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印刷2012/05/07 12:27

イベント

Kinect向けアプリケーション開発のポイントが語られた,PCゲームフェスタの日本マイクロソフトステージイベントをレポート

 2012年5月3日〜5日に東京都内の「ベルサール秋葉原」で開催された「第5回 秋葉原 PCゲームフェスタ」。その開催2日めとなる5月4日,Microsoftの日本法人である日本マイクロソフトは,「Kinect ポテンシャル」「Windows スペシャルステージ」と題した2つのステージイベントを行った。これら2つの模様をまとめてお伝えしよう。

日本マイクロソフト 鵜木健栄氏
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 まずはKinect ポテンシャルから見ていこう。これは文字どおりKinectを紹介する内容のイベントだ。
 4Gamer読者ならご存じだと思うが,Kinectは,Xbox 360やPCに接続して利用できるモーションコントロールセンサー。体を使ってゲームをプレイできるコントローラのような機器である。
 Kinect ポテンシャルに登壇した日本マイクロソフトの鵜木健栄氏によれば,このKinectは,衛生面の理由から機器に直接触れることが難しい医療現場や,埃などの理由で同じく機器に直接触れることが難しい工場などで採用され始めているとのことだ。

実はKinectが大人気であると語る鵜木氏。医療現場やリハビリ用途,工場などでの採用が増えてきているという
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Kinectのスペックを示したスライド
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 続いて鵜木氏は,Xbox 360向けの「Xbox 360 Kinectセンサー」とPC向けの「Kinect for Windows センサー」の違いを解説。大まかな仕様面ではあまり違いはないように見えるが,Windows向けではUSBケーブルの長さが短くなっていたり,前面のロゴが変更されていたりと細かい部分で変更があるという。大きく異なるのは,Windows向けのみが個人で開発したKinect向けアプリケーションを商用利用できる点で,そのため,価格もXbox 360向けより約1万円高めに設定されているとのことだ。

 内部的なハードウェアのスペックを見ていくと,Windows向けのほうが高性能なのが分かる。深度センサーの解像度は,Xbox 360向けが320×240ドットなのに対し,PC向けが640×480ドット。カラーセンサーの解像度も,Xbox 360向けが640×480ドットなのに対し,PC向けが1280×960ドットと,両センサーともにPC向けのほうが4倍の解像度に高められている。また,Kinectを利用可能な距離は0.8〜4mだが,PC向けでは0.43〜3mの距離で利用できる「近距離モード」が追加されているのも特徴だ。
 深度センサーとカラーセンサーをそれぞれ2基搭載している点や,センサーの読み取りレートが30fpsである点,上下のセンサー読み取り角が43°±27°である点,そして左右のセンサー読み取り角が57°である点は,Xbox 360向けとPC向けとで共通の仕様になる。

 そんなKinectでは,頭や肩,腰などの20か所から人体を認識する「骨格追跡」ができ,その深度から距離情報を取得することが可能。骨格追跡は同時に2人まで行え,骨格追跡を行わなければ最大6人を同時に認識できるという。そのほか,音声情報の取得も行えるようになっている。このあたりはXbox 360向けとPC向けとで違いはないようだ。

 Kinect for Windows センサーの開発および動作環境は,OSが「Windows 7」もしくは組み込み向けの「Windows Embedded Standard 7」となっており,32bit版と64bit版の両方に対応。CPUが動作クロック2.66GHz,メインメモリが容量2GB以上となっている。そのほか「Visual Studio 2010 Express」や「.NET Framework 4.0」,そして「Kinect for Windows SDK」といったソフトウェアが必要だ。

Kinectで取得できる情報を示したスライド
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Kinect for Windows センサーの開発/動作環境
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Kinect向けアプリケーション開発の留意事項。なかでも企画とデバッグが重要になると鵜木氏
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 鵜木氏によれば,Kinect向けアプリケーションの開発を行ううえで留意すべき点はいくつかあるが,なかでも「企画」と「デバッグ」の2点が重要とのこと。企画というのは,マウス操作やタッチ操作といった従来のユーザーインタフェースにとらわれているといいものはできないということ。体を使って操作しやすいようなユーザーインタフェースを考える必要があるという。
 デバッグはプログラムのエラーなどによるバグを取り除く作業のことだが,Kinect向けアプリケーションでは,利用者の体格が変わることがあるため,一般的なゲームなどとは注意点がなり異なるという。
 例えば,スカートなど足のラインが分からないような服装や大人と子供の体格差を考慮したり,60〜110cmの高さで振動がない場所にKinectを設置したりするといったことだ。

鵜木氏によるKinectを使ったデモの様子。左の写真は「3D Kinect for Windows」というサンプルプログラムを利用して,上半身の映像をリアルタイムで立体データへ変換しているところ。映し出された立体データはコントローラーで自由に動かせる。右の写真は,自作応援キャラクター「窓辺ななみ」の3Dモデルデータを利用したモーションキャプチャ。鵜木氏の動きに合わせて窓辺ななみが同じ動きをしていた
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 最後に鵜木氏は,Kinect for Windows SDKのバージョンアップを1〜2か月のうちに行う予定であることも明かしている。氏によれば,このアップデートによっていままでできなかったことができるようになるとのこと。詳しくは明かされていないが,アップデート内容のヒントとして「上半身,もっと言うと首から上に関する何か」と語られていたので,Kinct向けアプリケーションの開発を行っている,あるいは興味がある人は楽しみに待っているといいかもしれない。


4月末にアップデートされた

クラウドストレージ「SkyDrive」を紹介


日本マイクロソフト 森 洋孝氏
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 さて,日本マイクロソフトによるもう1つのステージイベントWindows スペシャルステージでは,日本マイクロソフトの森 洋孝氏が同社の「SkyDrive」を解説した。

 SkyDriveは,4月末にアップデートされたクラウド(オンライン)ストレージサービスである。無料で容量7GB(アップデート以前からの利用者は容量25GB)まで利用可能だ。森氏によれば,今回のアップデートで普段利用しているPC環境とシームレスに連携させることができるようになったとのこと。

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 そんなSkyDriveについて森氏は,3つの特徴を紹介した。
 1つめは「柔軟なコミュニケーション」機能である。SkyDrive上にある写真などのファイルのリンクをメールで送信したり,FacebookやTwitterといったSNSに投稿したりすることが可能だ。
 さらに,アクセスレベルを設定したうえでURLを発行する機能も備えているため,BlogにExcelやPowerPointなどのファイルを安全に埋め込めるほか,友人などとファイルのやり取りを行う場合にも便利だという。

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 2つめは「パーソナルクラウドストレージ」機能。SkyDriveのアプリケーションをPCにインストールすると,SkyDrive専用フォルダが生成され,エクスプローラーに統合される。このフォルダに保存したファイルは自動でSkyDriveと同期される仕組みだ。
 このフォルダ内のファイルを自動でクラウド上のストレージと同期する機能は,今回のアップデートで追加された機能で,SkyDriveでも「Dropbox」的な使いかたができるようになったというと分かりやすいかもしれない。
 もちろん従来どおり,ブラウザからSkyDriveにアクセスすることもできる。

 そのほか,SkyDrive経由でほかのPCにリモートアクセスできる機能が追加されているのもポイントといえそうだ。リモートアクセスしたいPCがオンラインであることが必須だが,ブラウザさえあれば利用できるという。

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 3つめは「いつでも、どんなデバイスでも」とされる特徴で,Windowsだけでなく,Windows PhoneやMac OS,iOS,サードパーティ製ではあるがAndroidといったOSに向けたアプリケーションが用意されているということだ。
 さらに,ブラウザ経由ならばデバイスを問わず利用できると,森氏は対応OSの多さをアピール。「同じようなサービスは各社から出ているが,試しにSkyDriveを使ってほしい」と語っていた。

 なお,「Windows スペシャルステージ」では,ゲームにちなんだ4択のクイズ大会が実施され,正解者にノベルティグッズがプレゼントされていた。

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出題されたクイズの一例。難度はかなり高いといえる
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