インタビュー
Wii「BLEACH バーサス・クルセイド」を森田成一さん&朴 璐美さんと遊んでみた&トレジャー開発陣のインタビューを掲載
今回,本作の発売前に声優の森田成一さん(黒崎一護役)と朴 璐美さん(日番谷冬獅郎役)の二人へのインタビューおよびバーサス・クルセイドで対決できるという機会を得たので,その模様をお届けしよう。また,本作のプロデューサーである本山真二氏,トレジャー 開発3部の壬生祐樹氏,松浦大人氏,手塚 敏氏へのインタビューも併せて掲載しているので,お見逃しなく。
森田成一さんと朴 璐美さんとバーサス・クルセイドで対戦してみた
バーサス・クルセイドを発売前にプレイできるだけでなく,森田成一さん,朴 璐美さんと対戦できるという,ファンにとってはたまらないこの企画。話をもらった瞬間に二つ返事でOKしたのは言うまでもない。
それならどのキャラで対戦するかも凝らなきゃだめでしょということで,仕事そっちのけでどのキャラを使うか悩むこと数日。使用キャラを破面(アランカル)の「グリムジョー・ジャガージャック」と「ルピ」に決定。やっぱり破面編だけに「十刃」(エスパーダ)を使わないのはもったいないし,一護や冬獅郎と激しいバトルを繰り広げたグリムジョーとルピなら,対戦にも熱が入るであろうことは間違いないはず。
……が,対戦のシチュエーションだけは準備万端整えたものの,肝心のゲームを事前に触らせてもらえず,取材時がバーサス・クルセイド初体験。セガ広報担当のS氏に不平を唱えるも,「森田さんも朴さんも今日が初体験で条件は同じですから」と笑顔で返されてしまった。
そんなこんなで練習しているところに森田さんが登場。筆者がバーサス・クルセイド初体験だとセガのスタッフから聞いた森田さんは,あの手この手で練習中の筆者にプレッシャーをかけてくる。いや森田さん,“凶器”みたいな学生服姿の乱菊フィギュアとかちらつかされると気になってしょうがないんですけど……。
続いて朴さんが登場すると,森田さんが「事前情報として,素人です。ぜんぜん動けてません。さっきマニュアル読んでました」と報告。朴さんも「マジで! よし,早いところやりましょう!」と俄然やる気になっていた。……ちょっとなんですかこのテンションの上がりっぷりは。ところで,もう1回マニュアル読んでもいいですかね?
筆者がうまくキャラを操作できずにもたついている間に,朴さん操る冬獅郎にじわじわと体力を削られていく。最後は冬獅郎の卍解(ばんかい)である「大紅蓮氷輪丸」(だいぐれんひょうりんまる)が発動し,K.O.されるという結果に。ええ,原作どおりの展開で朴さんに初勝利を献上できて光栄でございます……。
お次は森田さんとの対戦。負けたとはいえそれなりに操作にも慣れたので,今度こそ勝利を収めたいところ。筆者が「ここで森田さんに勝ったら,朴さんが最強ってことですよね!」とプレッシャーをかけてみると,「あ,そうか! がんばって!」と,朴さんを味方(?)にすることに成功。しめしめとほくそ笑みつつ対戦開始。
本作をプレイした印象としては,フィールドがかなり広めで,最初はキャラの移動にかかる時間が長くなってバトルが間延びしそうな気もしたのだが,対戦プレイ時はまったくそんなことは気にならなかった。特殊移動として瞬歩(しゅんぽ)や響転(ソニード)といった瞬間的な移動が可能で,しかもある程度は連続して使用できるため,間合いを一瞬で詰められる。
攻撃方法についても,ある程度距離が離れているときは鬼道(きどう)や虚閃(セロ)などによる遠距離攻撃,接近時はWiiリモコンを振って斬魄刀(ざんぱくとう)による斬り上げ/なぎ払い/振り下ろしといった攻撃ができる。正直な話,筆者のようにプレイ経験がほとんどない状態でも,(ある程度は)直感的にプレイできるようになっていた。
また,対戦プレイ時に筆者はまったく使いこなせなかったのだが,パートナーキャラと同時に攻撃したり交代したりする「クロス・インパクト」と呼ばれるシステムがある。森田さんがこれを使いこなしていたのを見た限り,使いこなせるようになればバトルもかなり盛り上がりそうだと感じた。
森田さんと朴さんのお気に入りのキャラは誰?
結果はともかく超贅沢な対戦プレイのあと,森田さんと朴さんにインタビューをさせてもらった。ゲームでの収録裏話やお気に入りのキャラクターなどを聞いてきたので,二人のファンはぜひ読んでほしい。
4Gamer:
それではあらためて,よろしくお願します。まず,バーサス・クルセイドの収録で,声を入れるうえで一番気合いの入ったセリフを教えてもらえますか?
森田成一さん(以下,森田さん):
やっぱり卍解が一番気合いが入りますね。本当はそこからが戦いなんですけど(笑)。
朴 璐美さん(以下,朴さん):
私も決めゼリフなどなどですね。
4Gamer:
などなど,ですか。
朴さん:
決めゼリフが1個じゃないので。氷輪丸やら,千年氷牢やら,大紅蓮氷輪丸やら,卍解やら。……あ,以上か(笑)。
森田さん:
卍解のときにはムービーになるので,プレイヤーの方にも「来た来た〜」って盛り上がって,一緒に叫んで頂きたいですね。
4Gamer:
逆に,一番苦労したセリフってなんですか?
森田さん:
難しいのは,攻撃ボイス。何パターンも録るんですけど,プレイヤーによって攻撃の仕方が変わってくるので,どの方にでもなるべく合うような形で,ボイスを入れていくのがコツですね。ほかには,原作の中にあるセリフを,物語の流れに添うのではなく,そこだけをしゃべらなきゃいけないので苦労します。逆にゲームの場合だと,アニメでまだやっていないところを先行でやったりするんです。そういうところも難しいですね。
4Gamer:
朴さんはどうですか?
朴さん:
んー,ないです。
一同:
(笑)
朴さん:
あ,でも,ストーリーを追ってじゃなくて,前後の流れがあまりよく分からないまま,そのセリフだけやらなきゃいけなかったりするので,そこらへんが難しかったですね。
4Gamer:
そのほか,ゲームのボイス収録でとくに印象深かったこととかありますか?
BLEACHのゲームはいろんなエピソードが出てくるんですが,僕の場合だと黒崎一護と白一護が出てくるので,それをどっちから録るかに力点を置かれるんですよね。というのも,一護でやって声をつぶしちゃうと,白一護の高い声が出なくなっちゃうんです。どっちからやるのかに悩みますね。今回は,一護の普通の声を録り,白一護の「キャハハハハハハハ」って声を録り,喉つぶれてもいいよって状態になってから一護の攻撃ボイスを録りました。喉がガラガラになって死にそうになってました(笑)。
4Gamer:
朴さんはどうでした?
朴さん:
……質問はなんでしたっけ?
一同:
(爆笑)
4Gamer:
えーと,ボイス収録で苦労したところとか思い出深かったところとか。
冬獅郎くんは,自分の中のすごい低い音,どんなときでもあまり張らない音を使っているので,喉のコンディションを保っていくのが,いつもちょっとしんどいなと。ゲームのボイスは毎週の決まったアフレコじゃない日に録るので,前後のコンディションがちょっとずれたりして,「どうしよう,今日私絶好調に喉がいい状態なんだけど低い音が……」みたいな感じの時もあったりして(笑)。わざわざカラオケに行って喉つぶしたりしなきゃいけなかったりとか。
森田さん:
おー,そんなことされているんですか。
朴さん:
劇場版のときはしましたね。
4Gamer:
コンディションの持っていきかたっていうのは難しいんですね。
ちなみに,原作者の久保帯人さんが収録現場を訪れたりするそうですが,どんな印象の方なんですか?
森田さん:
劇場最新作※のアフレコでは,2日間とも朝から晩までいらっしゃってくださいました。原稿大丈夫なのかなと(笑)。物静かな方なんですけど,考えていることがこのBLEACHのようなことなので,頭の中がどんな地図になっているのか,ロックなのかクラシックなのか,すごい頭を持っていらっしゃるなと思います。でも,スタッフやキャストにとても優しいし,あったかい。そういう先生だと思っています。
※2008年12月15日から全国東宝系で公開中の「劇場版 BLEACH Fade to Black 君の名を呼ぶ」
朴さん:
最初にお会いしたときに実は私,とても眠くてハイテンション状態になっていて。アグレッシブに先生に絡んでいってしまって先生,若干ひいていた感じだったんですけど(笑)。その後お食事とかご一緒して,すごく懐の深い方なんだなって思いました。それに,表に出さないけど,久保先生の内はマグマのような情熱に満ちているんだ,だからBLEACHのような作品を描けるんだなと。先生からは,そういうすごいエネルギーと向上心とを感じる,内なるエネルギッシュさを秘めている方だなと思います。
4Gamer:
それではここでちょっと質問を変えます。自分で声を当てているキャラ以外で,原作とアニメでお気に入りのキャラを教えてもらえますか?
森田さん:
そうですね……。BLEACHの中で男の子に一番人気なのが更木剣八なんですけど,僕もそれに漏れず,剣八の強さというか無骨さというか,ただ戦いだけに生きているあの姿がすごく好きなんで,剣八が一番かもしれないですね。あとは,マユリ様! あのメチャクチャさがツボですね。剣八とマユリの二大巨頭が楽しくてしかたがない。
4Gamer:
マイペースというか,自分の道を突き進むところが共通していますね。
森田さん:
そうですね,二人とも両極端なんですけど。そこにとても惹かれますね。
私も完全に剣八なんですよ。それぞれみんな好きなんですけど,誰かと言われたらもう剣八以外誰を挙げたらいいのかなって。劇場版とか特になんですけど,「そこで出てくるんだ!」みたいな。もう,好きなんですよ。更木剣八……をやってる立木さんが。
4Gamer:
立木さんが(笑)。
では次に,バーサス・クルセイドの中で,今後使っていきたいっていうキャラは誰になりますか?
森田さん:
まだ僕は一護しかやってないんですけど,一護が一番バランスが取れているキャラなので,使いやすいと思います。今後使っていきたいというのは,そうですね……。クセのあるキャラを使いこなせたらゲーマーなのかな,と思うんですよ。すごい弱点があるくせに,ここだけは長所ってキャラっているじゃないですか。ちょっとなんか変態的な(笑)。そういうのが使えるようになったらいいなと思います。
そうだなぁ,けっこう石田とかも長距離型で偏りがあるので,ああいうのも使えると凄いと思うし……。
朴さん:
マユリは?
森田さん:
ああ,マユリはBLEACHのどのゲームでも難しいですね。ではマユリで(笑)。
4Gamer:
朴さんはどうですか?
朴さん:
私は冬獅郎でしかやったことがないので,冬獅郎一本ですね。冬獅郎と更木剣八がいいです。
4Gamer:
では,今回のゲームのストーリーについての感想を聞かせてもらえますか?
森田さん:
バーサス・クルセイドは対戦アクションなんですけど,ストーリーモードももちろんありますし,これが今BLEACHの中では最後発になるので,登場キャラも破面まで出てきます。しかも天貝繍助とかオリジナルキャラも出てきていますから,かなりストーリーには幅があるのではないかな,と思います。バーサスモードだけでなく,ストーリーを追いつつやって頂くと,さらにブリーチの面白さというのが分かって頂けると思います。原作もアニメもそのまんま,というような形で入っています。BLEACHファンのみならず,全ての人に楽しんで頂けるでしょう!
朴さん:
これって草冠は入ってますか?
(秘密ですというセガスタッフの声を受けて)
朴さん:
じゃあ,森田くんが言ったとおりです。
4Gamer:
(笑)
それでは最後に,ゲームをこれからプレイする方に向けてのメッセージをお願いします。
森田さん:
たぶん,もうクリアしちゃった方もいると思うんですけど,Wi-Fiモードをやると延々とクリアできません。全国,全世界の猛者達と戦いまくって下さい。僕は絶対仲間入りしません。ボロ負けするので(笑)。
朴さん:
本当に,今回初めてやらせていただいて,初めて自力で勝てたので(笑),私のような人間でも勝てる,すばらしいゲームだと思います。BLEACHが好きだけどゲームが苦手という人でもあきらめず,ぜひぜひやっていただきたいなと。きっと勝てると思います。
4Gamer:
……そうですね,きっと勝てますよね。
本日はありがとうございました。
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