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フロム・ソフトウェアがゲーム業界志望の学生向け現場体験イベントを開催。「己の信ずる道を征け」プロデューサーの竹内将典氏とのトークセッションも
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印刷2009/03/21 10:01

イベント

フロム・ソフトウェアがゲーム業界志望の学生向け現場体験イベントを開催。「己の信ずる道を征け」プロデューサーの竹内将典氏とのトークセッションも

画像集#001のサムネイル/フロム・ソフトウェアがゲーム業界志望の学生向け現場体験イベントを開催。「己の信ずる道を征け」プロデューサーの竹内将典氏とのトークセッションも
 フロム・ソフトウェアは,ゲーム業界を担う新たな人材育成支援の一環として,ゲーム専門学校とのコラボレートによる業界啓蒙企画“己の道を突き進め!大支援キャンペーン”を開始した。
 その第1弾として3月20日に,ヒューマンアカデミーゲームカレッジ東京校との連動企画という形で,同校の在校生や入学予定者らが対象の現場体験イベントが開催された。ここでは,学生世代にゲーム開発の最前線を知ってもらうべく開催された,本イベントの模様をお届けしよう。

フロム・ソフトウェア管理部 人事課 課長の立野怜子氏
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 最初に,フロム・ソフトウェア管理部 人事課 課長の立野怜子氏が,来場者に向けて,業界の仕組みやゲーム制作の具体的な流れ,同社の概要などを説明した。興味のある人のために,以下にそのスライドを紹介しておこう。


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フロム・ソフトウェアの代表作品および最新作紹介として「アーマードコア」シリーズ,「Another Century's Episode」(PS2),「Demon's Souls」(PS3),「犬神家の一族」(NDS),「己の信ずる道を征け」(PSP)が紹介された
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ゲームの制作工程の一例を紹介。企画立案/プロトタイプ作成(技術検証)/ゲームデータの制作(データ量産)/バランス調整/デバッグ期間/ハードメーカーチェック(認可)そして発売,という流れ。あくまでも一例だが,制作人数は,プロトタイプ作成あたりまでが10名程度,ゲームデータの制作では20〜100名超,それ以降は10名程度とのこと。ちなみに開発期間は,ニンテンドーDSやPSPは3か月から1年,PS3やXbox 360は1年半から3年程度かかるそうだ
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 そのあとは,6月11日に発売が予定されているPSP用ソフト「己の信ずる道を征け」を体験プレイ。またPSPを持参した人は,オリジナルの壁紙をもらうこともできた。

画像集#012のサムネイル/フロム・ソフトウェアがゲーム業界志望の学生向け現場体験イベントを開催。「己の信ずる道を征け」プロデューサーの竹内将典氏とのトークセッションも 画像集#013のサムネイル/フロム・ソフトウェアがゲーム業界志望の学生向け現場体験イベントを開催。「己の信ずる道を征け」プロデューサーの竹内将典氏とのトークセッションも

 そして,「己の信ずる道を征け」や「NINJA BLADE」のプロデューサーである竹内将典氏が登場し,学生達とのトークセッションが行われた。以下にその概要をまとめておこう。

――プロデューサーの仕事はどのようなものなのでしょうか。

画像集#015のサムネイル/フロム・ソフトウェアがゲーム業界志望の学生向け現場体験イベントを開催。「己の信ずる道を征け」プロデューサーの竹内将典氏とのトークセッションも
竹内氏:
 なかなか難しいところがあるんですけど,最近はゲームの制作が複雑になってきたので,役割分担が増えました。プロデューサーというと,実際にゲームを作っていてそれを統括しているというイメージを持っている方が多いかもしれません。それはここ3〜4年でだいぶ変わってきていて,そういった権限はディレクターに移っているところがあります。
 ではプロデューサーはどういったことをやるようになったかというと,ゲーム全体の予算やスケジュールの管理とか,ディレクターやプロモーション/マーケティングチームとのやりとりといった“仲介”をすることが多くなっています。

――なぜ「己の信ずる道を征け」というタイトルにしたのでしょう?

竹内氏:
 このタイトルは,1年以上前に企画を考えていて,そのときは仮のタイトルでずばり「忍者パズル」だったんですけど(笑)。
 よりゲームの内容をユーザーの皆さんに伝えるにはどうしたらいいか,開発者自身も「どういったゲームにすべきか」とフォーカスしていかなければいけないんですけど,それらはすべてタイトル名に込めなければいけない,と私は思っているんですよ。覚えてもらいやすい,覚えるに値するようなタイトルと思ってもらえるものにしよう,ということで考えました。
 今回は,ゲームの内容でフォーカスしたいところがいくつかあったんですけど,和風の世界観,浮世絵,東海道五十三次を踏破していくといったテーマがあって,それらをうまく伝えられればと思って名前を付けました。

――今回,okamaさんをイラストレーターに起用したのはなぜでしょうか?

竹内氏:
 一言で言うのは難しいんですけど,実際には社内のデザインでチャレンジした時期もあったんですよ。社内のデザインスタッフだと,うっかりすると,ちょっと気持ち悪くなったり,怖くなったり,グロっぽくなったりしちゃうんですよ(笑)。
 今回はそのようなタイトルじゃないのかなと思いまして,和風テイストの魅力的なキャラクターイラストを描くokamaさんには以前から注目していたこともあって,お願いすることになりました。

――ゲームのアイデアはいつどのように考えているんですか?

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竹内氏:
 何もないところからアイデアが出るということは,あることはあるんですが非常に少ないです。ゲームの企画をやりたいと考えている方に向けては言っておきたいんですけど,ぼんやり考えてもアイデアというのは出てこないんですよ。
 アイデアというものは方向性があると私は考えていて,ぼんやりアイデアを考えるというよりは,いくつかのテーマが頭の中に置かれていて,そのテーマに沿ったアイデアを常に考えているという感じですね。「そんなにたくさん出るわけないだろ」と思うくらいテーマを用意しておくのがいいと思います。それがコツですね。
 アイデアというのは,そんなにすぐ出るものではないので日々積み重ねていく必要があります。浮かんだアイデアが次のアイデアを生むということがあるので,蓄積していくことが重要なんですね。
 人によって違うと思いますが,アイデアが出しやすい環境とか状況とかどういうときなのか,意識したほうがいいと私は思っています。

――絶対に入れたかった要素はありますか?

竹内氏:
 いくつかあるんですけど,どうしても入れたいと思ったのはマルチプレイモードですね。このゲームは,友達と「このゲームって面白いよね」「これってどうやって解いたらいいんだろう」といった会話が生まれるようなゲームにしたいなと思っていました。そういったきっかけになるような仕組みとして,今回はアドホックの対戦というものを入れました。

――「オレイケ」の“過去の自分の分身”という発想はどこから生まれたのでしょう?

竹内氏:
 先日SCEさんから発売された「Demon's Souls」のソウル体という発想と,「オレイケ」の分身は,根本的には同じ発想から生まれているんですよ。基礎となるアイデアは独自に持っていたんですけど,「cursor*10」というFlashゲームがあって,そちらに使い方としての方向性をインスパイアされて,今のゲームの形になったというのが,正確なところかなと思っています。
 そのままではないにしても参考にした部分があったので,「cursor*10」の作者さんに事前にお話をしに行きました。作者の方に「そういうゲームになるのならもっとおもしろくなるかも」という話をもらったり,「cursor*10」ではできなかったことも聞いて,そういったアイデアもこのゲームの中に入っています。ある意味「cursor*10」をベースにして発展した,独自に調整したというような部分も多いんですね。
 正式にそういう話をした訳ではないんですけど,私の中ではコラボレーションに近いような形にゲームになっているのかな,と思っています。
  • 関連タイトル:

    己の信ずる道を征け

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