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マルチプレイをメインにしたFPS,「BRINK」は,豊富なカスタマイズ機能や,便利な「S.M.A.R.T.システム」などを備えた,自由度の高いゲーム
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印刷2011/04/19 16:21

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マルチプレイをメインにしたFPS,「BRINK」は,豊富なカスタマイズ機能や,便利な「S.M.A.R.T.システム」などを備えた,自由度の高いゲーム

 欧米,日本ともに2011年5月のリリースが予定されている「BRINK」PC/PlayStation 3/Xbox 360)は,マルチプレイに力を入れたFPSだ。開発を担当しているのはロンドンに本拠を置くデベロッパ,Splash Damageで,ここは「DOOM 3」のマルチプレイ部分や「Enemy Territory: Quake Wars」を制作した,まさにマルチプレイFPS専業といえるメーカーだ。

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「Brink」公式サイト


 ゲームの舞台となるのは,海上都市アークで,完全な自給自足が可能な大都市のモデルとして作られた。しかし,地球温暖化の影響で海面が上昇し,陸地がすべて水没してしまった未来,アークは人類に残された唯一の希望になったのだ。しかし,多くの避難民が押し寄せたため,アークは人口過剰となり,残り少なくなった資源をめぐって,対立が表面化。やがて,創設者の子孫や以前からの住民からなる「セキュリティ」と,避難民によって設立された「レジスタンス」による,生存を賭けた戦いが繰り広げられることになった,というストーリーだ。
 もっとも,このあたりの設定はあまり気にする必要はない。所属する勢力やクラスを選んだら,あとはチームの勝利に向かってひたすら戦っていくだけというシンプルなゲームシステムになっているからだ。
 「こちら」の記事でもお伝えしたように,北米のデベロッパ/パブリッシャであるBethesda Softworksは,2011年4月12日〜13日,ユタ州パークシティでプレス向けカンファレンス「BFG 2011」を開催した。このBRINKもプレイアブル展示が行われており,実際のプレイができるようになっていた。



 これまで,いくつものゲームショウでプレイアブル展示が行われてきたBRINKだが,ゲームを説明してくれたSplash DamageのCEO,Paul Wedgewood氏によると,今回のバージョンがほぼ最終版で,各プラットフォーム向けの最適化が行われ,ゲームバランスなどもブラッシュアップされている。また,グラフィックスもさらによくなったとのことだ。
 舞台となるのはもちろんアークの内部で,試遊に使われていたマップはかなり広いという印象を受けた。とくに部屋と部屋が複雑につながっており,階層構造にもなっているので,それなりにマップを覚えないと,すぐに迷子になる。まあ,いくべき場所や重要なオブジェクトなどは画面に表示されるので,おおざっぱな方向は分かる。HUDレスのFPSが多いなか,BRINKのゲーム画面はなかなか賑やかだ。

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Splash DamageのCEO,Paul Wedgewood氏
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 本作の特徴の1つである機能「S.M.A.R.T.システム」は,取るべき動きをゲーム側が自動的に判断してくれるというものだ。例えば,急いで進みたいけど前方に大きなテーブルがあるというときにS.M.A.R.T.を発動すると,勝手にテーブルの上に飛び乗ってくれたり,スライディングで下をくぐり抜けたりしてくれるというわけだ。
 この機能を実装した理由についてWedgewood氏は,自分の足下が確認できないFPSでは,机の端など,見えないところで何かに引っかかって移動できなかったりしてフラストレーションが溜まることが多い。そういう面倒なことを排除し,戦闘に専念してもらうために開発したと説明してくれた。ジョン・ウー監督のアクション映画のように,机の上をすべりながら敵をガンガン倒していくという,派手なものを目指したそうだ。

 確かにこの機能は便利で,プレイ中ボタンを押しっぱなしということも多かったが,思わぬ動きにビックリすることもあり,慣れるまでそれなりに練習が必要かもしれない。ちなみに,チュートリアルにはS.M.A.R.T.システム練習メニューも用意されているとのことだ。

 Wedgewood氏は,本作開発にあたって最も重要視したのは「自由度の高さ」だと語る。これまでにも説明したが,プレイヤーはプレイ開始時に4つのクラスから1つを選択することになるものの,マップにあるコマンドポストを利用することで,プレイ中でもクラスチェンジが可能だ。ミッションによっては,特定のクラスでなければ達成できない目標も出てくるのだが,これまでのようにチームのクラスバランスに細かく気をつかう必要はなく,コマンドポストでどんどんクラスチェンジしていけばいいのだ。

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 自由度という点では,武器のカスタマイズも豊富で,プレイを重ねて経験値を得ることで,さまざまなアタッチメントの取り付けが可能になっている。また同様にキャラクターカスタマイズも多種多様なアビリティが用意されており,プレイスタイルに合ったキャラクターに育てることができる。もちろん,アンロックされたアイテムを使って外見もいろいろとアレンジできるので,自分だけの兵士を作り上げられるという。
 もっとも,キャラクターメイキングはそれほどではない印象で,いくつかのアーキタイプから選び,肌の色や声など,いくつかの要素を決める程度で,最近のRPGにあるような,顔のパーツを細かくいじれるようなものではない。まあ,FPSですので。

 アーキタイプの兵士はどれもかなり不敵な面構えで,美男はいない。というか,その正反対……。ちなみに,メディアから「なぜ女性キャラクターが出ないのか?」と質問されたWedgewood氏は,同じ質問は何度も何度も受けているとしつつ,メモリの問題やモーションの問題を挙げた。もっとも,本音を言えば「反省している。出せばよかった」だそうだ。Splash Damageの次回作に期待したい。

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 AIもまた,力を入れた部分であり,「人間かAIなのか,区別がつかないはずだ」とWedgewood氏は胸を張る。シングルからCo-op(協力モード),そしてマルチへシームレスに移行できるところが本作の特徴だが,高度なAIによって,シングルでもマルチでも,同じようなプレイ体験ができるというわけだ。

 ゲーム展開はスピーディで,やり込んでマップを覚え,武器やキャラクターをカスタマイズしたりすれば,さらに面白くなりそうな印象を受けた。「id Tech 4」エンジンを使用したグラフィックスは必ずしも超ハイレベルというわけではないが,清潔感のあるアークの内部や,荒れ果てて雑然とした埠頭など,それぞれ作り込まれていて雰囲気は良好だ。
 SFテーマのマルチプレイFPSとくれば,日本ではいささかニッチなジャンルのゲームになってしまうが,豊富なカスタマイズ機能やS.M.A.R.T.システムなど,独自の機能はそれぞれに魅力的だ。冒頭にも書いたように,日本での発売は2011年5月26日が予定されている。
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