［E3 2006＃094］「Dungeon Siege II」の拡張パック「Broken World」

　日本でもリリースされ，RPGファンの間では高い知名度を誇る「Dungeon Siege II」（邦題 マイクロソフト ダンジョン シージ 2）に，待望の拡張パックが登場だ。「Dungeon Siege II: Broken World」（以下，Broken World）は，販売元をマイクロソフトから2K Gamesに変え，今夏中のリリースが見込まれている。発表されたのは2か月前のことだが，すでにスムースなアニメーションで迫力ある戦闘が楽しめるようになっていた。

　Broken Worldは，本編ストーリー終了直後からちょうど一年後のErbを舞台にしている。前作の結末で発生した大事件を契機に，世界が善と悪の真っ二つに引き裂かれ，混沌に覆われてしまっているという設定だ。
　The Familiarsという狂気集団が，エルフの洞窟を占拠したOvermageとも呼ばれるDark Wizard達と結託。Familiar Surgeonsという外科医ユニットを操って，さまざまなボティパーツを結合させた人造生物を作り出し，世界制覇へと乗り出したのである。
　本作では，ゲームプレイに変更が行われているようで，これまで以上にアクション性が強くなった印象を受ける。敵モンスターには人造生物が多いためか，死ぬ直前にプレイヤーや仲間達の近くに寄ってきて自爆死したりするものもいる。
　また今回は，自分の体力を消費して能力を一時的に引き上げるエルフのBlood Assassinと，ドワーフ種族のモンクともいえるFist of Soneという二つのクラスが採用されている。
　クラスシステム自体も大きく見直されている。本編で，マルチクラスのキャラクターを育てるためには，経験値をそれぞれの職業のスキル獲得に振り分ける必要があった。一方本拡張パックでは，複数のクラスをくっつけた新しいクラスを，プレイヤーが自由に作れるようになったのである。
　グラフィックス面でも改良されており，鎧や道路，建物などに照り返す光を表現するスペキュラーハイライティング効果などを採用。シリーズではお馴染みの派手な魔法効果と合わせて，古さを感じさせない仕上がりになっている。

　Broken Worldは，最短10時間ほどでクリアできるという。だが，クリア後に新たな仕様がアンロックされ，プレイヤーは総勢5人のキャラクターでの冒険を，再度楽しめるようだ。
　日本語版がリリースされる予定は，現在のところないようだ。とはいえ，ひょっとしたら英語版Dungeon Siege II本編とセットにしたゴールドパックの販売は，日本でも行われるかもしれない。（ライター：奥谷海人）