インタビュー
「ICARUS ONLINE」のオープンβテストでは,空中戦闘から巨大ボスとのバトルまで体験可能。作品の魅力を運営担当スタッフに聞いてみた
オープンβテストで追加される新要素
プレイヤーの意見を汲んだUIの改善や追加も
4Gamer:
ICARUS ONLINEでは,ガーディアンやプリーストなど5つのクラスで遊ぶことができますが,このクラスに関してはプレイヤーからの反響がありましたか。
本作には,ガーディアンは盾役,プリーストは回復役,そのほかの3クラスはアタッカーという役割こそありますが,どんなクラスでもソロでプレイ可能な点が評価されていました。
4Gamer:
それぞれのクラスで操作感が違っていて,クラスを変えるだけでも楽しさが違いますよね。
安藤氏:
ええ。とくにアサシンとバーサーカーは別ゲームとも言える操作感で,個人的にはバーサーカーの戦い方は気に入っていますね。敵を浮かせたり,転ばせたり,また吹き飛ばしたりしながら追撃するのが爽快です。
横山氏:
ちなみにクローズドβテストの結果を見ると,5クラスともほぼ平均的に使われていたようです。アサシンとバーサーカーは若干操作が難しいところもありますが,今後実装予定のPvP地域で活躍すると予想しています。
4Gamer:
PvP専用の「決闘場」はクローズドβテストにもありましたが,PvP地域も実装されるんですね。
横山氏:
韓国ではすでに入っています。ただ,そのまま日本に持ってくるのはプレイヤーの傾向を考えると厳しいと思いますので,仕様は検討中です。
4Gamer:
クローズドβテストでは,決闘場が意外と活用されてましたよね。夜中に見に行くと誰かしらが戦っていましたし,観客席で対戦の様子を見ている人もいました。
安藤氏:
私も観戦していたのですが,アサシンで頑張って戦っている人もいましたね。レベル20がキャップでしたから,アサシンはスキルが少なくて,コンボが続かないために不遇な時期なのですが。
4Gamer:
アサシンは,PvPにおいては大器晩成型なんですね。
横山氏:
そうですね。スキルが揃ってくれば,相当強いと思います。バーサーカーも同様で,スキルが整ってから本領を発揮するタイプです。
4Gamer:
レベルキャップが上昇するオープンβテスト以降では,もっと盛り上がるかもしれませんね。
あと個人的に気になったのが,プレイ時間を制限する「活力ゲージ(※)」の存在です。
※活力がなくなると,パーティ編成,経験値やアイテムの取得,クエストの受諾や完了ができなくなる
安藤氏:
コンテンツの延命と取られてしまうのはしかたないと思います。我々としては日本独自仕様として活力ゲージを入れない選択肢もありましたが,実際のところICARUS ONLINEでは週35時間,つまり一日で5時間は自由にプレイできるので,プレイ時間としては十分だろうと判断しました。何かしらの制限を設けないと格差が広がってしまって,序盤のエリアでプレイヤーがたくさんいるという感覚が薄くなってしまいますので。
横山氏:
ただ,単純にプレイ時間を制限しているだけだと,我々の都合をプレイヤーの皆さんに押し付けているだけになってしまいます。ですから,活力ゲージを消費することで,アイテムがもらえる仕組みにさせていただきました。あと有料になると思うのですが,活力ゲージを増やすアイテムも考えています。
4Gamer:
ICARUS ONLINEの活力ゲージは,戦闘エリアにいないと消費されませんし,一気に遊ぼうとする初期はともかくとして,一日のプレイ時間を考えると確かに十分だと思います。それでも,プレイ時間を制限されるというだけで抵抗がある人はいると思うんですよ。
活力ゲージのようなシステムに抵抗がある人がいる,というのは認識しています。ただ,クローズドβテストで実際にプレイした方からは,活力ゲージに関しての否定的な意見は少なかったです。ネットカフェからの接続で活力ゲージが延びるサービスも行う予定ですので,長時間がっつりとプレイしたい方は,そちらも使っていただけると幸いです。
4Gamer:
分かりました。追加される要素をいくつかお聞きしましたが,ほかにオープンβテスト以降に変わるところはありますか?
横山氏:
「フェロー図鑑」がバージョンアップして「フェローコレクション」という,その名のとおりカタログ的なコレクション要素を含めたものになる予定です。地域ごとにどんなフェローがいるのかがカタログ化されていて,捕まえたフェローはそこに情報が掲載されます。さらに,そこから従来のフェロー図鑑も参照できるようになります。また,実績に近いのですが,特定のカテゴリーのフェローを集めていくことで報酬がもらえます。
安藤氏:
フェローの保存枠には限りがありますので,使わなくなったフェローは逃がしたり,封印することになります。ですが,集めた実績だけでも残したいという意見が多かったんですよ。そこで,実は韓国で最近実装されたシステムなのですが,それを前倒しで導入することにしました。
4Gamer:
そういった対応が行われるのは,プレイヤーとしては嬉しいですね。
大津氏:
このようにオープンβテストでは,クローズドβテストでいただいた,プレイヤーの皆さんからのご意見も一部反映できそうです。具体的には,ユーザーインタフェース周りの修正やフォントの大きさを変えるとかですね。
横山氏:
あと,スキルのショートカットは2段だったものを3段まで拡張できるようにしました。これもプレイヤーの皆さんからの意見を汲んだ変更点です。
大津氏:
ゲームパッドの対応も多くのプレイヤーさんからご意見をいただいているのですが,今回の導入は見送らせていただきました。
4Gamer:
オーソドックスなMMORPGで,ゲームパッドに対応しようと思うと,最初からそれを考慮したインタフェースのデザインが必要になりますよね。
横山氏:
おっしゃるとおりです。あと,オープンβテストには間に合いませんが,髪型やキャラクターカスタマイズのパーツも追加していく予定があります。
4Gamer:
後からパーツが追加されるということは,すでに作っていたキャラクターの外見もあとから変更できるのかが気になります。
安藤氏:
もちろん,外見変更ができるようにするつもりです。
4Gamer:
アバターについての追加はいかがですか。
横山氏:
韓国では,それほどコスチュームに関心がないようで(笑)。ただ,こちらから積極的に要望は出しているので,間に合えば正式サービスのタイミングで新しいアバターをお届けできると思います。
課金額がそのまま強さにはならない運営方針
4Gamer:
オープンβテストで問題なければ,そのまま正式サービスに移行すると思いますので,有料部分についても教えてほしいです。ICARUS ONLINEは基本プレイ無料でサービスが行われますが,これは最初から決定していたのでしょうか。
韓国でゲームが立ち上がった当初から,基本プレイ無料の方針でシステムが作られたと聞いています。日本での運営もそれにならった形になります。
4Gamer:
では,どのような要素が有料で提供されるのでしょうか。
安藤氏:
ゲーム内でも入手できる「エルン」という通貨をご購入いただくのが,基本的なサービス内容になります。エルンで購入できない有料要素としては,アバターや期間限定で販売するお得なパッケージアイテムなどを用意します。一部はエルンでのみで購入できるものもありますし,それほどお金を掛けずにプレイしていただけるよう調整しています。とくに,課金がそのままキャラクターの強さにつながらないようにする方向です。
4Gamer:
“Pay to Win”にはしない方針ですね。となると,アバターにはとくに能力が付与されないということですか。
横山氏:
アバターにキャラクターを強化する能力は付きません。フェローの獲得経験値がアップするといった効果を持つものはありますが,PvPや狩りには影響が出ないものですね。
4Gamer:
ちなみに,アバターの購入はガチャだったりするのでしょうか。
安藤氏:
いえ,アバターはプレイヤーさんが欲しいものを選らんで買っていただく方式にします。フェローについては,特殊なペット(化されたもの)として販売することも考えていて,こちらはガチャでの購入になります。とはいっても,ゲーム内で手に入れられるもの以上に強くはしない方針ですので,ガチャで当てなければ最強を目指せないということはありません。
4Gamer:
どちらかと言えば,見た目だったりのユニークさをウリにしたものになるわけですか。
横山氏:
そのとおりです。韓国では,エルンショップでHP増強や攻撃力アップといったアイテムもありましたが,日本ではラインナップから外しました。
4Gamer:
なるほど。徹底してPay to Winにはしないと。では,先ほどのフェロー経験値もそうですが,直接強さに影響しないところで,プレイヤーキャラクターの獲得経験値量がアップする有料アイテムの販売はありますか?
横山氏:
プレイヤーキャラクターに関してはありません。そもそもクエストで得られる経験値が多いゲームですので,あっても購入する意味は薄いですし,そういったものは販売ではなくイベントなどで配ることなどを考えています。
安藤氏:
本作はどちらかと言えば,フェローの育成に時間がかかると思います。フェロー1体を育成して,封印して,武器に付けるという一連の流れがありますから。
4Gamer:
それこそやり込み要素になると思いますが,装備をどんどん強化しようと思うとかなり大変そうです。
安藤氏:
はい。ですから,フェロー育成用の経験値アップポーションは販売する予定ですので,これがメインの販売アイテムになるのではと思っています。
4Gamer:
分かりました。では最後に,本作に期待を寄せている4Gamerの読者に向けてメッセージをお願いしたいのですが。
その前に,3月13日,14日に実施するストレステストについてお話ししさせてください。
4Gamer:
ストレステストですか。
横山氏:
はい。実は前回のテストで,ゲームサーバーでラグの原因にはなりませんでしたが,サーバーに予想以上の負荷が掛かっていたんです。
4Gamer:
ラグもとくになかったので順調だと思っていましたが,プレイヤーの見えないところではギリギリだったと。
横山氏:
はい。ですから,オープンβテストに向けて,物理的にサーバーをアップグレードすることになったんです。
安藤氏:
そうした経緯もあり,3月13日〜14日に5時間ずつ,もう一度サーバーの負荷を確かめる目的で“ストレステスト”を実施することに決めました。
4Gamer:
なるほど。ハードウェアも含めて完全に新規のサーバーですから,いきなりオープンβテストを行うのではなく,いわゆる負荷テストを挟むことにしたんですね。
大津氏:
そのとおりです。ストレステストは,すべてのプレイヤーキャラクターがレベル1からのスタートになり,データもあとでワイプされますが,“誰でも参加できる”ので,クローズドβテストに参加できなかった人にも一度触っていただく機会にはなると思います。
4Gamer:
ちなみにストレステストの内容は,クローズドβテストと同様に?
横山氏:
いえ,オープンβテストの内容が入ります。ただ,短期間なので新要素まで遊ぶのは難しいと思います。
4Gamer:
それでも新しいインタフェースが確認できるのは嬉しいかもしれません。では,あらためて4Gamerの読者に向けてメッセージをお願いします。
大津氏:
ハンゲームとしては,本格的なMMORPGをリリースするのは数年振りになります。MMORPGというジャンル自体が下火になっていると言われますが,私個人を含めてMMORPGが好きな人というのは少なからずいるはずです。クローズドβテストのときも,「期待している」「正式サービスを待っている」と後押ししてくださった方がたくさんいらっしゃいました。その期待に全力で応えたいと思います。
安藤氏:
WeMade Onlineは,GMと呼ばれるスタッフが気軽にゲーム内に入って意見を聞くことをモットーとしていて,それはICARUS ONLINEでも変わりません。気軽にご意見ご要望を出していただければ,我々としては誠意を持って検討いたします。クローズドβテストでもそうでしたが,オープンβテストでもゲーム内にいる予定ですので,声を掛けてください。
横山氏:
私は主にゲーム外のところで,ICARUS ONLINEを盛り上げられるよう努力してまいります。ニコ生もぜひ視聴してください。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
「ICARUS ONLINE」公式サイト(ハンゲーム)
「ICARUS ONLINE」公式サイト(GAMEcom)
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