韓国NCsoftは5月11日より,「
Blade&Soul 」(邦題予定:ブレイドアンドソウル)の
第3次クローズドβテスト を実施している。今回もNCsoftのご厚意により,βテストに参加する機会が得られたので,恒例のプレイレポートをお届けしていきたい。
4Gamer読者に対しては説明不要かもしれないが,「Blade&Soul」は,「
The Tower of AION 」や
「リネージュ」 シリーズなどを手がけてきた韓国NCsoftによる,MMORPGの最新作である。
Blade&Soulの最大の特徴は,古今東西のさまざまな神話/伝承を絶妙なバランスでミックスさせた,独特な魅力に溢れる世界観。その世界観をより魅力的に彩っているのは,日本でもファンが多いイラストレーターの
キム ヒョンテ氏 が直々に手がけるキャラクターデザインである。キャラクターのアクションにもメリハリが効いており,ただ普通にキャラクターを動かしているだけでも,心が躍るようなゲーム体験が味わえる。
あのNCsoftが「社運を賭けたタイトル」と明言しているだけのことはあり,どの要素をとってもクオリティが高く,MMORPGとしての完成度はすでになかなかのもの。それでいて,要求されるPCスペックがそれほど高くない点も有り難い。
昨今の大作タイトルの例に洩れず,Blade&Soulの開発期間はとても長い。今回の第3次CBTの実施も,前回のテストから約半年ぶりという状況だ。だが今回のテストは,韓国内にある約1500店のネットカフェでもプレイ可能で,大々的なプロモーションが動き始めたという見方もできる。CBTの結果次第だろうが,韓国正式サービスに関する発表も,そう遠くない時期に行われそうな雰囲気だ。
ある意味“MMORPG史上最強”のキャラカスタマイズ
召喚士のイメージイラスト
今回のβテストバージョンでは,前回と比べてゲームコンセプトやストーリー展開など,大筋となる部分はあまり変わっていない。しかしよく見ると,フィールドのモンスターやオブジェクトの配置,各種スキルの強さやクエストの難度/報酬など,さまざまな部分に調整が加えられている。
それらの中でも一際目を引くのは,ついに導入された
「キャラクターカスタマイズ」 の機能と,新職業の
「召喚士(Summoner)」 の登場である。どちらからも強烈なインパクトを受けたので,今回はプレイムービーを用意してみた。
念のため補足しておくと,Blade&Soulのプレイアブルキャラクターは,種族としてはジン(JIN),ゴン(GON),リン(RYN),クン(KUN)の4種類,職業としては剣士(Blade Master),拳士(Kung-Fu Master),力士(Destroyer),氣功士(Force Master),暗殺者(Assassin),召喚士(Summoner)の6種類が用意されている。種族によって選べる職業が決まっており,こちらの動画では組み合わせを一通り網羅しておいた。
前回のCBTでは,種族ごとに用意されたテンプレートの中からパーツを選ぶ形式だったが,今回は膨大な数のスライダーが各項目に用意されており,心ゆくまでカスタマイズを追及できる。顔や体型に関してはテンプレートも用意されており,これをベースに細部を調整していけば,誰でも自分好みのキャラクターが作れる。
とりあえずここでは,JINの男性とGONの女性のカスタマイズ中のムービーを掲載しよう。項目数が多いため駆け足での紹介となっているが,とにかく凄まじいボリュームである。テキストでは詳しく言及しないが,ムービーをよく見ると,あんなところやこんなところまで細かく調整できるのが分かるはずだ。
しかし,仮にこのカスタマイズ部分だけを抜き出して,キャラメイク体験版などを配信した場合,一体どれだけのダウンロード数を記録するのだろうか……。
キャラクターカスタマイズ(JINの男性)
VIDEO
キャラクターカスタマイズ(GONの女性)
VIDEO
従来のBlade&Soulらしい格好良さから一転!
猫とRYNが反則級の可愛らしさを生み出す“召喚士”
続いては,今回のCBTで追加された6番目の職業“召喚士”をチェックしていこう。ちなみにこの召喚士,開発途中で路線が大きく変わっている。2009年の発表当初は,他職業と同様にBlade&Soulらしい格好良さを追求しており,たとえば召喚できるペットも,モンスター然とした禍々しいものであった。ところが今回のCBTで判明した新たなパートナーは,なんと猫。
普通に考えるとBlade&Soulには違和感がありまくりなのだが,実際に動いているのを見た途端,「最初からこうあるべきだった」と思えてしまうから不思議なものだ。召喚士を選べる種族は今のところ“RYN”だけだが,このコンビが頑張って戦う姿は,見ていて思わず頬が緩んでしまう。ぜひ,
こちら の記事に掲載しているムービーもあわせて見てほしい。
召喚士のプレイフィールに関してだが,他職業と比べて難度が大分低めに作られている印象だ。元々,遠隔攻撃タイプ+ペットクラスということで,ソロプレイが得意なのもあるが,それに加えて操作がシビアな「ガードからの反撃」が必須でないことが大きい。これなら,たとえば可愛らしい見た目に惹かれて興味を持った人でも,いきなり挫けることはなさそうだ。
序盤で習得できるスキル種別をざっと見ていくと,敵単体への遠隔攻撃,持続ダメージ(DoT),足止め,範囲攻撃,敵からHPを吸収する攻撃,ペットのHP回復といったところ。複数の敵と同時に戦う際に役立つスキルもある。ペットの操作に関しては,攻撃指示を与えるだけで自動的に戦ってくれるが,ダウン攻撃など一部のアクションはプレイヤーがキー入力をする必要がある。
ペットの動きをよく見ると,どこからともなく巨大な木槌や刀を取り出すなど,所々でユーモラスな演出が確認できる。また召喚士自体も,スキル使用時に頭上で“花”を振り回したり,“わた帽子”でガードしたりと,モーションの一つ一つが反則級に可愛らしい。少なくとも,これまでほかのMMORPGで可愛い系の種族を好んでプレイしてきた人は,一発でやられてしまう可能性が高そうだ。
「Blade&Soul」の第3次CBTは,5月22日まで続く予定となっている。余談になるが,今回のCBTのスケジュールは「Diablo 3」のリリースと真正面からぶつかる格好となっており,両タイトルのどちらが注目を集めるか,韓国オンラインゲーム界では大きなトピックとなっている。両タイトルを同時期に遊べる韓国ゲーマーが若干羨ましくもあるが,少なくともBlade&Soulに関しては,エヌ・シー・ジャパンによる日本語版のリリースが予定されているので,日本のゲーマーはこちらの(主に日本展開に関する)続報についても注目してほしい。