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AMD,2007年第1四半期中の次世代GPU「R600」登場を予告
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印刷2007/01/24 18:03

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AMD,2007年第1四半期中の次世代GPU「R600」登場を予告

新年の挨拶に立った日本AMD代表取締役社長 森下正敏氏
 日本AMDは,毎年1月に行っている「新春記者懇談会」を2007年も開催し,そのなかで,DirectX 10をハードウェアでサポートする次世代GPU(グラフィックスチップ)である「R600」(開発コードネーム)について,2007年第1四半期中に登場予定と予告した。AMDの決算四半期はカレンダーどおりなので,何事もなければ,3月31日までにはその全体像が明らかになるようだ。

吉沢俊介氏(日本AMD 取締役 マーケティング本部 本部長)
 懇談会では,日本時間1月24日早朝に行われたAMD本社の2006年度決算報告をもとに,日本AMD取締役の吉沢俊介氏が2006年のハイライトを公開。R600のスケジュールが明らかになったのは,その流れでのことだった。
 氏は,AMDが「真のクアッドコア」と呼ぶCPU「Barcelona」(バルセロナ,開発コードネーム)が予定どおり2007年中に登場する見込みであるなど,将来の製品についてはスケジュールのみを述べるに留めたため,第1四半期中にR600が「発表」されるだけなのか,はたまた搭載グラフィックスカードが「発売」されるのかは不明のまま。とはいえ,期限の目安が示されたことは大きなニュースといえるだろう。
 海外の一部PC系サイトでは,3月上旬に「ATI Radeon X2000」ファミリーとして発表されるという噂もあるR600。いよいよその足音が聞こえてきそうである。

吉沢氏が示した,AMDの決算報告ハイライトから。R600に関連した部分は右に抜き出してみた。本文とは関係ないが,中央に示したスライドの下部分にAMDのハイライトとして「Wii」の名前が出てくる(WiiにはATIブランドのグラフィックス機能が搭載されている)のは,なかなか興味深い


■2007年のAMDは
■「Better by Design」を推進


「ベター・バイ・デザイン」と聞いてもピンと来ないかもしれないということで,日本AMDではそのイメージを「厳選素材」として表現している
 このほか吉沢氏は,AMDの一般ユーザー向け施策として,2007年は「Better by Design」なるプログラムを推進するとした。

 「例えばノートPCを考えたとき,競合はハードウェアの仕様を決め打っている」と,「Intel Centrino Mobile Technology」を批判した吉沢氏は,「Better by Designでは,『餅は餅屋』。各社の優れた要素技術をエンドユーザーが選べるようにしたい」と述べ,さまざまなコンポーネントの組み合わせを訴求していくとした。当面の間,ノートPCではCPUとGPUと無線LANコントローラ,デスクトップPCではCPUとGPUの組み合わせが対象となり,近い将来,AMD製CPUを搭載した搭載PCに順次ステッカーが貼られていくようだ。

左は日本AMDによるBetter by Designに関するメッセージ。Windows Vistaと絡めつつ,選択の自由度を訴求していくとした。左はノートPCとデスクトップPCに今後貼られる予定のステッカー一覧。組み合わせ例が多いため,ステッカーのパターンも多い。今後,「主要コンポーネントで,複数の提供メーカーが競合しているものについては」(吉沢氏)CPUやGPU,無線LAN以外のデバイスがこのステッカーに加わる可能性もあるという


テスト機の概要。いずれも市販されているノートPCで,店頭価格がほぼ同じものだそうだ
 会場では,Turion 64 X2 TL-50/1.6GHz+ATI Radeon Xpress 1150チップセット,そしてCore Duo T2300/1.66GHz+Mobile Intel 945GM Expressチップセットを搭載した2台のノートPCを用いたデモが行われた。
 デモでは,3Dゲームタイトル「Sam & Max Episode 1: Culture Shock」を実行。すると,前者では壁などのテクスチャが貼られているのに対して後者はなく,この違いが,ハードウェアの仕様が決め打たれていない,Better by Designの優位性と日本AMDはアピールする。

上段の写真2点は左がTurion 64 X2搭載機,右がCore Duo搭載機のもの,下段は左が前者,右が後者のものだ。デモムービーでは直線の表現,ゲーム画面ではテクスチャの表現で,同じ場面で比較したとき,ATI Radeon Xpress 1150のほうがMobile Intel 945GM Expressよりも優れており,よりよい体験ができると主張していた


 日本のPC市場では,どちらかというと「純正品信仰」とでもいうべき考え方が根強い。また,Better by Designのステッカーに名前の挙がっているブランド名が,初心者層に浸透しているとは言い難いという厳しい現実もあるため,果たしてAMDの謳う「選択の自由」がどこまでエンドユーザーの注目や支持を集めるかには,正直疑問も残る。
 ただ,デモであったように,安価なPC,もっといえばチップセットにグラフィックス機能を内蔵するようなPCの3Dパフォーマンスを考えたとき,現時点でAMD64プラットフォームのほうがより魅力的なのも事実。Better by Designというコンセプトに基づいて,地に足のついた活動が行われれば,ローエンドPCを購入したら3Dゲームがどうにも動かなかったという悲劇は,徐々に減っていくのではないだろうか。どうしてもR600の動向が気になるこのタイミングではあるが,Better by Designに基づくAMDの動きにも,ゲーマーとしては注目していきたい。(佐々山薫郁)

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