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「ラグナロクオンライン2」βテスト日程と,ゲーム機ソフト参入。ガンホーの事業説明会
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印刷2007/07/04 21:32

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「ラグナロクオンライン2」βテスト日程と,ゲーム機ソフト参入。ガンホーの事業説明会

 本日(7月4日),東京は秋葉原の秋葉原 UDXビルで,「ガンホー・オンライン・エンターテイメント事業説明会」が行われた。これは,流通関係者および報道関係者向けに,ガンホー・オンライン・エンターテイメント(以下,ガンホー)が予定している二つの新規事業,すなわち「ラグナロクオンライン2」(以下,RO2)のサービスおよびニンテンドーDSタイトル3作品の発売と,今後のガンホーについて説明したものだ。
 170席ほどの会場はほぼ満員。RO2のプロモーションムービーで幕を開けた説明会では,ガンホー 代表取締役社長 森下一喜氏自らが司会進行役を務め,会社の概要と沿革や現在取り組んでいる各事業について,順に説明していった。
 新規事業の発表については,すでに記事をお届けしているので,ここでは会場で語られた細かなニュアンスを中心に,説明会の模様をお伝えする。



■「北斗の拳ONLINE」はリアルタイムアクション戦闘に

ガンホー・オンライン・エンターテイメント 代表取締役社長 森下一喜氏
 会場での説明において森下氏は,ジー・モードやブロッコリー,ゲームアーツといった,現在のガンホーグループを構成する各会社について説明し,これら各社と連携することで,ガンホーの基本戦略である「ワンソース・マルチユース」を実現,映像や音楽,出版や関連グッズ事業などを発展させてグローバル戦略に到るという,中/長期的展望を示した。このあたりは折に触れて語られていることなので,先刻ご承知の読者も多いことと思うが,おそらくはコンシューマ機関連を含む流通関係者に向けて,あらためて説明を行ったものだろう。
 オンラインゲーム事業の説明において,「ラグナロクオンライン」(以下,RO)のマーチャンダイズ(関連商品展開)の好調,「エミル・クロニクル・オンライン」の順調な運営に続いて語られたのは,「北斗の拳ONLINE」の今後だ。先ごろ「グラフィッククオリティおよびゲーム性の向上」を目的にβテストの延期が発表されたばかりというタイミングを意識しつつ,説明する森下氏の口からは「戦闘を,カードバトル方式からリアルタイムアクションバトルへと変更している」ことが明かされた。
 また,このところ話題が途絶えた感のある「グランディアオンライン」に関しては,「今年中にリリース予定であり,開発はオンタイムで進んでいる」という説明だった。



 説明会の目玉の一つであるRO2については,先の記事でもお伝えしたとおり,クローズドβテストの日程が明らかにされた。クローズドβテスト開始時点での実装仕様は「Episode: 0 巡りあう大地」,テスターの募集方法と人数については,後日発表するとのことだったが,8月16日のクローズドβテスト開始,それに先立つアカウント登録は7月12日にスタートするという日程は,なかなか驚きである。



■ガンホー・モードブランドでより広いターゲットを

ガンホー・モード 代表取締役社長 浜垣博志氏
 さて,もう一つの目玉である,コンシューマゲームタイトルについて。会場では説明に先立って,ガンホーゲームズのサイトなどでお馴染みの「Gung-ho News」の体裁で,ガンホーがニンテンドーDSタイトルに参入する旨を伝える動画が流された(森下氏はこの動画内にも出演している)。そして壇上の森下氏は,ゲームアーツからの技術継承を強調しつつ,コンシューマ事業の新展開について述べていった。ポイントは以下の2点である。

自社パブリッシング
オンラインゲームから派生する,コンシューマゲーム機への展開

 ただしスライド資料にもあるとおり,「子会社ゲームアーツの受託開発」は継続される予定で,それについて森下氏は「ゲームアーツがインハウス化したわけではない」とコメントした。
 すでにお伝えしたとおり,ガンホーが発売を予定しているのはニンテンドーDS向け3タイトルで,「さかなと遊ぼう! アクアゾーンDS 〜淡水魚〜」(2007年12月発売予定)と「假屋崎省吾監修 フラワーアレンジメントDS」(仮称。2008年発売予定),そして,「ラグナロクオンラインDS」(仮称。2008年発売予定)である。
 前二者が一般的な「自社パブリッシング」の例で,最後が「オンラインゲームから派生する,コンシューマゲーム機への展開」かつ「自社パブリッシング」の例といえようか。

 ニンテンドーDS参入第一弾が「ラグナロクオンラインDS」(仮称)でない点に触れて,森下氏はコンシューマゲームにおけるブランド展開について説明し,パブリッシングはガンホーが行うものの,ブランドは「ガンホー・モード」と「ガンホー」の二本立てになり,後者がRPGなどのヘビータイトルを担当するのに対して,前者はカジュアル,ノンゲームタイトルを扱うと述べる。そして壇上では,元気の会長職から新たにガンホー・モードの代表取締役社長に就任した,浜垣博志氏が紹介された。



イーフロンティア 代表取締役 安藤健一氏
 また,「アクアゾーンDS」に関しては,PC版と同様の飼育モード,鑑賞モードなどとは別に,魚を使ったゲーム的要素である「冒険チャレンジモード」,プレイヤー同士のコミュニケーションに使える「通信モード」を持つことが述べられた。

 さて「アクアゾーンDS」の開発に当たるのは,PC版と同じイーフロンティアである。壇上には代表取締役の安藤健一氏が招かれ,「AQUAZONE」シリーズにまつわるエピソードが開陳された。森下氏は自宅でもう2年ほど海水魚の「カクレクマノミ」を飼育しているそうで,「アクアゾーンDSが出れば,もうリビングが汚れなくて済みます」と軽妙に切り出すと,安藤氏は,イーフロンティア内には歴代シリーズ15年にわたって開発に携わっているスタッフがいて,魚の仕草には大学教員より詳しいのではないかといった話を披露。さらに昨年から今年にかけて,北米市場で「AQUAZONE」シリーズが100万本ほど売れたことに触れ,「今後のガンホーのグローバル戦略に,貢献していきたいと思います」と述べて,話を締めくくった。

「アクアゾーンDS」のスライド資料と,ニュース映像のなかでの説明


 同様に「假屋崎省吾監修 フラワーアレンジメントDS」(仮称)に関連したスペシャルゲストとして,会場には假屋崎省吾氏その人が登場した。氏は「現代の花咲かじいさんこと,華道家の假屋崎省吾です」という挨拶に続いて,この作品の開発スタッフ3人(男性)が最近氏のフラワーアレンジメント教室に参加して,フラワーアレンジメントの奥深さにすっかり魅了されたようだ,といったエピソードを語った。
 また,氏のフラワーアレンジメント教室には男性も1割ほどいるのだそうで,これはフラワーアレンジメントを扱った本作が見込むターゲットにも関係してきそうだ。

会場に登場した假屋崎省吾氏と,「假屋崎省吾監修 フラワーアレンジメントDS」(仮称)のスライド資料


■オフラインイベントのお供に「ラグナロクオンラインDS」

 さて,ガンホーのホームグラウンドの延長となる「ラグナロクオンラインDS」(仮称)について森下氏は,「アクション性をより強調したRPGになる」「ファン同士のコミュニケーション手段としてWi-Fiコネクションを使う」と述べ,それがプレイされるシチュエーションの例として,スクリーンにRJC2007の開場待ち行列の写真および,ステージイベントの写真を示した。ガンホーは,以前から携帯電話で投票するといった形のイベントを実施していることを考え合わせたとき,これはなかなか説得力のある説明だ。
 プレゼンテーションのあとで行われた質疑応答から話題を補足するなら,「ラグナロクオンラインDS」(仮)の販売目標は「コンサーバティブ(保守的)に,最低線を見積もって10万本」だそうで,パッケージ販売以外の収益モデルはいまのところ考えていないようだ。ただし,RO本編との連携要素は,何かしら考えていきたいという。



 参入するプラットフォームにニンテンドーDSを選んだ理由としては,普及台数やタッチパネル操作の可能性など,ごく常識的な回答が返ってきたとはいえ,ROとニンテンドーDSの組み合わせとなれば,話題のインパクトは大きい。また,ガンホー・モードブランドが担う,女性層をも大いに意識したプロダクトは,最も早いものでも今年の末と,まだしばらく先の話ではあるのだが,いままでのガンホーにない方向性として,大いに注目すべきだろう。
 森下氏がかねて強調していた「総合エンターテイメント」に向けて,ポータルサイトに続く更なる一歩を踏み出したガンホー。その将来展望を占う意味でも,重要な説明会だったといえよう。(Guevarista)

  • 関連タイトル:

    RAGNAROK Online 2: Legend of the Second

  • 関連タイトル:

    ラグナロクオンライン

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