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実はゴールキーパーが面白い。ガンホー「エクストリームサッカー」先行体験レポート
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印刷2006/07/28 16:53

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実はゴールキーパーが面白い。ガンホー「エクストリームサッカー」先行体験レポート

試合前の様子。オープンβ開始の段階では,まだチームを組んでから対戦部屋に入室というのはできないので,チームチェンジの機能などを使ってチームを整える必要がある
 ガンホー・オンライン・エンターテイメント(以下,ガンホー)の「エクストリームサッカー」は,1チーム最大4人という少人数で対戦が楽しめる,オンラインサッカーゲームだ。8月10日からオープンβテストの開始が予定されており,先行会員登録の受付は7月13日に開始されている。

 注目度の高いエクストリームサッカーであるが,開発元のSonicAntがある韓国でもまだサービスが始まっておらず,去る6月23日に行われたプレスカンファレンスで,ある程度ゲームの情報は出ているものの,実際のプレイ感覚は伝えられていない。



アイテムを身につけることで,キャラクターを個性化。目立つ風貌ならそれだけパスを回してもらう回数も増えるかも!? なお,アイテムにはレベルによって着用できないものもある
 壁やフェンスに囲まれた小さめのフィールドで,スローインもなければ(フィールドの周囲は壁のようになっていて,ボールが外に出るという概念はない),ラフプレイで反則を取られることもなく,ともかく試合時間(4分間)内に相手より多くゴールを決めたほうが勝ちという,シンプルなルールだ。堂々と敵の選手を殴り飛ばしても,まったくお咎めなしのサッカーゲームって,実際どんなんなのよ? と,興味を持ったり不安になったりしているゲーマーも多いのではなかろうか。

 それならば実際にちょっと遊ばせてもらえばいいのである。そんなわけで,オープンβテスト前の慌ただしい時期であったが,ガンホー本社にお邪魔して,プレイしてみた。

 エクストリームサッカーはマウスを使わず,キーボードだけで試合中の操作が可能だ。使用するキーはカーソルキーとQ/W/Eキー,A/S/Dキー,それにShiftキーとスペースバーのみ。基本的にカーソルキーで選手を移動させ,Shiftキーはダッシュ,そしてスペースバーはキャラクターをジャンプさせるのに使う。QとEの二つのキーはスキルを発動させるのに使用し,ほかの四つのキーに関しては攻撃時と守備時,そしてゴールキーパーとしてプレイするときでそれぞれ役割が異なる。
 対応キーは多いというほどでもないが,ゲーム進行がとにかくスピーディなので,最初のうちはパスやシュートだけで手いっぱい,といった状況になるかもしれない。

 画面はフィールドを横から見た角度と自ゴールの後ろから見た角度の2種類があり,キーひとつで簡単に切り替えられる。フィールドプレイヤーとしてプレイする場合は横から,ゴールキーパーとしてプレイする場合はゴール後ろからという視点でプレイするのが良さそうな印象である。

視点が異なると,やはりプレイ感覚も少し異なる印象。横からの視点ではフィールド全体を見渡せないので,キーパーでプレイする際は,背後からの視点でプレイしたほうがいい


画面の左上にスタミナなどのゲージがあることが確認できるだろう。調子に乗ってダッシュなどばかりしていると,いざという時に動けなくなってしまう場合も。常に注意を払おう
 各選手にはスタミナの値が設定されており,スタミナはダッシュやストライク(相手選手を殴る),シュートなどで消費される。ダッシュすれば速く移動できて便利だが,スタミナが切れるとこれらの行動が一切できなくなる。しばらく何もしなければスタミナは自然回復するが,試合時間が短いだけに,ここぞというとき行動に制限がかかってしまうことは,戦局を大きく不利にするかもしれない。闇雲にボールに向かってダッシュするのではなく,仲間を信じてパスを待つといった行動も,当然ながら必要になりそうだ。

 シュートは,ボールを持った状態でDキーを押すと発動する。Dキーを押している間はパワーが溜まり,離すとシュートを打つという仕組みだ。一方パスは,対応キー(ショートパスはS,ロングパスはA)を押せば即座に打てる。シュートはある程度自動的にゴールに向かって飛ぶのに対し,パスは選手の進行方向に向かって放たれる。
 プレイヤーキャラクターのレベルにもよると思うが,シュート時に敵キーパーがゴール前でどっかり構えていると,うまく抜けだして1 vs. 1の状況に持ち込んでも,かなりの確率で止められてしまうようだ。上手くゴールを決めるには,ゴール前かつキーパーが届かない場所でパスを受けるなど,工夫が必要になる。先述のスタミナのことを考えてみても,パス回しがかなり重要なゲームと言えるだろう。
 いかにキーパーの届かない場所でパスを受け,シュートに繋げるか。ゲームのルール自体はシンプルだが,やり込めばやり込むほど,奥の深さを痛感しそうな感じである

画面の左上にスタミナなどのゲージがある。調子に乗って,ダッシュなどスタミナが必要なアクションを続けていると,いざというときに動けなくなってしまう場合も。気をつけよう


テストプレイの時点で最初から持っているスキルは10種類ほどだが,やがてポジション別のスキルなども実装される予定だ。スキルにはアイテムショップで購入できるものも出てくるという
 試合前に,使用するスキルを選んでセッティングしておくと,試合中にQもしくはEキーを押すことで,スキルが発動できる。プレイを通してアクションポイントがチャージされ,使えるようになるのだが,実際に使えるスキルは,セッティングされたものからランダムに選ばれる。何らかのスキルを確実に使いたい場合は,セッティングの際にセットするスキルの種類を絞るなど,工夫が必要だろう。

 守備時に行えるスライディングタックルやストライクなどのラフプレイだが,スタミナを消費するうえに,うまく決まらなかったときはプレイヤーキャラクターが一定時間動けなくなるので,相手に置き去りにされてしまう危険性を併せ持つ。もちろん決まればボールを奪い取れ,試合を優位に進められるが,タイミングはなかなかシビアなようにも感じられたので,あまり狙いすぎてもよくないかもしれない。



ラフプレイが発動する場面は思ったより少なく,こう言ってはなんだが,意外に正統派のスポーツゲームといった印象。ストライクなどは1分間に1回出るか出ないか,という感じだ
 選手にはそれぞれパラメータが設定されており,選んだ選手の体格によって特性が異なる。例えば“スモール”のキャラクターならば,スピードはあるがパワーやバランスに弱い。同様に“ファット”ならばパワーは優れているがスピード,テクニックは弱い……といった感じだ。試合に勝つごとに経験値を獲得でき,キャラクターがレベルアップするとパラメータも上昇する。ちなみにパラメータの上昇値は決まっており,ポイントを好きなパラメータに割り振るといったタイプではないそうだ。

一応,試合に負けても経験値は得られる。ただし,やはり勝ったときのほうが獲得できる経験値は大きい。早く選手を成長させたいなら,とにかく勝つしかないのだ


キーパーとしてプレイする際も,状況によってはゴール前から飛び出して,ガンガン攻めに加わるべき。ただし,カウンターを食らわないよう,いつでも戻れる準備をしておきたい
 ストリートサッカーだけにフィールドが小さく,またチームの人数も少なめということで,キーパーの攻撃参加も重要になる。もちろんゴール前をガラ空きにしてしまうので危険が伴うが,攻めの人数は多いほうが,得点のチャンスは増えることになる。
 思い切りよく飛び出し,ボールが敵に奪われたら即座に戻る。キーパーは判断力が重要で,奥の深いポジションになりそうだ。


 とりあえずざっと仕様とプレイした感想などを書き連ねてみたが,同日にガンホー コンテンツ制作部 第五制作課 辻野松二郎氏とガンホー マーケティング本部 第二マーケティング部 第一企画課 渡辺竜太郎氏に話を聞いたので,そこでのやりとりもお伝えしよう。



左から,辻野松二郎氏,渡辺竜太郎氏
4Gamer:
 では早速ですが,簡単にお話を聞かせてください。
 今日,ざっとプレイした限りでは,「スモール」や「ノーマル」のキャラクターが扱いやすい印象を受けたのですが。

渡辺竜太郎氏:
 そうですね,まだゲームに慣れていない段階ですと,スピードのあるキャラが強い印象を持たれると思います。

4Gamer:
 慣れてくるうちに,ほかのキャラクターの奥深さが実感できるのでしょうね。あと,普通のサッカーゲームと比べて,キーパーが独特な感じがしました。プレイヤーによっては,ゴール前をガラ空きにして,どんどん前へ出ていってしまいますね。

辻野松二郎氏:
 おそらくゴールキーパーは,初めのうちは人気が出ないと思うんですよね(笑)。でもやってみると凄く面白いポジションなので,ぜひ積極的にキーパーでプレイしてほしいです。

4Gamer:
 キーパーがあんまりガンガン前に出てしまうと,それはそれで守備が恐い気もしますが……。

辻野松二郎氏:
 いや,前にどんどん出ていって,キーパーが自分でシュートするのもいいと思いますよ。キーパーはフィールドプレイヤーの役割と,キーパーの役割と,二つを兼ね備えていますから。そういった面で面白いのではないかと思います。

4Gamer:
 同じキーパーを選択した人でも,どんどん前に出るタイプと,ゴール前に張りついて死守するタイプに分かれそうですね。性格が出るというか。
 そういえば,キーパーだと,「ファット」とか「マッスル」とかのキャラクターが合ってそうな感じがしますが,攻撃参加をするタイプのキーパーだと,案外,素早く動けて戻りも早い,「スモール」のタイプもいいかもしれないですね。

渡辺竜太郎氏:
 そうですね。ただ,体が小さいと守備範囲が物理的に小さくなってしまうので,シュートに対する反応とかをプレイヤースキルで補わないといけないという意味では,かなりテクニカルですよ。

4Gamer:
 ああ,なるほど。体の大きさも重要なんですね。
 ところで,まぁキーパーは特殊としても,ほかにも三つの基本ポジションがあるわけですよね。しかし,最初のうちは,小学生のサッカーのように,ボールがあるところにわっと集まってしまいがちですね。



渡辺竜太郎氏:
 最初はやはりそうなってしまうと思うのですが,ゲームに慣れてくると,バランス良く分散したほうが有利だと分かってくるはずです。あとは「誰かがどこかに行ったな」と思ったら,空いたスペースに入り込むなど,どんどん戦略が広がっていくのではないかと。

4Gamer:
 そうなってくると,より面白いでしょうね。せっかくポジションごとに分かれているわけですし。
 そういえば,レベルアップごとにパラメータが上がっていくということですが,ポジションごとにアップする能力が違う,ということはないのですか?

辻野松二郎氏:
 そのあたりは現段階では調整中なのですが,ポジションによって有効なスキルが出てくるといったことを考慮中です。ポジションと体型によってかなり変わってきますので,多彩な遊び方ができるのではないかと思います。

4Gamer:
 なるほど。まぁ当然,ポジションの得意/不得意というのも出てきそうですね。それで気になるのが,ゲームに接続して,その場でチームを組んで試合に臨むという場合に,チーム内でポジションがかぶったりしないか,ということです。

辻野松二郎氏:
 現状,ポジション別に用意しているのはスキルだけなので,スキルをセットするときにチーム内で工夫すれば,それほど問題にはならないですね。ゴールキーパーを選んだからといって,フィールドプレイヤーになれないわけではないので,セッティングでスキルを変えることで対応は可能です。

4Gamer:
 それはいいですね。ちなみにスキルは,成長によって新たなものが入手できるのでしょうか?

辻野松二郎氏:
 いえ,支給されるものと,アイテムショップで買うものがありますね。

4Gamer:
 スキル選びにもプレイヤーの性格が反映されそうですね。

辻野松二郎氏:
 敵選手を攻撃するスキルしか持たなくていいや,なんて人もいるかもしれませんね(笑)。
 あと,最初のうちこそポジションは四つですが,レベルが上がると,ポジションはさらに細分化されます。同じゴールキーパーでも,「オフェンシブゴールキーパー」と「ディフェンジブゴールキーパー」に分かれ,二次職への成長が可能になります。

4Gamer:
 なるほど,「オフェンシブゴールキーパー」という響きには,確かに少しあこがれますね(笑)。
 では,次の質問です。早く上達するためのコツを教えてください。

辻野松二郎氏:
 それについても,実際のサッカーに似ているところがあると思いますね。1対1で相手を抜く練習をすると,結構上達は早いと思います。パスは簡単にインターセプトされてしまう場合があるので。自分がフリーになる状況を作れると,ゲーム内の立ち回りが変わってくると思います。

4Gamer:
 対戦部屋に集まったプレイヤーで試合をする仕様になっているようですが,チームとしてまとまって入室するのは可能なのでしょうか?

渡辺竜太郎氏:
 そうした機能はβテストではまだ実装されません。いずれ実装しようとは考えていますよ。



辻野松二郎氏:
 チーム対戦モードというのが実装予定です。最初にチームを結成してから,ほかのチームと対戦するというモードですね。

4Gamer:
 ぜひ早めの実装をお願いします。やはり仲間と一丸になって戦ってこそのサッカーですし。
 ところで,プレイヤーにやり込む人が増えるにつれ,だんだん上級者と初心者の差が出てきてしまうことも考えられますが,そのあたりへの対処はどうお考えですか?

渡辺竜太郎氏:
 そうですね。まだ具体的には進んでいませんが,レベルに応じたサーバー分けなども必要になってくるかと思います。上の人だけが楽しめればいい,というものではないと思いますので。

4Gamer:
 分かりました。それでは最後に,正式サービスを心待ちにしてる人に向けてメッセージをお願いします。

辻野松二郎氏:
 多分最初は,「ゴールキーパーはつらい」と考える人が多いと思うのですが,やり込むと確実に面白いので,チームメイトに「ヘタだよ」なんて言われても,ゴールキーパーを目指してる人はめげずにやり込んでください。

渡辺竜太郎氏:
 辻野さんはゴールキーパーを推しますよね(笑)。

4Gamer:

 あれは性格出ますね。どこで飛び出すか……(笑)。ゴールキーパーは人気出そうですけどねぇ。

辻野松二郎氏:
 人気はいずれ出ると思いますけど,ヘタウマランキングを確実につけられるポジションかな,ていう(笑)。練習すれば,それに応じてかなり注目の的になれると思います。

4Gamer:
 そう言われると,私もゴールキーパーを練習したくなってきました(笑)。
 本日はありがとうございました。


 ちょっと触ったという程度だったので,今の段階であれこれ言うのはまだ早いかもしれないが,本文中で触れているとおり,とにかく簡単なキー操作で手軽にさくさく遊べ,しかもプレイすればするほど奥深さが出てくるゲームだという印象を持った。
 辻野氏,渡辺氏によると,8月10日のオープン時は,とりあえずゲームを楽しんでもらうことが主な目的という。そのため最初は未実装/未確定な部分も多いが,徐々にゲームモードやスキル,アイテム,フィールドなど,いろいろな仕様が追加されていくとのことだ。将来的には大会の開催なども視野に入れているそうなので,オープン時から,その日に備えて猛練習しておくといいかもしれない。(ライター:キーオ林)

※この取材ではテスト環境でプレイしており,用語や仕様は変更になる場合があります

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