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[COMPUTEX 2006#14]「ClearVideo Technology」を大々的にアピールするIntelブース
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印刷2006/06/12 15:57

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[COMPUTEX 2006#14]「ClearVideo Technology」を大々的にアピールするIntelブース

ブースのあるHall 4前に“Intel自転車隊”が集結。台北市内をパレードした
 COMPUTEX TAIPEI 2006のIntelは,主力CPUをPentium 4/DからCore 2 Duoへ転換し,併せてメモリシステムをPC2-6400(DDR2 800)へ移行させるIntel 965 Expressチップセットを訴求するという重大なミッションを背負っているため,気合の入れようがすさまじい。

 例えば,COMPTEX TAIPEI 2006初日のIntelブースでは,ブース前の通路を一斉封鎖してバレリーナ達が踊りながらパレードするという,謎のオープニングセレモニーを開催したりしていた。

意味こそまったくもって不明だが,「Intelの本気」は伝わってきたIntelブースのオープニングセレモニー


 さて,Intelブース内では,目立った場所で,「Half-Life 2: Lost Coast」のベンチマークテストを,2台のPCで実行し,そのフレームレートを競わせるというデモンストレーションを公開していた。

 2台のPCのスペックはレポート#04で紹介した基調講演時と同じで,IntelサイドはCore 2 Duo E6700/2.66GHzベース,AMDサイドはAthlon 64 FX-62/2.8GHzベースのシステムを利用。Half-Life 2は,それほどCPU負荷が高いイメージのタイトルではないが,フレームレートは前者が173.97fps,後者が122.76fpsで,フレームレート比で40%もCore 2 Duoシステムが高い結果になっていた。

 筆者個人の感想として,ちょっと差が出すぎではないかと思い,それぞれのマシンのグラフィックオプションの設定が一致しているかどうかを確認しようとしたが,ダメとのこと。このあたりは,実際に製品が登場してから,確認してみたい。

Core 2 Duoシステム(左)とAthlon 64 FX-62システム(右)それぞれのベンチマークテスト結果を示して,その性能差をアピールしていた(※それぞれクリックすると全体を表示します)


■Intelも高品位ビデオ再生アクセラレーション技術を発表

 その奥で行われていたのは,Core 2 Duo対応のグラフィックス統合型チップセットであるIntel G965 Expressのデモンストレーションである。同チップセットに内蔵された統合型グラフィックスコア「Intel Graphics Media Accelerator X3000」(以下GMA X3000)は,内部アーキテクチャこそ非公開ながら,プログラマブルシェーダ3.0仕様に対応していることが公言されている,Intel史上最強のグラフィックスコアだ。

 デモンストレーションは,このGMA X3000に搭載されたプログラマブルビデオプロセッサ(PVP)とシェーダユニットの支援によって提供される,高品位ビデオ再生機能についてのものだった。同機能には,「Intel Clear Video Technology」(以下ClearVideo)という名前が与えられている。



GMA X3000が提供するIntel Clear Video Technologyには,HDとSDのビデオを同時に再生できるポテンシャルがあるとするスライド
 Intelの担当者によれば,ClearVideoはDXVA2.0に対応しており,Windows Vista時代のビデオアクセラレーションの仕組みにも対応できるとのこと。
 Clear Videoの具体的な機能としては,ほかの領域には一切影響を与えず,ビデオ再生画面だけを対象とする画調調整機能,インタレース映像に対して適応型のプログレッシブ化処理を行えるデインタレース処理,MPEG-2やVC1のデコードアクセラレーション(逆離散コサイン変換,動き補償処理),4×4のマルチタップFIR(Finite Impulse Response)フィルタによるスケーリング処理が挙げられている。性能としては,MPEG-2であれば,HD(高解像度,ハイビジョン)ストリーム1本,SD(標準映像)ストリーム1本を同時に処理できるという。

 なお,最近のATI TechnologiesやNVIDIAが強く訴求しているH.264のデコードアクセラレーションについては「現在,研究開発中」とのことだった。

左:適応型のI/P変換処理(デインタレース処理)にも対応
右:HDCPをサポートしてHDMI出力にも対応。家庭用高解像度テレビのHDMI端子にPCを接続できる。映像も音HDMIケーブル一本でOKの環境がPCにやってくる


■GMA X3000で3Dゲームグラフィックスはどこまでいけるのか?

 4Gamer読者として気になるのは,ノートPCや安価なPCなどで,オンラインゲームやカジュアルゲームを楽しむことを前提としたときに,GMA X3000がどの程度の性能を持っているかだろう。

 Intelから配布された資料には「GMA X3000は素晴らしい3Dグラフィックス表現と驚くべきグラフィックスパフォーマンスを提供します(GMA X3000 delivers spectacular 3D graphics and remarkable graphics respnonsiveness)」とあるのだが,IntelブースにはGMA X3000で3Dグラフィックスを実行させたデモがまったくないのだ。3DMark06などを実行させた資料もない。
 この点についてブース内にいたMichael Abel氏(Intel Product Marketing Engineer, Chipset & Software Marketing)に聞いてみたところ「実はまだGMA X3000の3Dグラフィックス機能をフル稼働させるドライバが完成していない。夏頃には,プログラマブルシェーダ3.0仕様の全機能が動かせるようになる」とのことだった。

 GMA X3000の3Dグラフィックス性能を資料上では強烈にアピールしながらその展示がないというアンバランスな展示内容の裏には,こうした事情があったのだ。(トライゼット 西川善司)

本文とは無関係だが,Intelブースには,同社の提唱する,ノートPCのコンポーネントを共通化する試み「Common Building Block」(CBB)関連の展示も。見本となるPCのほか,CBB対応のバッテリー,ドライブ,液晶パネルなど,各社のCBB対応製品が並んでいた。ただし,現時点のラインナップではCBBにGPUは含まれておらず,MXMのようなモジュールの姿はなし。ゲーマーがノートPCを自作できるようになるためには,まだ時間がかかりそうだ
  • 関連タイトル:

    Intel 900 Express

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