コーエーテクモゲームスは本日(11月25日),PlayStation 3用アクションRPG「
TRINITY Zill O’ll Zero」を発売した。価格は8190円(税込)。TRINITY Zill O’ll Zeroは,1999年にPlayStation用タイトルとして産声を上げた
「Zill O’ll」(ジルオール)の世界観を引き継いだタイトルで,「真・三國無双」シリーズでおなじみの開発チーム
ω-Force(オメガフォース)が開発を手がけている。
本作は,重厚な世界観や個性溢れるキャラクターなど,Zill O’llの魅力をしっかりと受け継ぎつつ,三人のキャラクターを任意に切り替えながら進んでいくという,アクション要素の強いゲームに生まれ変わっている。
またメインストーリーのほかに,数多くのサブクエストが収録されていたり,冒険の指針を自分で自由に決められる「フリーシナリオ進行」が楽しめたりと,アクション要素以外の部分でもプレイヤーを楽しませてくれる。もちろん,PlayStation 3ならではの美麗なグラフィックスやサウンドも魅力で,シリーズのファンにとっては注目すべきポイントが非常に多い作品である。本稿ではゲームの概要と共に,実際にプレイした感想を交えながら本作を紹介しよう。本作の基本的な情報については,文中に挿入している関連記事や,公式サイトを参考にしてほしい。
簡単操作でサクサク進める正当派3Dアクション
状況に応じてキャラクターを切り替えながらダンジョンを突破しろ
魔法剣士のアレウス
![画像集#002のサムネイル/オメガフォースの最新作はRPGとしても秀逸。爽快なアクションと重厚な世界観が見事に融合した「TRINITY Zill O’ll Zero」インプレッション](/games/092/G009255/20101124069/TN/002.jpg) |
本作最大の特徴は,リアルタイムにメンバーを切り替えられるパーティアクションである。3人の主人公キャラクターは,それぞれ剣と魔法を使うバランス型,攻撃を食らっても怯まないパワー型,空中戦が得意なスピード型といった具合に特徴が異なっており,状況やプレイヤーの好みに応じて,操作キャラクターをチェンジできるのだ。
![画像集#003のサムネイル/オメガフォースの最新作はRPGとしても秀逸。爽快なアクションと重厚な世界観が見事に融合した「TRINITY Zill O’ll Zero」インプレッション](/games/092/G009255/20101124069/TN/003.jpg) ボルタン族の戦士ダグザ |
![画像集#004のサムネイル/オメガフォースの最新作はRPGとしても秀逸。爽快なアクションと重厚な世界観が見事に融合した「TRINITY Zill O’ll Zero」インプレッション](/games/092/G009255/20101124069/TN/004.jpg) 体術を得意とするレンジャー,セレーネ |
プレイヤーは各キャラクターの特性を見極めつつ,状況に応じてキャラクターを切り替えながらダンジョンを攻略していくことになる。ちなみにキャラクターの切り替えはボタン一つで瞬時に行えるので,刻一刻と変化する状況下においてもスムースに対応できる。キャラクターごとに攻撃方法や操作感覚が異なるので,気分転換目的でチェンジして,プレイのモチベーションを維持できるというのも,地味ながら嬉しいポイントだ。
なお操作していないキャラクターは,戦闘中に補助魔法をかけてくれるなど,操作キャラクターのサポートをしてくれる。ゲームに慣れてきたら,そういったサポートAIの特徴も考慮しつつ,戦術を組み立てていくといい。
パーティアクションの部分が目立っているTRINITY Zill O’ll Zeroだが,本作は純粋にアクションゲームとして見てみても,かなり魅力的な作品だ。一騎当千タイプとはまた趣が異なるが,手触りとしては「真・三國無双」シリーズのそれからかけ離れていないので,コーエーのアクションゲームをプレイしたことがある人なら,操作に戸惑うことはほとんどないだろう。
また,地面に転がっている枯れ草などを,魔法「ファイアボール」で燃やして敵にぶつけたり,水辺で「アイスミスト」を使って,水面ごと敵を凍らせたりできる,「インタラクティブフィールド」という要素も興味深い。キャラクターの能力だけを頼りに冒険を進めていくのもいいが,ときにはマップ上のオブジェクトにも注目し,利用できるギミックで敵を蹴散らすのも,ひと味違った爽快感が味わえて面白いものだ。
そして,本作のバトルにおいて,もっとも派手な演出を堪能できるのが「トリニティアタック」だ。
これは,戦闘中に相手を追い詰めたときに表示される「フィニッシュサイン」を合図に,L1とR1ボタンを押すと発動する超必殺技。この手のアクションゲームにとっては,もはや定番ともいえる要素だが,派手な演出と共に敵を一気に殲滅するというのは,やはり無条件で気持ちの良いものである。
そのほか,こちらが攻撃中の敵にラッシュサインが表示されたあと,さらに攻撃を加え続けることで,敵を無防備な“ブレイク”状態に追い込めたり,バーストゲージを消費して強力な範囲攻撃「ソウルバースト」を発動できたりと,攻撃手段のバリエーションは豊富だ。
攻撃ボタンの連打だけで進める簡単なバトルももちろん存在するが,各種システムを駆使した緻密なバトルを求められる場面も少なくない。プレイヤーを飽きさせない緩急の効いたゲームバランスは,さすがω-Force作品,といったところだろう。
“RPG”としての要素ももちろん充実
爽快なアクションと重厚な世界観を満喫しよう
アクション要素については先に述べたとおりだが,本作には,さまざまなクエストを依頼してくる“冒険者ギルド”や,回復薬等を売ってくれる“魔道士ギルド”,さらに武器防具を販売する“ショップ”などなど,ファンタジーの王道ともいえる施設が登場する。
また,敵を倒すことで得られる経験値が一定値まで貯まると,キャラクターがレベルアップし,HPや攻撃力,防御力といった能力が高まるため,じっくりと取り組めば,アクションが苦手な人でもゲームを攻略しやすくなる。元となったゲームが正当派RPGだったこともあってか,本作のRPG要素はかなりしっかりしており,世界観やストーリーの見せ方も秀逸だ。
ついに発売された「TRINITY Zill O’ll Zero」。重厚な世界観やストーリー展開はもちろん,小気味良いアクションとRPG要素の組み合わせの妙も味わえる秀作なので,興味のある人はぜひ購入を検討してみてほしい。