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NVIDIA,DX10.1世代の「GeForce GT 240」を11月中に発表へ。アップデートされたロードマップを再確認
2009年10月14日の記事でお伝えしているとおり,NVIDIAは10月上旬まで,AMDのATI Radeon HD 5700に対抗できる製品,「GT230」(開発コードネーム)を,早急に市場へ投入する方法について模索していた。それが,頻繁なロードマップの書き換えを生んだのだと,カードベンダー関係者は説明する。
……で,どうなったのか。NVIDIAは結局,GT230のプランを諦め,同社が「メインストリーム」と呼ぶエントリー〜エントリーミドルクラス市場向けの上位モデルとして,「GeForce GT 240」という名前のGPUを11月中に市場投入することに決めている。
現時点で明らかになっている主なスペックは下にまとめたとおりだが,端的にまとめると,ノートPC向けの「GeForce GTS 250M」と同じく「GT215」コアを採用したGPUで,総じて無難なものに落ち着いたといったところだ。
- 製造プロセス技術:40nm
- DirectX世代:10.1
- シェーダプロセッサ数:96基
- グラフィックスメモリ:128bit GDDR3/GDDR3/DDR3
- 公称消費電力:70W
- NVIDIA SLI:非対応
置き換え対象のGeForce 9600 GTと比較すると,DirectX 10.1の新規サポート,シェーダプロセッサ数が従来比1.5倍(64基→96基)といった拡張がある一方,メモリインタフェースがGeForce 9600 GTの256bitから新製品では128bitに削られることでROP数が少なくなってしまう。そのため,「GDDR5でも,パフォーマンスの大幅な向上は望めない」と,前出のグラフィックスカードベンダー関係者は漏らしている。そのGDDR5版も,出荷量は当面の間,限定的なものになる見通しだ。
別のグラフィックスカードベンダー関係者が,「NVIDIAは,AMDの弱い市場で地固めする戦略に出た」と揶揄するように,年末商戦の“主役”は,ATI Radeon HD 5000シリーズが出揃っていない,エントリーミドルクラス以下になる見込み。ミドルクラス以上の市場に新型GPUが投入されるのは,もう少し先の話になりそうである。
ただし,「NVIDIAは,年末にパフォーマンスGPUを投入することを諦めていない」と,カードベンダーの開発者が指摘している点も押さえておきたい。
9月以降,業界内には“GeForce GTX 260の40nmプロセス版”投入に関する噂が流れ続けている。これが,「GT230投入計画」だったわけだが,40nmプロセス技術を採用した上位製品の量産出荷は年末ギリギリか2010年前半になると見られているという現実もあることから,NVIDIAに近い関係者は,「年末商戦向けに,55nmプロセス版を混ぜた形で,“GTS 25x”“GTX 26x”という新製品を投入することも検討されている」と述べている。
なぜ,ここまでの調整が行われているのかというと,その答えは「Fermi」だ。「Fermiを潤沢に供給できるようになるのは,2010年第1四半期後半にズレ込む」(同関係者)と見られているからである。
NVIDIAは11月中旬に米ポートランドで開催されるスーパーコンピュータ関連の国際会議「SC09」で,Fermi搭載のTeslaを正式発表する計画を持っているが,Fermi搭載のGeForce製品は,2010年になるというのが,カードベンダーの一致した見解。その影響が,GT230というコアのスケジュールを左右し,冒頭で紹介したような事態を生んでいる,というわけだ。
「結局のところ,GTS 25xなどの計画も,直前にならなければ分からない」というのが,現時点におけるカードベンダー関係者の共通認識になっている。
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