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Access Accepted第634回:2020年注目の欧米産ゲームタイトルは,これだ! (後編)
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印刷2020/01/27 00:00

業界動向

Access Accepted第634回:2020年注目の欧米産ゲームタイトルは,これだ! (後編)

画像集#001のサムネイル/Access Accepted第634回:2020年注目の欧米産ゲームタイトルは,これだ! (後編)

 先週に引き続き,2020年に予定されている新作ゲームの中から,注目すべき欧米産ゲームを紹介したい。PlayStation 5とXbox Series Xの年内の市場投入が予定されていることもあり,隠し玉もかなり多そうな気がする2020年の欧米ゲーム市場だが,PCや現行世代のコンシューマ機向けに発表されているタイトルだけでも遊び込めそうな作品はかなり多く,現行世代最後のゲーム群が大きな花を咲かせそうだ。


新たな展開を迎える2020年の欧米ゲーム市場


 前回の「2020年注目の欧米産ゲームタイトルは,これだ!(前編)」で紹介した,ポーランド生まれの2作品,「サイバーパンク 2077」PC / PS4 /Xbox One)と「Dying Light 2」PC / PS4 /Xbox One)の発売延期が発表されてしまった。手の込んだゲームゆえに開発が難航しているというのが延期の理由だが,美しいグラフィックスや広大なオープンワールドを謳うゲームであればあるほど,2020年末の発売が予定されている「PlayStation 5」や「Xbox Series X」に対応したほうが高い注目を浴びるはずで,そういった事情ももしかするとあるかもしれない。

 2020年末以降のゲーム市場にターゲットを絞った作品としては,Activisionの看板タイトルである「コール オブ デューティ」シリーズや,Ubisoft Entertainmentの「アサシン クリード」シリーズの新作が噂されているが,今のところ影すら見えない。
 また,Bethesda Softworksが発表した「The Elder Scrolls VI」「Starfield」,Electronic Artsの「Dragon Age 4」,そしてBlizzard Entertainmentの「ディアブロ IV」PC / PS4 /Xbox One)と「オーバーウォッチ 2」PC / PS4 /Xbox One / Switch)なども,2020年内に発売される可能性はあるものの,現段階で詳細は不明だ。年内の発売が予定されているUbisoftの「ウォッチドッグス レギオン」は次世代機版のリリースを明らかにしている。

Gearbox PublishingからリリースされるというPC/PS5向けアクションRPG「Godfall」。倒した敵から奪ったアイテムで成長する“ルーター・スラッシャー”と呼ばれる作品になる予定だ
画像集#017のサムネイル/Access Accepted第634回:2020年注目の欧米産ゲームタイトルは,これだ! (後編)

 Xbox Series Xのローンチタイトルとしては,以下で紹介する「Halo Infinite」のほか,ローンチに間に合うのかどうかは分からないものの,Ninja Theoryの「Senua's Saga: Hellblade II」が発表されているが,そのほかの情報は限定的だ。
 PlayStation 5では,最近ゲーム映像がリークされた「Godfall」という作品が存在するようだが,ソニー・インタラクティブエンタテインメントは今のところPlayStation 5について多くを語っておらず,こちらもしばらくはおあずけとなりそうだ。
 おそらく,6月のE3 2020で行われるであろう情報公開を待ちたい。

 以上のように,2020年はこの記事に掲載できなかった大作,期待作も多そうで,それを了承していただいたうえで,前回に引き続き,欧米生まれの「これだ!」という15作品を紹介しよう。


超監視社会となったロンドンで体制に反旗を翻す数百万の市民が主人公
■ウォッチドッグス レギオン
開発元:Ubisoft Montreal
販売元:Ubisoft Entertainment
発売予定日:2020年内
プラットフォームPC / PS4 / PS5 / Xbox One / Xbox Series X
公式URLhttps://ubisoft.co.jp/wdlegion/


画像集#002のサムネイル/Access Accepted第634回:2020年注目の欧米産ゲームタイトルは,これだ! (後編)

 「ウォッチドッグス」シリーズの第3弾となる「ウォッチドッグス レギオン」は,人々の個人生活が著しく制限された超監視社会となったロンドンを舞台に,権力の尖兵を担うセキュリティ企業アルビオンに反旗を翻すハッカー集団「デッドセック」の活躍を描く。最大の特徴は,特定の主人公が存在せず,ゲームに登場する数百万の市民がすべてプレイアブルキャラクターであるという点だ。
 もちろん,アルビオンに協力するキャラクターや,ミッション遂行中にデッドセックによって家族を殺されて恨みを持つキャラクターは参加を拒否するといったようなことも起きるが,容姿や衣服などが,さまざまなパターンでランダムに生成されるだけでなく,収録された音声を性別や年齢に合わせた「ボイスチェンジャー」を使って再生したりすることで,それぞれのキャラクターが画一的にならないような仕掛けも盛り込まれている。ハッカーだったり銃のプロだったりという,「らしい」キャラクターだけでなく,敵に怪しまれず特定の場所に入り込める老人など,市井の人々が抑圧社会と戦っていくという作品なのだ。


おぞましくも魅惑的な吸血鬼の世界にようこそ
■Vampire: The Masquerade - Bloodlines 2
開発元:Hardsuit Labs
販売元:Paradox Interactive
発売予定日:2020年内
プラットフォームPC / PS4 / Xbox One
公式URLhttps://www.bloodlines2.com/


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 テーブルトークRPG「ワールド・オブ・ダークネス」の公式ライセンス作品で,「Vampire: The Masquerade - Bloodlines」の16年ぶりの続編となるのが「Vampire: The Masquerade - Bloodlines 2」だ。プレイヤーは,記憶を失ったまま無理やり下級吸血鬼にされ,自分をこの地位に貶めた存在を追いながら,さまざまな吸血鬼集団が跋扈するシアトルの夜を彷徨うことになる。
 プレイを開始した段階では,能力の低いバンパイアThinbloodとして,シアトルの五大吸血鬼クランであるアナキストの「Brujah」,黒魔術に傾倒する「Tremere」,エリート集団の「Toreador」,フロント企業を保有し組織化された「Ventrue」,そして過去の遺産によって少数ながら地位を保つ王族系の「Malkavian」のいずれかに参加して,ミッションを遂行する。Thinbloodとして選べる3つのスキルに加えて,それぞれのクランは2つずつ特徴的なスキルを持っており,そのコンビネーションによってまったく異なる戦術や,ミッション遂行のためのアプローチが選べるようになる。リプレイアビリティも非常に高い作品になりそうだ。


最大4人の外科医が行うドタバタ手術が体験できる
■Surgeon Simulator 2
開発元:Bossa Studios
販売元:Bossa Studios
発売予定日:2020年内
プラットフォームPC
公式URLhttps://bossa.games/Surgeon2


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 ヘンテコ物理シムの隆盛に一役買ったゲームが,Bossa Studiosが2013年にリリースした「Surgeon Simulator」だった。マウスやキーボード,コントローラに割り当てられた理不尽な操作体系を駆使して,失敗間違いなしの外科手術を行っていくという,非常に不謹慎な状況がブラックな人気を呼んだのだ。そんなドタバタ手術ゲームをすべての面でパワーアップしたのが続編の「Surgeon Simulator 2」で,手術室や死体安置所はもちろん,なぜか休憩施設やボウリング場が用意されたシュールで巨大な医療施設(もしくは医療学校)のような場所を舞台に,リアルなダミー人形「ボブ」を使って手術に明け暮れることになるという。
 開発が発表されたばかりのタイトルで,トレイラー以外,ゲームの詳細は発表されていないものの,施設内の小部屋ごとに異なる手術シミュレーションを行うことができるようで,失敗した患者を運ぶためのものなのか,各部屋がベルトコンベアでつながれているという具合だ。
 公開されているトレイラーがゲームプレイの内容をそのまま伝えているわけではないだろうが,気になるのは最大4人のCo-opに対応していると思える点だ。人数が増えたところで,手術がうまくいくどころか,逆にメチャメチャなことになってしまいそうな気もするが,シンプルなアイデアを大幅に増幅させた,ボリューム感のある作品になることを期待したい。


トランスジェンダーを主人公にしたミステリーアドベンチャー
■Tell Me Why
開発元:DONTNOD Entertainment
販売元:Microsoft Game Studios
発売予定日:2020年夏
プラットフォームPC / Xbox One
公式URLhttps://www.tellmewhygame.com/


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 「Tell Me Why」は,「ライフ イズ ストレンジ」でゲーマーの絶大な支持を得たDONTNOD Entertainmentのエピソディック形式のアドベンチャーだ。アラスカにある架空の田舎町デロスクロシングに暮らす,テイラー・ロナンアリソン・ロナンという双子の兄妹が主人公となるが,テイラーは,女性としての自覚を持ちながら男性の体で生を受けた“トランスジェンダー”という,商業ゲームでは今のところ珍しい設定が採用されている。非常にセンシティブであるため,LGBTの社会認知を広める北米の非政府組織GLAADの協力を得ているという。
 双子のテイラーとアリソンは,子供の頃から深いつながりを持っていたが,このつながりは意識の部分だけでなく,DONTNOD Entertainmentらしい,何かの超自然現象に関わっているようだ。現時点では詳細はアナウンスされていないが,2人の複雑な家庭環境と過去を解き明かすミステリーで,3つのエピソードがリリースされる予定とのこと。
 なお,同社は2018年にバンダイナムコエンターテインメントが制作発表を行った「ツインミラー」の開発も進めており,こちらも2020年内のリリースが発表されている。


久々に帰ってきたフライトシムの決定版は最新技術がてんこ盛り
■Microsoft Flight Simulator
開発元:Asobo Studio
販売元:Xbox Game Studio
発売予定日:2020年内
プラットフォームPC / Xbox One
公式URLhttps://www.flightsimulator.com/


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 1979年から続くMicrosoftの伝統的作品だが,このところ新作の発表がなかった「Microsoft Flight Simulator」シリーズの最新作が,前作「Microsoft Flight Simulator X」以来,なんと14年ぶりに登場する。
 物語や戦闘はなく,プロペラ機やジェット機をひたすらリアルな手順で操縦するシミュレーションだ。現時点ではどのような飛行機が用意されているのかは明らかになっていないが,発表によれば,それぞれの機種のコクピットやフライトモデルなどが細かく再現され,プレイヤーは世界にある4万もの空港を自由に行き交うことができるという。
 開発を担当するAsobo Studioは,最近「プレイグ テイル -イノセンス-」の開発で知名度を上げているフランスのメーカーで,「Microsoft Flight Simulator」には同社が独自開発した最新ゲームエンジン「Ace Conception Engine」が使用されている。Microsoftの地図サービス「Bing Maps」で蓄えたデータを元にしたフォトグラメトリー技術も使用されており,これまでにないほど緻密な街や自然が眼下に広がる。また,「Azure」のクラウドサーバーがゲームの必要に応じて演算処理を行うことで高度なシミュレーションが可能になっており,海面や雲などはきわめて自然な動きをするとのこと。200万以上の地域を対象とした気象情報を受け取ることで,プレイヤーがいる場所の天候をリアルタイムで再現することも可能となった。


ミリタリーFPSの老舗ブランドがVRゲームとして復活
■Medal of Honor: Above and Beyond
開発元:Respawn Entertainment
販売元:Electronic Arts
発売予定日:2020年内
プラットフォームPC (Oculus Rift)
公式URLhttps://www.ea.com/ja-jp/news/medal-of-honor-above-beyond-announcement


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 ミリタリーFPSの黎明期を彩ったElectronic Artsの「Medal of Honor」シリーズは,ライバルだった「コール オブ デューティ」シリーズよりも古い1999年にスタートし,一時は「最も売れたFPS」としてギネスブックに登録もされたほどの人気を誇っていた。しかし,クールな最新ガジェットを使った現代戦にフォーカスし,オンライン対戦やゾンビモードなどを導入して毎年リリースを続けた「コール オブ デューティ」シリーズに人気を奪われ,2012年の「メダル オブ オナー ウォーファイター」を最後に新作がリリースされることはなかった。
 8年ぶりの新作となる「Medal of Honor: Above and Beyond」は,Oculus Rift専用のVRゲームとして発表されたが,開発を行うのが「Apex Legends」「Star Wars ジェダイ:フォールン・オーダー」などの作品で知られるRespawn Entertainmentであることが明らかになるに至って,昔からのファンは狂喜した。詳細は未発表だが,1940年代のヨーロッパ戦線を舞台に,陸,海,空で楽しめる作品に仕上がるとのことだ。


ウィットが効きすぎな悪の帝国建設・運営シム
■Evil Genius 2: World Domination
開発元:Rebellion
販売元:Rebellion
発売予定日:2020年内
プラットフォームPC
公式URLhttps://evilgeniusgame.com/en


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 スパイ映画などの悪役として登場するヴィラン達を主人公に,世界制覇を行うための秘密基地作りを行う建設シミュレーションゲームが「Evil Genius 2: World Domination」だ。こちらは,前作「Evil Genius」の発売以来16年ぶりの続編となり,悪の親玉となったプレイヤーが,カジノリゾートに偽装された南国の島に秘密基地を作っていく。
 カジノ経営で得られた資金を使って研究開発や作業員の調達を行うほか,イギリス王室の転売やアラスカの売却など,世界を混乱させる100種類以上の悪事が用意されているという。もちろん,ときどき乗り込んでくる正義のスーパーエージェントに対抗するために,有能な部下を雇ったり,奇抜なワナを設置する必要がある。こうして,世界制覇に不可欠な最終兵器を作り出すのがゲームの目的だ。
 グラフィックス面での大きな進化は間違いないはずだが,前作と異なるのが手下のキャラクターのマネジメントだ。シロウトとしてやってきたキャラクター達を,警備に回したり科学者として育てたりするのはプレイヤーの自由だが,それぞれにスキルや性格などのパラメーターが与えられているため,適材適所で使っていくことが必要になる。寝室や娯楽施設など,彼らにとって快適な生活を提供しなければならないという要素にも熱中してしまいそうな作品だ。


ファンタジー世界を舞台にカンフーアクションを楽しもう
■Biomutant
開発元:Experiment 101
販売元:THQ Nordic
発売予定日:2020年内
プラットフォームPC / PS4 / Xbox One
公式URLhttps://biomutant.com/


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 「Biomutant」は,擬人化されたさまざまな動物が暮らすファンタジー世界を背景にした,オープンワールドのアクションRPGだ。世界の秩序を保ってきた「生命の樹」が汚染され,根から次第に精気が漏れ始めたために「魔の力」が迫ってきたという設定で,プレイヤーは各地を旅して土地の勢力と交流し,暗い未来を打ち破っていくことになる。
 3DCGのアニメ映画のようなカジュアルなグラフィックスとは対照的に,銃器や剣,杖など,さまざまな武器を使ったスピーディなカンフーアクションが見どころになるようで,タイトルが示すとおり,キャラクターのDNAを操作し,リアルタイムでスキルをカスタマイズできることが特徴の1つだ。
 公開されているスクリーンショットやトレイラーを見る限り,プレイヤーキャラクターはレッサーパンダ風だが,体格や毛並み,柄まで細かく調整して,タヌキやウサギのような雰囲気の主人公に仕上げることもできるという。これといった実績を知られていないスタジオが開発しているとは思えないほど作り込まれた作品で,武器だけでなくガスマスクなどのアイテムのクラフティングも可能。バギーや飛行船,ジェットスキー,二足歩行のロボットなど,さまざまな乗り物を使って移動することができるという。


AIキャラクターをサポートして戦う斬新なFPS
■Disintegration
開発元:V1 Interactive
販売元:Private Division
発売予定日:2020年内
プラットフォームPC / PS4 / Xbox One
公式URLhttps://www.disintegrationgame.com/


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 Bungieのアートディレクターが独立して立ち上げたスタジオ,V1 Interactiveの処女作となるFPS「Disintegration」は,肉体が滅びる奇病の蔓延によって世紀末的状況に陥った人類が,脳をアンドロイドの体に保存する「機械転向」(インテグレーション)で生き残りを図るという未来世界を舞台としたFPSだ。
 プレイヤーは,グラヴサイクル(Gravcycle)というホバークラフトのパイロットとして,「Destroyer」「Ranger」「Warrior」「Sniper」「Striker」といったクラスから選んだ3人の部下に指示を出したり,空上からのサポートを行ったりして戦うという斬新なシステムが特徴で,通常のFPSとは異なる思考を求められることになりそうだ。
 シングルプレイキャンペーンに加えて,5人対5人のチーム対戦が用意されており,それぞれのプレイヤーは,3体のキャラクターで構成された「クルー」と呼ばれるAIチームを指揮して,対戦に挑む。あらかじめ用意されたクルーの中から,プレイヤーが好きなものを選ぶという仕組みで,対戦は,コントロールポイントの奪い合いがメインになるという。戦場では,実際のプレイヤーを含めて20対20の激戦が繰り広げられることになり,ほかのプレイヤーとの相性だけでなく,クルーとの相性の良さも求められる,ユニークなオンラインFPSが期待できそうだ


ロマンチックな逃避行を描くアクションRPG
■Haven
開発元:The Game Bakers
販売元:The Game Bakers
発売予定日:2020年内
プラットフォームPC / PS4 / Switch
公式URLhttp://www.thegamebakers.com/haven/


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 2016年に,1対1の激しいボスバトルがメインとなるゲーム「Furi」を開発したThe Game Bakersの新作が「Haven」だ。愛し合うカップルのユウケイの2人が,何かの理由で未開の惑星ソースに逃げ,そこで,孤独だが静かな生活を続けていくという内容で,日本のRPGにインスパイアされた作品とのこと。キスやハグなどのラブラブ描写が多いことが特徴の1つで,激しい「Furi」とはコンセプトが大きく異なる,リラックスしながらプレイを続け,エモーショナルなストーリーを味わうという趣向のゲームとなる。
 2人が暮らす惑星ソースの地表は紫色の流動物質で覆われており,プレイヤーは青い光の尾を残しながらスキーのように地表ギリギリを飛ぶ「グライディング」で高速移動できる。グライディング中は料理の材料となるハーブや植物が自動的に採取され,ときおり見かける強暴そうな原生生物と戦うことも可能だ。至近距離のメレーアクションが得意なケイと,距離を置いて魔力を使うユウ,それぞれの力を合わせたコンボ技が発動できるが,基本的には敵を殺さず,おとなしくさせるだけという,優しさが前面に押し出された作品になっている。


インド洋を駆け抜けて海賊王になり上がろう
■スカル アンド ボーンズ
開発元:Ubisoft Singapore
販売元:Ubisoft Entertainment
発売予定日:2020年内
プラットフォームPC / PS4 / Xbox One
公式URLhttps://skullandbones.ubisoft.com/game/en-us/home/


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 「スカル アンド ボーンズ」は,「アサシン クリード4 ブラック フラッグ」で海戦や海面の物理シミュレーションを担当したUbisoft Singaporeが制作する新たなフランチャイズだ。プレイヤーは,大航海時代にインド洋で暴れた海賊となり,さまざまな勢力に加担しながらミッションを請け負ったり,財宝を手に入れたりして,海賊王を目指す。「ブラック フラッグ」の海戦場面だけにフォーカスしてゲーム化したような作品だが,敵船の動きを見切って攻撃したり,敵の船に乗り込んで戦うといったアクションにも期待できそうだ。
 開発の遅延がこれまで何度か発表されている作品だが,「ブラック フラッグ」と同じ,18世紀初頭の最後の海賊黄金時代が描かれることが明らかになっており,ネットにアクセスしてプレイするMMORPG的なゲームシステムが採用されるそうだ。ほかのプレイヤーの戦いつつ,モンスターなども相手にしなくてはならいPvPvEモードも用意されている。


仲間と共に,クリーチャーに立ち向かえ
■OUTRIDERS
開発元:People Can Fly
販売元:スクウェア・エニックス
発売予定日:2020年夏
プラットフォームPC / PS4 / Xbox One
公式URLhttps://outriders.square-enix-games.com/en-us/


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 「Outriders」は,「バレットストーム」「Gears of War: Judgment」などで知られるポーランドのPeople Can Flyが,スクウェア・エニックスとタッグを組んで制作中のタイトルだ。現時点で情報は少ないのだが,コールドスリープされた状態で惑星Enochに送り込まれた傭兵「アウトライダーズ」が戦いを続けていくというストーリーで,「Halo」シリーズや「Gears of War」シリーズのような雰囲気を持った作品になりそうだ。本作の特徴は,シングルプレイキャンペーンに,ほかのプレイヤーが気軽に参戦できるドロップイン&アウト型のCo-opが用意されていることだろう。
 公開されたトレイラーでは,惑星に存在していたらしき人類文明が巨大なクリーチャー達に蹂躙され,豊かな森も焼き尽くされ,荒廃しきっているという場面が確認できる。この巨大クリーチャーに対してどのように戦っていくのかが見どころになりそうで,多くのゲーマーにとって続報が楽しみな作品だ。


バンド・デシネ風のビジュアルが気になるアドベンチャー
■Sable
開発元:Shedworks
販売元:Raw Fury
発売予定日:2020年内
プラットフォームPC / Mac / Xbox One
公式URLhttps://www.shed-works.co.uk/


画像集#014のサムネイル/Access Accepted第634回:2020年注目の欧米産ゲームタイトルは,これだ! (後編)

 メンバーが8人という小さなフランスのデベロッパShedworksが手がける「Sable」は,砂だらけの世界セイブルで,大人になる修行の冒険を続ける少女が主人公となる。スタジオジブリのアニメ作品に影響を受けたという本作では,主人公が自分の個性を映し出す「マスク」を探しながら,道中で出会う世界の文化や歴史を学んでいくことになるという。地表すれすれを高速移動する「ホロバイク」に乗り込んで各地を自由に旅しながら,古代遺跡のパズルに挑戦するといった趣向だ。
 3Dグラフィックスにセルシェーディングを重ねることで,フランスなどのコミックスタイルであるバンド・デシネのような,フラットで独特なグラフィックスがグリグリ動くことが大きな特徴で,夕暮れにはキャンプの焚火から紫色の煙が立ちのぼるなど,色使いもユニーク。どの場面を切り取っても,版画や鉛筆画として通用しそうな雰囲気を持っている。1年以上にわたって最新情報が公開されていない作品だが,2020年に登場するインディーズタイトルの中でもとくに注目したい1本だ。


攻撃できないゴーストと,ゴーストハンター達の非対称型アクション
■Midnight Ghost Hunt
開発元:Vaulted Sky Games
販売元:Coffee Stain Publishing
発売予定日:2020年内
プラットフォームPC
公式URLhttps://midnightghosthunt.com/


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 クローズドαテストが行われている「Midnight Ghost Hunt」は,プレイヤーがゴーストゴーストハンターに分かれて戦う4人対4人の非対称型対戦アクションだ。マッチの前半と後半でルールがガラリと変わることが特徴で,前半にあたるゲームの「真夜中以前」は,霊体を攻撃できる銃やセンサーなどを装備したゴーストハンターに対して,ゴースト達はマップとなる邸宅に置かれた椅子やランプ,置時計などに憑依して隠れたり,憑依したオブジェクトごとゴーストハンターに体当たりして気絶させ,そのスキに逃げたりなど,防戦一方となる。
 ところが真夜中を過ぎると,邸宅に漂う霊気が赤くなると共に,ゴーストも無敵に変化。ゴーストハンター達は追われるだけの身となり,脱出経路が開く4分間を生き延びなければならない。つまり,ゴーストハンターは真夜中までにゴーストを駆除できなければ,ゲーム後半は決死のサバイバルを行わなければならないのだ。かなり実験的な作風だが,ゲーム実況では大いにウケそうなシステムであるだけに,多くのプレイヤーに支持される可能性は高い。


マスターチーフが次世代機向けに帰ってくる
■Halo Infinite
開発元:343 Industries
販売元:Microsoft Game Studios
発売予定日:2020年末
プラットフォームPC / Xbox One / Xbox Series X
公式URLhttps://www.xbox.com/en-US/games/halo-infinite


画像集#016のサムネイル/Access Accepted第634回:2020年注目の欧米産ゲームタイトルは,これだ! (後編)

 「Halo」シリーズの最新作となる「Halo Infinite」。ストーリーは,2015年に発売された「Halo 5:Guardians」を引き継ぐもので,スパルタンのマスターチーフこと,ジョン117にフォーカスしたものになるという。開発チームは本作を「スピリチュアルなリブート作品」と呼んでおり,本作を機会に新たなストーリーが展開することになるようだ。気になるのは,マスターチーフが「Halo 2」「Halo 3」で着用していたものと同型のスペーススーツ「Mark VI Armor」を着用していることで,このあたりにストーリー上のヒントが隠されているのかもしれない。
 ゲームエンジンには,343 Industriesが新たに開発した「Slipspace Engine」が使用されており,4K解像度やHDRレンダリングを実現したことで,2019年には,Xbox Series Xのローンチタイトルになることが発表されている。今のところ,対応機種ごとのゲーム要素の違いはないとされているが,レベル/モード作成ツール「Forge」の対応や今後の展開など,知りたい情報は少なくない。

著者紹介:奥谷海人
 4Gamer海外特派員。サンフランシスコ在住のゲームジャーナリストで,本連載「奥谷海人のAccess Accepted」は,2004年の開始以来,4Gamerで最も長く続く連載記事。欧米ゲーム業界に知り合いも多く,またゲームイベントの取材などを通じて,欧米ゲーム業界の“今”をウォッチし続けている。
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