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開発&運営スタッフに聞く「Xenepic Online」の魅力と今後の展望
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印刷2005/11/30 20:29

旧特集

開発&運営スタッフに聞く「Xenepic Online」の魅力と今後の展望

 「Xenepic Online」は,MMORPGとしての基本的なゲームシステムは比較的オーソドックスだが,可愛らしいグラフィックスと低めに設定された要求スペック,そして"基本料金無料+アイテム課金"を採用しているのが特徴だ。今回は11月2日のアップデートで有料アイテム販売が開始されたことも踏まえ,Xenepic Onlineの魅力や今後の展望などを,開発・運営側の方々に聞いてみた。(Text by 川崎政一郎 / Photo by kiki)



■韓国産のMMORPGでありながら,とくに日本市場を重視した開発作業
韓国DNC ディレクター Ha Young Jae

4Gamer(以下,4Gamer):
 本日はよろしくお願いします。はじめに,韓国におけるXenepic Onlineの現状を教えて下さい。

韓国DNCディレクター Ha Young Jae氏(以下,Ha氏):
 現在はクローズドβテストの状態で,12月中にオープンβテストへと移行する予定です。

4Gamer:
 それはつまり,日本でのサービスのほうが先に進んでいるということですよね? 韓国製のMMORPGタイトルとしてはまだレアなケースですが,どういった経緯でこのような逆転現象が発生したのでしょう。

NHN Japan 運営チーム 北村 健氏(以下,北村氏):
 韓国でサービスレベルまで持っていったものを日本向けにローカライズすると,どうしても既存のものが中心になります。それだと日本のプレイヤーは,どうしても細かい部分に違和感を感じてしまう。そこでXenepic Onlineでは,日本のプレイヤーがより楽しめるように,最初からこちらの市場に合わせたものを目指しました。我々としては,日本語版と韓国語版の開発は別ライン,くらいの考えですね。

4Gamer:
 一般的なローカライズとはまったく違った考え方ですね。実際の開発作業はどちらで行っているのでしょう?

Ha氏:
 開発作業そのものは韓国側で行っています。ですが,日本にはかなり頻繁に行き来して,細かい要望などをお互いに伝えあっています。

4Gamer:
 ゲーム本編の開発が現在進行形であるにもかかわらず,日本と韓国とで異なるバージョンの開発。さらに翻訳作業なども並行するとなると,かなり大変のように思えます。最も苦労しているのは,どのような点でしょうか?

Ha氏:
 日本と韓国のゲーマーは趣向が大きく異なるので,そのあたりのバランス調整がなかなか難しいですね。韓国のゲーマーの多くは,自分のキャラクターを強くして周りに自慢することに楽しみを見いだします。一方,日本のゲーマーは,仲間達と一緒に遊ぶこと,そのものを楽しんでいるようです。

4Gamer:
 例えばゲーム内で発生するイベントも,日本と韓国とで内容は異なっているのでしょうか。

Ha氏:
 はい。例えばモンスターと戦うイベントでも,日本の場合はライト層にターゲットを絞っているので,比較的低いレベルのモンスターが相手となっています。しかし韓国のバージョンでは,強力なモンスターが束になって街へと押し寄せ,破壊しつくすといった内容です。ちなみにこれはクローズドβテストの最終日に行われたイベントでした。

4Gamer:
 見た目は同じでも,テイストはけっこう異なっているようですね。
 ステータス欄の中には,現在は未実装ながら対人戦での勝敗項目がありますよね。これは一見,ライト寄りのXenepicの世界にそぐわないような気もしますが,どのような仕様になのでしょうか?

ゲームガーデン エグゼクティブプロデューサー 森 健志氏(以下,森氏):
 おっしゃるとおり,日本の場合はプレイヤー層との兼ね合いもあるので,細かい部分を調整している段階です。具体的には,対人戦の勝敗によってポイントが増減し,1日に1度ランキングが算出されます。ただし一方的なPK行為や,町中でいきなり対人戦が行われるようなことは一般プレイヤーが好まないので,闘技場エリアにおけるイベント的なものになると思います。
 対人戦システムそのものは,どちらかというと韓国のユーザーに向けた内容です。韓国のプレイヤー層は,単純に戦って名誉を獲得するのを好みます。ですが,これをそのままの形で日本へ持ってきても,きっと根付かないでしょう。そこで例えば,対人戦のポイントでアイテムを交換したり,クエストが行えたり,といった展開を予定しています。



NHN Japan 運営チーム 北村 健
4Gamer:
 そういった部分の味付けも,プレイヤー層に合わせて変えていくわけですね。それでは,同様に11月16日のアップデートで実装された,ペットシステムについて聞かせて下さい。

北村氏:
 現時点では2段階での導入を予定しています。最初の段階では,ごく簡単なクエストをクリアすることで,既存モンスターを連れて歩くことが可能となります。ここまでが,11月16日に実装したものです。
 次に,キャラクターの転職に似た形式でクエストを経て,異なる方向性のペットへと変わります。ゆくゆくはペットと共にパーティを組み,一緒に戦えるようなものにしたいですね。

4Gamer:
 マスコット的なペットというよりも,パーティの一員であるNPCといった感じでしょうか。なかなか楽しそうですね。
 次にアイテム課金について聞かせてください。Xenepicでは,ゲームプレイ中はどこにキャラクタがいても,課金アイテムを購入できますよね。しかし課金アイテムの一覧を見ると,HPやMPの回復ポーションといった,頻繁に用いる消耗品までが販売されています。これらのアイテム課金を行わないと,実際にはゲームプレイがかなり難しくなるようなバランスなのでしょうか?

森氏:
 例えばモンスターを倒すと野菜や果物といった食材をドロップし,これを食べるとHPやMPを回復できます。また,これらの食材を街へ持って行くとオレンジジュースなどに調理ができ,回復効果は更にアップします。アイテムを購入しなくても,基本的なゲームプレイは行えるので安心して下さい。

4Gamer:
 ではHPやMPの消耗品に関して,課金アイテムとゲーム内で入手できるアイテムの棲み分けは,どのようになっているのでしょうか?

森氏:
 調理品を得るには,食材を集めて調理を行うという手間が生じます。これらを面倒だと感じる人は,課金アイテムで手っ取り早く入手できます。ほかには例えば,ダンジョンの奥地まで侵攻している最中に回復アイテムが尽きてしまったような場合は,課金アイテムが役立つことでしょう。あとは,冒険中に見知らぬ人に助けられたときに,お礼として課金アイテムをプレゼントすることも可能です。

4Gamer:
 こうやって話を聞いていると,やはりアイテム課金がXenepicの大きなポイントとなりそうですね。とくにライト層に対して,これをどのようにアピールしていきますか?

北村氏:
 課金アイテムはゲームを手軽に楽むためのものであったり,プラスαの要素をもたらすものであったりしますが,必須ではありません。課金アイテムがなくても存分に遊ぶことはできるので,この点だけは誤解しないで頂けたらと思います。また,プレイしやすさを第一に考えると,パッケージ販売型や月額課金形式よりは,"基本無料+アイテム課金"の方がハードルは低いのではないでしょうか。

4Gamer:
 日本版と韓国版とで,課金アイテムの種類や値段設定等に違いはありますか?

北村氏:
 現在はほとんど同じですが,今後それぞれの文化に沿う形で,細部が変わってくる可能性はあります。例えば,「ガチャポコ200」のように課金アイテムをランダムで入手できる機能があるのですが(一回あたり200円分のXenepicPointが必要。ほかに300円,500円のガチャ系アイテムもあり),これは好評なようなので強化していきたいですね。

4Gamer:
 11月2日にアイテム課金が導入されて以来,まだ1か月程度と日は浅いのですが,現時点で手応えのようなものはありますか?

北村氏:
 現在はまだ導入直後で詳細を分析/対応しているところです。ただ11月2日のアップデート以来,アカウント数と同時接続者数は,着実に増えてきている印象ですね。



■ユーザー間での盛り上がりをサポートし,それをしっかりと開発側へ届ける
ゲームガーデン エグゼクティブプロデューサー 森 健志

4Gamer:
 では話は変わりまして,国内運営に関しての質問です。現在多数のMMORPGタイトルが出ている中,ハンゲームとしてXenepicを選んだ理由について教えてください。

北村氏:
 ハンゲームの登録会員は,11月24日に1500万件を突破しました。ハンゲーム全体の最大同時接続者数は12万4000人を記録しています。いわゆるライト層が非常に多いのですが,その中には,まだMMORPGに触れたことがないという人が大勢います。そのような人達に向けて,要求スペックの低さもあって幅広くプレイしてもらえるXenepicが最適だと考えました。

4Gamer:
 なるほど。先ほどからうかがっている様子から察するに,ある程度,予定どおりに受け入れられているといった.ところでしょうか。
 さて,オープンβテストの開始から4か月近く経過しましたが,現在の状況についてお聞かせ下さい。

北村氏:
 Xenepicの会員数に関しては,早い段階で10万アカウントを突破。同時接続者数については,現在1万を目標に頑張っているところです。

4Gamer:
 ポップな2Dキャラクタを採用したMMORPGの分野では,現在も「ラグナロクオンライン」が大きなシェアをキープしています。このような,競合タイトルの存在は意識していますか?

北村氏:
 他タイトルと対比するといったマーケティングはとくに考えていません。Xenepicは初期導入費が一切かからないというのが,アドバンテージであり,プレイヤーの方にとってはメリットです。これを最大限にアピールしつつ,MMORPG未経験の人でも安心してプレイできるよう,環境面を整えていきたいです。

4Gamer:
 Xenepicではレベル31で一次職,レベル71で二次職への転職を行えますよね。現在のキャラクターのレベル帯としては,どの辺りの人が多いのでしょうか。

北村氏:
 レベル的には,20後半〜30代前半の方が多いです。最近は一次職のキャラクターが増えてきたことで,ゲームが全体的に賑やかになってきた印象ですね。ちなみに,気づいていない方もいるかもしれませんが,職業によってキャラクタが座るときのグラフィックも細かく違っているんですよ。

森氏:
 一次職への転職までに要する日数は,MMOに慣れていないライト層が1日に4時間程度プレイしたら,ゲーム開始後1か月程度といったところです。ただし課金アイテムでは,経験値倍増効果があるものも用意していますので,これを利用すればペースは速まります。



4Gamer:
 11月2日のアップデートでアイテム課金が導入され,ゲーム内の主要コンテンツはほぼすべて実装されたと考えてよいのでしょうか。

北村氏:
 いえ,これから年末年始にかけてもかなりの数のアップデートを予定しています。大きなものでは先程申し上げたペットシステム,武具の精製システム,対人戦システムなどです。また来年以降には,家具設置や知人を招待できるハウジングシステム,そしてギルドなどの実装を予定しています。また,エリアマップについても毎週3〜6か所が追加されています。

4Gamer:
 プレイヤーが望んでいそうなものは,徐々に追加されていくという感じですね。とても楽しみです。ところで,公式掲示板などでの,プレイヤーからの要望には,どういったものが多いのでしょうか。

北村氏:
 バージョンアップ要素に対しての感想が多いですね。何度も申し上げているように,Xenepicは日本市場に合わせて開発を行っており,プレイヤーの感想には積極的に耳を傾けております。
 実際の例としては,ステータスポイントを再割り振りしたいという要望がとても多かったので,先日これが行えるクエストを実施したり,課金アイテムを用意したりしました。

森氏:
 掲示板ではほかにも,プレイヤーが主導するイベントの告知などが行われていますね。以前にも海賊船エリアを攻略するというイベントがあったのですが,40名前後のプレイヤーが集まって盛り上がったようです。こういった,プレイヤー間での盛り上がりは大切にしていきたいと考えています。

北村氏:
 そういったものをサポートしつつ,コミュニティを盛り上げるべく,近々ファンサイトキットを公開予定です。また,ハンゲームの機能には書き込みのできる日記があるのですが,これらの中で面白いものは公式サイトで紹介していきたいです。
 このように,プレイヤーが生の意見を出しやすい環境を整え,それをしっかりと開発側へ届けるのが,我々の仕事だと思っています。

4Gamer:
 韓国産のタイトルを単純にローカライズして持ってくるのとは,まったく違った印象を受けますね。最後に,4Gamer読者に向けてコメントをお願いします。

北村氏:
 本作のメリットはハンゲームとの連動にあります。ハンゲームの会員IDを持っていない方は,登録無料なのでこの機会にプレイして頂けたらと思います。

森氏:
 ゲームに対する要望はどしどしお寄せ下さい。できればそのときに,例えば「****を追加して」という点だけでなく,それによってどのような付加価値があるのか。そこまで教えてもらえると,開発側へ届けやすいです。

Ha氏:
 Xenepicは,明るくてポップなキャラクターが魅力です。女の子を含めたライト層が,気軽にプレイできるものを目指しているので,是非一度プレイしてみて下さい。

4Gamer:
 今日はありがとうございました。

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