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シングル/マルチ共に大きくパワーアップ。最大60人対戦も可能なPS3用FPS「RESISTANCE 2」のプレイレポートを掲載
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印刷2008/12/03 17:59

プレイレポート

シングル/マルチ共に大きくパワーアップ。最大60人対戦も可能なPS3用FPS「RESISTANCE 2」のプレイレポートを掲載

FPSの面白さを知らしめてくれた「RESISTANCE」

シリーズ2作目の完成度やいかに?


画像集#001のサムネイル/シングル/マルチ共に大きくパワーアップ。最大60人対戦も可能なPS3用FPS「RESISTANCE 2」のプレイレポートを掲載
 「RESISTANCE 2」の前作にあたる「RESISTANCE 人類没落の日」は,PLAYSTATION 3のロンチタイトルとして2006年11月11日に発売された。同日に「機動戦士ガンダム Target in Sight」「リッジレーサー7」などのメジャータイトルが店頭に並ぶ中,正直,控えめな存在であったことは否めない。
 当時の日本のコンシューマゲーム市場では,FPSというジャンルそのものの認知度がさほど高くなく,とくにシリーズものでもないとなれば,なかなか手に取ってもらえないというのも致し方ない状況だった。
 しかし,PCでもバリバリFPSを遊んでいるようなPS3ユーザー達は,真っ先にRESISTANCEに飛びついたのではないだろうか。実は筆者もその口だ。PS3でどれほどのFPSが遊べるのか,期待半分,恐さ半分といったところだったが,注目されていたPS3のグラフィックス性能を十分に堪能できるうえ,FPSとしてもそつのない仕上がりで,よい意味で予想を裏切られる結果となった。その完成度の高さを耳にしてからRESISTANCEを購入したという人も,少なくはないだろう。結果として,RESISTANCEはFPSファンだけでなく,多くのPS3ユーザーにプレイされることになった。

画像集#002のサムネイル/シングル/マルチ共に大きくパワーアップ。最大60人対戦も可能なPS3用FPS「RESISTANCE 2」のプレイレポートを掲載 画像集#003のサムネイル/シングル/マルチ共に大きくパワーアップ。最大60人対戦も可能なPS3用FPS「RESISTANCE 2」のプレイレポートを掲載

 とはいうものの,同作を称賛する言葉の前には「ロンチタイトルにしては」というフレーズがやたらと目立っていた印象がある。ステージ間のストーリー解説が一枚絵にテキストを載せただけだったり,キメラ(敵対生物の総称)のバリエーションが少なかったり,やや中だるみするステージがあったりと,確かに「もう少し作り込まれていたなら……」と思えたのも事実だ。
 遊ぶ側からしてみれば,本体の発売に間に合わせなければならなかったのだから仕方がないと,それを理由に細かい部分には目を瞑ることができた。だが満を持して2008年11月13日に発売されたRESISTANCE 2では,そんな温かい見方をしてくれる人も少ないだろう。はたしてINSOMNIAC GAMESは,前作ファンの期待に応えることができたのか?

画像集#004のサムネイル/シングル/マルチ共に大きくパワーアップ。最大60人対戦も可能なPS3用FPS「RESISTANCE 2」のプレイレポートを掲載


キメラと対峙したときの恐怖感や絶望感は

前作をはるかに上回る


 RESISTANCE 2には,「キャンペーン」「協力プレイ」「対戦プレイ」の三つのモードが用意されている。「キャンペーン」はストーリーに沿って進んでいくモードで,オフライン専用。前作から2年後の世界が描かれており,戦いの舞台はヨーロッパからアメリカへと移された。キメラウィルスに侵されながらも自我を保ち続けようとする主人公ネイサン・ヘイルは,キメラ殲滅のため再び戦渦へ飛び込んでいくこととなる。
 前作のキャンペーンでは画面分割による二人同時プレイが可能だったが,今作では一人プレイのみということで,友達や兄弟と遊ぶことを楽しみにしていたプレイヤーにとっては,やや残念な仕様変更となってしまった。しかしながらキャンペーンそのものは前作を上回るデキで,中でも演出面の強化には目を見張るものがある。
 とくにキメラはメリハリのついた現れ方をするようになったため,静かな場所でも,いつどこで襲いかかってくるのかと,かえって恐ろしく感じてしまうほどだ。ゴリアテやクラーケンといった巨大なボスとの戦いはインパクト重視,そして通常のキメラと対峙したときは精神的恐怖を強調。その相乗効果によってしっかりと絶望感を味わわせてくれる。

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序盤からゴリアテと戦うはめになるが,弱点さえわかってしまえばラクな相手。グリムの集団のほうが断然恐ろしい
画像集#006のサムネイル/シングル/マルチ共に大きくパワーアップ。最大60人対戦も可能なPS3用FPS「RESISTANCE 2」のプレイレポートを掲載
サンフランシスコの空を覆い尽くすキメラたちの宇宙船。敵対勢力であることを忘れて,思わず見とれてしまうほどの美しさだ

 例えばキメラの中でも,ハイブリッド数体程度ならまだ落ち着いて戦えるが,何十体というグリムがこちらに向かって走り飛びかかってくるさまは,まさに阿鼻叫喚。撃っても撃っても倒しきれず,グリムに蹂躙されてしまったシーンが,いまだ瞼の裏に焼き付いて離れない。
 そしてカメレオンという半透明のキメラも,グリムとはまた異なる恐怖を植え付けてくれる。ドスドスと重い足音だけが近づいてきたと思ったら,目の前でいきなり実体化しつつ飛び掛かってきて,倒すか避けるかしないと一発で死亡というありさまだ。足音が聞こえ始めると同時に目が泳いでしまい,プレイ中にマンションの上の階からドタドタという音が聞こえてきただけでビクついてしまう始末である。
 あまり詳しく書いていくとネタバレになってしまうため,このあたりでやめておくが,このような特徴的なキメラがほかにも多数存在しているので,前作のようなバリエーション不足を感じることもまずないだろう。

画像集#007のサムネイル/シングル/マルチ共に大きくパワーアップ。最大60人対戦も可能なPS3用FPS「RESISTANCE 2」のプレイレポートを掲載
ザコキャラ的存在のハイブリッドだが,物陰に身を潜めつつ攻撃してくるなど,かなり賢い立ち回りを見せてくれる

 それだけキメラが多彩となれば,難度も高いように思えるかもしれないが,アクションが得意な人でなければクリアできないかというと,そんなことはない。同じところで何度かやられれば,キメラの出現パターンも把握できるし,場面に適した武器もちゃんと手に入るようになっている。なによりゲーム再開の目安となるチェックポイントがかなり細かく設定されているので,「またここからか!」とやり場のない怒りでストレスを溜めることも少ない。
 このあたりはコンシューマゲーム機用のタイトルということで,やり応えを損なうことなく着実に進めるようにと,相当気を遣ったバランシングが施されているようだ。

 だが残念なことに,いいこと尽くめというわけでもない。細かい部分ではあるのだが,日本語字幕の不備がかなり見受けられる。日本語吹き替え音声と日本語字幕が一致していないところがあったり,文字化けが放置されていたり,キャラクターへの演技指示と思われる注意書きがそのまま字幕に表示されていたりと,完成後にあまりチェックをしていないのではないかと疑いたくなってしまう点がちらほら見受けられた。ゲーム自体はきっちりと,前作を上回るクオリティに仕上がっているだけに,残念である。

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グリム達は武器も持たずに,こちらに向かって全力で突進してくる。逃げながら対応しないと一瞬で囲まれて終了だ
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前作とは異なり,ステージ間にはムービーが挿入される。そのおかげで,全体を通して引き締まったストーリー展開が楽しめる


協力プレイを遊ぶためだけにでも

「RESISTANCE2」を買う価値あり!


画像集#010のサムネイル/シングル/マルチ共に大きくパワーアップ。最大60人対戦も可能なPS3用FPS「RESISTANCE 2」のプレイレポートを掲載
ミッションでの貢献度によって,クラスごとに経験値が入る。レベルが上がると装備類がアンロックされていき,戦いやすくなるのだ
 「協力プレイ」は,仲間と力を合わせて一つのミッションに挑んでいくモードで,オンラインでは最大8人,オフラインでは最大二人まで同時プレイが可能となっている。プレイヤーは「兵士」「衛生兵」「特殊兵」の3種の中から自分のクラスを選択して戦いに挑むのだが,それぞれのクラスには一長一短の特徴があり,そのバランスはかなり絶妙だ。
 兵士はレイスという重火器が標準装備で,シールドを張ることも可能。だが体力を回復することも,弾薬を補給することもできない。衛生兵はほかのプレイヤーの体力を回復できるが,弾薬補給は不可。標準装備はファーアイというスナイパーライフルで火力源としてはイマイチ。そして特殊兵は弾薬の補給が可能で,体力の回復は不可。標準装備はマークスマンで,前線は張れないがバックアップならこなせるというタイプ。

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現状でプレイ可能なマップは6種類とやや少なめ。今後のオンラインアップデートでマップ数が増えていくことに期待したい
 「協力プレイ」という名のとおり,お互いがしっかりと役割を果たして,攻撃と回復と補給のバランスを常に維持していかないと,ミッション中に大量出現するキメラ達には太刀打ちできないようになっているのだ。戦闘を行いながら仲間の状況を把握するには若干の慣れが必要だが,役割分担が見事に機能するメンバーと戦場を共にできたときには,自分が精鋭部隊に身を置いているかのような高揚感が沸き上がってくる。1ミッションは15〜20分程度で終わるのだが,得られる達成感はキャンペーンの比ではないといえる。
 この感覚が病みつきになり,筆者はキャンペーンをクリアー後,オンラインで「協力プレイ」ばかり遊びまくっている。激しく個人的な見解であることを断りつつ,RESISTANCE 2のメインは「協力モード」であると述べておきたい。

 これから始めるプレイヤーのために「協力プレイ」でのアドバイスを送っておくと,まず兵士は前線に出てシールドを張り,あまりウロウロせずにドッシリと構えて攻撃を行ったほうがよい。シールドは自分だけのものではなく,背後にいる仲間を守るためのものでもあるということを覚えておこう。
 そして特殊兵はそのシールドに身を隠しつつ,兵士に直接ぶつけるつもりで弾薬を投げるのが望ましい。それが無理でもできる限り戦闘中に弾薬をばらまいておき,兵士が拾える状況を作っておきたい。また弾薬が尽きかけているプレイヤーは名前の左に弾薬アイコンが表示されるので,それも見逃さないように。
 そして衛生兵は,いうまでもなく仲間の体力ゲージをよく見て,ダメージを受けている人がいれば即回復。戦闘に夢中になって己の役目を忘れている特殊兵や衛生兵をたまに見かけるが,それは悪い見本なので真似しないように!

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各ミッションの要所ではボスキメラが待ち受けている。個々の役割をきっちり果たせば,さほど労せずに倒せるだろう
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画面分割による二人同時プレイも可能だが,正直キメラが多すぎて,オフラインモードで先に進むことは至難の業だ


コンシューマ初となる60人同時対戦の迫力は

PS3ユーザーなら一度は体験しておきたい


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60人での対戦は,魂と魂のぶつかり合いを眺めているような独特の楽しさがある。やられてもめげずに立ち向かえる人が強い
 「対戦プレイ」では,コンシューマゲーム機では最大人数となる60人同時対戦を実現。対戦ルールは4種類あり,プレイヤー全員が敵同士となる「デスマッチ」,2チームに分かれてキル数を競う「チームデスマッチ」,同じく2チームに分かれてコアを奪い合う「コアコントロール」,複数の隊に分かれて与えられた任務をこなしていく「スカーミッシュ」となっている。
 筆者は主に60人でのチームデスマッチをプレイしたのだが,まず人の多さに圧倒されてしまった。当たり前と言えば当たり前なのだが,これだけの規模のぶつかり合いが目の前で繰り広げられているさまは圧巻の一言だ。ただし人が多いゆえに,マップのどこにいても敵と遭遇してしまい,1〜3人倒す間に必ず1度は殺されるという状況であった。たとえマップを熟知できたとしても,この人数の中で思うように立ち回るのはちょっと難しいかもしれない。実際プレイしてみての印象はやや大味という感じだが,とにかく賑やかなので,お祭り騒ぎが好きな人には持ってこいといえるだろう。

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画像集#018のサムネイル/シングル/マルチ共に大きくパワーアップ。最大60人対戦も可能なPS3用FPS「RESISTANCE 2」のプレイレポートを掲載
人数の多い対戦が苦手な人はスカーミッシュがオススメ。最大5人の分隊ごとの行動となるため,ヘタなプレイで迷惑はかけられない
 ところで,60人対戦という数ばかりが取り沙汰されているが,驚くべきは数字のみにあらず。これだけの人数で戦っているにも関わらず,ラグやフレーム落ちといった現象がほとんど感じられないのである。FPSやTPSで対戦を嗜んでいる人ならば,ラグでプレイヤーがワープしたり,移動中に表示がコマ送りのようになったりという現象を幾度となく経験していることと思う。だが筆者が対戦モードをプレイした限り,そうした現象に遭遇することはなく,戦闘よりもそちらのほうが気になって視界をグリグリ動かしてみたり,敵が10人以上立てこもっている建物に突っ込んでみたりもしたが,極々滑らかに返り討ちにされて感嘆の声をあげてしまった。
 ちなみに筆者のネット環境は,共有型光回線+無線LANなので超高速というわけでもなく,ボイスチャットで英語が飛び交っていたので日本人オンリーでプレイしていたわけでもない。もちろんどんな環境でもスムーズに動くという保証はできないが,とにかく百聞は一見にしかず。オンラインFPSにはラグがつきものだと思っている人ほど,RESISTANCE 2の対戦プレイで受ける衝撃は大きいはずだ。

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