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[GDC 2010]「スター・ウォーズ」の新作MMORPG「Star Wars: The Old Republic」を,Lucasfilmまで行って実際にプレイしてきた
「Star Wars:The Old Republic」公式サイト
「Star Wars:The Old Republic(以下,SWTOR)」は,LucasArts Entertainmentの保有するIP「スター・ウォーズ」のMMORPG。パブリッシャはゲーム界の巨人Electronic Arts,デベロップメントは「Baldur's Gate」「Neverwinter Nights」「Mass Effect」などで名高いあのBioWareが手掛けている。実質的な開発が行われているのはBioWareのオースティン(テキサス支部)ではあるが,このLucasfilm社内においても,開発の一部が行われているという。
SWTORは,BioWareが制作したシングルプレイ専用RPG「Star Wars:Knights of the Old Republic(以下,KOTOR)」の世界観をベースにしている。KOTORは,ルークやハン・ソロ達が活躍していた時代の3600年も前,まだ何万人というジェダイの騎士達が宇宙を闊歩していた頃の,輝かしき“旧共和国(The Old Republic)”を舞台とした作品だった。
そして今回のSWTORの舞台となるのは,その300年後。シス・ロード達の誕生によって共和国は攻撃を受け,銀河の首都コルサントのコントロールを失ってしまう。そんな“光と闇の力が拮抗した世界”が,本作の物語のバックグラウンドとなっている。
SWTORでプレイヤーが選択できるクラスは,既に全8種類が発表済みだ。共和国側には「ジェダイ・ナイト(Jedi Knight)」「ジェダイ・コンスラー(Jedi Consular)」「トゥルーパー(Trooper)」「密売人(Smuggler)」の4クラス,シス・エンパイア側には,「シス・ウォーリアー(Sith Warrior)」「バウンティ・ハンター(Bounty Hunter)」「帝国エージェント(Imperial Agent)」「シス・インクイジター(Sith Inquisitor)」の4クラスが用意される。今回,我々メディアが通されたテストルームには,最後に発表されたシス・インクイジターのアート画が貼り付けられていたが,当然ながら写真撮影は不可とのことだった。
今回のイベントでは,ゲームに関する説明などはなく,すぐにテストプレイを始めることとなった。
■アクションポイントを効果的に利用して戦う
■ストラテジックな戦闘システム
今回用意されていたのは,トゥルーパーのプレイヤーキャラクターだった。Levelは6だというから,まだまだ産声を上げたばかりのキャラクターだと思われる。一応装備はそろっているようだが,まだ濃い緑と灰色を基調にした野暮ったいコスチュームで,いかにも駆け出しのトゥルーパーといったところ。
キャラクターが立っているのは,分厚い大気で覆われた星 Ord Mantell。スターウォーズ・サーガに詳しい人には,トゥルーパーの主力基地があった場所として知られている惑星である。
このOrd Mantellでは現在,分離主義者の反乱が引き金となった,大規模な市民戦争が行われており,プレイヤーはトゥルーパーの中でも精鋭部隊として知られる「Havoc Squad」のメンバーとして,ゲーム序盤は分離主義派への工作を中心とした,惑星内のさまざまなミッションをこなしていくことになるようだ。
画面上にはホットバーがあり,そこに戦闘スキルを割り当てられるようになっている。それぞれのキャラクタークラスには“基本スキル”となるものが存在するようで,この基本スキルを使用することで,他のスキルの利用に必要なアクションポイントが溜まっていくという仕組み。基本スキルは数字キーの「1」にセットされており,またマウスの右クリックにもバインドされている。SWTORの戦闘は,ただ闇雲にマウスをクリックするものではなく,アクションポイントをうまくマネージメントして,効果的にスキルを使用していくというストラテジックなものになっているというわけだ。
トゥルーパーの場合,“Hammer Shot”と名付けられている手持ちのライフルによる銃撃のほか,ライフルから手榴弾を発砲する“Rifle Grenade”,一時的な連続攻撃“Full Auto”,ロボットなどの破壊に役立ちそうな“Sticky Grenade”,相手をライフルの柄で叩くことで一時的にノックダウンさせる“Shockstrike”の計5種類が利用できるようになっていた。
■序盤のミッションの一つを体験
■分離主義者達から機密ディスクを奪還せよ!
筆者のキャラクターが立っているのはMannett Pointという場所だった。ここは帝国軍のキャンプ地の一つだったが,今は分離主義者達に占拠されてしまっているという。基地の入り口近くにはLamallaというジャーナリストの女性が立っており,この女性をクリックすると,インゲームエンジンのカットシーンが始まった。彼女はこちらに「Maxxという友人のジャーナリストが分離主義者に囚われてしまった。機密情報の入ったホロディスクが奪われてしまうかもしれないので助けてほしい」と話しかけてきた。
会話シーンの雰囲気は,BioWareの「Mass Effect」シリーズのものに近い。会話中には時折,ダイヤル式の会話選択システムが現れて,こちらの対応を選択できるようになっていた。
SWTORのシナリオは,BioWareの過去の作品のシナリオすべてをあわせたよりもボリュームが多いという。ゲームストーリーの本筋とは関係ないと思われる,こんなマイナーなキャラクターのクエストにも,最初から最後までセリフつきのムービーが用意されているのだから,その凄さの片鱗は十分に感じられた。驚くべきは,プレイヤーキャラクターにも,自分が選択した会話内容すべての音声が用意されているという点である。このあたりに,本作とこれまでのMMORPGとの大きな違いがある。SWTORでは「よりパーソナルなストーリーを体験できる」ことに重点が置かれているのだ。
基地の内部には,Separatist WarriorやSeparatist Commanderなどと名付けられた敵が,2〜3体ずつたむろしていた。さらに要所要所をバトルドロイドが警備している。ドロイドはマシンガンで,プレイヤーのヘルスをがんがん削ってくるので,優先的に倒さないといけない――といった感じだ。
ミッション目的地は,マップ上にオレンジ色の円で示されている。今回のデモでは,まずシールドジェネレーターを止めてから基地内部に潜り込み,エレベーターで階下に降りてMaxxを探し出すという展開が用意されていた。Maxxの元に到着した時点で彼との会話を進めるカットシーンに移行するが,ここでは「素直にMaxxを助ける」か「Maxxが分離主義者に協力しているのではないかと疑う」かを選択できるようになっていた。後者を選択したら,Maxxは裏切り者だったようで,ホロディスクの場所を白状した。その後,2人のSeparatist Officerからホロディスクを奪い返し,Lamallaのもとに帰るとミッションコンプリートとなった。このミッションを遂行した報酬として,経験値と共にLamallaから「Adrenal」と呼ばれる,おそらくはキャラクターの能力にブースト効果を与えるであろう薬品を2種類もらうことができた。
SWTORは,大人数で遊ぶタイプのゲームでありながら,プレイヤー自身が主人公になれるというシングルプレイゲーム的な遊びを盛り込んだ,新たな境地のMMORPGになるかもしれない。今後の進展には,十分に注目していきたいところだ。
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