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[GC 2007#040]ジェーン・ジェンセンの新作「Gray Matter」の詳細が明らかに
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印刷2007/08/24 19:20

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[GC 2007#040]ジェーン・ジェンセンの新作「Gray Matter」の詳細が明らかに

身内に何かあったそうで,急きょドイツ入りをキャンセルしたJane Jensen氏は,ビデオレターでdtp Entertainmentのカンファレンスに登場した
 2006年のGame Conventionで電撃的に発表され,古参のアドベンチャーゲームファンを狂喜させたのが,Jane Jensen(ジェーン・ジェンセン)氏ひさびさの作品「Gray Matter」である。販売を手がけるdtp Entertainmentは今回,1980年代のLucasArts Entertainmentを引っ張っていた二人のデザイナーによる新作「Mata Hari」をデモンストレーションしたが,当時のアドベンチャーゲームジャンルでLucasArtsと双璧をなしていたのが,Jensen氏の属していたSierra On-Line(現Sierra Entertainment)の作品群だったのだ。

 Jensen氏が頭角を顕したのは,Sierra On-Line後期の時代であり,彼女の作品として有名なのは,なんといっても「Gabriel Knight」シリーズだろう。超自然現象をテーマにしながらも,史実と組み合わせることでプレイヤーの興味を見事に掻き立てる。とくに「Gabriel Knight 3: Blood of the Sacred, Blood of the Damned」(1999年)では,映画「ダビンチ・コード」よりも数年早くキリストの秘密に関するテーマを扱っており,そのストーリーの奥深さから,最近でも「アドベンチャーゲームにおける古き良き時代最後の作品」として称えられることが多い。

 さて,1996年に起きたSierra On-LineのCUC Softwareへの身売りに始まった混沌に辟易し,一度はゲーム業界から離れていたJensen氏だが,このGray Matterをもって9年ぶりの復活を遂げることになった。今回のテーマも,もちろん超自然現象。手品師としての修行のためにイギリス各地を旅していたアメリカ人,サマンサ・エベレットが主人公となり,オートバイの故障で,一夜の宿を求めて立ち寄った不気味な屋敷が舞台となる。

 この屋敷の主人は,著名な神経生物学博士デイビッド・スタイルスで,妻を猟奇殺人で失ったことから,失意のうちに片田舎に引っ込んだという設定。サマンサは新たに派遣された執事と勘違いされて,スタイルス博士がオックスフォード大学に在籍していた当時に生体実験の実験台にされていた6人の行方を追跡するよう求められる。
 手品という,いわば「人をだます」トリックで生活してきたサマンサが,テレキネシスなど神秘現象の解明へと突き動かされていくわけだ。



 Gray Matterは,プリレンダーされた2Dグラフィックスの背景の上で3Dキャラクターが動き回るという,クラシカルなポイント&クリック型アドベンチャーゲームだ。Sierra On-Line時代には当たり前のように存在していた,ゲームの進行状況を示すバー状のポイントシステムまでも復活するという。現代風にホラー要素が高まっているとはいえ,そのショックをアクション要素で直接的に提示するのではなく,Gabriel Knightシリーズと同じく,ストーリーによる心理的な表現に重点が置かれているはずだ。

 サマンサの特技である手品によってパズルを解いていくのもユニークだが,ゲームでは彼女だけでなくスタイルス博士も,プレイヤーが操る。並行的に進むストーリーも興味深いところだ。発売は2008年の第1四半期が予定されており,「Mata Hari」同様アドベンチャーゲームファン注目のタイトルになるのは間違いないだろう。(ライター:奥谷海人)

  • 関連タイトル:

    Gray Matter

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