スクウェア・エニックスは2017年11月29日,
「FINAL FANTASY XV」 (
PS4 /
Xbox
One 。以下,FFXV)のWeb番組
「ファイナルファンタジーXV アクティブ・タイム・レポート 1周年スペシャル」 を配信した。
ここではプレイヤーに向けて行われたアンケートの結果が紹介されたほか,今後のアップデート内容も明かされた。本稿でその模様をレポートしよう。なお,記事中で使用している画像は,配信映像をキャプチャしたものだ。
ファイナルファンタジーXV アクティブ・タイム・レポート 1周年スペシャル
VIDEO
FFXVディレクターの田畑 端氏(左)と,スクウェア・エニックス マーケティング部マネージャーである大藤昭夫氏(右)
プレイヤー向けアンケートで,満足度や離脱場所などのレアなデータが明らかに
最初の話題は
プレイヤー向けアンケートの結果 について。このアンケートは2017年5月24日から6月7日まで行われ,回答を寄せたのは1万2372人。そのうちゲームをクリアした人が89%を占めたという。
プレイヤー向けアンケートの詳細(左)と,年齢分布(右)。大藤氏によれば,ほかのタイトルよりも若い層の割合が多いとのこと
データの中で,特に興味深かったのがチャプターごとの離脱率と満足度だ。どちらもなかなか表に出ることがない,レアなものと言えるだろう。
最も多くのプレイヤーが離脱したのはノクティス(ノクト)が宿敵との決着をつけるチャプター14「帰郷」で,オープンワールドの冒険が終了するチャプター8「船出」がこれに続く。
チャプターごとの離脱率を集計したデータ
満足度を見ると,チャプター1「旅立ち」からチャプター9「それぞれの使命」までは,「満足」が「不満足」を上回ったが,チャプター10「王たるもの」から不満足が多数に。また,ノクトが武器召喚を封じられた状態で暗い要塞をさまようパートで,発売後にアップデートで改善が施されたチャプター13「奪還」は,満足が29.4%,不満足が50.3%というワーストの数字となった。
チャプターごとの満足・不満足の割合を集計。オープンワールドが終わるチャプター8までは6割以上のユーザーが満足しているが,続くチャプター9以降は満足度が低くなる
アンケートの自由記入欄は,ポジティブなものからネガティブなものまでさまざまだったという。キャラクターについては,ノクトとルーナの関係や,グラディオ,イグニス,プロンプトとの友情が好評を博した一方,イグニスが失明した理由など,掘り下げが不足しているとの意見もあったようだ。シナリオに関しては最後のキャンプやアーデン,結婚式に言及する人が多く,結末の切なさを評価したうえでハッピーエンドを求める声も多かったという。
プレイヤーへのアンケート自体は珍しくないが,結果がここまで公開されることは珍しい。開発チームのオープンな姿勢を改めて感じた。
「オンライン拡張パック:戦友」は不具合修正と新コンテンツ追加のアップデートを実施
続いては,11月15日に配信がスタートしたばかりのDLC
「オンライン拡張パック:戦友」 について。12月12日配信のパッチ「Ver.1.1.0」で「経験値は充分なのにレベルが上がらない」「マルチプレイクエストで敵が出なくなる」といった不具合が修正され,レスタルムとキャンプを行き来する際のロード時間も短くなるという。
「オンライン拡張パック:戦友」のディレクター,高橋和也氏
このアップデートと同時に新コンテンツ「時限クエスト」も追加される。次々と襲いかかってくる敵の攻撃に5分間耐えるというもので,ここで手に入る報酬アイテムを「魔女の店」に持っていくと,バフ効果が得られる。
ディレクターの高橋氏によると,2018年も追加のDLCリリースやアップデートを予定しており,アバターアイテムなどの追加なども行うとのことなので,期待しよう。
「エピソード イグニス」はマルチエンディング
12月13日には,DLC
「エピソード イグニス」 が配信される。舞台となるのは水の都・オルティシエで,プレイヤーはイグニスを操作し,ルーナの兄・レイヴスとともに戦う。
「エピソード イグニス」ディレクターの寺田武史氏
ボリュームは,寄り道せずにストーリーを追っていくと1時間半〜2時間ほどで,さらにクリア後に別ルートが開放されて,マルチエンディングになるという。ディレクターの寺田武史氏によれば「本編のエンディングで感動した人に見せたい」もので,「IFルートであり,イグニスのもう一つの未来」になるとのことなので,ファンは楽しみにしておこう。
また,エンディングを迎えた後には,イグニスを操作してノクトと戦うこともできるという。ノクトは,さまざまな武器を使いこなしつつシフトブレイクで飛び回り,さらにはファントムソードやリング魔法まで使ってくる強敵だ。
対するイグニスは,ワイヤーのようなものを発射する「魔導フックショット」で立体的に移動して戦える。紹介されたムービーには「看板の上に避難したノクトを魔導フックショットで看板ごと引き倒す」というシーンもあり,ド派手なアクションが楽しめそうだ。
待望のキャラクター切り替え機能が実装。バトルがさらに面白く
FFXV本編でも12月12日にアップデートが実施され,これまで基本的にノクトしか操作できなかったバトルでの
操作キャラクター切り替え機能 が実装される。大江氏によると,切り替えはいつでも自由に行うことができ,デメリットはないという。
FFXV デベロップメントマネージャーの大江泰輔氏
バトルでグラディオ,イグニス,プロンプトに切り替えた場合は,それぞれのエピソードDLCで使用されたシステムになるようだ。グラディオではガードゲージとダメージ倍率,プロンプトでは機関銃や無反動砲といった武器の切り替えに「ブレイクブロー」,イグニスでは敵をマルチロックする「サーチアイ」での攻撃がそれぞれ確認できた。
個性豊かな仲間達を操作してバトルできればプレイフィールも大きく変わるはずで,一度クリアした人にとっても注目のアップデートといえるだろう。
グラディオラスに切り替えると,画面左下にガードゲージとダメージ倍率が表示
プロンプトは銃器を切り替えつつ戦う。「ブレイクブロー」も使えるようだ
イグニスは,敵をマルチロックする「サーチアイ」で攻撃
「ポケットエディション」の配信は延期
スマホアプリ
「ファイナルファンタジーXV ポケットエディション」 (
iOS /
Android )は,当初2017年秋の配信が予定されていたが,冬に延期されることになった。田畑氏によれば,配信するための審査を受ける段階にまで達したものの,ユーザーに不利益が生じるバグがいくつか見つかったことから,修正を済ませてリリースすることにしたという。なお,「ここから長くお待たせすることはない」(田畑氏)とのこと。
2018年には3本のエピソードDLCが配信。そのうち1つはアーデン
FFXVの今後の展開も語られた。田畑氏によると,現在は2018年の計画を練っている段階とのことだが,最低3本のエピソードDLCを計画しており,そのうち1つはアーデンに関するものになりそうとのこと。そして「絶対に満足していただける状態にして出す」という姿勢で開発を進めていくとのことだ。
田畑氏は「既にクリアした人も含め,もう一度FFXVに興味を持てるような展開を作っていきます。マスターアップ当時の開発チームはギリギリでラスボスに挑めるレベル35くらいの実力でしたが,今はレベル50近くになっています。来年は最高のコンテンツを作っていきますので期待してください」と語り,番組を締めくくった。
映像が配信された29日はFFXVの発売からちょうど1周年で,ファンからは手作りのプレゼントが贈られてきたという