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[GC 2007#079]1Cの一押しFPS「Cryostasis」は,ハイレベルなグラフィクスがウリ
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印刷2007/08/26 15:53

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[GC 2007#079]1Cの一押しFPS「Cryostasis」は,ハイレベルなグラフィクスがウリ

 ロシアの大手デベロッパ/パブリッシャである1C Companyは,モスクワ−フランクフルト間が飛行機でわずか2時間という地の利を生かし,今年もいくつものタイトルをひっさげてライプチヒに乗り込んできた。例によってホールにブースを構えず,ビジネスセンター内の商談スペースでプレスを対象に4〜5本のタイトルを紹介するというスタイルを採っており,中でもE3の特集記事でも紹介した「NecroVisioN」と,この記事で紹介する「Cryostasis: Sleep of Reason」(以下,Cryostasis)を一押ししていた。

 本作は,北極の氷海に閉じこめられた難破船を舞台とする,サバイバルホラーFPS。デベロッパは,ウクライナに本拠を置くAction Formsで,「Vivisector: Beast Inside」を制作したメーカーだ。
 気象学者のAlexander Nesterovは,北極基地「Pole 21」で働く気象学者。いろいろな偶然が重なった結果,彼は,数年前に氷海に閉じこめれたまま凍てついた砕氷船「North Wind」の内部から出られなくなってしまう。
 船内を歩き回るうちに,彼は“Mental Echo”と呼ばれる現象に遭遇する。これは,過去にその場所で起きたことがビジョンとなって再現されるというもの。本作でプレイヤーはAlexanderとなり,迫り来る寒さと戦いながら,船からの脱出を目指す。しかし船内では,変わり果てた姿の船員達がプレイヤーに襲い掛かるのだ。



 1Cが胸を張るのは,そのグラフィックスの美しさだ。本作に採用されている「AtmosFear 2.0」は,独自に開発されたゲームエンジンで,DirectX 10に対応しているほか,ダイナミックシャドウ/ソフトシャドウ,そして最新エンジンの標準技術となりつつあるパララックスマッピングなどをサポート。このエンジンにより,天井でランプが揺れるにつれて大きく動く影や,水面の動きなどがリアルに表現されているのだ。
 とくに,船内の凍てついた様子が非常に緻密に描かれており,Mental Echoによって過去の船内の様子がフラッシュバックするシーンで,その効果を確認できる。テクスチャやモデリングなどは,正直言ってまだ粗いと感じたが,グラフィックスエンジンのポテンシャルはなかなかのものであるようだ。



 過去に起きた出来事を見られるMental Echoに類する能力は,SF設定の物語にありがちといえるが,本作でユニークなのは,ただ見るだけでなく,過去の出来事に干渉できるということ。
 例えば,凍りついたレンチが机にへばりついて使えないとき,Mental Echoを使って過去のレンチの位置を変え,持ち上げられるようにするといったことが可能なのだ。
 ただし,Mental Echoを発動させる方法については教えてもらえず,そのことも物語の核となっているようである。果たして,North Wind船内で何が起きたのだろうか。

 ロシア製タイトルは日本での入手が難しく,また発売予定日がめったに守られないため,そもそも売られているのか開発中なのかが分からない場合もある。このへんがクリアになれば,なかなか期待の持てるタイトルだと感じるのは筆者だけではないだろう。
 なお,Cryostasisの発売予定時期は,「2008年のいつか」とのことだった。(松本隆一)





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