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「Brink」のファーストインプレッションを掲載。本日Xbox 360版が発売されたスクワッドベースのFPSは,豊富なカスタマイズ機能と自由度の高さが魅力
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印刷2011/06/16 12:22

レビュー

「Brink」のファーストインプレッションを掲載。本日Xbox 360版が発売されたスクワッドベースのFPSは,豊富なカスタマイズ機能と自由度の高さが魅力

 ベセスダ・ソフトワークスから,本日(2011年6月16日)Xbox 360版が発売された「Brink」PlayStation 3版は発売日未定)は,2つの勢力に分かれ戦いを繰り広げる,チームベースのアクションシューティングだ。
 まずは,世界観から紹介しよう。Brinkの舞台となる「アーク」は,100%自給自足が可能な「グリーン都市」として建設された巨大な海上都市だ。地球温暖化の影響で海面が上昇し住居可能な場所は大幅に減ってしまった近未来,住める場所を探し,運よくアークを見つけられた人々は「ゲスト」としてアークに受け入れられたが,やがてキャパシティを大きく超えるゲストを抱えることとなってしまう。そしてついに,少ない資源をめぐって,アークの先住民である「セキュリティ」と,ゲストで構成される「レジスタンス」が対立し,ついに,それぞれが銃を取り,生き残りをかけた戦いが始まってしまったのだ。

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「Brink」公式サイト


 プレイヤーは1人の市民として,この戦いに身を投じることになるのだが,最初にも書いたように,本作はチーム同士の戦いをメインとしており,ゲーム内にいくつかNPCはいるものの,主人公と呼べるようなキャラクターはいない。

 キャラクターのモデリングは独特のアメコミ調だが,オブジェクトやフィールドは細部まで細かくリアルに描写されており,クオリティは非常に高い。ゲームエンジンとしては世代的にやや古いid Softwareの「id Tech 4」が使われているが,それだけにフレームレートも安定しており,プレイした限りでは,コマ落ちなどは見受けられなかった。

 というわけで,そんなBrinkの開発バージョン(PlayStation 3版)をプレイする機会を得たので,そのインプレッションを紹介したい。今回はオフラインのソロプレイのみで,オンラインマルチプレイはいずれまたということで。また,開発中のバージョンなので,製品版とは仕様になっている可能性があることもご了承いただきたい。

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オリジナルのキャラクターで戦いに挑む

遊びこむほどカスタマイズの幅は広がる


 ゲームを始めると,「アークを守る」「アークから脱出する」という2つの選択肢から1つを選ぶことになるが,これは前者ならセキュリティに,後者ならレジスタンスに属することを示す。どちらを選んでもあまり違いはないので,深く悩む必要はないだろう。

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 所属するチームを選んだら,今度はアーキタイプというキャラクターのモデルを選ぼう。全部で12種類あり,見た目から白人,黒人,アジア系の3タイプに分けられそうだ。声も8種類用意されているので,好きなのを選ぶといい。見た目に関しては,肌の色を変えられる程度で,目や鼻など各パーツの微調整はできない。さらに用意されたアーキタイプは男性モデルのみで,女性モデルはない。

 Brinkには4つのクラスが用意されており,それぞれに特技となる「アビリティ」が設定されている。以下に簡単に紹介しよう。

●ソルジャー
 攻撃に特化したクラス。爆薬を設置してオブジェクトを破壊したり,味方に弾薬を配れる補給系のアビリティを持つ

●メディック
 チームメイトの体力を回復したり,瀕死の仲間を蘇生できる。そのほか体力や移動速度をアップさせられる。

●エンジニア
 タレットを設置したり,壊れた機材を修理できる。また,武器の攻撃力をアップさせたり,地雷の設置もできる。

●オペレーティブ
 敵に変装したり,敵が設置した地雷を見つけられる。ハッキング能力も持っており,端末から情報を引き出せる。

 これらの中から好きなものを選んで戦うことになるのだが,フィールド内には「コマンドポスト」と呼ばれる装置があり,プレイ中にこれを利用して,いつでもクラスを変えられるのが本作の特徴だ。コマンドポストではほかに武器の変更などもできるため,これを自分のチームの勢力下に置いておくことは,ゲームを進めるうえで重要だ。

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 キャラクターモデルのカスタマイズは,Brinkの魅力の1つといっていいだろう。ゲームをプレイするたびにXP(経験値)が得られ,レベルアップするたびに使用できるパーツが増えるのだ。
 まず見た目からだが,髪型やヒゲを変えたり,フェイスペイントを施せるほか,ジャケットとボトムを選んだり,顔や体にタトゥや傷を入れられる。
 ちなみにボディサイズの選択は最初から可能で,ミディアムとヘビー,そしてライトがある。体格は見た目から違うが,性能も異なり,ミディアムなら非常に重い武器以外は使用でき,平均的な移動速度を持つ。ヘビーなら,体力があって武器の使用制限もないが,動きが遅いといった感じだ。

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 ほかにも,上にも書いたようにアビリティ(クラス共通のものが10種類,クラス固有のものが11種類の,計54種類)が用意されており,これには「自身の体力をアップさせる」「敵から弾薬などを回収できる」「タレットを設置できる」という感じで,クラスによってさまざまだ。外見のカスタマイズと同様,レベルアップによって解除されるが,習得するにはレベルアップ時に得られるクレジットも必要になる。

 フィールドにどの武器を持って行くかをあらかじめ選べるほか,武器にスコープやサイレンサーなどを取り付けてカスタマイズすることも可能だ。パーツは最大で4つが装着でき,見た目もちゃんと変化する。当然ながら,追加したパーツによって性能も変化するため,自分のスタイルに合わせたセレクトが必要になるだろう。
 武器とパーツは「Challengesモード」をクリアすると,チャレンジ内容によって,それぞれアンロックされる仕組みだ。
 プレイするほどプレイヤー自身の腕前が上がるのは当然ながら,さまざまなアビリティを習得することでキャラクターが強くなり,見た目のカスタマイズの幅も広がっていくところがBrinkの特徴といえるだろう。

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豊富なモードが用意されたゲームプレイ

キャラクターはどのモードでも成長させられる


 キャラクターを作成し終えたら,いよいよゲーム開始だ。特筆すべきは,作ったキャラクターはシングル/マルチプレイの両方で使用でき,どのモードでもXPを獲得できるという点。シングルとマルチの境界はないのだ。
 XPは敵を倒す,ミッション中に目標をクリアするなど,特定の条件を満たすと得られるが,ゲームを途中で止めた場合でも,それまでに発生したXPを獲得できるのはうれしい仕様だ。
 プレイフィールをお届けする前に,まずは各モードについて簡単に紹介していこう。

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●Campaign
 セキュリティとレジスタンス,それぞれに8つのミッションが用意されており,達成すべき主要目標と,クリアするかどうかは自由な2次目標の2つが設定されている。ミッションにはバックグラウンドなるストーリーがあるが,プレイする順番はとくに気にしなくていいので,好きなミッションを選ぼう。

●Freeplay
 いわゆるマルチプレイモードだが,BOTを入れてのソロプレイも可能だ。Campaignモードのミッションをオンラインで遊ぶ形となっており,対戦というよりはCo-opに近い印象を受ける。ルールには,攻撃側と防衛側に別れて戦う「オブジェクティブモード」と,双方のチームが攻撃側と防衛側を1回ずつプレイし,目標達成時間が早かった方が勝ちとなる「ストップウォッチモード」の2つがある。

●Challenges
 クラス固有の能力を使って,用意された課題に挑むモード。クリアすると新しい武器や武器のアタッチメントを入手できる。チャレンジのカテゴリーは全部で4つあり,それぞれに3つのチャレンジが用意されている

●Character & Weapons
 プレイヤーキャラクターのカスタマイズを行えるモード。見た目,使用する銃,アビリティの設定など幅広く行える。

●Dossier
 Campaignモードでミッションをクリアした際に入手できるオーディオログの確認や,トレーニングムービーを閲覧できる。

 最初はCampaignモードからプレイしてみた。このモードはチームにBOTを入れてのソロプレイだ。プレイ前に難度の設定が可能で,イージー,ノーマル,ハードの3段階から好きなものを選ぼう。
 舞台となるのは空港,ショッピングモール,造船所などだ。ほぼすべてのミッションに主要目標が複数用意されており,最初の目標をクリアするとアップデートされ,次の目標が出てくるというシステムになっている。ミッションには制限時間が設けられており,目標を達成できた場合は制限時間が延長されるが,時間を使い切ってしまった場合は失敗になってしまう。ただし,時間内なら何回倒されてもすぐに復活して戦線に復帰できるため,展開はなかなかスピーディーだ。

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 主要目標としては「データカードを入手し,情報をアップロードする」「人質を救出して無事に脱出する」などさまざまなものがある。ミッション中,情報端末をハッキングするためにオペレーティブにクラスを変えたり,扉を爆破するためにソルジャーになったりと,目標を達成するにはアビリティが不可欠だ。コマンドポストに戻ってクラスチェンジをするのもありだが,毎回やるのは大変だ。そういうときは十字キーの上ボタンを押し,味方BOTにやらせるという手もある。

 敵の数はかなり多く,1人で突っ込んでも返り討ちに遭う可能性が高い。倒されて死にそうになると画面が暗くなるが,この場合はメディックに回復してもらうか,しばらく放置していると自動的に回復する。さらにやられて体力ゲージが空になり,瀕死の状態になっても,制限時間内にメディックから「蘇生シリンジ」をもらえれば,それを利用して復活できる。しかし,それも間に合わない場合は,コマンドポストからの再スタートだ。

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 各クラスとも,弾薬を配ったり,武器のダメージを上昇させたりなど,味方に対してアビリティを使用することになるわけだが,自分自身にその能力を使うことも可能だ。アビリティを使用するたび,画面左下にあるゲージが減り,ゆっくり回復する。ゲージが元に戻るまでアビリティは使用不能なので,むやみに使うのではなく,状況を確認して,本当に必要なときに使うことが肝心だ。

 用意された武器は,アサルトライフル,サブマシンガン,ハンドガンなど,FPSではおなじみのものが使える。いずれの銃も反動はかなり大きく,トリガーを引きっぱなしにしていると弾がバラけてしまうので,正確に当てたいのなら,アイアンサイトやスコープを使い,小刻みにタップする必要がある。

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 Challengesモードは「壊れた車両を修理し,それを護衛しながらゴールにたどり着く」「ボディを“ライトタイプ”にしたキャラクターで,制限時間内にすべてのチェックポイントを通過する」「すべてのクラスの能力を駆使して情報を手に入れる」など,クラスや体格の特性を使った課題に挑戦できる。
 全部で4つのチャレンジがあるが,難度はそれぞれ1つ星から3つ星の3段階が用意されており,1つ星をクリアすれば2つ星に進めるという仕組みだ。クリア時には報酬として武器と各種パーツ(命中精度を上げる各種スコープや,より多くの弾薬を使える大容量マガジンなど)が入手できる。どのミッションも難度はなかなか高めだが,マルチプレイにも使える武器やXPが手に入るのは魅力的だ。こちらもぜひプレイしておきたい。

 今回はオフラインでのプレイとなったため,フリープレイにはほとんど触れてはいないが,BOTを入れずに1人だけで遊べるため,安全な状態でCampaignモードのミッション内容を確認することもできるだろう。この状態でもXPが得られるので,なかなかおいしいかもしれない。

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S.M.A.R.T.システムでフィールドを駆け巡る



 本作で特徴的なのが,「S.M.A.R.T.システム」と呼ばれるアクションだ。これはいわゆるパルクール(フリーランニング))で,所定のボタンを押すことで発動する。
 これはダッシュも兼ねており,ボタンを押しっぱなしにすると高速で移動し,前方にしゃがまないと通れない障害物があれば,自動的にスライディングを繰り出して通り抜け,柵があれば飛び越えるといった具合に,かっこいいアクションを自動的に繰り出せるのだ。

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 フィールド内にはさまざまなオブジェクトが置かれているが,例えばコンテナに素早く上って,そこからさらに上部に移動し,敵を見下ろす形で攻撃したり,手すりを飛び越えてショートカットしてみたりと,戦闘に非常に役に立つと感じた。ゲームをやりこんでマップを覚えれば,攻防の展開がアツくなりそうだ。
 もっとも,慣れないととまどうような部分もあるので,チャレンジモードで練習しておくといいかもしれない。S.M.A.R.T.システムを使ったチャレンジには敵が出現せず,プレイヤーの動きだけで完結するようになっているので,練習にはもってこいだ。


スピーディーな展開で爽快なプレイが可能


 Brinkはスクワッド/クラスベースのゲームであり,目標を達成/阻止するには各クラスの能力をうまく使うことが重要になる。プレイする前は,「Team Fortress 2」のような感じかと思っていたが,実際に遊んでみると,確かにTeam Fortress 2に似てはいるが,さらにS.M.A.R.T.システムがスピード感を加えており,かなり爽快なプレイを楽しめた。ゲームをやりこんでマップを覚え,どういった立ち回りができるかが分かってくれば,白熱した攻防が楽しめるはずだ。
 キャラクターのカスタマイズはかなり充実しており,マルチプレイのときに個性を出せる部分だと思うので,思い切りコーディネイトに凝ってみるのも楽しそうだ。
 ついに発売されたXbox 360版のBrinkだが,Co-op好きの筆者としては,ボイスチャットで仲間と連携をとりながら戦いに熱中したいと思っている。

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