2009年度の“テイルズ オブ”新作タイトルが発表。Wii「テイルズ オブ グレイセス」が今冬，PSP「テイルズ オブ バーサス」が2009年夏に発売！

　バンダイナムコゲームスは本日（4月6日），同社内にある未来研究所ファンシアターにおいて，メディア向け発表会“『テイルズ オブ』シリーズ2009年度ラインナップ発表会”を実施した。先ほど掲載した記事で，Xbox 360用ソフト「テイルズ オブ ヴェスペリア」のPLAYSTATION 3への移植および同タイトルのアニメ映画化についての情報をお伝えしたが，こちらは発表会の後半部分にあたる。順番が前後してしまったが，発表会の前半部分，「テイルズ オブ グレイセス」（Wii）および「テイルズ オブ バーサス」（PSP）の制作発表の情報をお届けしよう。

　最初に，4月1日よりバンダイナムコゲームスの代表取締役社長に就任した，鵜之澤 伸氏が登壇してスピーチを行った。
　鵜之澤氏は，バンダイナムコゲームスの中期的戦略のビジョンとして“チェンジ・ジ・エンターテイメント”を掲げ，以下のようにコメントした。

バンダイナムコゲームス 代表取締役社長の鵜之澤 伸氏

　バンダイナムコゲームスおよび，グループでは常に新しい概念を生み出していきたいと考えていました。そして，我々ならそれを生み出せるんじゃないかなって思っています。昨年の10月から「テイルズ オブ ジ アビス」のテレビシリーズを放映しました。今までもOVA等の展開はありましたが，テレビシリーズを2クールもやるのは初めてのチャレンジでした。それによって新たに入ってきてくれたファンの方も多いんじゃないかなと思っています。
　今度中学生になるウチの姪っこがいるのですが，彼女も「アビス」のアニメを観て，ゲームのファンになってくれました。
　ですので，そういった新たなユーザーさんを今後も増やしていきたいと思っていますし，従来のユーザーさんにも新しい話題を提供しつづけたいと思っています。
　そして，これからもこういったチャレンジはずっと続けて行きたいと思っていますので，社長が代わった新生バンダイナムコゲームスおよび「テイルズ オブ」シリーズをよろしくお願いします。

コンテンツ制作部 第3企画ユニット ゼネラルマネージャー 吉積 信氏

　次に，コンテンツ制作部 第3企画ユニット ゼネラルマネージャーの吉積 信氏が登壇し，「テイルズ オブ」シリーズの2009年の戦略について説明を行った。
　吉積氏は「テイルズ オブ」シリーズの2008年度を振り返り，「2008年度のテーマは“躍動”ということで，新しいことをいろいろとやりつつ，次の『テイルズ オブ』シリーズの楽しみ方を模索してきました」とコメント。なお2008年度には，マザーシップタイトル，つまり「テイルズ オブ」シリーズの本流としての新作タイトル「テイルズ オブ シンフォニア −ラタトスクの騎士−」（Wii），ハイエンド向けとして初めてのタイトル「テイルズ オブ ヴェスペリア」（Xbox 360），ムービーシーンをアニメ/3DCGの2バージョンで制作した「テイルズ オブ ハーツ アニメムービーエディション」「テイルズ オブ ハーツ CGムービーエディション」，エスコートタイトル（派生タイトル）の2作めとなる「テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2」が発売された。

　続けて吉積氏は，2009年度はシリーズの進化を目指し，そのテーマとして“拡進〜Expansion〜”を掲げると述べた。その意図は，今まで培ってきたノウハウを武器に，新たなコンテンツの展開やチャレンジを続けていくということだ。


　2009年度における「テイルズ オブ」シリーズの展開について吉積氏は，2009年夏にPSPで「テイルズ オブ バーサス」，2009年秋にPLAYSTATION 3で「テイルズ オブ ヴェスペリア」，そして今冬にWiiで「テイルズ オブ グレイセス」をリリースすると発表した。
また，アニメ等の映像コンテンツ（映画版「テイルズ オブ ヴェスペリア 〜The First Strike〜」）やイベント（テイルズ オブ フェスティバル 2009）など，ゲーム以外のコンテンツも積極的に展開していく予定とのこと。

「グレイセス」のフィールドはシームレスの広大な世界に

戦闘は“スタイルシフト”がカギとなるSS-LMBSを採用

「テイルズ オブ グレイセス」の制作プロデューサーである馬場英雄氏

　そして，気になる新作2タイトルについて，それぞれの制作プロデューサーからのプレゼンテーションが行われた。
　まずステージに上がったのは，今冬の発売が予定されているマザーシップタイトル，Wii用ソフト「テイルズ オブ グレイセス」の制作プロデューサーである馬場英雄氏。
　馬場氏はまず，シリーズおなじみのテーマについて「本作では“守る強さを知るRPG”になる」と述べた。その理由として馬場氏は，「自分の信念，自分で決めたこと，家族，友人，いろんな意味での守るというテーマを，一つの世界観と物語を通じて表現していきたいと思い，決めました」と語った。
　なお本作の制作は，キャラクターデザインにいのまたむつみさん，開発にナムコ・テイルズスタジオ，アニメーション制作にプロダクション I.Gという，ファンにはおなじみの布陣となっている。

※こちらの写真は，上映されたムービーをカメラで撮影したものです。実際の画面よりも画質が落ちている点にご注意ください。

　次に本作の主人公，アスベル・ラントがスクリーンに映し出され，馬場氏がその設定について以下のように説明をした。

　アスベルは非常に正義感が強く，透明感や清潔感といったイメージを持たせたかったので，基本的には白をベースにデザインを施してほしいといのまたさんにお願いしました。とくに注目していただきたいのが，強い意志を持った目です。目にはアスベルの本質が出ています。
　このキャラクターがどういった物語を繰り広げていくのかというところを楽しみにしていただきたいと思います。

　また馬場氏は，本作のフィールドについて，“3Dでの等身大の世界観”を表現し，フィールド/ダンジョン/街がシームレスにつながる広大なものになっていることをアピール。「テイルズ オブ ヴェスペリア」などで培ったノウハウを生かし，ストレスなくRPGでの冒険を楽しめるとアピールした。


　次に馬場氏は，戦闘システム“SS-LMBS”（スタイルシフト リニアモーションバトルシステム）について説明した。
　本作では，“スタイルシフト”が軸となっており，スタイルの切り替えで攻撃方法が変化するという。たとえば主人公のアスベルの場合，普段は剣を鞘に収めた状態で，剣を収めたまま攻撃するが，スタイルシフトをすると，抜刀しての攻撃を行うといった感じで，既存シリーズよりさらに攻撃のバリエーションに幅が出るとのことだ。
　また本作のバトルでは，ターゲットに対して360°のライン移動が可能で，モンスターの攻撃を“ステップ”で避けて攻撃に移るなど，位置取りも重要となる。


　馬場氏は，「既存シリーズでもバトルはアクション性の高いものでしたが，格闘アクション的な要素を入れることで，さらに戦闘が楽しいものになっていますのでご期待ください」と語った。なお本作は，任天堂から発売された周辺機器「クラシックコントローラーPRO」にも対応すると馬場氏は語っていた。既存シリーズと同様の操作感でプレイしたい人にとっては朗報だろう。

　また馬場氏は，「テイルズ オブ」シリーズ恒例のタイアップアーティストがすでに決まっており，曲もほぼできあがっているとコメント。こちらについては，6月14日に行われる“テイルズ オブ フェスティバル 2009”で詳細が発表されるとのことなので，ファンは続報を期待して待とう。

シリーズ初の対戦アクション「テイルズ オブ バーサス」

35人のキャラクターが登場，謎のミニゲームも？

「テイルズ オブ バーサス」制作プロデューサーの大舘隆司氏

　続いて，2009年夏発売予定のPSP用ソフト「テイルズ オブ バーサス」について，制作プロデューサーの大舘隆司氏からプレゼンテーションが行われた。
　本作は，「テイルズ オブ」シリーズ初となる対戦アクションゲームで，「テイルズ オブ ハーツ」までのシリーズに登場する総勢35人のキャラクターが大迫力のバトルを繰り広げるという内容だ。発表会では，「テイルズ オブ ハーツ」のシング・メテオライト，「テイルズ オブ ヴェスペリア」のユーリ・ローウェル，「テイルズ オブ ジ アビス」のルーク・フォン・ファブレ，「テイルズ オブ シンフォニア −ラタトスクの騎士−」のリヒター・アーベントらが出演することが明らかにされた。


　なおストーリーはオリジナルとなるが，大舘氏によれば，「テイルズ オブ」シリーズのスタッフ総出で作られているとのこと。ストーリーモードにあたる“ユグドラシルバトルモード”は，異世界ダイランティアにおいて，神聖王国ヘイズル/騎士王国フレスヴェルグ/新帝国ニーズホッグ/自由都市連合ダインという四つの地域が舞台になり，キャラクター達は，このいずれかの地域に所属する形になる。

　戦闘システムは，二次元軸上で展開される，シリーズファンにはおなじみの“LMBS”が基本となる。“バウンド”や高低差の概念，キャラクター二人による協力技を導入するなど，アクション性をより深みのあるものにしているとのこと。
　また大舘氏は，本作がアドホックでの通信対戦に対応予定であることと，パラメータにポイントを割り振る“ステータスカスタマイズ”機能を搭載していることを明らかにした。
　ステータスカスタマイズ機能でキャラクターを自分好みに育てることが可能なため，アドホックで対戦する場合，同じユーリであってもプレイヤーによってその能力は変わってくるというわけだ。
　そのほか，35人のキャラクターのステータスイラストや戦闘中のカットインはすべて描き下ろし，メインシナリオはフルボイスで，音声はすべて新規収録になるとのことだ。また，オープニングムービーはプロダクション I.Gが制作する。

　また，詳細は明らかにされなかったが，謎のミニゲームが用意されること，本作は携帯電話版もプロジェクトが同時進行しており，その連動コンテンツも計画されていることが明らかにされた。

GIRL NEXT DOORの三人。左から鈴木大輔さん，千紗さん，井上裕治さん

　大舘氏によるプレゼンテーションが終わったところで，「テイルズ オブ バーサス」のタイアップアーティストが「GIRL NEXT DOOR」であることが発表され，ゲストとしてGIRL NEXT DOORメンバーの千紗さん/鈴木大輔さん/井上裕治さんが登場した。
　GIRL NEXT DOORのメンバー達は，自分達の楽曲が本作に起用されることについての喜びを語っていた。なおテーマ曲はほぼ完成しており，現在は曲を元にアニメーションを当て込む作業が行われていると大舘氏は語っていた。ちなみに大舘氏によると，タイアップアーティストの候補としてGIRL NEXT DOORの話が出たのは，彼らがメジャーデビューする前だったとのことだ。
　また，大舘氏ではなく井上さんがポロリと喋ったのだが，GIRL NEXT DOORのメンバーをイメージしたオリジナル武器が本作で登場予定だという。大舘氏は，オリジナル武器はダウンロードコンテンツとして配信する予定と語っていた。


　なお，6月14日に行われる“テイルズ オブ フェスティバル 2009”にはGIRL NEXT DOORが出演し，本作の主題歌が披露されるとのこと。気になる人は，チケットの購入を検討してみてはいかがだろうか。

人気ＲＰＧ『テイルズ オブ』シリーズ 待望のファンイベント第２弾
「テイルズ オブ フェスティバル ２００９」
最新作テーマソングアーティスト
「ＧＩＲＬ ＮＥＸＴ ＤＯＯＲ」の出演決定！

　株式会社バンダイナムコゲームス （主催：テイルズ オブ フェスティバル実行委員会）が、2009年6月14日（日）に パシフィコ横浜 国立大ホールにて開催する「テイルズ オブ フェスティバル ２００９」に、特別ゲストとして「ＧＩＲＬ ＮＥＸＴ ＤＯＯＲ」の出演が決定しました。
　「ＧＩＲＬ ＮＥＸＴ ＤＯＯＲ」は、バンダイナムコゲームスが2009年夏に発売する予定の『テイルズ オブ』シリーズ最新作、プレイステーション・ポータブル用アクションゲーム「テイルズ オブ バーサス」のテーマソングを担当することが決定しています。
　イベントでの「ＧＩＲＬ ＮＥＸＴ ＤＯＯＲ」と『テイルズ オブ』のスペシャルコラボレーションライブにご期待ください。
（＊「ＧＩＲＬ ＮＥＸＴ ＤＯＯＲ」は昼の部のみの出演となり、ミニライブを行う予定です。）

　今回の「テイルズ オブ フェスティバル ２００９」では、シリーズを代表する声優陣によるスキット（朗読劇）や、制作 プロデューサー、声優陣によるトークショー、テーマソングアーティストによるスペシャルミニライブなど、『テイルズ オブ』シリーズの世界を堪能できる特別なステージイベントを数多く企画しています。

　イベントに関する詳細情報は「テイルズ チャンネル」にて順次公開していきます。
（http://www.bandainamcogames.co.jp/cs/list/taleschannel/）

2008年のデビューから快進撃を続けるＧＩＲＬ ＮＥＸＴ ＤＯＯＲ
写真左から井上裕治 (Guitar)、鈴木大輔 （keyboard, Composer）、千紗 （Vocal）

■ GIRL NEXT DOOR
　エイベックスグループのエイベックス・エンタテインメントに所属する、ボーカル千紗、キーボード鈴木大輔、ギターリスト井上裕治の3人で構成される音楽ユニット。
　2008年9月に「偶然の確率」でデビューし、そのカラフルなポップ・サウンドが音楽ファンの心をとらえ、女性ボーカル3人組ユニットでは過去最高位となる初登場3 位を記録した。
　その後リリースした2枚のシングルと1stアルバムは、いずれもオリコンTOP3入りし、第59回紅白歌合戦にも初出場。4月15日には4枚目のシングル(グリコ「アイスの実」TV-CMソング)「Seeds of dream」を、6月3日には5枚目のシングル(CX系ドラマ「アタシんちの男子」主題歌)「Infinity」をリリース予定。

ＧＩＲＬ ＮＥＸＴ ＤＯＯＲ オフィシャルＨＰ
http://girlnextdoor.jp/

■「テイルズ オブ フェスティバル ２００９」イベント開催概要
イベント名称
テイルズ オブ フェスティバル ２００９

公式サイト
テイルズチャンネル http://www.bandainamcogames.co.jp/cs/list/taleschannel/

主催
テイルズ オブ フェスティバル実行委員会

特別協力
エイベックス・エンタテインメント株式会社

内容
『テイルズ オブ』シリーズの人気声優陣による豪華スキット、プロデューサーによるトークショー、テーマソングアーティストによるミニライブ、グッズ販売など

出演者
■声優 ※昼の部、夜の部共に出演声優は共通
小野坂昌也（ゼロス・ワイルダー役／テイルズ オブ シンフォニア）
木村亜希子（ルカ・ミルダ役／テイルズ オブ イノセンス）
関智一（スタン・エルロン役／テイルズ オブ デスティニー）
緑川光（リオン・マグナス役／テイルズ オブ デスティニー）
福山潤（カイル・デュナミス役／テイルズ オブ デスティニー２）
小西克幸（ロイド・アーヴィング役／テイルズ オブ シンフォニア）
鈴木千尋（ルーク・フォン・ファブレ役／テイルズ オブ ジ アビス）
鳥海浩輔（ユーリ・ローウェル役／テイルズ オブ ヴェスペリア）
中原麻衣（エステル役／テイルズ オブ ヴェスペリア）
宮野真守（フレン・シーフォ役／テイルズ オブ ヴェスペリア）
伊藤かな恵（カノンノ・イアハート役／テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー２）

■テーマソングアーティスト
※昼の部、夜の部のミニライブは別アーティストによる公演となります。

昼の部のみ出演
BACK-ON
（テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー２）
GIRL NEXT DOOR
（テイルズ オブ バーサス）

夜の部のみ出演
misono
（テイルズ オブ シンフォニア、テイルズ オブ ザ テンペスト、テイルズ オブ シンフォニア-ラタトスクの騎士-）

※出演者は予告なく変更になる場合がございます。
※敬称略・順不同

日時
２００９年６月１４日（日）
昼の部：開場１２：００ 開演１３：００
夜の部：開場１６：３０ 開演１７：３０

＊昼の部、夜の部は入場入替え制となります。
＊公演時間等は予告なく変更になる場合がございますのでご了承ください。

場所
会場：パシフィコ横浜 国立大ホール
（公式サイト： http://www.pacifico.co.jp/visitor/info/convention.html）
住所：神奈川県横浜市みなとみらい１−１−１
交通：みなとみらい線徒歩３分

チケット
価格SS席：７，８００円、S席：６，８００円、A席：４，８００円※価格は全て税込み、全席指定・前売り券

お問合せ
ムービックプロモートサービス ＴＥＬ：０３−３５３０−１４６１（平日１０時〜１７時）

運営
株式会社ムービックプロモートサービス

制作
株式会社東急エージェンシー

企画製作
株式会社バンダイナムコゲームス


■「テイルズ オブ フェスティバル ２００9」 イベント・キービジュアル

＜著作権表記＞
(C)いのまたむつみ (C)藤島康介 (C)2009 NBGI