テストレポート
11月30日,ついに国内発売。「Razer Lachesis」セカンドインプレッション
Razer Lachesisが「Razer Elite」プログラム加盟店のみの製品展開となることは11月26日のニュース記事,そしてスペックや機能の詳細はファーストインプレッションに詳しいのでぜひ参照してほしい。今回は発売直前となるこのタイミングで,現時点での使用感を,セカンドインプレッションとしてまとめておきたいと思う。
幅広のデザインは好みが分かれる
持ち手を選ぶ形状であることは認識しておくべき
というのも,左右のメインボタンに人指し指と中指を置いて,薬指をマウスの側面――右利きである筆者の場合,右側面になる――に添えて包むように握ろうとすると,中指と薬指が大きく離れてしまい,指の付け根を中心として中指と薬指部分に負荷がかかってしまうからだ。おそらく(Razerの想定する)正しい持ち方は,左右のメインボタンに人指し指と薬指を置き,スクロールホイールボタンを中指で操作し,親指と小指を両サイドに添える形。メインボタンの右クリックを中指で行うか薬指で行うかによって,Lachesisの印象は大きく変わってくるだろう。“中指派”の筆者には,正直握りづらい。
くぼみに親指を収めようとすると,親指を折り曲げる必要があるのだが,この状態を維持してマウスを長時間操作し続けるのは少々無理がある。かといって,サイドボタンの上に親指を置いておくと,マウスを持ち上げるときなどにうっかりサイドボタンを押してしまうことがしばしばあった。
ボタンやスクロールホイールそのものの完成度はRazerの既存モデルと同様に高いのだが,形状はかなりクセがある。「持ち手を選ぶ」という認識を持っておいたほうがいい。
発売日直前でも「未完成」
現時点では評価の対象外とせざるを得ない
傾向として,柔らかい素材のマウスパッドと組み合わせた場合,解像度設定が低いときは致命的でないものの,解像度設定を高くするにつれて,問題が顕在化してくる。結果,シビアなカーソル操作が求められるFPSなどをプレイする場合に期待される高い精度や追従性は発揮できていない。一方,硬質素材ならまったく問題ないというわけでもないが,それでもいますぐ“実戦投入”する場合は,硬いマウスパッドの用意が必須だ。
なおRazer eXactMatでは,操作してとくに問題は感じなかった。今後,状況が大きく変わる可能性もあるため深くは突っ込まないが,(4000dpiという設定に意味があるのかはさておき)同マウスパッドと組み合わせて利用する限り,現時点でも操作への追従性に不満をおぼえることはまずないのではなかろうか。
若干余談気味に続けると,センサーの部分を指で数秒ふさいで,その後マウスパッド上で操作したとき,最初の数秒間,マウスポインタがまったく反応しない症状が確認された。ゲーム中にそんな動作を行うことはまずないが,今まで触ってきたマウスだとこういった挙動は一切起きなかったので,センサーの挙動に関する不安要素のひとつとして明記しておきたい。
「ひとまず発売し,世界中からフィードバックを受けてファームウェアやドライバをアップデートすることで,“完成形”に近づけていく」というスタンスは,Razerのいつものやり方であり,理解できなくもない。しかし,バージョン1.0におけるこの完成度の低さと,1万290円(税込)という価格を考えたとき,現時点でゲーマー向けとしてお勧めできるレベルにはないのも確かだ。
いまある問題がファームウェアやドライバ,あるいは追加ユーティリティソフトで本当に改善するのかの判断が難しく,どういう状況で最高のパフォーマンスを発揮できるのかも分からない現状では,とても製品としての評価は行えない。今後,製品評価に足るレベルになったとき,あらためてレビューを行いたいと思う。
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