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[G-Star 2012]ドラゴンに乗るのは命がけ。「ICARUS」の開発スタッフにインタビュー。フェローシステムの秘密に迫る
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印刷2012/11/10 02:21

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[G-Star 2012]ドラゴンに乗るのは命がけ。「ICARUS」の開発スタッフにインタビュー。フェローシステムの秘密に迫る

 2012年11月8日に,韓国・釜山のゲームショウ「G-Star 2012」で発表された,WeMade Entertainmentの新作MMORPG「ICARUS」。本作が,フェローと呼ばれるペット(モンスター)に乗って空を飛んだり,ドラゴンからドラゴンへ跳び移ったりすることができる作品だということは,「こちら」の記事でお伝えしたとおり。
 G-Star2日目となった2012年11月9日に,B2Bエリア(商談エリア)にある同社のブースで合同インタビューが行われ,WeMade Entertainmentの開発室室長を務めるOh Ho Eun氏にいろいろと質問できたので,その内容をお伝えしよう,

画像集#002のサムネイル/[G-Star 2012]ドラゴンに乗るのは命がけ。「ICARUS」の開発スタッフにインタビュー。フェローシステムの秘密に迫る

命がけの空中戦。ドラゴンを手に入れるのは死と隣り合わせ?


――本日はよろしくお願いします。本作の開発期間は10年とかなり長いですが,その間,どようなことに注力してきたのでしょうか。

Oh Ho Eun氏(以下,Eun氏):
 総開発期間は10年とお伝えしていますが,いまの形で「ICARUS」の制作を始めてからは,3年くらいになります。ですので,特別長いというわけではありません。
 開発で一番力を入れたのは,「フェローシステム」です。これまでのMMORPGではモンスター=敵でした。本作のモンスターは,もちろん敵でもありますが,敵以外に共感できるもの,仲間として考えられるものという位置づけになっています。
 フェローは特徴のあるものを多数用意してあります。例えば初期のフェローは乗り物として扱うだけですが,崖で道が寸断され,プレイヤーキャラクターのジャンプでは通れない場合,近くにいるチーターのような長距離をジャンプできるモンスターをフェローにして,その崖を飛び越える,といったようなことができるようになっています。また,木に登れるフェローに乗って,より高い場所に行ったりと,その地域や特性に合わせて,さまざまなフェローを用意しています。
 そして最終的には,空を飛ぶモンスターをフェローにして,空中にしかいないボスとも戦えるようになるのです。

画像集#003のサムネイル/[G-Star 2012]ドラゴンに乗るのは命がけ。「ICARUS」の開発スタッフにインタビュー。フェローシステムの秘密に迫る

――すべてのモンスターをフェローにできるのでしょうか。

Eun氏:
 人型以外のモンスターは,ほとんどフェローにできます。ただ,フェローにできても,乗ることしかできないモンスターもいるので,そこは実際にフェローにして確認してほしいです。

――モンスターをフェローにするには,プレイヤーとモンスターの強さの差,例えば能力値の差などで難度が変わるのでしょうか。

Eun氏:
 フェローとして手なずけるのに特別なスキルは必要ありません。レベル制限も設けていないので,レベル1でもすごいドラゴンをフェローにできます。ただ,モンスターの位置や状況がポイントになります。
 例えば,空を飛んでいるモンスターを下からフェローにすることはできません。そのモンスターよりも高い所に行って,そこから死ぬ覚悟で跳び移ります。うまく乗り移れると調教が始まってモンスターが暴れだしますが,乗り移ることに失敗すると落ちて死んでしまいます。

画像集#004のサムネイル/[G-Star 2012]ドラゴンに乗るのは命がけ。「ICARUS」の開発スタッフにインタビュー。フェローシステムの秘密に迫る

――なんと,オートじゃなかったんですね……。

Eun氏:
 また,普段は出現しないモンスターがいて,例えばそのモンスターの好きなエサが牛だった場合,牛をフェローにしてエサとして置いておくと,特定の時間になると食べにやってくるというモンスターもいます。そして,エサ(牛)を食べているときに,背後から近寄って調教するといったこともできます。

――公式トレイラーでは,崖から飛び降りたり,ドラゴンから飛び降りたりして,空を飛んでいるドラゴンを調教していましたが,こうした“飛び降りる”というアクションは,自分の意思で可能なのでしょうか。

Eun氏:
 通常のジャンプで飛び降りることもできますが,モンスターをフェローにするときは,まず調教用のキーを押して身構え,そしてジャンプするという形になります。

――ということは,ドラゴンからドラゴンへ飛び移るときも,身構えてからということになるわけですか。

Eun氏:
 そうです。身構えて,ジャンプキーを押して飛び降ります。これは地上でも同じで,地上を走るトラのようなフェローを使っている場合に,普通にジャンプするとフェローと一緒にジャンプしますが,フェロー調教用のボタンを押すと,トラの上に立ち上がって,調教したいフェローに飛び移る姿勢を取るわけです。

――そうして,背後から急襲したりして,調教するんですね。ちなみに,例えばドラゴンを調教していて振り落とされると,やっぱり……。

Eun氏:
 ええ,死にます(笑)。実際は,低い位置からであれば死なない可能性もありますし,空を飛ぶフェローを所有していれば,落下中に呼び出すことで飛び移り地面に落ちずに済んだりもしますが。

――ところで,複数人が乗れるフェローもいるんですか。

Eun氏:
 今のところは,一人乗りのフェローだけですが,複数人で乗れるフェローも今後,開発していく予定です。



陸と空で繰り広げられる対人戦


――トレイラーで,ドラゴンが何体もいる場面もありましたが,あれは空中戦のシーンですよね。

Eun氏:
 空中戦というだけではなく,勢力システムに関係あるものです。
 勢力システムでは,国の王が「凶暴なモンスターがいるので,誰か倒してこい」という命令を出します。一人では倒せないので,プレイヤー達は協力して倒す必要があるのです。

――勢力というのは,ギルド単位で作るのでしょうか。

画像集#007のサムネイル/[G-Star 2012]ドラゴンに乗るのは命がけ。「ICARUS」の開発スタッフにインタビュー。フェローシステムの秘密に迫る
Eun氏:
 ギルド同士が連合を組んで一つの勢力になるという形で,ゲーム中にいろいろな勢力が存在することになります。ですから,自分の勢力が目的のモンスターを倒すためには,ほかの勢力は邪魔になるわけです。モンスターと戦うために,勢力同士が戦うというのが,本作での対人戦要素になります。この対人戦では,陸だろうが空だろうが戦い方に制限は設けていませんし,どこでも勢力同士で戦闘できます。
 そして,モンスターを倒し,王様からの支持をもっとも集めた勢力がその街のリーダー勢力となり,税金などの調整ができます。一般的なMMORPGだとギルド単位でやっていますが,本作では勢力単位になっています。

――では,ギルド単体の場合は,対人戦には関わらないのですか。

Eun氏:
 本作の対人戦は,主に勢力戦がメインになりますが,これは大きなモンスターを倒したり,城を占領したりといった大規模なものになります。その一方で,小さな拠点を占拠するというギルド戦もあります。

――拠点というのは,砦みたいなものを奪い合うという感じですか。

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Eun氏:
 いえ,攻城戦のようなものではなくて,鉱山だとか炭鉱だとかいった資源を奪い合うものです。システム上,一定期間が経過すると,それらの所有ギルドが初期化され,誰も占拠していない状態になります。そこを占拠するためにギルド同士で戦って,勝ったところが占拠するわけです。そうすると,その拠点の資金は,占拠したギルドが所属している勢力のものになるのです。

――空中でも地上でも戦えるということですが,例えば空を飛ぶフェローを集めたチームと,地上のフェローを集めたチーム同士が戦うということもあるのでしょうか。

Eun氏:
 そうです。ただし,鉱山などだけではなく,空にしかない拠点もあります。そうなると空に行かなければ戦えませんから,空に一切行かないというのでは,その勢力が不利になります。ですから,ある程度は所有するフェローのバランスを取る必要がありますね。

――では,地下にも拠点があったりしますか。

Eun氏:
 地下というのは,いまはありません。本作では,地対空もあれば,空対空もあり,戦争のように上空から地上に攻撃したり,逆に地上から狙い撃ちしたりといった,立体的でダイナミックな戦いが楽しめます。

――リーダー勢力になった勢力同士は,NPCの支持度を争うということですが,例えば政治的な戦いもあるのでしょうか。

Eun氏:
 リーダー勢力になると,自らが治めている地域でNPCからのミッションをクリアして支持度を上げていき,その量を競うことになるのです。当然,ほかの勢力もミッションを受けて支持度を上げていくのですが,密偵を送って支持度を落とすといったシステムは,いまのところありません。

――拠点の制圧に参加するために,レベルの制限などはないのですか。

Eun氏:
 そうですね。拠点戦に参加するキャラクターのレベルや,ギルドのレベルには制限を設けています。

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――コンテンツの量的には,どれくらいの量を用意していますか。

Eun氏:
 正確なクエスト数は申し上げられませんが,オープンβテストではレベル50キャップを考えて折,それに合わせてクエストを用意します。いまのところ,レベル35までのコンテンツはすべて開発が完了しており,一般的なMMORPGの基準であれば,ほとんどできています。開発の完成度として80%くらいになります。

――日本でのサービス予定などを教えてもらえないでしょうか。

Eun氏:
 具体的な時期は言及できませんが,最初のサービスは韓国で開始し,日本はそのあとになります。どちらもいつとは言えないですが,早い時期にオープンしたいとは思っています。

――最後に,日本の読者に向けてメッセージをお願いします。

Eun氏:
 以前,別のタイトルで日本でサービスをしたことがあります。その際に感じたのは,日本のプレイヤーのレベルが高いということです。例えば,韓国ではクエスト(の内容)はどんどん飛ばしていきますが,日本ではちゃんと中身を見ながらプレイしてくれて,すごく感動しました。
 ですので,クエストの一つ一つ,詳細まで気を配って制作していきたいと思います。日本でサービスをするときは,よろしくお願いします。
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