「LEVEL5 VISION 2010」レポート（前編）：NDS版「二ノ国」の完成，「レイトン教授と奇跡の仮面」3DSでの実機デモ，「イナズマイレブン3」新バージョン，「ダンボール戦機」発売日などが発表

　10月19日，レベルファイブの新作発表会「LEVEL5 VISION 2010」が，東京・品川にあるゆうぽうとホールで開催された。すでに速報でもお伝えしているとおり，ここでは完全新作「レイトン教授VS逆転裁判」や，イシイジロウ氏がディレクションを手がける「タイムトラベラーズ」など，注目作の発表が相次いだ。本稿では，発表会全体の模様を，前後編の2記事に分けてお伝えしていこう。

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　発表会では，レベルファイブ代表取締役社長の日野晃博氏が登壇し，タイトルのプレゼンテーションを順次行っていった。

レベルファイブ代表取締役社長 日野晃博氏（左）

「二ノ国 漆黒の魔導士」（NDS）

　1本目は，ニンテンドーDS用タイトル「二ノ国 漆黒の魔導士」（以下，二ノ国）だ。

本村 健氏（左）と丸屋教子氏（右）

　プレゼンテーションでは，「二ノ国」のチーフディレクター本村 健氏と，ゲームに同梱される「マジックマスター」（魔法の本）のディレクター丸屋教子氏が登場し，これまで明かされていなかった二ノ国のゲームシステムを，デモンストレーションを交えながら説明した。
　デモプレイでは「マタタビ荘」という宿に泊まると訪れることができる「夢の世界」で，夢の案内人から主人公オリバーに対して“宝箱を開ける謎解き”が投げかけられていた。暗号とも取れる謎のメッセージを解読するには，マジックマスターに書かれた情報を頼りに謎解きを進めていく必要がある。


　デモでは，暗号の意味を考えながらマジックマスターとゲーム画面内の情報を照らし合わせていくことで，見事謎の解明に成功。二ノ国の攻略において，マジックマスターがいかに重要な役割を担っているかという点をあらためて認識させられた。日野氏も「マジックマスターは魔法のルールやモンスターについて調べるだけではなく，さまざまな用途で使うように工夫されています」と，その重要性を強調していた。


　続いては，マジックマスターと同様に，二ノ国の中核を担う要素「イマージェン」について。
　イマージェンとは，一般的なRPGでいうところのモンスターに当たる存在で，二ノ国ではそれらを仲間にすることができる。仲間にしたイマージェンは自分で名前を付けることも可能で，その種類は実に350種類以上。


　もちろん育成も可能で，遊んでやったり可愛がってやったりすることでどんどん強くなり，また進化することもあるという。ワイヤレス通信を使って，友達同士でイマージェンを戦わせたりすることもできる。プレゼンでは本村氏と丸屋氏による対戦が行われ，ポリゴンで描かれたキャラクターが生き生きと動く対戦模様も披露された。


　日野氏は「本来『二ノ国』は壮大なストーリーを追いかけるゲームなのですが，これらイマージェンの要素は，おまけ要素と呼ぶには大き過ぎるほど重要なものとなっています」と話していた。


　続いてはニンテンドーDSの「すれちがい通信」を使った新システム「旅するタマゴ」が発表された。これは物語の途中で手に入る「不思議なタマゴ」を，すれちがい通信を使って交換するというもので，受け取ったタマゴは割るか，もう一回旅をさせるかといった選択が可能。


　タマゴを割るためには「タマゴポイント」と呼ばれるポイントを消費する必要があるが，割ると，レアなアイテムやイマージェンが手に入る可能性もある。一方，旅をさせると，自分の手元には二度と戻ってこないというリスクがあるものの，代わりにタマゴポイントを入手できる。どちらを選択するか悩むところだが，プレイの際はそういった選択の駆け引きも楽しみの一つとなりそうだ。



　最後に日野氏は，「二ノ国が壮大なRPGであるということをアピールしたい」とし，船やカジノが登場するシーンを公開。また，ソフト発売後一年にわたってアイテムやクエストが配信される“魔導士通信”や, 発売直前のテレビCMに人気子役の芦田愛菜さんが出演することなどを発表した。



　なお「二ノ国 白き聖灰の女王」（PS3）については，新しく発表できる内容がないためプレゼンテーションは割愛されたものの，日野氏は，両方をプレイすることで二ノ国の世界をより深く楽しめるものになると話してした。
　また，プレゼンテーション中に，二ノ国はすでにマスターアップしており，あとは発売を待つだけの状態だと日野氏は発言していたので，発売を楽しみにしている人は，安心してほしい。

「レイトン教授と奇跡の仮面」（3DS）

　続いては人気アドベンチャーゲーム“レイトン教授”シリーズの最新作，ニンテンドー3DS用ソフト「レイトン教授と奇跡の仮面」が取り上げられた。
　日野氏は「今回のレイトン教授はひと味違うというところをお見せしたいと思います」と力強く述べ，プロモーション映像を披露。映像では，高校生時代のレイトンが登場し，松任谷由実さんが手がける本作のテーマ曲「Mysterious Flower」がいち早く公開された。


　さらに「ナゾトキ」については，これまでのシリーズどおり，多湖 輝氏が「ナゾトキ新次元」をキーワードに本作のナゾトキを総監修するとのこと。そしてソフト発売から365日の間，一日も欠かさず毎日新しい謎が配信される「日刊ナゾ通信」の存在も明かされた。これには日野氏も「これは携帯ゲーム史上，初めてのことではないでしょうか」と胸を張る。

メインキャストの大泉 洋さん，堀北真希さんからのビデオメッセージも上映された

ディレクター鈴木 純氏による，テントウ虫を操ってゴールを目指すというナゾトキのデモプレイが行われた

　続いては実機を用いてのデモプレイへ。会場のスクリーンを使ったプレイのため，残念ながら裸眼での3D立体視は味わえなかったが，モーションキャプチャーを使った3Dポリゴンで描かれたレイトンやルークが生き生きと動くイベントシーンはしっかりと確認できた。日野氏も「3Dになってもレイトンシリーズの牧歌的な良さがまったく失われていない」とコメント。E3 2010で公開されたバーションからかなり作り直されているとのことなので，否が応にも期待が高まるところだ。

「イナズマイレブン3 世界への挑戦！！ ジ・オーガ」（NDS）

　続いては“レイトン教授”と双璧を成す同社の人気タイトルから，「イナズマイレブン」シリーズ最新作「イナズマイレブン3 世界への挑戦！！ ジ・オーガ」のプレゼンテーションへ。日野氏は，同シリーズの販売実績などから「『イナズマイレブン』シリーズは，今や最も子供達に愛されている作品だと自負しています」とコメント。
　また2010年6月に開催され，大好評を博したファン感謝際の第二弾が，2010年12月12日に幕張メッセで開催されることも発表された。
　さらに日野氏から「ここで『イナズマイレブン』の新作が発表されるかもしれません」とサプライズ発言。これには，司会の荘口彰久さんも「打ち合わせにないことをなぜここで……」と驚いていた。


　この日のプレゼンテーションでは「イナズマイレブン3 世界への挑戦！！ ジ・オーガ」のオープニングムービーが上映。さらに本作のゲーム内容が，12月23日公開の映画「劇場版イナズマイレブン 最強軍団オーガ来襲」と連動することも発表された。





　また，すでに会員数が17万人を突破しているという「イナズマイレブン モバイル」にて，11月1日にブラウザベースのサッカーゲーム「イナズマイレブン バトルコレクション」をリリースすることも発表。そしてプレゼンテーションの締めくくりとして，ゲームのオープニングテーマ「気合いでハリケーン」を歌うT-Pistonz＋KMCのスペシャルライブが行われた。

「ダンボール戦機」（PSP）

　続いては，レベルファイブ初のPSP用パブリッシングタイトル「ダンボール戦機」のプレゼンテーションだ。日野氏は「この作品の最大の仕掛けは，プラモデル，ゲーム，マンガ，アニメが同時並行的に動くクロスメディア展開にあります」と述べる。
　まず最初に公開されたのは，アニメ版のプロモーション映像だ。日野氏によるとアニメ版第1話，第2話については，日野氏自身が直接シナリオに携わっているとのこと。その点からしても，「ダンボール戦機」に対する力の入れ様が伝わってくる。



　続いてプラモデル「LBXアキレス」とゲームの映像が公開され，さらに「ダンボール戦機」には，プラモデルが同梱されることも発表された。しかも早期購入者特典などではなく，すべての購入者が手に入れられるアイテムという点が面白い。プラモデル単体での販売予定はないらしいので，気になる人はぜひチェックしてほしい。これまでにない新たな仕掛けで展開する「ダンボール戦機」，発売日は2011年3月17日だ。






　というわけで，前半のレポートはここまで。後半のレポートも追って掲載予定なので，お楽しみに。

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