を得たので,その内容を紹介しよう。

4Gamer:
 イベントを終えた感想を教えてください。

運営プロデューサー 石元 一輝氏(以下,石元氏):
 開催前はすごく不安だったのですが,無事に終えることができて今はほっとしています。

第一事業部 グループ長 石井 英貴氏(以下,石井氏):
 質疑応答については,お客様からどういった質問が来るのか予想できず,かなりドキドキしていました。運営に対する不満に終始してしまったらどうしよう……とか。
 しかし,「もっとゲームをよくしていこう」という建設的な意見が多く,励まされましたね。

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石元氏:
 お客様と対話できたのがとくに印象的でした。ぜひ,今後もこういった場を作って,新・天上碑をより良い作品にしていきます。

4Gamer:
 新・天上碑が10年ものあいだサービスを続けてこられた秘訣は,どのあたりにあるとお考えですか。

石元氏:
 一つは,頻繁にゲームのアップデートを行い,常に新鮮さを提供してきたこと。そしてもう一つは,お客様のコミュニティを大切にしてきたことだと思います。

4Gamer:
 しかも,日本ではあまりなじみがない武侠がテーマでありながらというのが,すごいですよね。

石元氏:
 外から見るとそういった印象を持たれるのかもしれませんが,実際に遊んでみると違和感はないです。

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石井氏:
 今回のようなオフラインイベントを開催し,大勢のお客様に集まってもらえたというのが,一つの象徴といえるでしょう。
 内部的な話になりますが,こういったオフラインイベントを大々的に開催するのは,会社としては労力が少なからずあるんです。しかし今回は,社長に相談した際に「ぜひやろう!」と快諾してもらいました。

4Gamer:
 カンファレンスのアップデート情報に関して,“三次仙人(中級)”が最大の見どころになると語っていましたが,そのほかキャラクターに成長に関する要素の追加予定はありますか。

石元氏:
 少なくとも“三次仙人(中級)”のタイミングでは考えていません。例えばキャラクターの成長速度は,2012年に三次仙人を導入したときに緩和しています。現状,キャラクターの育成はかなりお手軽な状況で,仮に同じことを行ってしまうと,簡単になりすぎてしまうでしょう。

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4Gamer:
 タツノコプロの50周年ムービーが上映されましたが,新・天上碑とのコラボレーションに関する具体的な発表は行えますか。

石元氏:
 2013年3月に「ハクション大魔王」と「黄金戦士ゴールドライタン」のコラボレーションを行いましたが(関連記事),お客様の中には,あれ単体の展開だと思われる人が多かった印象です。実際には,2014年3月まで1年間にわたって続くコラボレーションなので,それを伝えるという意味で上映しました。

4Gamer:
 では,タツノコプロのほかのアニメーションとの展開も期待できるわけですね。

石元氏:
 ええ。詳細が決まり次第発表させていただくので,ぜひご期待下さい。

4Gamer:
 では最後に,これからの10年に向けての意気込みをお願いします。

石井氏:
 私がゲームオンに入社して,初めてGMを担当したタイトルが新・天上碑です。また,初めてプロデューサーを担当したのも本作なんです。そういったこともあり,個人的にはこのタイトルに育ててもらったという思いがあります。これからの10年も共に歩んでいきたいですし,また少しでも,このタイトルを遊んでくれる人達に恩返しができるよう,努力していきたいです。

石元氏:
 新・天上碑が未経験だという人は,このグラフィックスで10年続くことを意外と思うかもしれません。。しかし,10年もサービスが続くのは理由がありますし,逆に理由がなければ終わっているはずです。
 天上碑はレベルやステータスのキャップが実質的にありませんので,ゲームシステムが発展する可能性はまだまだ残っています。この可能性に,お客様からのフィードバックを適切に合わせれば,今後10年でさらに発展できると信じています。そのためにも,今回のようなイベントを定期的に開催し,お客様との対話を続けていきたいですね。

4Gamer:
 ありがとうございました。

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「新・天上碑」公式サイト

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