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[GDC 2009#29]今年も脳波だ「NeuroSky」のブレインコントロールデバイス
今回紹介する「NeuroSky」の製品は,実は昨年も展示されていたものなのだが,先に紹介したEmotivのデバイスとほとんど同じようなものだったのでスルーしていた。Emotivが今年は見当たらなかったことと,NeuroSky製は夏ぐらいに発売される見込みだということなので,今年はこちらを紹介してみたい。
NeuroSkyの脳波コントロールデバイスは,ヘッドフォンタイプのもので,ヘッドフォンに額に押し当てるセンサー部がついている構造になっている。写真を見れば分かるが,センサーは一見インカムのマイクっぽいのだが,そうではなくて,額のやや左側に密着させるものだ。ヘッドフォンを含め,BlueTooth接続のワイヤレスとなっている。脳波関係は,この1か所だけで取得している。NIAは額前面に3点,Emotivのものはあちこち何か所かで取っていたので,NewroSky製がいちばん簡略な構造のものといえる。
このデバイスでは,「集中度」と「瞑想度」という2種類のパラメータを取得してゲーム内で利用できる。β波が集中度でα波が瞑想度なのかと聞くと,単純にそういうわけでもなく,独自に判定しているとのこと。装着すると,4秒間でキャリブレーションが行われるので,ユーザーがとくに設定しなくても簡単に使えるものとなっている。
同社製のサンプルのほか,スクウェア・エニックスとの共同開発によるテクニカルデモ「Judecca」も展示されていた。このデモゲームは,脳波コントロールで日常空間とモンスターの空間を切り分ける感じのもので,集中度を上げると風景が変わり,モンスターが現れる。あとはFPSのように黙って撃つか脳波を使った攻撃をするかである。
ほかのデモも,移動や攻撃など基本的なゲーム操作については,マウスやコントローラを使用し,特殊操作を脳波に割り当てているのが印象的だった。始終集中していると,やっぱり疲れるとのこと。
会場内では整理券を配ってテストプレイを行うほど注目度は高かった。先日紹介したNIAなど,すでに市販されているものもないではないが,脳波の旬はもうちょっと先なのかもしれない。
しかし,Intelのblogを読んでいると「Emotivのデモが素晴らしかった」とか書いてあったので,どうも今年は見落としてしまったぽいなあ……。
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