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自宅をゲームセンターに変える「スーパーストリートファイターIV」の「ネットワークモード」。その魅力をカプコン小野プロデューサーに聞いてきた
4Gamerではこれまで,本作から登場する新キャラクターとして,「スパIIX」から参戦の「ディージェイ」 「T.ホーク」,「ストZERO」シリーズから参戦の「コーディー」 「ガイ」 「アドン」,「ストリートファイターIII」シリーズから参戦の「ダッドリー」 「いぶき」 「まこと」,そして完全新キャラとなる「ジュリ」と「ハカン」について紹介してきた。
もちろん新キャラクター以外にも,既存キャラのバランス調整や新ウルトラコンボの登場,そのほかステージ追加や新アレンジコスチュームなど,さまざまな新要素が用意されている本作だが,プロデューサーの小野義徳氏によれば,実は一番のウリは「そこ」ではないのだという。
氏の語る本作の最大の魅力,それは今作から搭載された新たな「ネットワークモード」の数々だ。今回はカプコンに直接お邪魔し,そんな一押しのネットワークモードについて,小野氏自ら解説してもらった。本稿では,その詳細についてお伝えしていこう。
「スーパーストリートファイターIV」公式サイト
コミュニティ要素が大幅強化された「ネットワークモード」
まずは今回のネットワークモードの概要について,ざっと説明していこう。本作で新たに加わったネットワークモードは三つある。「エンドレスバトル」「チームバトル」,そして「リプレイチャンネル」の各モードだ。
これに対し,前作「ストリートファイターIV」にあった「プレイヤーマッチ」「チャンピオンシップモード」の二つは,今回は搭載が見送られている。残る「ランクマッチ」については,もちろん本作にも搭載されており,あわせて4つのモードが楽しめることになる。
さて,今回新たに加わった三つのモードは,前作では弱かったコミュニティ部分へのアプローチを基本コンセプトとしているのが特徴だ。さっそく各モードの詳細紹介へ移っていこう。
なお,発売後のタイトルアップデートにて「トーナメントモード」の追加も発表されている。こちらについてはまだ開発中とのことなので,詳細が判明した時点で取り上げたい。
アーケードさながらの乱入対戦が楽しめる「エンドレスバトル」
エンドレスバトルは最大8人の参加者による,ゲームセンターライクな勝ち抜き通信対戦を行うことができるというモードとなる。対戦の勝者は継続してプレイ可能で,敗者は次のプレイヤーに席を譲り,順番待ちの最後尾にまわる形だ。一つの対戦台に対し,順番待ちしたプレイヤーが次々に乱入していく――そんなゲームセンターでよく見られる風景を想像してもらえれば分かりやすいだろう。
順番待ちをしているプレイヤーは,行われている試合を観戦しつつ,ボイスチャットで会話を楽しむこともできる(対戦中のプレイヤーも含む)ので,対戦中のプレイヤーを応援したり,ときにはヤジを飛ばしたりといった楽しみ方が可能となる。
流行の団体戦も楽しめる「チームバトル」
チームバトルは文字どおり,2on2(計4人)から4on4(計8人)の,勝ち抜きによるチーム戦を楽しめる新モードだ。団体戦なので,キャラクター同士の相性や,プレイヤー単位の得手不得手も戦略のうち。対戦順を決める段階から勝負は始まっているといっていいだろう。チームバトルにおいても,順番待ち中のプレイヤーは観戦ができ,ボイスチャットももちろん可能。絶妙の応援と煽りで相手を圧倒してやろう。
またチームバトルでは,オープンに参加者を募る(いわゆる野良参加)こともできれば,フレンド同士でチームを組んだうえで,対戦相手を探すこともできる。2on2〜4on4までマッチングでき,さらに組み合わせが決まるまでは「アーケード待ち受け」も可能という,まさに至れり尽くせりのシステムだ。
01メンバーが揃ったら,プレイヤーの強さ(プレイヤーポイント)によって青と赤の2チームに自動的に振り分けが行われる(フレンド同士などで,先にチームを作った場合は,チーム分けを固定することも可能) |
チームメンバーが決まれば,チーム内での対戦順序を決定できる。「?」を選ぶとランダムで順番が決められるが,自分で希望の順番を提示することもできる |
世界中の対戦を収集し,観戦できる「リプレイチャンネル」
リプレイチャンネルは,本作のリプレイデータを「収集」し,「観戦」することに特化したモードとなる。前作では特定条件下のみでしか保存できなかったリプレイも,今作ではまさに録り放題。自分の対戦のみならず,ネットワークモードで「観戦」しただけの試合でも,簡単に保存できる。
この「簡単に」というのが実は大きなポイントで,観戦してる試合の途中からであっても,保存予約が可能だ。そうして予約されたリプレイであっても,「試合の頭から」保存が行われるので,「今のコンボすごい!」と思った瞬間に録画予約ボタンを押すといった使い方もOK。後からアタックデータや入力キーデータを確認することもできるので,これは! と思った試合はどんどん保存していこう。
また後述の「リプレイチャンネル」では,「バトルログ」に自分が対戦した直近のリプレイが自動的に保存されているので,保存し忘れたリプレイはここから拾うこともできる(そのためにはいったんルームを抜けなければならないが)。
マイリスト
こうして保存されたリプレイデータは,リプレイチャンネルのマイリストにどんどん蓄積されていく。ここでは保存したリプレイを鑑賞したり,編集/削除などを行うことができる。リプレイを保存できる数は,アカウント単位で決まっている(だいたい150前後,とのこと)そうなので,残す必要があるものを選んで,定期的に整理しておくのが良いだろう。
オプション設定でリプレイの勝敗は分からないようにすることもできる。このリプレイではフェイロンがガイルに勝利したようだ |
試合を鑑賞後,リプレイリストのフェイロンに勝ち星がついた。さてこの試合の評価は……? |
マイチャンネル
そうやって保存/整理したマイリストのリプレイデータは,フレンドと一緒に鑑賞することも可能だ。「マイチャンネル」では,最大7人までフレンドを招待し,保存しているリプレイを見ながら,ボイスチャットを使ったコミュニケーションができる。
お互いが保存している名試合を流しながら感想戦を行うなど,いろいろな使い方ができそうな機能だ。
またマイチャンネル以外にも,リプレイチャンネルにはテーマ別に分けられたチャンネルがあらかじめ用意されている。例えば「ORIGIN」というチャンネルでは,ネットワーク上を流れているリプレイデータから,ストリートファイターIIのキャラクター達(リュウや春麗など)が登場するものを抽出して鑑賞していくことができる。このテーマ別チャンネルでも,同じリプレイを見ながらボイスチャットで批評しあうといった楽しみ方ができる。
こういったリプレイの収集は,同じくリプレイチャンネルを鑑賞中のプレイヤー間で自動的に行われるほか,それ以外のタイミングでも,例えば対戦のマッチング待ちや,観戦中などの空いた帯域を利用して常に行われる仕組みになっている。そのため,待ち時間に悩まされることなく――「YouTubeやニコニコ動画で対戦動画を見るように」――世界中の対戦を次々と閲覧することができるのだ。
いかがだっただろうか。前作において「惜しい」と感じられた部分がほぼフォローされた本作のネットワークモードは,まさに充実の内容といっていいだろう。アーケードの雰囲気を家庭用に持ち込みたい,というカプコンの気概を感じると共に,ネットワーク対戦の新たなステージを予感させる完成度に仕上がっている。
アーケード版のリリースが遅れるのはいささか寂しい限りだが,これらのネットワークモードの存在で,先行するコンシューマ版においても,その独特の楽しさの一端を感じることができそうだ。アーケードのプレイヤーも,コンシューマ版で腕を磨きつつ,続報に期待してほしい。
なお4Gamerでは同日,ネットワーク以外の部分を含めた,本作全体についてのインタビューも,小野氏へ行わせていただたいた。こちらは後日掲載予定なので,ファンはぜひ楽しみにしてほしい。
- 関連タイトル:
スーパーストリートファイターIV
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(C) CAPCOM U.S.A., INC.2010 ALL RIGHTS RESERVED.
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