プレイレポート
怒濤の勢いで敵軍に切り込む爽快感がたまらない! MMORPG「天地大乱」の対人戦要素を紹介
天地大乱には後述する三つの勢力があり,対人戦闘はこれらの勢力間で行われる。ちなみに,所属勢力によって使用できる武器が違い,武器によってクラスが決まるスタイルだ。
■聖天派
秩序を重んじる勢力。主要都市や所属地域は,明るく緑が目立つ温帯風の景観だ。なお,投玉とは腕に装着するタイプの武器で,そこから気によって作られる弾を放って攻撃する。
近距離防御型:剣
近距離攻撃型:刀
遠距離型:投玉
■覇天会
自身の力を磨くことが目的の勢力だ。支配地域は雪が降り積もる高地風の場所。琵琶は本来楽器なのだが,衝撃波のようなものを放てる遠距離型の武器として登場する。
近距離防御型 双戟
近距離攻撃型 太刀
遠距離型 琵琶
■魔天衆
人間を超えた魔人となることを目指す勢力。本拠地の周囲は荒野に囲まれている。金剛杵(こんごうしょ)は古代インドの武器であり,現在では密教の法具として用いられている。
近距離防御型 大刀
近距離攻撃型 長槍
遠距離型 金剛杵
「武侠らしさ」がしっかりと表現されているMMORPG
本作は,ファンタジーをベースとしたMMORPGの表面を,武侠に描き換えただけの作品ではない。さまざまな武侠世界の“お約束”がシステムとして組み込まれているので,その例を紹介しよう。なお,武侠の基礎情報に関しては,以前掲載した記事を参考にしてほしい。
空中戦を行うことは不可能だが,屋根の上などに飛び乗って移動でき,フィールドマップでは大ジャンプを使わないと進めないポイントも用意されている。高所に大ジャンプで飛び乗り,戦況をうかがうといった使い方もできる
さまざまな人のニーズに応える充実した対人戦コンテンツ
天地大乱には,対人戦闘の仕組みが複数用意されている。プレイを始めたばかりの人は多少戸惑うかもしれないが,以下にまとめた要点をつかんでおけば,問題ないだろう。
・短時間で気軽に楽しめるPvP「正規戦」
正規戦は,1時間に1回程度の割合で開催されており,プレイ中に「正規戦に参加しますか?」というダイアログが表示される。「参加」を選択すると,自動的に試合場へ転送されて戦いが始まる。試合が終了すると,自動的に勢力の街まで戻されるという仕組みだ。
正規戦の試合場は,“レベル10〜19用”“レベル20〜29用”という具合に分けられており,レベル帯ごとに,領地確保,乱戦,オブジェクト破壊といったルールが定められている。参加人数は調整されないので,必ずしも同じ人数での対戦にはならないので,その点は心に留めておこう。
・腰をすえてじっくり攻略する「聖石争奪戦」
天地大乱のゾーン構成は図のようになっており,通常時は他勢力のフィールドゾーンに入場できないが,「聖石争奪戦」開催中は侵入できるようになる。各フィールドの入り口には入場ゲートを守る「聖石」があり,攻撃側はこれを破壊するとさらに奥へ進める。攻め込まれた側は聖石を破壊されないようにするのだ。
通常,聖石争奪戦は上級者/中級者用のゾーンで行われることが多いが,戦況次第では初心者用の狩り場が主戦場になることもある。そうなると,レベルの低いキャラクターが一方的に倒されるという状況になり,なかなか刺激的だ。
・持続型PvPコンテンツ「鬼里谷」
上級者用ゾーンの先に位置する「鬼里谷」は,各勢力のエリアへとつながるハブの役目を果たす場所である。3勢力すべてのプレイヤーがいつでも入れるので,常にPvPが行われている。各勢力のプレイヤー達は,鬼里谷にあるダンジョン(耳鳴りの牢獄3エリアと,慈悲の神殿1エリア)の所有権をめぐって争うことになる。
シンプルなデザインで,対人戦の興奮がダイレクトに味わえる
本作におけるPvEは,「高度な連係やパーティプレイを楽しむためのものではなく,レベルアップを目的としたソロプレイ用」と割り切ってデザインされているようだ。
対人戦闘も基本スタイルはPvEと同じで,敵の懐へ一気に飛び込み,とにかく攻撃を繰り返す。ただし,仲間と共にフィールドを疾風のように駆け回りながら敵の群れに突っ込んでいくとかなり爽快だ。この気持ちよさは,本作の大きなウリといえるだろう。
また,いくつかあるPvPコンテンツのなかでは,「聖石争奪戦」こそが本作のメインと呼べるものだと感じた。
聖石争奪戦は,相手勢力の聖石を破壊するという目標に突っ走れる分かりやすさがウリだろう。しかも聖石は各勢力に一つずつしか存在しないので,「どこを先に攻めるのか」といったことを考えなくてよい。ゾーン構成とマップ構造もほぼ一本道なので,戦いは非常にシンプルだ。あまり細かいことは考えずに,とにかく攻めまくればいいわけで,手軽に対人戦の興奮が味わえる。
本作の基本システムはやや使い古されたもので,特別目新しい要素はないが,シンプルなルールの対人戦にフォーカスすることにより,長所が際だっている。ゲームを始めてすぐにスピード感がある対人戦を楽しめるので,まずは実際に体験してもらいたい。
なお,開発元であるALT 1のCEO Hong, Chang-Woo氏とディレクターのSeo, Hyo-Jeong氏によると,天地大乱は韓国,日本,中国,台湾などでサービスを行っており,国/地域ごとに細かい仕様を変えているのだという。それぞれ専門のプログラム担当者がつき,各国/地域のプレイヤーから寄せられるフィードバックをゲームに反映しているそうだ。実際に日本版では,以前お伝えした通り“Japan Edition化”がうたわれており,シナリオは日本人作家が新たに書き下ろし,日本向けにアレンジが加えられている。
Seo, Hyo-Jeong氏 |
Hong, Chang-Woo氏 |
このように国/地域別の対応を行うと,開発作業が遅れがちになるが,同社ではゲームの基本システムを統括する部署を設け,その下に各国/地域のバージョンを管理するチームを置くことで作業の効率化を図り,遅延を避けているのだという。
本作は,すでに韓国,台湾,中国で一定の評価を得ているだけに,この方法はそれなりに効果を発揮していると考えてよさそうである。まだ日本でのサービスは始まったばかりだが,天地大乱は日本のゲーマー向けにさまざまな調整が施されていきそうだ。その運営手腕にも注目しながら,本作を楽しんでみよう。
「天地大乱」公式サイト
- 関連タイトル:
十二之天2
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