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基本プレイ料金無料化以降,「ストラガーデン」はどう変わった? 運営元/開発元が語る,これからのストラ事情
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印刷2006/02/02 18:27

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基本プレイ料金無料化以降,「ストラガーデン」はどう変わった? 運営元/開発元が語る,これからのストラ事情

可愛らしいキャラクターと,ターン制の戦闘システムが特徴的な,国産MMORPG「ストラガーデン」
 「ストラガーデン」は,ほのぼのとした雰囲気が好評で,カジュアルゲーマーを中心に人気を集めている国産MMORPG。2005年12月21日に基本プレイ料金無料&アイテム課金方式(月額のプレミアムサービスもあり)に移行したので,そのタイミングで本作を知ったという人も多いことだろう。
 ストラガーデンの運営元は東京のゲームガーデン。企画元はフロム・ネットワークス。そして開発元は大阪のドワンゴということで,これまでなかなか三社から話を聞ける機会がなかったのだが,某日,ドワンゴのネットワークゲーム開発部部長・山口氏が,東京へ来ているという情報を入手。ゲームガーデン/フロム・ネットワークス/ドワンゴのキーパーソンに集まってもらい,ストラガーデンについてあれこれ語ってもらうことができた。
 基本プレイ無料化以降,同作を取り巻く環境はどう変化したのか。それを受け,ストラガーデンはどういった方向を目指すのだろうか?



ゲームガーデンGSP事業部 長谷部氏。ストラガーデンは、個人的に課金して楽しんでいるそうだ
■アイテム課金の導入で新規登録者数が前月比約7倍!
 ストラガーデンの運営/開発に関わるキーパーソンにまず聞きたいのは,やはり,基本プレイ料金無料化以降,プレイヤーの質と量がどう変化したかという点だ。その問いに対してゲームガーデンの長谷部氏は,「2006年1月現在で,アクティブユーザー数は前月比で約3倍一か月あたりの新規登録者数は前月比で約7倍を記録しています」とのこと。「数」という面では,実に劇的な変化が見られたようだ。具体的な会員数については,「近々キリのいい数字になるので,そのときに改めて発表させてください」とかわされてしまったものの,プレイヤー人口は右肩上がりで増えているとのこと。
 一方「質」に関しては,無料でプレイできるようになったことで,プレイヤー層の低年齢化が見られるかな,などと考えていたのだが,長谷部氏は「プレイヤーの年齢層は,無料化前とほとんど変わりません。純粋に拡大した感じですね。それと,一旦ストラガーデンから離れていた元プレイヤーの多くが,復帰してくれたことも印象的でした」と語る。ゲーム内の雰囲気は「ほのぼの」のままだが,より賑やかになったということだろう。また,「実はストラは,女性プレイヤーも多いんですよ。登録情報が正しいなら,男女比は6:4くらいじゃないかな。ファンのブログを見ていると,ご飯の支度しなくちゃ,なんていうコメントもよく見かけるから,主婦層にもプレイヤーが多そうですね」ともコメント。作品の持つ,可愛らしくほのぼのとしたイメージと,基本プレイ料金無料化がもたらした恩恵は,実に大きいものだったようだ。

ストラガーデンには多種多様な装備品が用意されており,コーディネートのバリエーションが非常に豊か。女性に受けるのも納得である。


 前述のとおり本作は,アイテム課金方式とプレミアムサービスの併用というビジネスモデルが採用されている。プレミアムサービスに関して長谷部氏は,「ストラガーデンは最近流行のアイテム課金へと移行しましたが,付加価値としてプレミアムサービスを導入しています。これは,遊園地の年間パスポートみたいなもので,一定料金を支払うことで,さまざまな特典が得られるサービスです」と説明してくれた。
 すでに4Gamerでも紹介しているが,ここでもう一度おさらいしておこう。

■プレミアムサービスの料金体系
30日コース(1350円)…プレミアムサービス+1500ストラポイント
90日コース(3900円)…プレミアムサービス+4500ストラポイント

■プレミアムサービスの特典
1.ストラポイントの追加購入時のポイントが10%Up
2.プレミアム会員専用のストラモールアイテムを購入可能
3.結婚式を開催可能
4.プレミアム会員専用イベントへの参加
5.ゲーム内でファミリア(ペット)を連れて歩ける
※1ストラポイント=1円

 本作で有料アイテムを購入するには,ストラポイントという電子マネーを買う必要がある。1500円分以上のストラポイントが必要なときには,直接ポイントを買うよりも,プレミアムサービスを利用するのが賢い選択といえる。
 プレミアムサービスの特典の中で,とくに注目したいのは,結婚式だ。これは大安のみの限定イベントで,応募者の中から抽選で一組(男性キャラクターと女性キャラクターの二人一組)だけが挙式を行えるというサービス。当選者は複数人の神父役GMから一人を選び,挙式の進行を担当してもらえるという。GMが挙式の進行をするというのも面白いが,メッセージ入りリングがもらえたり,初めての共同作業としてGMとのデュエルが楽しめたりと,なかなかアットホームかつ本格的。もちろん,挙式を上げるには費用(ゲーム内通貨)がかかるのだが,それでも応募は殺到しており,時には抽選倍率30倍以上になることもあるという。
 さらに,「今後もプレミアムサービスのコンテンツ拡充を図っていきます。現在の五つのプレミアムサービスに加えて,新規サービスも提供していきたいですね」とも語ってくれた。詳細については未定だが,すでにいくつかの案が出されており,現在選定中とのこと。新サービスについては,近いうちにお伝えできることになりそうだ。
 そのほかビジネス面に関しても,提携先の拡大パッケージ版の発売PCへのバンドルといった構想がある模様。これらに関しても,正式リリースは近そうだ。

GMが神父役を務める,ユニークな結婚式サービス。最初の共同作業として,GMとのデュエルが楽しめるという


ドワンゴ ネットワークゲーム開発部部長山口氏。普段は大阪の開発室で作業をしている。イベントなどは最も旬なタイミングに導入したいと話していた
■2006年のアップデート情報は?
 さて,基本プレイ料金無料化が成功し,幸先のいい「第二のスタート」をきったストラガーデンだが,2006年のアップデート計画はどうなっているのだろう? たまたま大阪から来ていたドワンゴのオンラインゲーム開発部部長・山口氏に聞いてみた。
 「先日,植物栽培クエストを導入したばかりなんですが,ほかにもサブクエストや,『魔王編』という新シリーズのクエストを準備中ですよ」とのこと。山口氏は,プレイヤーのレベル分布や人数,流行などをチェックしつつ,ギリギリまで調整を行った上でアップデートを行うスタイルを好むという(運営泣かせともいう)。よって,「○月×日に■×△を導入!」といった具体的な話は,こういう席では話しにくいそうだ。「強いていうなら,三か月に一度は"大きな何か"を導入していきたいですね」とのことだが,とにかくギリギリまで調整を行い,仮に納得のいかない仕上がりだった場合には,投入を見送ることもあるというから,"職人"である。運営を担当するゲームガーデンとしては,喜んでいられないだろうが……。ちなみに,各種仕様の開発/調整は,小さなものだと二週間くらい,大きなものだと一か月〜三か月ほどの時間を要するという。
 また,「あまりいうとゲームガーデンさんに怒られちゃうかな?」と前置きしつつ,「現在新マップを作って調整中です。従来のマップとは全然雰囲気の違うものになっているので,あれこれ想像してみてください」という新情報も得られた。少なくとも,一般的なフィールドやダンジョンではないようだが……。情報公開を待ちたい。
 そんなさまざまな新要素を開発中の山口氏だが,プレイヤーの生の声がアイデアの原泉になることも多いとか。サポートに届くメール,ファンサイト/ブログ,GMの意見を始め,自らゲームにログインし,プレイヤー達の声に耳を傾けるという。なお,開発者や運営者の多くは,プライベートでストラガーデンを遊んでいるらしい(課金もしているそうだ)。思わぬキャラクターが,実は運営/開発側の人だったりするかも……?



フロムネットワークス大山氏。取材ではあまり多くを語らなかったが、海外展開に関する貴重な情報を話してくれた
■巡る季節,ケータイ電話,海外展開……
 準備されている新要素は,各種システムやクエストだけではない。MMORPGには欠かせない「イベント」に関しても,山口氏は力を入れている。「やはり,ゲーム世界を生きたものにするには,季節にちなんだイベントは欠かせませんよね。クリスマス,大安,バレンタインデー/ホワイトデーなど,特別な日には,特別なイベントを用意します」と語る。そういうことをマメに続けてきたおかげで,現在の山口氏は,現実でもゲーム世界でも,イベントに敏感な人間になったという。
 ちなみにゲーム内では,最低でも月に五つくらいは何らかのイベントが用意されている。その中には,プレイヤー達が発案したものもあり,エモート機能を組み合わせて踊りを再現する「ストラ音頭」や,多数のプレイヤーが集まって行う「人間ドミノ」などは,インゲームの流行をうまくイベント化したものだという。
 また,ドワンゴといえばケータイ分野でも有名。ケータイとストラガーデンの連動企画はないのだろうかと疑問に思っていたところ,山口氏はケータイを取り出して「実はストラガーデンをストリーミング配信しているんですよ,パケ放題じゃないと通信料が大変なことになっちゃいますけど,画面を見ていると,ストラを立ち上げたくなるんですよね。今後はケータイと連動したイベントなども実施してみたいです」と話してくれた。ストリーミング配信は,ドワンゴの「パケラジ」というサービス上で行われており,現在は定点カメラのようなもの。いずれはGM視点の配信なども検討しているそうで,オフラインイベントやインゲームイベントとうまく絡められれば,非常に面白い試みになりそうだ。
 さらに,フロム・ネットワークスの大山氏からは,「実は韓国でのサービスインも決定しています」という情報が初公開された。「韓国と日本では,個々に独自のアップデートを行っていくので,同じストラガーデンでも,別の進化をしていくことになります。しかし韓国版で好評なイベントを日本語版に移植するなど,相互協力の体制を整える予定です」とのことなので期待。なお,韓国版の開発はドワンゴではなく,韓国のメーカーが担当することになるが,現在はまだ発表できない段階だという。この話が軌道に乗ったら,ストラガーデンのプレイヤーは,韓国版のアップデート情報もチェックしておくのがよさそうだ。

 最後に4Gamer読者へ向け,「ストラガーデンは,MMORPGとしては珍しく,アクション性を廃した戦闘システムを採用しています。初心者でも落ち着いて,奥深い戦闘が楽しめるし,服装のコーディネートに関しても,億を超えるバリエーションがあります。また,可愛らしいキャラクターや多彩なエモートも,多くのプレイヤーに愛されています。MMORPG初心者には,声を大にしてオススメできるタイトルなので,興味のある人はぜひ一度プレイしてみてください」というメッセージが。2005年末にアイテム課金制が導入され,会員数も徐々に増加してきたし,今後は韓国との提携,PCへのバンドル,パッケージ販売,さらにはケータイとの連携なども検討されており,ストラガーデンの露出もさらに高まっていきそうである。
 一度ピンチを迎えているが,無事に復帰したストラガーデン。ライトユーザーにもアピールできるMMORPGとして,そしてまだまだ数が少ない「国産MMORPG」として,さらなる発展を期待していきたい。(Murayama)

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