プレイレポート
ゾンビ,ゾンビ,またゾンビ。本日ついに国内発売された「Left 4 Dead 2」のファーストインプレッションを掲載
待望のLeft 4 Dead 2が,欧米に二日遅れて本日襲来
2009年11月17日,ついにSteamで解禁されたPC版「Left 4 Dead 2」は,すでに気づいている人も多いと思うが,2008年11月にValveからリリースされた「Left 4 Dead」の続編だ。世界累計で250万本以上というメガヒットを記録したLeft 4 Deadだけに,プレイヤーの期待も大きく,こちらのセールスも好調でメディアの評価も高め。お世話になっているmetacriticsでは,PC版,Xbox 360版ともに前作をしのぐ92点をマークしており,満点をつけたレビュアーも少なくない。
もっとも,「早すぎる続編」としてプレイヤーの反発を受けた時期もあり(最近は落ち着いたようだが),近頃のタイトルにしてはかなり短い開発期間であったのは間違いない。まあ,毀誉褒貶は有名人の証だ。
そんな本作が,本日11月19日にズーからPC版「LEFT 4 DEAD 2 日本語版」として,またエレクトロニック・アーツからはXbox 360版「レフト 4 デッド 2」としてリリースされたので,簡単なファーストインプレッションと,スクリーンショットなどを紹介したいと思う。内容およびスクリーンショットはPC版のものだが,内容的にはXbox 360版と大きく違わない。
さて,前作はどこということもないアメリカの田舎町が舞台だったが,今回はアメリカ南部,それもはっきりとニューオーリンズ周辺となった。L4D2の制作にあたってValveがここを選んだのは,第一にアメリカ人にとってもエキゾチックな場所としてプレイヤーにアピールしやすいからだが,都市部を少し外れると昼なお暗い湖沼地帯があったり,雨も降りやすかったりなど,天候までコントロールするという新たな「AI Director 2.0」の性能を見せびらかしたり,水中に潜むユニークなゾンビを登場させたりするのにもってこいのロケーションだったという理由もある。たぶん。
L4D2も前作同様,感染した人々がゾンビのようになってしまう謎のウイルスが蔓延した街で,偶然にもウイルスへの耐性を持っていた4人の生存者(サバイバー)が,凶暴な感染者の攻撃をかきわけかきわけ命からがら脱出するという設定になっている。姿形や名前は異なるが,男三人女一人の編成で,誰を選んでも能力的に優劣はないというところも前作同様だ。
昼間だって恐ろしい,ゾンビの大群
ぱっと見,前作に比較して最も目立つところとしては,やはり「真っ昼間のゾンビ」が挙げられる。夜ばかりだった前作に対して日中という状況が用意され,明るいところで激しい撃ち合いが発生するのだ。昼間なので遠くまでよく見わたせ,はるか彼方で一生懸命フェンスを乗り越えてくるたくさんのゾンビの姿に,「おお,がんばってるなあ」なんて感心しているといつの間にか背後にもいるから注意が必要だ。
特殊感染者,いわゆるボスゾンビも増えている。緑色のゲロ状毒液で範囲攻撃をしてくる「Spitter」,こちらの頭に飛び乗って行動の自由を奪う「Jockey」,一瞬Tankに見えてドキッとする「Charger」など,話せば長くなりそうだが,もともと開発陣が「こうすれば,プレイヤーが嬉しい/困るだろう」と設定しておいたボスゾンビの役割が,Left 4 Deadのプレイが進むにつれてだんだんとその限りではなくなってきたので,新規巻き直しのために導入されたヤツらなのだ。「襲われるとプレイヤーが一人,必ず死ぬため,ゲームのスパイスになる」とされたWitchでさえ,慣れたプレイヤーなら脳天一発で倒すようになったのだから,開発陣の上を行くプレイヤー達の姿が見えて面白い。だったらこれでどうだ! とValveが送り込んできたボスゾンビの戦いを存分に楽しんでほしい。うう,Jockey,うざい!
11月4日に掲載した記事にあるLeft 4 Dead 2のデモ版ではプレイできなかったので,どのようなものだろうか? と思われたのが新しいゲームモード,「スカベンジ」と「リアリズム」である。前作の「シングルプレイヤー」「キャンペーン」「対戦」そして「サバイバル」に加え,Left 4 Dead 2はこれで6種類のゲームモードを持つことになった。数字的な話を続ければ,キャンペーンは五つのシナリオから構成されており,それぞれ4〜5のチャプターに分かれているので,ボリュームとしては前作とそう変わらないわけだ。
これについては,「一回の対戦が長すぎる」という意見もたびたび聞かれ,シナリオを2〜3チャプターに減らすというようなウワサもあったので期待していたのだが,そのあたりの対応は図られなかったようだ。まあこのへん,個人差の大きいところである。
量的拡大を図った,正当な続編
で,その「スカベンジ」だが,概要については10月9日に掲載した記事にあるとおり,生存者側はマップのところどころに置いてあるガソリンの入ったポリタンクを回収して発電機に注ぎ込み,ゾンビ側はそれを阻止する。制限時間以内にガソリンを必要なだけ回収できれば生存者の,できなければゾンビの勝ちだ。ただし,発電機にガソリンを流し込むたびに制限時間が20秒ほど延長されるという仕掛けがついている。
ポリタンクを抱えている生存者は銃を撃てないので,チームワークが必要になるわけだ。とはいえ,ごく短時間のプレイの印象で申し訳ないが,ゾンビ側は対戦モードのようなボスクラスではなく一般ゾンビ(妙な言い方だが)なので,割と生存者にすぐ殺される印象が強い。リスポーンまでの時間もけっこうあり,まずは――すぐ覆えされるかもしれないけど――「ゾンビ不利説」を唱えておこう。
リアリズムは,最初難度の一つだと思っていたのだが,実はゲームモードで,内容としては名前のとおり,よりリアルな戦いを強いられる上級者向け。具体的には「最初にメイン武器なし(拾う必要がある)」「Witchに瞬殺される」「体力ゼロになったらアウト」「ヘッドショットでないと与ダメージ少なめ」,そして「アイテムのガイド表示なし」といったところ。大きな声で理由は言えないが,筆者はあまりプレイできていない状況。あなたがもしゾンビハンターの名をほしいままにしているベテランプレイヤーなら,ぜひ試して,ゲームの雰囲気をそっと教えてほしい。いやもう,話になんないのね。
SF映画「エイリアン」(1979年)の続編「エイリアン2」(1986年)では,前作の持っていたエイリアンの神秘性やホラー的なムードをなくし,近未来兵器に身を固めた宇宙海兵隊員と無数のエイリアンが衝突する戦争アクションに姿を変えて,大ヒット。二作目のジンクスを覆した。今回のLeft 4 Dead 2もそんな感じで,ゲームシステムはそのままに,より激しく,より派手に,よりケレン味一杯にという路線を狙った感じだ。大ヒットしたタイトルの続編としては,あるべき姿ではないかと思う。詳しいレビューなどについては,追って掲載する予定なので,今回はひとまず概略まで。さあ,これからしばらく,アメリカ南部のゾンビ騒ぎを十分に楽しんでほしい。
- 関連タイトル:
LEFT 4 DEAD 2 日本語版
- 関連タイトル:
レフト 4 デッド 2
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