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[COMPUTEX 2006#01]AlbatronがMini-ITX&Athlon 64ベースの車載PCを展示 インターネット接続で“車載MMORPG”を実現へ
KI51PV-754は,VIA Technologiesの提唱する小型PC規格「Mini-ITX」フォームファクタに準拠するマザーボードだ。Mini-ITXは,17cm×17cmという小型さがウリのフォームファクタだが,KI51PV-754では,この面積にGeForce 6150+nForce 430を搭載。つまり,Mini-ITXマザーボードで,(パフォーマンスはともかく)DirectX 9世代のゲームをプレイできるわけである。
■インターネットにつながったクルマの中で
■オンラインゲームを
ユニークなのは,インターネット接続が,3G携帯電話で提供されることだ。Albatronセールスディビジョン セールスサポート部のAndy Tsai(アンディ・ツァイ)氏によれば,台湾でもようやく無線LANの普及が始まったところで,WiMAX(詳細は2006年4月27日の記事を参照してほしい)は政府のサポート待ちで,それゆえ,このような仕様になっているという。
そう,これは製品――売り物なのだ。Albatronはあくまでパーツメーカーなので,PCの車載はNew Byte Creativeという台湾企業が手がけている。同社によれば,“デモ車”の場合,4台のディスプレイとマルチチャネルスピーカーシステムを搭載する場合,インストール(設置)代込みで50万NTドル(約180万円)とのこと。まあ,はいそうですかと買える値段ではないが,仕様次第で価格は変わるとのことなので,PCを車載して,ゲームをプレイできる環境を作るくらいなら,案外安くなるかもしれない。もっとも,日本でインストールサービスが開始されたとして,3G携帯電話のパケット通信料がいくらになるかは,想像するとちょっと怖くなってくるが……。
いずれにせよ,自動車とPCの未来像を,現時点で可能な手段によってある程度実現してみせた点そのものは,評価していいように思う。将来的には,3G携帯電話のようなチカラワザではなく,広範囲をカバーする無線LAN技術が採用され,クルマの中からインターネットにつなが(り,どこでもオンラインゲームをプレイでき)る世界がやってくるだろう。
■マザーボードの単体販売も
ちなみに,KI51PV-754は,別に車載専用ではなく,単体発売されるとのこと。2006年6月中には,初回ロット500枚が,日本をはじめとする世界各国へ出荷されるという。店頭の想定売価は220米ドル(約2万5000円)とのことなので,気になった人は覚えておくといい。また,専用のMini-ITXケースも用意する予定があるとのことだった。(佐々山薫郁)
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