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印刷2011/10/21 17:00

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DC EXPO 2011セミナー「Kinectを使ったアプリケーション開発概要」聴講レポート:人体の20部位を検出し音声認識対応のKinectは“遊び”を変える?

画像集#004のサムネイル/DC EXPO 2011セミナー「Kinectを使ったアプリケーション開発概要」聴講レポート:人体の20部位を検出し音声認識対応のKinectは“遊び”を変える?
 2011年10月20日から10月22日にかけて,「デジタルコンテンツEXPO 2011」(DIGITAL CONTENT EXPO 2011)が,東京都内の日本科学未来館にて開催されている(関連記事)。本稿では,10月20日に開催されたセミナー「Kinectを使ったアプリケーション開発概要」をレポートしよう。

「デジタルコンテンツEXPO2011」公式サイト


日本マイクロソフト エバンジェリスト 馬田隆明氏
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 日本マイクロソフト エバンジェリスト 馬田隆明氏が講師を務めたこのセミナーは,聴講者に向けてKinectというデバイスを紹介するとともに,Kinectを使ったアプリケーションの開発を啓蒙することを目的としている。
 馬田氏は,Kinectが赤外線センサーと2種類のカメラ,そして4つのマイクによって,Z軸(奥行き)を含めたプレイヤーの位置情報を検出できるモーションコントローラであることを紹介。具体例として,Kinectが人体の20部位を検出してスケルトンを構成できることや,Xbox 360を音声で操作できることなどを挙げた。
 そして,1万円台という極めて安価に購入できる点を最大の特徴として挙げ,今後,大きく普及していく可能性があるとアピールした。

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「MikuMikuDance」のKinect対応機能。馬田氏によると,初音ミクのような女性モデルのモーションを男性が演じる場合には,少し肩を上げ気味にすると女性らしさを表現できるそうだ
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 馬田氏は,Kinectの応用事例として,動画配信サイトなどで公開された「Kinectでなりきりウルトラセブン!」を紹介するとともに,Vocaloid Promotion Video Projectが手がけるツール「MikuMikuDance」のKinect対応機能を,実演デモを交えて披露した。
 なおこのセミナーでは,ウルトラセブンや初音ミクといった“分かりやすい”事例が取り上げられたが,その理由として馬田氏は,「Kinectの存在をより世間に広めたい」という思いを抱いていることを挙げていた。
 さらに会場では,馬田氏によって「Visual Studio」を使ったツールの作成も実演された。これは,画面の指定した位置に人体の肩部分のXYZ軸の座標を数値で表示するというもので,プログラムにして30行程度で完成。馬田氏は研究・開発用途であれば,比較的簡単にツール作成が可能であることをアピールした。

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「Visual Studio」を使ったKinect対応ツールのプログラム
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全30行程度のプログラムで,馬田氏の肩の座標を表示させることができた

神奈川工科大学 情報メディア学科 准教授 白井暁彦氏
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 ゲストとして登壇した神奈川工科大学 情報メディア学科 准教授 白井暁彦氏は,自身の研究などを紹介するとともに,ジャン・ピアジェの思考発達段階説を用いて,「遊びの段階説」としてゲームを説明した。
 白井氏曰く,今,コンシューマ機やPCで遊ばれているゲームの大半は,ピアジェの言う“ルールのある遊び”であり,世界観や登場キャラクター同士の関係性を把握する必要があるため,おおむね7歳以降でないと楽しめないとのこと。
 したがって,3歳以上を対象とするCEROの全年齢レーティングや「小学生以下のお子さんでも楽しめる」というようなキャッチコピーには,疑問を感じることもあるそうだ。

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 しかし,Kinectのようなモーションコントローラーを使ったゲームでは,その前段階となる,外界を操作したり身体を動かしたりするだけで楽しい“感覚運動遊び”や,ごっこ遊びや空想などの“象徴的遊び”を実現できる。そのため,今までとは異なる層をターゲットにできる可能性があると,白井氏は示唆する。

 白井氏は,これまでにもモーションコントローラーを使った研究を進めてきたが,安価なKinectの登場で,さまざまな分野への応用が,これまで以上に期待できるのではないかと展望を述べ,セミナーを締めくくった。

白井氏の研究室で開発された,腕の動きで4方向を入力するツール。単純に見えるが,体格差や右利き/左利きの違いを考慮すると,万人が操作できるようにするのは難しいとのこと
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