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[E3 2005#157]ピーター・モリニューが送るハリウッド映画産業シム「Movies」
Moviesは,映画産業の聖地であるハリウッドを舞台にしたシミュレーションゲーム。プレイヤーは1920年代に設立された映画会社の運営を手がけることになり,以後100年間に渡って映画産業の興亡に関与していくという内容だ。
さて,すでにいろいろなゲームショウで出展され,大枠の情報は出揃った感のある本作だが,今回のE3では,ゲーム中の俳優達の"演技を指導する"インタフェースや収録された映像を編集していくインタフェース周りのデモンストレーションが主に行われていた。
面白いのは,演技する俳優たちの行動結果をスライドバー一つでリアルタイムに変化させていけるところで,例えば,一対一のカンフーアクションシーンを撮影中の場合,画面の下に表示されるバーを操作することで,片方がもう片方を一方的にやっつけるシーンにできたり,あるいは互角の戦いが繰り広げられるシーンにできたりする。スライドバーを左右させることで,押されながらも最後に大逆転! といったシーンが簡単に作れてしまうのは,非常に面白い試み。3Dキャラクターを使った映像作成というと,昔マイクロソフトが販売していた「3D Movie Maker」などを連想してしまうが,インタフェースの洗練度やゲーム的な面白味という部分を見る限りでは,Moviesはより多くの人に楽しめる内容になりそうだ。
ゲーム中で作った映像を任意のムービーファイルに変換して保存できるのも見逃せない特徴の一つ。つまりは自分で作ったムービーを互いに見せ合えるワケで,その用途が,単なるゲームには留まらない広がりを見せる可能性すらある。本作では,キャラクターの容姿や衣装などを自由に設定することもでき,またそれらユーザーが作ったデータをやり取りするサービス(ゲームサーバー)も用意される。
本作はシングル用の経営シムをベースとした作品ではあるが,ちょっと見方を変えれば,ユーザーコミュニティをベースとしたオンラインゲーム的な楽しさを持つ作品ということもできる。実際,わざわざデータの仲介サーバーなどを用意する意向を示しているのは,開発元であるLionhead社(ピーター・モリニュー氏)が,コミュニティの中で相互に刺激し/刺激されながら楽しまれていく形を,志向していることの現れといえるだろう。
一人でじっくり楽しめる経営シミュレーションゲームとしての面白さと,ユーザーによって育まれる+αの面白さ。Moviesは,その二つの面白さを内包する希有な作品であるかもしれない。期待して待ちたいところだ。ちなみに発売は2005年の秋が予定されている。(TAITAI)
- 関連タイトル:
The Movies 日本語版
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(C)2005 Lionhead Studios, Ltd. Published by Activision Publishing, Inc.