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印刷2004/09/26 01:30

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[TGS2004#39]日本でもオープンβ真っ最中! 「R.O.S.E. Online」開発者に聞く日本サービスの詳細
2004/09/26 01:30
Gravity社のJong, Sung-Woo氏(写真左側)と,Triggersoft社のKim, Chris氏(右側)
 「ラグナロクオンライン」(原題「Ragnarok Online」)の開発元として知られるGravity社が,初めてパブリッシングを行うMMORPG,「R.O.S.E. Online」。その"可愛らしさ"を追求したグラフィックスと,さまざまな要素を意欲的に取り込んだ要素が受け,韓国ではオープンβテスト開始わずか4日で同時接続者数3万7000人を数えるなど,非常に好調な滑り出しを見せている。
 さて9月24日13時半,同社会長の金正律(キム・ジョンユル)氏の宣言によって,突如日本でもオープンβテストが開始となった(関連記事は「こちら」)。韓国版のβテスト開始からわずか10日間の差で日本でもβテストが開始されるというのは前代未聞のことで,いかに同社が日本市場を大事にしているかが見て取れる。
 そして9月25日,一部の日本メディア及び韓国メディアを集めて,本作の開発を担当するTriggersoft社の社長Kim, Chris氏と,Gravity社側のプロダクトマネージャーJong, Sung-Woo氏(本作の第一報「こちら」で筆者が話を聞いた人物だ)による,より詳しい説明が行われた。

 本作の説明は,24日13時半に始まったばかりの日本オープンβテストの状況報告から始まった。24日の電撃的なオープンβテストの開始は,我々メディアにも直前まで秘密にされており,おそらく本作に注目していた多くの人にさえ,このNewsが届くには時間がかかったと思われる(今この記事を読んで初めて知ったという人もいるだろう)。
 それにも関わらず,早くも(この説明会は25日午前11時に行われた)同時接続者数で6500人を突破,登録人数も1万2000人に達しているという状態だった。Gravity社の広報を担当するWoo, Ju-yunさんは,この数字に触れて「驚くべき状況であり,嬉しい状況です」とコメントしていた。



 さて続いて,Kim, Chris氏による,パワーポイント(画像参照)を用いての本作の説明が行われた。ほとんどは以前Jong氏に聞いた話「こちら」と同じだが,今回新たに分かった情報をメインに,またあらためて全体を紹介しよう。

 まずはお約束の説明,R.O.S.E. Onlineというタイトルの由来だ。
 "R.O.S.E."部分はRush On Seven Episodesの略であり,これは舞台が七つの惑星であることや,それぞれの惑星に一つのテーマ,つまり計七つのテーマを持っていることから来ているという(そのほか,本作ではありとあらゆる場面で7という数字がキーとなる模様)。各惑星はテーマに合わせて景色や登場モンスターなどがガラッと変わるため,Kim氏は「七つのゲームで遊べるようなものです」と表現していた。「Dark Age of Camelot」の三つのレルムや,「EverQuest」のPlaneみたいなものだろうか。

 本作の大きな特徴の一つは,舞台が先述したように"惑星"であることだろう。惑星と惑星の間には交易や戦争が行われているというのだから,確かにスケールが大きい。ただ韓国版,日本版ともに現在オープンしている惑星はジュノンのみで,その次のルナは,韓国版で10月中のオープンが予定されている。オープンβテストの開始時期がわずか10日間だったことを考えると,やはりそのくらいの時間のズレで,日本でもルナがオープンされることだろう。なおその後は,約3か月に1回のペースで,惑星を追加していく予定とのこと(追加される順は,パワーポイント画像に書かれた順そのまま)。

 パワーポイントの説明を読んでいくと,ダイナミックなモンスター狩りという項目で,「それぞれの攻撃スタイルを持つモンスターが10種類以上」という文章を見つける。これはちょっとややこしいので,解説しておこう。
 もちろん本作に登場するモンスターは10種類程度ではなく,軽く100種類以上とのことだ。ここで書かれている10種類以上というのは,"攻撃スタイル"にかかっている。なんでもモンスター達もスキルのようなものを使い,これまでのMMORPGのモンスターのイメージを超えた,さまざまな攻撃を行ってくるという(ちょっと聞いた話では,プレイヤーキャラクターの攻撃を完全に防いだりかわしたりするもの,プレイヤーキャラクターの力を弱めるものなどがあるらしい)。この攻撃方法が,10種類以上というわけである。

 クランというのは,一般的なMMORPGでいうところのギルドである。各惑星で一番のクランだけが,惑星戦に参加できる。一方のユニオンというのは,元々その惑星に存在している,クランよりも大きな組織だ。クランがプレイヤーキャラクターの集合であるのに対し,ユニオンはNPCが率いており,そのNPCからの命令に従って大規模なユニオン戦に出陣したり,クエストをこなすことになる。このユニオンは,いうなれば「信長の野望 Online」の大名家のようなものだろう。
 チューニングシステムの項で紹介されている"カート" "キャッスルギア" "飛行艇"は,アルチザンというクラスが作成可能。カートやキャッスルギアは既報の通りで,飛行艇というのは,惑星間の移動に使う乗り物だ。惑星間戦争で使うのも,この飛行艇である。
 これらは使っていると壊れてくるので,修理する必要が出てくる。ちなみにキャラクターのレベルが50に達すると,カートクエストを取得でき,ドライビングができるようになるそうだ。



 これ以外の部分は既報か,掲載したパワーポイント画像を見れば分かると思うので,省略。説明会はこのあと,質疑応答の時間となった。いくつかメディア陣から出た質問とそれへの回答を,紹介しよう。

Q:ラグナロクオンラインのように,今後日本を舞台にしたようなマップは登場するのか?
A:マップかどうかは分かりませんが,そういったグローバルな要素は入れる予定。例えばクエストやアイテムに,その国ごとの文化を反映させることなどもできる。

Q:韓国版と日本版のアップデートにほとんど時間差がないことに,危険性はないのか?
A:Gravity社にはラグナロクオンラインで培った世界展開のノウハウがあるので,問題ない。むしろこの時間差のなさが,メリットになるだろう。

Q:RMT(リアルマネートレード)などの行為への対策は?
A:まだオープンβテストが始まったばかり。これから状況を見ながら対応していく。

Q:韓国での評判はどうか?
A:多様なプレイが楽しめるという点で,評価されてる。言い換えれば,本作は既存のMMORPGのように,単純作業を繰り返す必要がないのが好評のようだ。ちなみにオープンβテストの登録者数などは先ほど発表した通りだが,それとは別にオープンβテスト開始以降,掲示板に毎日3000件もの書き込みがある状況だ。

Q:ラグナロクオンラインとのシナジー効果は期待できるか?
A:ラグナロクオンラインは2Dであり漫画的で,R.O.S.E. Onlineは3D。見た感じもコンセプトも違うが,こちらはこちらでラグナロクオンラインに負けないタイトルにしていきたい。

Q:本作の場合も,ラグナロクオンライン同様,メディアミックスが行われるのか?
A:まだ本作はテストが始まったばかりなので,具体的な話はできない。とはいえせっかくGravity社にアニメやグッズ製作のノウハウがあるので,うまく展開していきたい。

Q:この頭身の低い特徴的なグラフィックスは,日本や韓国でどのように評価されている?
A:さまざまなMMORPGが出てくる中で,我々は新しいトレンドを作っていきたいと思っている。本作のグラフィックスも,グローバルに受け入れられるものということを念頭に置いて作った。これがトレンドになればと期待している。

 ところで一つ。
 Gravity社としては,今年(2004年)が東京ゲームショウの初出展となるわけだが,なぜ従来通りガンホー・オンライン・エンターテイメントと協力していないのか,気になった人もいるだろう。そこでR.O.S.E. OnlineのサービスはGravity社がじきじきにやるのかと聞いてみたが,まだ発表できる段階ではないという返事だった。正式サービスの時期も未定という段階で,とりあえずはオープンβテストの状況を見てから,というところなのだろう。

 ここから先は余談だが,この直後にガンホーの森下社長に会う機会があったので,Gravityの単独出展について水を向けてみた。
 ガンホーとGravityが結んでいる"独占包括永続提携"は,Gravityがデベロッパとして扱うタイトルにのみ関係するため,Gravityがパブリッシャとして扱うR.O.S.E. Onlineには適用されないという(どうもこの提携内容自体,前向きな意味で見直そうという話もあるようだ)。デベロッパからパブリッシャへと移ろうとしているGravityと,逆にパブリッシャからデベロッパへ変わろうとしているガンホーは,今後もうまく協力していきたいとのことだった。
 なお東京ゲームショウのブースの配置を見ると,ガンホーブースとGravityブースは,見事なまでに端っこと端っこで,非常に離れている。両方のイベントをチェックしたいラグナロクファンはさぞかし大変だったろうが,これは単純に,Gravity社の申し込みが遅かったためのようである。森下氏は,今回はGravityが急に出展することになったためうまく協力体制が取れなかったが,次回はブースも近くにして共同のイベントを行いたいなどと語り,今後も両社の蜜月関係には変わりがないことをにおわせていた。(Iwahama)

→「R.O.S.E. Online」の日本語公式サイトは,「こちら」
→「R.O.S.E. Online」のオープンβテスト参加は「こちら」
→「R.O.S.E. Online」の記事一覧は,「こちら」
→東京ゲームショウ2004の記事一覧は,「こちら」

(C)2004 PUBLISHED BY GRAVITY CORPORATION. & DEVELOPED BY TRIGGER SOFT ALL RIGHTS RESERVED.



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