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[E3 2004#002]あの歴史RTSに続編が登場「Empire Earth 2」
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印刷2004/05/13 13:00

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 [E3 2004#002]あの歴史RTSに続編が登場「Empire Earth 2」 - 2004/05/13 13:00


 先月の2004年4月に制作のアナウンスがされたばかりの歴史RTS「Empire Earth 2」(以下,EE2)は,早速Vivendi Universal Gamesのブースの中で展示されていた。発売が2005年の上半期ということもあり,流石にプレイアブルな試遊台はないだろうと思いきや,ひょっこりとにプレイアブルなデモが置いてあったのにはちょっと驚きである。ただ,アナウンスされているいくつか要素がまだ盛りこまれていないなど,大まかな方針が決まって動いてはいるが,細かい要素の作り込みはまだまだこれからといった雰囲気だ。

 軽く紹介しておくと,「Empire Earth」(以下,EE)とは,石斧や石弓の飛び交う原始時代から,ロボットが闊歩しレーザーや核がうなりを上げる近未来までという,人類の壮大な歴史を題材にしたRTSだ。日本でも大ヒットした人気RTS「Age of Empires」のリードデザイナーであるRick Goodman氏率いるStainless Steel Studios社が制作を担当。2001年度のRTSの中でもとくに高い評価を得た作品の一つである。
 ゲームシステムとしては,資源を集めながら施設の建設や軍隊の育成を行うという,いわゆる"Age系"の流れを組むオーソドックスな内容であったが,フル3Dグラフィックスによる迫力ある戦闘描写(爆撃機,とくに核爆撃機の爽快感は格別だった)や,テンポの良いゲーム展開によって,国内でも大ヒットとはいかないまでも,スマッシュヒットと呼べる人気を確保した作品だといえる。





 EE2は,そんな佳作タイトルの"正統な"続編。EE2では全14種類の文明が登場し,それぞれに特殊ボーナス,ユニークユニット,リーダーユニットが用意されるなどと,大まかなスタイルは前作のそれがほぼ完全に踏襲されるほか,シングルキャンペーンでは,アメリカ,ドイツ,韓国の三つの陣営が用意されるという。
 そんな中大きな特徴はというと,新たなゲームエンジンが搭載されているという点。グラフィックが格段に進歩しているのは当然として,雨や雪などの"天候"の概念が導入されているのは,ゲームにも影響を与える面白い部分だろう。ブースにいたSierra EntertainmentのConan E. Chamberiain氏に聞いたところ,なんでもこの"天候の要素"は,戦闘にも大きく影響を与えるとのこと。雨や雪のときにはユニットの視界や攻撃の命中率が現象するほか,強い風が吹き荒れる嵐などのときは,ヘリコプターの移動が不安定になったり,飛行機の離着陸に制限が掛かったりすることを考えているという。マニア向けの戦術系RTSならいざしらず,メジャーを目指す作品としては,これはなかなかに珍しい仕様だといえる。

 また,昨今のRTSで課題となっている"煩雑さ"を解消するための"Citizen Manager System"というシステムの導入や,マルチプレイに新たなプレイスタイルを加えるゲームモードの追加など,ゲームとして一歩進化するために数々の要素が盛り込まれていくという話。Citizen Manager Systemの詳しい内容についてはまだ分からないが,従来のRTSで非常に手間の掛かる部分であったCitizen(市民)のタスクの簡略化のほか,ゲーム全体としてのインタフェースのドラスティックな改良が試みられているようだ。
 ブースで作品の紹介をしてくれたChamberiain氏の話によれば,軍事ユニットにもより精度の高いAIを搭載させることで,とかく"ごちゃごちゃした乱戦に終始しがち"だった従来のRTSの戦いを,よりスマートに,かつ面白くしていく方向性を目指すのだという。マルチプレイにしても,軍事のみだけでなく,経済面や政策,文化的要素の成果に対してプレイヤーに報酬を与えるという新たなルールを儲けるなど,幅広い楽しみ方を可能にするようだ。また対戦だけでなく,複数のプレイヤーと協力して敵を打倒していくCo-opモードなども充実させる方針だという。
 おおよその話を聞く限りだと,2002年度に発売された「Rise of Nations」の影響を色濃く感じる気がしなくもないが,歴史RTSとして本作がどういった方向性を目指すのか,その完成が待ち遠しい限りである。

 とはいえ,昨年に前作EEの亜流的作品となる「Empires:Dawn of the Modern World」(邦題:エンパイアーズ 〜近代の夜明け〜)が,Stainless Steel Studios社と新たに契約を結んだActivitionから発売されるなど,制作会社自体及び作品の生みの親ともいえるRick Goodman氏が,タイトルの権利を抱えるVivendi Universal Games(およびその傘下であるSierra Entertainment)から,いなくなってしまっている点は微妙に不安を感じてしまうところ。
 ただ,"Empire Earthの血脈"が完全に消えてしまっているのかというとそうでもなく,本作の開発は,EEの公式拡張パック「Empire Earth: The Art of Conquest」の制作を手掛けたMad Dac Softwareが担当している。同社は,経験豊富なゲーマーを数多く抱えるゲームバランスのチューニング会社(日本における猿楽庁のような存在)。拡張パックのみならず,EE自体のバランス調整も同社が行っていたことを考えると,プレイ感覚やバランスという面においては,さほど心配はいらないのかもしれない。ともあれ,本作は歴史ゲームファンならチェックしておきたい作品。今後の続報を待とう。(TAITAI)

Copyright (c) 2004 Sierra Entertainment, Inc. All rights reserved.

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