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Far Cry 2
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[TGS 2008#060]「Far Cry 2」試遊レポート。広大なアフリカを自由に探索できる,PCゲーマーも注目の一品
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印刷2008/10/11 05:23

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[TGS 2008#060]「Far Cry 2」試遊レポート。広大なアフリカを自由に探索できる,PCゲーマーも注目の一品

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 マイクロソフトのブースでは,Xbox 360用のタイトルの一つとして「Far Cry 2」が展示されていた。PCゲーマーのみなさんならご存じの作品だ。
 4Gamerの読者のみなさんに説明するまでもないかもしれないが,軽く。この作品の前作にあたる「Far Cry」は,ドイツに本拠を置くCrytekという開発スタジオによって作られたFPSだ。2004年当時の水準としてはかなり広いマップが用意され,そこをある程度自由に攻略できるところが魅力的な作品だった。「Far Cry」のリリース後,Crytekは次回作となる「Crysis」をUbisoftではなくEAからリリースすることを決めた。そして「Far Cry」というタイトルはUbisoftに残った。この「Far Cry」の続編としてUbisoftのモントリオールスタジオが開発したのが「Far Cry 2」である。なんかちょっとややこしい。

 「Far Cry 2」は(これまでに出ている情報のとおり)前作の持っていた特徴を大きく拡張し,「より広大なマップ」において「より自由なプレイ」が楽しめる。広いマップ上には敵や味方の拠点やNPCが存在し,プレイヤーはそこを自由に動き回ることができる。メインと呼べるミッションが一応用意されているが,必ずしもすぐにそれを遂行する必要はない。命令を無視して好きなように行動し,舞台となっているアフリカの大自然の中を探索してもOKだ。


 このタイプの“自由なプレイ”ができることは,近頃開発されているFPSの一つのトレンドとなっており,具体的には「S.T.A.L.K.E.R.」シリーズ,「クライシス:ウォーヘッド」「Borderlands」といった作品が,似たコンセプトを持っている。この“自由感覚”は,ジャンルは違うがRPGである「Oblivion」の持つ自由な感じと似ているかもしれない。

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 さて,TGS会場においてはそのFar Cry 2が試遊可能な状態で展示されていたので,そのインプレッションをお届けしよう。

 デモプレイは,自身が拠点としているらしき小屋の中から始まった。小屋を出ると周りにはアフリカの乾いた大地が広がっている。右にも左にもどこにでも進んで行けそうだ。とりあえずの指針がほしくて,係の女性に「どっちに向かうのがおすすめですか?」と聞いてみたら,「マップを見ながらどこへでも進んでください」という答え。返事になってないですよ。まぁデモにおいても,「好きなようにできること」が重視されているというわけだ。

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 とりあえずマップを出してみると,拠点の位置などが記されているのが分かる。興味深かったのは,このマップが,別画面に切り替わることで現れるのではなく,武器などと同様にプレイヤーが手に持つクリップボードの形で,画面内に自然に現れたことだ。上下左右の空きスペースには,普通に風景が見える。そして前進するとプレイヤーキャラクターは手を少し下げて,画面の上半分が通常風景,下半分がマップになるような表示バランスになって進み始めた。切り替え式のマップ画面のゲームでは,しばしば何度も何度もマップと通常画面を行き来することになったりするが,Far Cry 2ではそのような煩雑さとは無縁でいられそうだ。

 しばらく進んで粗末な掘っ建て小屋のようなところにつくと,そこに陣取っていたと思われる敵から銃撃を受けた。応戦しよう。
 撃ち合いの部分は一般的なFPSと比べて大きな違いはない。ヘルスは銃撃を受けると減っていき,回復アイテム(注射器)を使うと回復する仕組みだ。傷ついたり,弾を減らしたりしていたら,いわゆる残弾数やヘルスなどのUIはそれが必要なときにしか表示されないようになっていることに気がついた。必要がないときにはUIを消してゲーム画面の本物らしさ,ひいてはプレイヤーの没入感を高めるというやり方は,これもまた最近のFPSのトレンドである。

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 敵を倒し,所持品などを確認しようとメニューを開いた。ミッションログももちろん日本語化されている。RPGライクな要素のある作品なので,同系統の「S.T.A.L.K.E.R.」にあるような,グラフィカルなインベントリー画面も備わっているかと思っていたのだが,それはなかった。こまごまとしたアイテムのマネージメントよりも,ゲーム世界を動き回ることに集中力を向けられるような作りになっているのだろう,と解釈。

 しばらくは調子よく現れる敵を倒していき,銃弾などアイテムもいくつか拾い,拠点をいくつか巡ったところでビークル(自動車)がおいてあるのを発見した。早速乗り込んでみよう。広いマップを移動するのにビークルは不可欠であり,ゲーム内には,ほかにボートやハングライダーなども用意されているという。ビークルに乗って気が大きくなった筆者は,このあと敵の拠点の一つに突撃して,車から飛び出したところを囲まれて,蜂の巣にされて死んでしまった。

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 今回実際にプレイして感じたのは,Far Cry 2に用意されている広大なマップは,ただ広いだけではなく,きちんとデザインされた広さであるようだ,ということだ。先述の「S.T.A.L.K.E.R.」もそうなのだが,管理が行き届いていない“広い世界”というのは,うろついていて雰囲気がだらけたり,あるいは理不尽な状況にいきなり直面したりということがしばしば起こる。それはそれである意味刺激的ではあるのだが,そういうゲームは初心者にはお勧めしづらいこともまた事実である。その点Far Cry 2のマップは,ちゃんとプレイヤーの体験を計算に入れたうえで,適切にデザインされているように感じた。これだけの試遊からそこまで判断するのはちょっとどうかとも思うが,こちらにそう期待させるような体験を,筆者はこのプレイから受け取ったのもまた事実だ。

 Far Cry 2では,さらにプレイを進めていけば,武器にさまざまなカスタマイズやアップグレードを施していくことで少しずつ強くなっていく楽しさが味わえたり,二大ファクション(ゲーム内での勢力)のどちらかに肩入れしていくことでゲーム展開が変化したりといったことが起こっていくという。
 筆者はどちらかといえばFPSよりもRPGのほうが好きなのだが,Far Cry 2の持つノンリニアな展開の可能性には,そのRPG愛好家としての部分がピピッと反応する。今回の試遊によって製品の発売がいっそう待ち遠しくなった。

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