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「Sandy Bridge-E」はまもなく登場? ゲーマー向けX79マザーボード「Rampage IV Extreme」を写真で見る
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印刷2011/10/26 01:00

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「Sandy Bridge-E」はまもなく登場? ゲーマー向けX79マザーボード「Rampage IV Extreme」を写真で見る

今回,Rampage IV Extremeの入手にあたっては,ASUS独自機能の概要情報も入手している。一方,製品マニュアルなどはなく,メモリサポートなど,基本仕様は不明
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 開発コードネーム「Sandy Bridge-E」として知られてきたLGA2011版Core i7。LGA1366プラットフォームの後継となる次世代ハイエンドCPUは,2011年第4四半期中に市場投入される予定となっているが,そんな次世代プロセッサに対応する「Intel X79 Express」(以下,X79)チップセット搭載マザーボードの準備はどうやら順調のようだ。
 今回4Gamerでは,ASUSTeK Computer(以下,ASUS)のゲーマー&オーバークロッカー向け製品ブランド「R.O.G.」(Republic of Gamers)に属するX79マザーボード「Rampage IV Extreme」を独自に入手したので,ひとまずは写真を中心にいろいろ紹介してみたいと思う。

 PCI Expressやメモリ周りなど,X79チップセットの気になる部分も少し分かってきたので,「Intel X58 Express」以来となるハイエンド環境が気になる人はぜひチェックを。


LGA2011対応で,DIMMスロットは8本

マザーボードレベルではPCIe 3.0に対応か


 というわけで,入手したRampage IV Extremeの実機写真は下に示したとおりだ。シルク印刷を見ると「REV 1.02」とあるので,量産版そのものか,量産直前のサンプルと思われる。

入手したRampage IV Extreme。R.O.G.ブランドらしく,黒と赤と基調としたデザインになっている。サイズは実測305×271mmなので,ハイエンドのATXマザーボードにありがちな,写真上下方向へ少し膨らんだタイプだ。電源はATX 24ピン+4ピン,マルチGPU用の「EZ Plug」が6ピンと(FDD用コネクタと互換性のある)4ピンになっている
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 LGA2011対応ということで,ソケットは「Socket R」と呼ばれる専用のものが用意されている。LGA(Land Grid Array)タイプということもあり,「ストッパーレバーを引き上げると金属製の固定具が開き,さらにプラスチック製のソケットカバーも外してCPUを固定する」という取り付け方に変わりはないものの,CPUソケットの大型化に伴い,ストッパーが2段構えになっているのが目を引く。

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2本あるストッパーは,少なくともRampage IV Extremeが採用するLOTEC製ソケットの場合,片方を外さない限り,もう片方は外せない設計だ
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ストッパーが2本あることを除けば,基本的にLGA775以来のやり方と変わらずアクセスできる

 合わせて,CPUクーラー装着時にマザーボードを保護するバックプレートも巨大化しているが,面白いのは,交換用の小型バックプレートも用意されていることだ。Rampage IV Extremeでは「X-Socket」と呼ばれるCPUソケット構造が取られており,いったんソケットとバックプレートを外して,交換用バックプレートに付け替えると,LGA1366用のCPUクーラーにも対応できるとのこと。空冷タイプはもちろん,液冷システムに液体窒素冷却システムなど,LGA1366環境で使ってきたクーラーがあれば,それをそのまま移行できるというわけである。

本体背面(左)。CPUソケットのバックプレートは見るからに巨大で,かつバックプレートのネジ穴がCPUソケット側へと飛び出してもいるなど,LGA1366時代とは仕様が大きく異なるため,Rampage IV Extremeには,小型のバックプレートが付属してきた(右)。CPUソケットカバーを外す専用工具まで付属するのがポイントだ
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DIMMスロットは計8本。片側にストッパーがないタイプである。シルク印刷を見る限り,CPUから遠い,赤いほうのスロットがプライマリになっているようだ
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 CPUソケットを囲むように4本ずつ並んだDIMMスロットは,2011年5月3日の記事でもお伝えしたとおり,LGA2011版Core i7が統合するクアッドチャネルDDR3-1600メモリコントローラに対応。9月15日の記事で,初期のX79マザーボードがDIMMスロット4本のサポートに留まる可能性を指摘しているが,こうして8本仕様で出てきた以上,8 DIMMに対応すると見てよさそうだ。
 ただし,オーバークロック設定時も含むすべての条件でメモリモジュール8本差しがサポートされるかどうかは,残念ながらまだ分からない。

ASMedia製のスイッチチップであるASM1480を搭載
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 ところで,LGA2011版Core i7がCPU側で40レーンのPCI Expressインタフェースを持つというのは5月3日の記事で,また,X79マザーボード登場直後だと(対応グラフィックスカードもないので当たり前だが)PCI Express(以下,PCIe) 3.0対応が不透明というのは9月15日の記事でそれぞれお伝えしているとおりだ。
 ただ今回,Rampage IV Extreme上のシルク印刷や,PCIe 3.0までに対応したASMedia Technology(以下,ASMedia)製マルチプレクサ/デマルチプレクサ「ASM1480」を搭載することから判断するに,マザーボードレベルでのPCIe 3.0対応は果たされていると見ていいのではなかろうか。

 そんなRampage IV Expressの拡張スロット構成はPCIe x16 ×5,PCIe x1 ×1。5本あるシルク印刷を見ると,CPUに近い側から,以下のように書かれているのだが,実はこれがよく分からない。

  1. PCIE_X16_1
  2. PCIE_X8_2A
  3. PCIE_X8_2B
  4. PCIE_X16/X8_3
  5. PCIE_X8_4

 先ほど,LGA2011版Core i7はCPU側で40レーンのPCIeインタフェースを持つと述べたが,5月3日の記事でお伝えしているように,LGA2011版Core i7のグラフィックスサポートは32レーンまで(※残るレーンはPCI x1/x4の拡張カードや,チップセットとの接続に用いられる)。つまり,CPUと直接接続される拡張スロットのために利用できるのはあくまでも32レーン。計算がまったく合わないのである。

拡張スロットはPCIe x16 ×5,PCIe x1 ×1という構成。右の写真を拡大してシルク印刷をチェックしてもらうと分かるのだが,そのまま足すとすごい数になってしまう
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Rampage IV Extremeには,4-wayおよび3-way SLI用ブリッジコネクタと,CrossFireXケーブルがそれぞれ1つずつ付属していた
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 1.と4.の表記が異なることから,1.が16レーン固定であると考えると,4.は2-way SLI/CrossFireX時に16レーンで動作し,3&4-way動作時などは8レーン動作するのだろう。それでもまだ計算は合わないが,PCIe x1スロットのすぐ近く,4.と5.のPCIe x16スロットから挟まれるような形でR.O.G.ロゴ入りのチップが置かれているので,これがブリッジチップだとさらに仮定すると,

  • 「2A」「2B」という表記からして,2.と3.は排他
  • 2.(もしくは3.)と5.はブリッジチップによりいずれも8レーン動作

となって,辻褄が合う。
 推測に推測を重ねたものである点にはくれぐれも注意してほしいが,4-way SLI対応のブリッジコネクタが付属していることからしても,Rampage IV Extremeは16+16,16+8+8,16+8+8+8という3パターンのレーン構成を行えるようになっている可能性が高そうだ。


X79チップセットは熱伝導シート付き

メイン電源部は8+3フェーズ構成か


クーラーを取り外したところ
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 製品版では保証外の行為となるはずだが,今回はチップセットなどを覆うクーラーを外してみよう。ヒートパイプでつながっているクーラーは,R.O.G.ブランドのマザーボードらしく,プラスドライバーを使えば簡単に取り外せるようになっており,チップセットや電源部を確認可能だ。

 ……と,外したところでまず飛び込んでくるのが,熱伝導シートに覆われ,ダイの刻印が分からないX79チップセットである。クーラーは,チップセット部にわざわざファンが埋め込まれていたりするので,相応に熱を持つということなのだろうか。

クーラーを取り外す前のチップセット部(左)。エアフローは写真右上,ASUSのロゴがある方向に向かう。右は熱伝導シート付きX79チップセット
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電源部含めて,コンデンサは低温&高温対応品。NexFET Power Blockの搭載もポイントとなりそうだ
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 ここまでの写真で,採用されているコンデンサが黒っぽいのに気づいた人もいるだろうが,これは−70℃〜+125℃に耐えるという「Black Metallic Capacitors」。ニチコンの「GTシリーズ」――125℃対応ということからすると,FPCAP「HTシリーズ」の特注品だろうか?――を採用することにより,一般的な固体コンデンサと比べて5倍の寿命を実現しているとのことだ。

 また,メインの電源部には,Texas Instruments製の小型パワーMOSFETで,実装面積が少なく,また温度上昇も低いことで知られる「NexFET Power Block」と,50Aもの電流量に対応したとされる「Black Metallic Choke」が採用されるのも特徴。基板を見る限り,メイン電源部は8+3フェーズ構成になっているようである。

マザーボード上の実装部品を見る限り,CPUが8,QPI+DIMが3フェーズ構成のようだ。左の写真で中央上端を見ると,ノースブリッジ用に2フェーズ用意されている気配も見て取れる
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電源部の優位性を訴えるスライド
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Rampage IV Extreme独自機能と

オンボードデバイスも確認


 最後に,Rampage IV Extremeならではの特殊機能と,オンボード機能をざっとまとめておこう。

OC Key
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 ある意味で本マザーボードにおける最大の特徴といえるのが,付属するアダプタ「OC Key」だ。形状と,DVIインタフェースが付いていることから,グラフィックスカードに装着して使うものであることは想像してもらえるのではないかと思うが,簡単にいうと,これはハードウェア的なOSD(On Screen Display)表示装置。マザーボード上のOC Key端子とOC Keyをつなぐと,DVI表示の上に,システム状況をオーバーレイ表示してくれるのである。

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ちょっと分かりにくいかもしれないが,OC Keyの接続イメージ。Rampage IV Extreme上のコネクタとOC Keyとの間を付属ケーブルでつなぐと,OC Keyは機能するようになる。I/Oパネル部に専用の隙間が設けられていたりするのは,ややチカラワザ感アリ
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OC KeyはUSBケーブル経由でファームウェアのアップデートに対応する。ちなみにOC Key,シングルリンク対応で,ゲーマー的には「そんな解像度制限があっていいの?」と不安になるが,コアなオーバークロック競技では解像度が固定されているため,それほど問題はないのだとか

 さらに,R.O.G.マザーボードで従来から用意されている,Windowsの起動後でもBIOSからオーバークロック設定を行える機能「ROG Connect」と組み合わせれば,アプリケーションの実行中に,システム設定をオーバーレイ表示させながら,オーバークロック設定も行えるようになる。ゲーマー向けの機能というより,ほぼ100%オーバークロッカー向け機能といったところだが,面白いアイデアなのは確かだ。

OC Keyを用いたOSDおよびオーバークロック機能の概要。左のスライドに動作イメージが示されているので,拡大してみてほしい
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そのほかオーバークロック関連の機能はDIMMスロット脇にまとまっている。電源やリセットボタンはもちろん,メモリモジュールの相性問題が生じたときに回避を図る「MemOK!」機能用のボタンや,各種電圧設定をチェックするためのテスター用コネクタ,対応グラフィックスカードの電圧設定などをマザーボードから行えるようにする「VGA Hotwire」用コネクタなどが用意される。右はVGA Hotwire用ケーブルをつないでみたところ
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オーバークロック関連では,Serial ATAポートの隣に,「Subzero Sense Connector」が用意されている点にも注目しておきたい。「K」タイプの熱電温度センサーケーブルを別途用意してここにつなぐだけで,BIOSやOC Keyから測定対象の温度をチェックできるようになるという。数百ドルクラスの温度計が不要になるというわけだ。なお,その横に並んだSerial ATAポートは,黒が3Gbps,赤が6Gbps。ボード上のチップを見る限り,赤は2ポートがX79,2ポートがASMedia製コントローラ「ASM1061」によるもののようだ。X79でサポートされる6Gbpsポートが極端に少ない
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Rampage IV Extremeでは,ボード上のそこかしこにASMedia製チップが載っている(左)。さすがはASUSの子会社といったところか。上で紹介したASM1061のほか,「ASM1042」がUSB 3.0コントローラとして機能している。もっとも,HD Audio CODECはRealtek Semiconductoの「ALC898」だった(右)
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Rampage IV ExtremeはX79内蔵の1000BASE-T LANコントローラ論理層を用いているようで,基板上には物理層となるIntel製チップ「82579V」が置かれていた。写真で右のほうに見えるのは,ASUS独自のデジタル電源制御技術「EPU」(および「DIGI+ VRM」)の関連チップである
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I/Oインタフェース群。USB 3.0×4など,USBポートが豊富になっているほか,ROG Connet用の白いUSBポートやボタン,スマートフォンからROGの機能を使う「ROG iDirect」用と思われるBluetoothアダプタなど,オーバークロック関連のインタフェースも充実している


 以上,駆け足で見てきたが,相変わらずの多機能ぶりには頭が下がる。LGA2011版Core i7やX79の最終仕様が分からず,マニュアルも手元にない状態であるため,細かな仕様はまだはっきりしないし,説明し切れていないオンボード機能もあるのだが,R.O.G.ブランドの新たなフラグシップらしい仕様にはなっているといえそうだ。
 できれば,純然たるオーバークロッカー向けの機能を省いて安価にした“Rampage IV Formula”的な製品が出てくると,ゲーマーとしてはありがたいなあと感想を述べつつ,正式発表を楽しみに待ちたいところである。
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