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印刷2009/04/14 20:26

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ベクター,100以上のタイトルを備えたブラウザゲーム専用ポータルサイト「ブラゲタイム」のサービスを開始

 ベクターは本日(2009年4月14日),ブラウザゲーム専用ポータルサイトブラゲタイム」の発表会を,東京都内で開催した。ブラゲタイムは,ブラウザだけで楽しめる100個以上のFlashゲームや,多人数で遊べるシミュレーションRPGなどを集約したサイトで発表とほぼ同時にサービスを開始している。また同社は,ブラゲタイムのコンテンツとして「ドラゴンクルセイド」と「ブラウザ三国志」を国内で独占提供すると発表。なお,ドラゴンクルセイドは本日,オープンβテストがスタートし,ブラウザ三国志はクローズドβテストが4月下旬に開始される予定だ。

「ブラゲタイム」公式サイト


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ブラゲタイムのロゴ。「ブラウザ」を「ブラザー」にひっかけて,アフロキャラを採用したらしい

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かなりブラウザゲームにはまっているというベクター 代表取締役 梶並伸博氏
 発表会では最初にベクター 代表取締役の梶並伸博氏が登壇し,ブラウザゲーム専用ポータルを開始するに至った経緯を説明。2007年から2008年は,Macintoshのシェアが急激に拡大しただけでなく,Eee PCに代表される5万円前後の小型ノートPCが爆発的に売れ,市場の3分の1のPCが,現在主流のオンラインゲームを遊べない/遊びづらい状況であるという。そこで,OS/プラットフォームに依存しないブラウザゲームに注目したわけだ。

 ベクターが運営するソフトウェアダウンロードサイトは,10万本以上のソフトを公開しており,月間のユニークユーザー数は600万人。ソフトのダウンロード販売も手がけており,同社の事業の大きな柱となっている。また,現在7タイトルを運営しているオンラインゲーム事業は,ガーラへの出資やベルクスの吸収合併を行うなど,積極的に展開しており,同社事業の2本目の柱となっているという。

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 そこで3本目の柱とすべく立ち上げたたのが,ブラウザゲーム専用ポータルのブラゲタイムというわけである。ブラゲタイムは,100個以上のFlashゲームを集めた「ひとりでFlash」と,多人数で遊べるゲームを用意する「みんなでブラゲ」の二つで構成される。
 ひとりでFlashは,個人が投稿したFlashゲームを取り扱っており,今後は世界中から良質なタイトルを集めて提供していく。一方のみんなでブラゲでは,現在のところ「ドラゴンクルセイド」と「ブラウザ三国志」の2タイトルが予定されている。

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「ドラゴンクルセイド」イメージイラスト

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 続いて,Beijing Sun Ground Interactive EntertainmentのCEOである朱 海燕氏により,中国市場におけるブラウザゲームの現状と,ドラゴンクルセイドについての説明が行われた。
 中国でのブラウザゲームは,2007年までは産業と呼べるほど発展していなかったが,2008年になって状況が一変。300タイトル以上のブラウザゲームが市場に登場した。しかし,各タイトルのクオリティはあまり高くなく,売り上げの伸びは5倍程度にとどまったという。2009年になるとクオリティの高いゲームが投入されるようになり,ブラウザゲーム全体の年間売り上げは20億元(300億円)に達すると予測していた。

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 ドラゴンクルセイドは2008年3月に中国でスタートした,基本プレイ無料,アイテム課金制のブラウザゲームで,現在では20以上のパートナー会社をへて,100台以上のサーバーが稼動するという成功を収めている。西洋ファンタジーをテーマにしたシミュレーションRPGで,プレイヤーは街を発展させて国力を増強。「英雄」と呼ばれる傭兵を雇って兵力をアップさせ,戦いを仕掛けて領土を拡大していく。最終的には自分が所属するギルドを大きくしていき,世界全体を脅かす存在であるボスを倒すことになる。
 ちなみに,領土を広げるには他プレイヤーとの戦いが発生することもある。基本的な設定をしておけば,プレイヤーがログインしていなくてもゲームが進行するので,ログインし続ける必要はない。1日5分でも十分に遊べるという手軽さがウリの一つだ。

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 中国の成功に引き続いて,2008年10月には韓国,2009年1月に台湾,ベトナムへも進出し,各国で評価されているという。
 なお,Beijing Sun Ground Interactive Entertainmentは,ブラウザーゲーム専門の開発会社で,ドラゴンクルセイドはコア開発メンバーの15名が中心となって完成させた。現在は,四つの開発チームが動いており,「野人紀」(中国名)と「JUNKS PLANET」というRPGの準備を進めており,前者は4月中に,後者は6月にクローズドβテストを中国で実施する予定だ。

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発表会終了後という状況にありながらも質問に丁寧に答えてくれたBeijing Sun Ground Interactive Entertainment CEO 朱 海燕氏
 ちなみに発表会終了後に朱氏にお話を聞いたところ,同社はドラゴンクルセイドの企画時から海外展開を考えていたそうだ。中国でヒットするゲームの多くは武侠をテーマにしているが,あえて西洋ファンタジーを題材に選んだのは,そういう理由があったからだ。また,野人紀とJUNKS PLANETも,文化的色合いを薄くしており,他国でのサービスを前提に考えているという。
 また朱氏は,ブラウザゲームの成功によってゲーム人口が増えており,市場全体の活性化につながっていると考える。ブラウザゲームは,既存のMMORPGが作り上げたオンラインゲーム市場を荒らしているわけではなく,うまく共存できており,日本でも同様の効果があると期待しているそうだ。
 朱氏は,「中国,韓国,台湾,ベトナムで成功しているので,日本で失敗する理由が思い浮かばない」と語り,日本でのサービスにかなり自信を見せていた。ただし,「始めの1週間はあまり面白くないかもしれない」とも語っていたので,本作を遊ぶときは,ある程度の期間,遊んでから判断したほうがよさそうだ。

「ドラゴンクルセイド」公式サイト

ドラゴンクルセイドキャラクターイメージ
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AQインタラクティブ代表取締役の武市智行氏。ブラウザ三国志は,同社の社員ほぼ全員(約300人)がテストプレイにはまったそうだ
 次にAQインタラクティブ代表取締役の武市智行氏が登壇し,同社がブラウザゲームに参入した理由の説明と,ブラウザ三国志の紹介を行った
 まず武市氏が着目したのが,ゲーマーの嗜好の変化である。少し前までは,長編のRPGなど何十時間もかけて遊ぶゲームが好まれていたが,最近では10分程度で楽しめるゲームが人気を得る状況になっている。そういった現状を踏まえての決断だという。

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 今回発表したブラウザ三国志に関しては,詳しいことは明かされなかったが,本日からクローズドβテスターの募集が行われており,今月中にテストが開始される。武市氏は,「実際に遊べば面白さが分かる」と語っており,あえて本作の説明を行わなかったのである。発表会という場では,これでもかとアピールをするのが常であるだけに,逆に自信があるということかもしれない。

「ブラウザ三国志」クローズドβテスター募集ページ


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 最後に梶並氏が再び登壇し,氏自身がブラウザゲームにはまっているというエピソードを紹介。「見た目は寂しいかもしれないが,その向こうには熱いものがある」と語り,かなりの金額を,海外産のゲームにつぎ込んだと続けた。自らが面白いと感じたものをなるべく多く集めて日本で紹介したいという思いもあって,ブラゲタイムを立ち上げたという。ブラゲタイムは,ベクターとしての事業ではあるが,同時に梶並氏の並々ならぬ思いの産物でもあるわけだ。
 
 ブラゲタイムを実際に見れば分かるが,目だった広告などはない。あくまでも収益源は,みんなでブラゲに提供されるゲームによるアイテム販売となる。梶並氏はみんなでブラゲのゲームへの登録者数は50万人,サイト全体では100万人を当初の目標とし,日本でナンバー1を目指すと語っていた。また当面はブラゲタイムの充実などに注力するが,海外展開も視野に入れているという。

  ブラウザゲームが,今後日本でどれほど広まるかは未知数だ。だが,ベクターはサービス開始当初から100タイトル以上のゲームを用意しており,本気で取り組む姿勢を見せている。ブラゲタイムはその鍵を握るサイトになっていくと考えていいだろう。

「ブラゲタイム」公式サイト


「ドラゴンクルセイド」公式サイト


「ブラウザ三国志」クローズドβテスター募集ページ


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    ブラウザ三国志

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