連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第462回「男色ゲイム大賞2017」
これを書いている12月26日時点での状況としては,昨日がクリスマスだったことすら忘れていたくらい。当然,今年の流行語大賞が何かも分からない状態だし,今年のレコード大賞が誰だったかも存じ上げないし,今年のベストジーニストが誰だったかも知らない。今年を表す漢字が「北」であったことはギリギリ知っているくらい。なぜなら,引っ越しをしていたから。さっき旧住所の家のカギを返してきたわ。これでようやくひと段落。
そんな状況でお届けする,2017年最後の「男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ」ですよ。そういえば,新居にはまだネット環境が整っていないこともあって,あまりゲイムに触れられていないのよね。Newニンテンドー3DSで遊ぼうかと思ったら,どうやら引っ越しのドサクサで電源ケーブルを紛失してしまったらしく。さあどうしたもんか……と悩んでいたら,今年最後の連載だし,この1年を振り返ればいいんだと気付いたわ。
年末の実感がないのに。しかも例年だと,前編後編に分けて書いてるんだけど,今年残された連載の機会は今回のみ。完全にしくじったわよね,私。でも大丈夫。ちゃんと1回でまとめればいいんだもの。というわけで,「男色ゲイム大賞2017」の発表でございます。
まず,ノミネート作品を紹介しましょう。
●エントリーNo.1
「FINAL FANTASY XV」(PlayStation 4 / Xbox One)
なんかテーマ曲「STAND BY ME」が染みた記憶。世の中は思いどおりにはいかないし,周りも自分も変わっていくけど,それでもあの頃の思い出が自分を支えるんだな……ってことを再確認できる,甘酸っぱいストーリーだったわね。
●エントリーNo.2
「ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期」(PC / PlayStation 4 / PlayStation Vita)
古いものを壊して新しいものを作るという意味で,スクラップ・アンド・ビルドって言葉が使われるけど,このゲイムに関してはビルド・アンド・スクラップって感じかしらね。で,その後のさらなるビルドはプレイヤーに委ねるという感じ。本当にこれでシリーズが完結なのかどうかは分からないけど,とがっていたという点ではブレていなかったわ。
●エントリーNo.3
「レイジングループ」(PC / PlayStation 4 / PlayStation Vita / Nintendo Switch / iOS / Android)
読み物系のゲイムの中でもとくに印象に残っている作品ね。ぶっちゃけ繰り返しプレイする必要まではないけど,一度はプレイしてみてほしいタイトルかしら。人狼ゲイムに興味があれば,おそらく楽しめるのではないかと。プレイヤーができることは選択だけだから,新しい要素があるわけではないんだけど,心に残る。そして,心に残ることがどれだけ尊いか。
●エントリーNo.4
「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」(Nintendo Switch / Wii U)
Nintendo Switchのローンチタイトルね。つまりは新ハードの名刺代わりの作品という意味も持つわけだけれど,このタイトルはNintendo Switchを世に知らしめるのに十分な,ローンチタイトル史上最高のインパクトを残した名作だと私個人は思うわ。
普通,ローンチタイトルって,そのハードのポテンシャルが楽しみになるような作品が多いんだけど,今回に関しては完全に完成させてきたわよね。何もかもがパーフェクト。ただ面白い。ハードの力のプレゼンではなく,ソフトとして面白い。そして結果的にそのソフトで表現したいものを実現できる,ものすごいハードであるという印象を与えてくれたわ。
●エントリーNo.5
「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」(PlayStation 4 / ニンテンドー3DS)
待ちに待ったドラクエの新作。ちゃんとドラクエだった。ストーリーもあらゆる意味でズルかった。何より,面白かった。終わりと始まりがここにはあった。今,私の引っ越しがひと段落ついたのと同じように,今回でドラクエはひと段落ついた。私はそう見ている。そして,新たなる始まりを見せた,とも思っている。これまた私の引っ越しと同じように。
●エントリーNo.6
「スナックワールド トレジャラーズ」(ニンテンドー3DS)
これ,テンション上がりました。童心に返ったってやつね。ゲイムと別売りのおもちゃをうまく融合させるのがレベルファイブの真骨頂なんだけど,今作品でも私はうまく掌の上で転がされたわよね。必死になってジャラを探したもん。ゲイムショップ,家電量販店,スーパーのおもちゃコーナー,あげくの果てには東京だけでは収まらず北関東のトイザらス巡りまでしたもん。そういう,ゲイム内だけではない時間もワクワクできたって意味で,このゲイムが私の人生に与えた影響は計り知れないわ。
●エントリーNo.7
「Champion Jockey Special」(Nintendo Switch)
「Champion Jockey」シリーズの何がいいって,ちゃんとプレイヤーを接待してくれる点だと思うのね。いわゆる「俺ツエー」の快感をさりげなく提供してくれる。シミュレーションとアクションのバランスも素晴らしい。毎レース緊張感を持って乗れる。プレイしていて気付いたらけっこうな時間が経っていた……という時間泥棒の意味では,2017年最高のゲイムね。
●エントリーNo.8
「OPUS-地球計画」(Nintendo Switch / iOS / Android)
最近プレイしたからより強く覚えているってのもあるけど,この大容量時代に逆に絞って研ぎ澄ますというゲイムへのアプローチに強く感銘を受けたわ。私もたいがいいろんな切り口でプロレスに取り組んでいるつもりだけど,ヤレることはまだある。「もう無い」とぼやく前に考えて探せ。そう思わせてくれたゲイムよね。ま,ぼやいたことはないんだけど。
とまあ,ノミネート作品はこんな感じですよ。どれも甲乙つけにくい。でも,その中から無理やり男色ゲイム大賞2017のグランプリを選ぶとするならば。
ベタで本当に申し訳ない。ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて,ですな。選考理由は,とにかくすごかったから。いや,どのゲイムもすごいのよ。ここにノミネートできなかった作品も含めてね。どのタイトルも,プレイヤーへの愛,自分のタイトルへの愛がつまっているわ。手法はバラバラだけど,そういう愛が込められたタイトルが私は好きなんでしょうな。
そういう意味での差は,私なんかにつけることはできないわ。ただ,シンプルに多くの人に与えた幸福という意味では,ドラクエが一番だったのかな,という判断でございます。トータルのすごさってことね。実際,あの規模での作品で安定してドラクエであり続けることってやはりすごいのよね。それに加えて最後の最後にあんなことをやってきた。ドラクエ好きの私としては感動せざるを得ない。30年間。ドラクエと共に育った自分の人生を含めて,このタイミングで回収してもらったことには感謝しかない。こうやって歴史は紡がれていく。
今,何の気なしに過ごしている日々も,後世で誰かが注目してくれるかもしれない。だから,後世に恥じないためにも今を必死に生きなければならない。前向きになったよね。30年間私の人生に影響を与えてくれてありがとうドラクエ。そう思わされたわ。ゆえに男色ゲイム大賞2017はこれに決定。
さて。2017年も終わります。私,最近思うのよ。人も歴史もつなげていくもんだって。いや,何もしなくてもね,勝手につながっていくのよ? 自分一人いなくても世の中は回るじゃない。でもね,そこをあえて自分からつなげていくの。自分一人では変わらない。でも,自分が変われば自分にとっての世界は変わる。何をヤっても世の中は変わらない。つらいことがあったとして,そこで諦めることもできるし,踏みとどまることもできる。どっちも間違っちゃあいない。世の中は変わらない。でも,どう思いたい?
世の中に対して。いいもんだと思うためには,そこそこ頑張ったほうがいいよ。で,頑張りたいと思うために,そこそこサボったほうがいい。どれも正解。別に夢を持っても持たなくてもどっちでもいいのよ。持ったほうが偉いってわけでもない。大切にすべきは,自分が世の中に対してどう思いたいか。
以上が40歳になった私が現在暫定的に感じている世界への思いでございます。ゲイムばっかりヤって何が悪い。この世界は楽しむためのゲイムだ。ヤり直しはきかないからこそ,楽しむべきなのですよ。自信を持ってゲイムをヤったったらええんや。ただし,楽しむためにね。では,良いお年を。2018年もよろしく。
今週のハマりゲイム
PlayStation 4:「コール オブ デューティ ワールドウォーII」
PlayStation Vita:「GOD WARS 〜時をこえて〜」
Nintendo Switch:「OPUS-地球計画」
ニンテンドー3DS:「スナックワールド トレジャラーズ」
iOS:「ドラゴンクエストライバルズ」「ウイニングイレブン カードコレクション」
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