レビュー
「グラナド・エスパダ」第2次βテスト”4Gamer党”党首レポート
新機能や,第一次クローズドβテスト「Primero」(以下,β1)からブラッシュアップされた点などについては「Alliance体験レポート」を,本作の基本的なシステムについては「体験レポート番外編」を見てもらうとして,ここでは,「有志が集まって作られる一般の党には敵わないだろうけどさぁ,少なくともほかのメディアの党には負けないよね,普通」という密命(?)を帯び,無言でもない圧力を受けながら私Gueedが,党首として,そしてプレイヤーとして参加した今回のテストについて,レポートしてみたいと思う。
■テストの概要と基本的な仕様:党システムはまだ実装途上段階か
まずは,今回のテストの仕様とコンセプトをおさらいしておこう。
第2次クローズドβテストの名称は「Alliance」(アライアンス:同盟/連携/協調の意)で,新マップや新モンスター,戦闘をはじめとしたベースシステム,インタフェースの検証という部分は,β1とほぼ同様である。
ただし今回は上記に加え,専用マップによる対人のバトルシステム「トーナメント」が導入されている。テスターの大多数は,本作の運営元であるハンビットユビキタスエンターテインメント(以下,HUE)の公式掲示板などを通じて,一般的なMMORPGのギルドに当たる"党"に所属し,この新たなシステムを検証することになった。
なお今回のテスターは,HUEの公約どおりβ1の参加者,「暁のArtista」アートコンテスト入賞者など,本作への貢献度の高い人材を優先的に選定し,そこに若干名の新規応募者が加わった形だ。
党は,党首志望テスターがHUEのWebサイトにあるテスター専用ページで名乗りを挙げて,設立する。ほかのテスターは,党ごとの募集要項を見て,好きな党に入党する。
そしてメンバーを党首含め15人集めた党は,トーナメントへの参加希望を申請できるという仕組みである。
党は大きく分けて,一般応募テスターによる党と,各メディアから応募した"メディア党"の二つがあり,4Gamerから応募した人は,(不幸なことに?)筆者が率いる4Gamer党の党員として,テストに参加してもらった次第だ。
この党に関して,β2の時点でゲームシステム側でサポートされていたのは,メッセージ入力時に@(アットマーク)を先頭につけることで,党員のみとメッセージをやりとりできる"党内チャット"だけ。それ以外の交流は,もっぱら外部のチャットツールや掲示板で行う形となっていた。ゲーム内での党勧誘や,入党/脱党申請,ログインしている党員の確認や党員のステータスを把握するコマンドが用意されていないことに,多くのテスターが戸惑っていたようだ。
もちろん党主として参加した筆者もその一人で,「今ログインしてる人は?」「みなさんの状況は?」などと,激しい戦闘の最中にもしつこく党員のステータスを聞いていた。こういったコマンド類は今後徐々に追加されていくのだろうが,"党"を主軸にしたテストにもかかわらず,党内での連携方法に大きな制限とストレスがあったというのは,少し残念な部分である。
ただ,これまでのMMORPGの,できるだけゲーム内の機能でコミュニケーションを完結させようとるする姿勢に疑問を感じていた筆者としては,"外部ツールとの連携の余地を残した"と,少し前向きに解釈している部分もある。
ここは,これまで公式サイトの「バラック」(HUEスタッフによるブログページ)などゲーム"外"の部分で奇策(?)を講じてきたHUEと,開発元である,キム・ハッキュ氏率いるIMC Gamesのアイデアに期待したいところだ。
■テスト初日〜3日め。党主Gueedはこんな感じでプレイしました
【クローズドβテスト1日め 10月19日】
初日ということで,意気込んでテスト開始時間である16時にログインするも,いきなりコマンダー(要はプレイヤー)名でミス。コマンダーとして"Gueed@4Gamer"という名前を登録したのだが,後日実装された"党"タグにより,キャラクターの表示名が,XX Gueed@4Gamer[4Gamer]という恥ずかしいものとなる。半分職権乱用気味に「名前を直してください」とHUEの平田氏に懇願するも,「うーん,無理」と一蹴される。
今回はいくつかのメディア党も参加しているため,キャラクター選択は,ある程度トーナメントでの勝利を意識したものにした。具体的には,範囲魔法や遠距離攻撃などのスキルを有するウォーロックやマスケッティアは,ほかの党員が担当してくれるであろうと予想し,ファイター/ファイター/スカウトという,少しばかり偏ったキャラクター構成としてみた次第だ。
初日ということもあり,β1時点からの変更点を調査しつつ,ダンジョン「アル・ケルト・モレッツァ」でガンガンレベル上げを行う。
プレイを始めてすぐに気づいたのが,韓国のβ1に参加したときに苦言を呈した"操作性"が,大幅に改善されているということ。とくに大きいのが,狭い屋内で視認性を高めるための"透ける壁"の配置と,個別/全体の2種類に切り替えられる操作モードだ。
本作はMCC(Multi Character Control)というシステムを実装しており,一人のプレイヤー(コマンダー)は,最大3人のキャラクターを同時に操作する。そのためプレイヤーは,カメラをやや引いた俯瞰でキャラクター達を操ることが多いわけだが,β1時点ではダンジョンに透けない壁が存在していたせいで視界が遮られ,モンスターへのターゲッティングにかなりストレスがあった。これは,単純に透ける壁によって改善されていた。
また以前は,特定の1キャラクターをクリックすると常に"個別選択"となっていたため,3体すべてを選択する場合は範囲ドラッグをする必要があったのだが,これは"全体モード"という操作モードによって改善されている。この全体操作モードの実装によって,逆に個別選択モードにも意味が出てきて,3人のキャラクター別々にモンスターを割り当てたり,斥候として移動速度の速いスカウトだけを前線に送り込んだりなど,プレイの厚みが出てきた。慣れれば,全体的にかなり戦闘に集中できる操作性に仕上がっている。
実はこの初日,党タグと同様に"党内チャット"はまだ実装されておらず,党員との連絡をスムースにとることができなかった。"パーティ"という概念も今のところ本作には存在しないため,基本的には一人でダンジョンに潜り,ほかのプレイヤーに混じってモンスターをひたすら狩る。
とはいえ,中には自主的に一緒に行動し,疑似パーティを構成している集団もいたようだ。システムによる経験値の分配がないとしても,ドロップアイテムの集積効率アップと死亡率ダウンは,キャラクターの成長速度に大きな差を生んだことだろう。
β1時点では,モンスターのドロップアイテムの取得に優先権はなかったが,今回は敵を倒した後の10〜20秒ほど,コマンダーにルートの優先権が残るように変更されていた。
まぁそれでも,ほかのプレイヤーが倒したモンスターからのドロップアイテムを相当量拾ってしまった気もするが,そんなことは誰もあまり気にしていなかった模様。横殴りすらも,筆者はほとんど気にならなかった。
ちなみに,モンスターはしばしば,拾うとその場で体力が少し回復する"食物"をドロップする。クモ型のモンスターが"すし"をドロップする光景に,リンゴや食パンがじめじめしたダンジョンに平気で落ちている「ダンジョンマスター」を思い出していたのは,筆者だけではない……と思う。
そんなこんなで,初日終了時点でキャラクターレベルは22に。
どのクラスも,レベル15,30,45,60で装備が一新できるようで,またβ2からは特定のクラス以外は装備によってキャラクターグラフィックスに変化が出るため,次に装備が一新できるレベル30までモチベーションを高く保てると感じた。
しかしこの初日の段階で,"空中の敵に一切攻撃ができない"というチーム構成の致命的な欠陥が露呈する。狩り場は大体混んでいるため,ほかのプレイヤーが通りがかりに浮遊モンスターを退治してくれる場合が多いが,他党のプレイヤーに守られるメディア党の党首という絵は,ちょっぴり情けない気も……。
【クローズドβテスト2日め 10月20日】
この日も16時にログイン。初日の時点でレベル31に達した人がいたようで,こちらも慌てて狩り場に直行する。新マップ「テトラ遺跡ダンジョン」で,"赤い猿"と形容できるモンスター「フォビタン」を狩る。どうやら,中盤のレベリングでは最も利用するモンスターのようである。
テトラ遺跡ダンジョンは屋外の開放感溢れるマップで,起伏に富んだ地形でもあるので,効率の良い狩り場探しが面白い。
狩り場へのアクセスも比較的容易だ。これはNPC相手の売買などが中心の非戦闘フィールドである「リボルドウェ」に,ダンジョンへの案内NPCがいたため。NPCは近衛兵のような風貌で,話しかけるとアル・ケルト〜とテトラ遺跡のそれぞれ1F,3Fへとワープさせてくれる。
どちらも3Fへの直行には"鍵"が必要となっており,低いレベルのキャラクターが(アイテムを誰かにもらわない限りは)進入できない仕組みである。またどちらのダンジョンも二つの"チャンネル"が用意されていて,トラフィックが分散されるようになっていた。しかしその割には,どちらのチャンネルにどれぐらいの人がいるのか分からないので,チャンネル分けがキチンとその意味を果たしたのかは疑問である。少なくとも現時点では,いわゆる"インスタンス・ダンジョン"(プレイヤー,またはパーティ単位で作成する,個別エリア)の実装はないらしい。
さて二日めからは待望の党内チャットが実装されたため,狩りの合間に早速党員と連絡をとってみた。やはり何人かログインしている党員がいて,「まったりやりましょう,死ぬ気で。はははは」と雑談に興じる。
ただチャットウィンドウが小さいうえにサイズを変更できないため,どんどん流れていくメッセージを相当量見逃してしまうというのは,テスター共通の悩みだったようだ。
これは流れるメッセージそのものにも問題がありそうだ。例えば回復魔法を使用するのにアイテムXXが必要なキャラクターがいて,そのキャラクターがフォロワー(リーダー以外のキャラクター)でAI操作だった場合,アイテムを消費し尽くすと「XXが足りません。XXが足りません。XXが……」と延々とチャットウィンドウにメッセージが流れるのである。ここはひと工夫が必要だろう。
この頃になると,GEの戦闘にも慣れてきていた。やはり,若干のアクション性のある戦闘は,GEのプレイ中で最も愉悦を味わえる部分である。当然ほかのプレイヤー達も慣れてきており,モンスターを均等に配分(?)できる狩り場を確保し,たくさんモンスターを集めて範囲攻撃系スキルで一網打尽にするというスタイルが確立されていた。
筆者のファイターは,攻撃と防御のバランスのとれた(と謳われている)スタンス「バックガード」を強化して,連続攻撃のスキルを習得。範囲攻撃もあるにはあるが,やはりスペルキャスター系のウォーロックなどには効率が及ばず,レベル上げ競争の先頭を突っ走るプレイヤーとのレベル格差は埋まらない。
しかも,ノックバック(弾き飛ばし)やスタン(失神)の効果を伴う物理攻撃系スキル特有の問題なのか,一体のモンスターに対して複数のキャラクターでスキルを重ねて使用することはおろか,一方がスキル攻撃をしているときは,他方はモンスターに通常攻撃すら当てられない。この与ダメージの分散が結果的に被ダメージの増加につながり,効率が悪い。「ファイターに光を!」というのが,開発元への筆者の個人的な要望である。
とはいえ,この構成にも少しだけいい点がある。
敵の耐久度とHPがβ1に比べて全体的に増したためか,ファイターの高い防御力と,今回のβ2で最終的に"重要クラス"として位置づけられたスカウトの回復能力を組み合わせれば,戦闘におけるプレイヤーの操作がかなりラクになる。つまりこのパーティ構成だと,なかなか死なないのだ。
片方のファイターをリーダーにして,残りをフォロワー(AI操作)にすれば,ファイターが自動的に攻撃,HPが減るとスカウトが自動的に回復という,MMORPGにおいては夢の"手放し操作"が可能なわけだ。実際,筆者は何度も上記の状態でキャラクターを放っておいて,食事や用足しを済ませることができた。
実際には,キャラクターを放っておける場所でのハンティングでは,モンスターとキャラクターのレベル差の関係で経験値効率は非常に悪いわけだが,それでも可能か不可能かでは大きな違いがある。これができるということは,GEのレベリングにおける一つの特徴といっても過言でないだろう。
開発側がどの程度こういった放置プレイを許容し,この特徴にどういった味付けをしてくるかは,今後の見どころである。"全キャラがAI操作"になれば,MMORPGがプレイヤーから膨大な時間を奪うという問題の解決案の一つだろうが,「それってゲームですか」という意見が出るだろう。線引きとさじ加減に期待したいところである。
……というわけで二日めを終え,装備を一新できる目標の30を上回って,レベル34に。「4Gamer.Lobby」の第二次テスト総合ルームで聞いた話によると,この時点ですでにレベル48に到達していたテスターもいて,そろそろトーナメントでの勝敗が気になりだす。念のため編集部に「トーナメントでは一勝もできないかも」と連絡するも,「電話が遠い」との返事しかなかった。
【クローズドβテスト3日め 10月21日】
4Gamer党は党員のレベル帯がバラバラのため,集まってハンティングすることはなかったが,よその党はダンジョンの良さげな部屋に集まって狩りをしていたようだ。筆者が足繁く通っていたダンジョン3Fから2Fへ下った少し先では,強豪と目されるXcalibor党が集まってキャンプしていたので,そばでXcaliborの面々が狩り残した,もしくは筆者のために残してくれたモンスターと戦う。
さて,この頃には,β2で実装された「仲間にできるNPC」に興味を持ち出したプレイヤーが多くいたようだ。
今回から,リボルドウェの南で武器や防具を売るNPCなどを仲間にして,共に冒険できるようになっていた。仲間にする方法はNPCによってまちまちで,お金を積むだけで仲間になってくれるもの,会話によって成功フラグが立てば仲間になってくれるもの,そして"ファイターレベル60装備"などのレアドロップアイテムを所有して話しかければ仲間になってくれるものなどがいる。
筆者も,ウェポンマスター(武器屋のおじさん)を仲間にしてみた。
NPCは仲間になると,バラックでキャラクターメイキングするときと同様に,ドレスルームで新たなクラスを選択できるようになる。もちろんレベリングも可能で,さらに武器の装備までが可能だ。交渉条件の難しい"レアNPC"などもいて,キャラクターのレベルを上げ尽くしてトーナメントへの備えが終わった人や,志半ばにしてトーナメントを諦めた人などは,こぞってこのNPC集めに奔走していたようだった。
自分でいろいろと情報収集している人もいたが,GMに聞いてあっさり回答をもらった人も何人かいたようである。これも,レアドロップアイテム獲得と同様に,本作の面白い謎解き要素として,今後も強化してもらいたい。
前述のとおり,本作ではどの職業も,レベル15,30,45,60の段階で装備を一新できる。筆者のトーナメントまでの目標も,少なくとも45になっておくことである。力,敏捷,体力といった基本ステータスがクラスごとに固定されている本作では,レベルと装備によって大きな差が出る。レベル29と30,レベル44と45ではキャラクターの強さに決定的な差が生まれてしまうのだ。
……しかし,三日めを終えた時点でキャラクターレベルは42で,筆者はすっかり落胆し,トーナメントは諦めモード。しかし党員から,「何を言ってるんですか,しっかりしてください。明日も明後日もレベリングできますよ」と叱られ,急にやる気が出てきた。
とはいえ,それとトーナメントの勝敗とは別の話なので,「忙しくて試合に参加できない党員が多いし,やっぱり1回戦で負けちゃうかも」と編集部に電話したが,「電話が遠い」との返事。この日はもう寝ることに。
■PvPフィールドと,(久しぶりに緊張した)トーナメント
トーナメントに使用するのは,右の画面写真にある正方形の戦闘フィールド「リバティーコロシアム」。自陣と敵陣の本拠が一つずつ,そして中立のコロニーが五つ配置されたマップで,勝利条件は以下のとおりだ。
・相手チームを壊滅
・相手チームの本拠地を占領(敵陣のオブジェクトを破壊)
・すべてのコロニーを占領(オブジェクトにタッチ)
・3分間の戦闘終了時に,相手より多くのキャラクターが生存している
とまぁ,非常にシンプルである。
ただコロニーには,占領すると自陣のキャラクターの最大HPや攻撃力が増加するものがあるため,さまざまな戦略が立てられるだろう。ザッと思いつくだけでも,
・試合開始と同時に全員で敵陣を目指す
・隊を複数に分けていくつかのコロニーを占領し,そのアドバンテージを確保しつつ敵陣を目指す
・党を五つの部隊に分けて,敵本陣は無視して全コロニー占領を目指す
など。さらに,"スカウトは足が速い" "スカウトの魔法「アクセラレーション」で移動スピードをアップできる" "範囲魔法で敵を眠らせられる" "物理攻撃が非常に強い"といった多くの要素を考慮しつつ,党全体でのキャラクター構成,そして各コマンダーのチーム構成を考えて戦略を練るのは,実に面白い。
もう終わってしまったので明かしてしまうと,4Gamer党の基本戦略は,攻撃力Upコロニーを占領しつつ,敵本拠地を破壊するというもの。「弱小なんだからもっとトリッキーにいけよ!」という感じだが,"アクティブにログインしているコマンダーが少ない(試合はいつも,党首含め4〜6人程度)" "スカウトのアクセラレーションが使えない"というのが,戦略の幅を狭くした原因だ(言い訳?)。
結果からいうと,初日の1回戦では人数差を跳ね返してログイン党を撃破し,二日目の2回戦では,人数の差を埋められないままGpara党に撃破された。こうやってサラッと書くとあまり負けた気がしないのが不思議だ。ちなみに優勝したのは,Xcaliborと並んで優勝候補とされていた,ReExodus党。
しかしこのPvP,緊張感がハンパではなかった。言い換えると,「面白い」。4Gamer党でも対戦前は「SP(スキルを使うのに必要)溜めた?」「アイテム揃えた?」「○○○○党ぶっ○すぞ!」「うぉー超負けたくない!」「みんなお願い!頼りにしてるから!」(これは筆者だ)と,大盛り上がり。
この緊張感は,やはりアクション要素の強いGEならでは。加えて,キャラクター育成も含めて五日間という,短期決戦のなせるワザだろうか。試合前の緊張感は,まるで格闘ゲームのようだった。
実際対戦時に必要な操作も,戦術によってある程度手順を決めておかなければならない。筆者の(ファイター/ファイター/スカウト)というチーム限定の操作でいえば,試合開始から,
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スカウトのアクセラレーション発動(チームの移動速度などをUp)→スカウトのスタンスをファーストエイド(回復モード)に切り替え→本陣突撃。その間にリーダーをファイターに変更→ファイターのスキルショートカットアイコンに指を置く→適陣についたら二人のファイターのスキルを交互に発動→スカウトはマスキュア連打(チームのHPを回復)
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といった具合である。これはごくシンプルな例で,戦術が変わればこれらのルーチンをあらためて見直す必要が出てくるだろう。各クラスのスキルとスタンスを把握できれば,党首の指示出しなども相当複雑で面白いものになっていくはずだ。
テストの初日を除いた4日間は,いつでも党主が任意の党に対戦を申し込んで練習試合が組めるシステムとなっていた。対戦を申し込まれた党主が対戦を受理する場合は,申し込みのメッセージが届いてから2分以内に返事を返す。対戦を受理すると,二つの党が10秒の待ち時間の後,対戦フィールドに強制的に転送される。逆に,申し込みから2分を過ぎると,自動的に対戦要求は破棄される仕組みである。
このあたりでも,まだこなれていない部分が多くあるように感じた(だからこそのクローズドβテストなのだが)。
例えば対戦を申し込まれた側の党主は,素早く党員に,対戦を受理するかどうかの確認をとらなければならない。これが,結構手間なのである。
現在の仕様では,対戦が終了するとアイテムショップに戻るため,ダンジョン深層で狩りをしているプレイヤーは,対戦を望まないかもしれない。また本作にはバラックに複数のキャラクターをストックできるため,コマンダーが常にベストメンバーで冒険を行っているとは限らず,その場合対戦用のキャラクター変更などが必要になる。
これは,待ち時間の問題ではないだろう。システム側で,党の"対戦可能"フラグの確認などがほしいところである。あと,いずれ党同士のレベル格差を吸収するためのマッチングシステムなどが必要になってくるとも感じた。ただ,以前行ったインタビューでキム・ハッキュ氏は,「おそらく,レベルによる条件は設けません」と話していた。一体どう料理されるのか,ハッキュ氏の手腕に期待したい。
■まだまだ"面白さの底"が見えないGEのゲームデザイン
今後に実装されるという"政治システム"はひとまず横に置いておくとしても,数日でレベル50に達するレベリングの速度がどう変化するのかが気になるところ。今後もこの五日間のテストと同様のレベリング速度を維持するならば,本作の主なプレイ内容は,必然的にPvPのバトルシステムとなるだろうし,速度を下げてPvE(プレイヤー vs. 敵モンスター)をメインとするなら,装備品の大幅な追加と対象レベル帯の変更,ダンジョンおよびモンスターの大量追加が必要となるだろう。
ただ,現時点で一つだけ確実に言えることは,あくまでも"戦闘の面白さ"が,本作のゲームデザインの基礎となっているということ。本作は,数々のパッケージゲームが,オンライン化に伴って失うか,または形を変えてしまった"アクション要素"と"爽快感"を有し,そしてさらに磨きがかけられようとしている。
そのため,MMORPG発祥以来の「時間をかけ,知識を集積したものが勝つ」というこのジャンルの本質(もちろんこれをすべて否定する気はないが)を,覆すゲームシステムになるよう,個人的に期待している。
この先,次のクローズドβテストまで多少間が空いてしまうと思うが,すべてのGEファンは,"今回のテスターが作り上げたフィードバックの(HUE,およびIMC Gamesから返される)フィードバック"に注目しよう。
最後に,4Gamer党として参加してくださったみなさん,および他党(党に所属せずにプレイしていた人も含む)のみなさん,五日間のテストお疲れ様でした。党の垣根を越えて,いろいろとサポートしていただき,ありがとうございました。
私Gueed率いる4Gamer党は,メディア党No.1の座を見事に逃しましたので,党主は早々に退散したいと思います。次のテストでお会いしましょう。(Gueed)
<注意>
「4Gamer.Lobby」内のグラナド・エスパダ第二次クローズドβテスト関連ルームは,10月28日で締めさせていただきます。それ以降は,これまでどおり「#グラナド・エスパダ総合」で会話をお楽しみください
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