「北斗の拳ONLINE」，第2次クローズドβテストの追加要素である“オープニングクエスト”や“転業クエスト”を体験してみた

　4月17日からオープンβテストが開始される，ガンホー・オンライン・エンターテイメントがサービス予定のMMORPG「北斗の拳ONLINE」。“直感マウスバトル”をうたう本作の基本的なシステムは，クローズドβテスト先行レポートでお伝えしたとおり。今回は，3月17日から31日まで実施された「第2次クローズドベータテスト　誓いの時はきた！ 漢祭り『翔』」（以下，第2次CBT）で体験できた要素として，オープニングクエストおよび“転業クエスト”について，簡単ではあるがレポートをお届けしよう。

世紀末救世主（？）伝説へのオープニングクエストには
“あの”少女が登場

オープニングクエストでは，物言わぬ少女リンが登場。そっと食料と水を差し入れる彼女の姿を見て，自分がケンシロウになったかのような錯覚に陥るかも？

　第2次CBTの舞台が，南斗六聖拳「殉星」の男ことシンの居城があるサザンクロス周辺というのは，第1次クローズドβテストと同じである。プレイヤーは砂漠で行き倒れたところをNPCに助けられ，近くの集落にたどり着く。ここまでは変更なしだが，集落の物資を略奪するジードの一味ではないかと疑われたプレイヤーは，装備一式を取り上げられて監禁されてしまう。
　いかにも世紀末といった感じの殺伐とした幕開けだが，ここで同じく監禁されている赤髪の男ことレッドに話しかけると，オープニングクエストの開始となる。無論，すでにシステムを理解している場合はスキップも可能だ。

　オープニングクエストでは，本作の大きな特徴となる“直感マウスバトル”およびアイテムの装備/使用/トレードなどについて，具体的な操作を学べる。とくに直感マウスバトルについては，“直感”と銘打ってはいるものの，対戦格闘ゲームの要素を一部取り入れた独特なシステムで，既存のMMORPGなどの常識は通用しないため，ここでしっかり操作の基本を身に付けておきたい。
　また本作における基本的なアイテム入手方法は，クエストを達成した報酬，敵を倒したさいのドロップ，そしてNPCまたはプレイヤー同士のトレードとなる。トレードは物々交換となるので，その概念もきちんと押さえておこう。

　さて，オープニングクエストを進めていくと，プレイヤーにそっと差し入れをする少女が現れる。この少女こそ，原作の冒頭で主人公ケンシロウを助けたリンなのだ！　その先はぜひプレイヤー各自の目で確かめてほしいが，このオープニングクエストの実装でストーリー/操作いずれの面からもゲームに入り込みやすくなったといえるだろう。

無事，集落にたどり着いたプレイヤーだが，住民からあらぬ疑いをかけられてしまう。身ぐるみ剥がされたうえに監禁されるとは……	赤髪の男レッドからは，まずパンチ/キック/ガードの基本を学べる。当面はパンチとキックだけで勝ち進めるが，ここでしっかり操作の基本を覚えておこう	リンの差し入れを使って，トレードの方法を学ぶ。ウィンドウ中央の天秤が釣り合えば，トレード可能となる
オープニングクエスト終盤では，いよいよ奥義の出し方を学ぶ。最初の奥義は「体当たり」とやや拍子抜けの感もあるが，威力は侮れない	敵がダウンして，ふらついている隙にタイミングよくコマンド入力。奥義の入力が成功するまでオープニングクエストは終わらないので注意	オープニングクエストをドラマチックなセリフで締める長老ウコク。えーっと，その前に最初の装備を返してほしいのですが……

四つのパラメータを調整してクエストをクリア
望みの生業に「転業」する

戦闘に勝利すると強と謀のいずれか，術と能のいずれかのパラメータが上昇する。特定のパラメータを上げるためには漠然と戦うのではなく，戦う相手のタイプを識ることが必要になってくる

　本作では，一般的なMMORPGにおけるクラス/職業の概念を「生業」（なりわい）と呼んでいる。以前のテストではランダムで決定されていた生業だが，第2次CBTではキャラクター作成時に一律「放浪者」となった。

　プレイヤーに与えられるパラメータは「強」「謀」「術」「能」の四つ。このうち強と謀，術と能は対になっている。すなわち強を上げると謀が下がるため，両者を同時に強化することは不可能だ。
　このパラメータは敵，またはほかのプレイヤーとの戦闘に勝利すると上昇，規定のレベルに達すると次の生業に「転業」するためのクエストが発生する。例えば放浪者から「用心棒」に転業するなら強をレベル5，「悪党」なら謀をレベル5といった具合。ここで注意しなければならないのは，そのほかのパラメータをレベル0にしなければならない点だ。
　というのも，戦闘に勝利すると必ず二つの異なるパラメータが上昇する仕様だからだ。具体的には強を上げようとすると，もれなく術か能のいずれかも上がってしまうのである。ただし術と能は相殺できるので，「強」＆「術」タイプと「強」＆「能」タイプをバランスよく倒すことで，強のみを上げることが可能となる。文章で説明すると分かりにくいかもしれないが，実際のステータスウィンドウではパラメータが棒グラフで表示されるため，それほど難解ではない。

必要なパラメータのためなら，女も容赦なく倒す。世紀末を生き抜くために，時には非情に徹しなければならないのだ（？）

ステータスウィンドウでは強謀を横軸，能術を縦軸に取った座標が表示される。パラメータが特定の座標位置に達すると転業クエストが発生する

転業クエストの発生など，ゲーム中の節目にはプレイヤーの頭上に北斗七星が表示される。南斗聖拳一門だとどうなるのか気になるところだ

　ちなみに第2次CBTにおいて，筆者がパラメータ一つをレベル5にするのに要した時間は2〜3時間程度。ただし，これは3月24日から実施された経験値10倍キャンペーン中，かつマップ上の敵とパラメータの相関関係を事前に調べてから臨んだ場合の話だ。システムを把握するために筆者が試行錯誤した時間は含まれていないこと，また今後のβテストや正式サービスで仕様が変更されるかもしれない点にはご留意いただきたい。

　上記のパラメータ条件を満たすと，ストーリーを持った一連の転業クエストが発生する。内容は「誰それに会え」「アイテムを届けろ」「特定の敵を倒せ」といった，いわゆるお使いクエストの連続だが，話の運び方やセリフ回し，挿入される演出が原作をリスペクトした凝ったものとなっているため，退屈さやマンネリ感はあまり感じなかった。
　なお，人気が高いと思われる「南斗聖拳一門」と「北斗神拳求道者」に転業するには，さらにパラメータを調整しクエストを発生させなければならなかったようだが，残念ながら筆者はプレイ時間の都合で確認できなかった。南斗聖拳一門に転業するためのクエストは，KING四天王を次々に倒すという内容だっただけに，体験できなかったのが悔やまれる。

用心棒への転業クエストは，依頼を受けていわくのありそうな荷物を届けるという内容。一度依頼を受けたからには遂行すべきか，それとも？

せめてKING四天王を一目見ようと思い，ダイヤが出没するという刑首の村へと向かったが，あえなく時間切れとなった。残念至極

　さて2007年末の先行プレイ以来，筆者にとって実に3か月ぶりの体験となった第2次CBT。正直，当初はネタと勢いばかりが目立ち，どうなることかと思ったのだが，今回のテストでオンラインゲームとして最低限必要な要素は満たしてきたように思われる。
　4月17日から実施されるオープンβテスト以降は，より遊び方に幅を持たせるストーリーの展開や，キャラクターの成長を見たくなるようなコンテンツの充実，バランス調整に期待したい。