［E3 09］ハードなレースシミュレータシリーズ最新作「Forza Motorsport 3」は，初心者への配慮もバッチリ

TURN 10 STUDIOSの谷口潤氏

　現地時間の6月1日に開催された「Xbox 360 E309 Media Briefing」で発表された「Forza Motorsport 3」について，開発元のTURN 10 STUDIOSの谷口潤氏にお話を聞く機会を得たので，その内容を紹介しよう。

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　谷口氏は，以前プロデューサーとして「Sega Rally 2」といったレースゲームの開発に携わった経験のある人で，Forza Motorsport 3ではシニアデザイナーを担当している。
　谷口氏によると，「最高のシミュレータとはなにか」をあらためて問い直すところから，開発をスタートさせたのだという。本作の開発にあたり，「最高のグラフィックスと物理演算」「最大の車種数と最新車」「スリリングでありながらも，親しみやすいゲームプレイ」「最大のクリエティブなオンラインコミュニティー」という四つのテーマを掲げ，それらを実現するために，現在も努力を続けているそうだ。


　本作には400台の実車が登場し，事故にあえばそのときのスピードや衝突の角度などがリアルに計算され，車は破損する。もちろん見た目だけでなく性能も落ちる。というわけで，フェラーリもしっかり（？）ボロボロになるのだ。普通に生活しているだけではなかなか手に入れられない車を乗り回すだけでなく，つぶせるというのも，それなりに快感だろう。また，「Forza Motorsport 2」とは異なり，コクピットビューが搭載された。単に視点を足しただけならともかく，コクピットビューだと内装をしっかりと描く必要がでてくるので，その作業は膨大な量になる。珍しい車種の内装を描くために，かなり遠くまで取材にいったというのだから頭が下がる。


　ちなみに，Forza Motorsport 2の開発時には実際に車をぶつけて，車のへこみ具合などを観察して，ゲームの物理演算にいかしたそうだ。もちろん本作にもそのノウハウはいかされており，よりリアルにぶっ壊れるのである。

　また，とにかくリアルさに拘って作られたレースシミュレータというと，操作が難しいと思われがちだが，本作ではそういった印象を打破すべく，さまざまな“お助け機能”が用意される。
　例えば，クラッシュしてしまったときや，納得のいく走りができなかった場合に時間を巻き戻してやり直しが行える「リワインド機能」があり，しかも何回でも使用できる。さらに，「Suggested Line」機能を有効にすると，適切なラインを視覚的に表現してくれる。ラインは三色あり，赤い場合はブレーキ必須，黄色い場合はアクセルを離し，青い場合はアクセルを踏みっぱなしで問題ない，といった具合にどの程度のスピードで走ればいいのかを知らせてくれるのだ。レースゲームに慣れていない人の多くは，コーナリングを失敗することが多く，それがストレスの大きな要因になっているのだという。そんなストレスを少しでも軽減するためのシステムだ。ほかのレースゲームでは取り入れられているものもあるが，Forzaシリーズとしては初めての実装だ。


　AIがより人間臭くなっているというのも，本作の特徴である。ときにはプレイヤーのプレッシャーに負けてハンドル操作をミスることもあるという。また，プレイヤーが操作する車のスピードがライン取りにきちんと反応するので，マルチプレイをしているような感覚になるのだという。

　ちなみに，マルチプレイは採用されるのだが，前作よりも進化した機能が搭載される予定だ。詳細は後日発表されるが，谷口氏が「確実に進化しています」と語る新機能がなんであるか，いまから楽しみだ。さすがに発表されたばかりのタイトルということもあり，まだまだ隠された情報が多い。そんな気になる情報は，北米での発売日2009年10月までに，徐々に明らかにされる。もちろん9月に行われる東京ゲームショウでも何らかの発表が予定されているので，以前紹介したムービーなどをチェックしつつ，いつかくるその日を待とう。