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印刷2009/11/12 19:04

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AMD,次世代CPUアーキテクチャ「Bulldozer」「Bobcat」の概要を公開

 北米時間2009年11月11日,AMDは,米カリフォルニア州サニーベール市において,投資家向け説明会,「AMD 2009 Financial Analyst Day」を開催。以下,製品名はとくに断りのない限り開発コードネームでの表記となるが,同社はここで製品ロードマップを更新するとともに,初の“Fusion CPU”――同社が定義するところのAPU(Accelerated Processing Unit)――となる「Llano」(ラノもしくはリャノ)のダイ写真を披露した。
 さらに,次世代CPUアーキテクチャを採用する「Bulldozer」(ブルドーザ),「Bobcat」(ボブキャット)両コアの概要も公開し,2011年から,ヘテロジニアス(Heterogeneous,異種混合)CPU時代に突入すると宣言している。

画像集#002のサムネイル/AMD,次世代CPUアーキテクチャ「Bulldozer」「Bobcat」の概要を公開
かつてのCPUとGPU。0.13μmプロセスで1億5000万トランジスタを集積したAthlon 64は,64bit処理とビデオデコードの扉を開けた。また,同年リリースされたATI TechnologiesのRadeon 9700は、0.15μmで1億1000万トランジスタを集積。当時は3D/2Dゲームが主なターゲットで,ビデオ処理はこれから実装というタイミングだった
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こちらが現在。Phenom II X4は45nmプロセスで7億5800万トランジスタを集積し,マルチタスク性能を向上させた。GPUはTFLOPS(TeraFLOPS)の時代に突入。40nmプロセスで21億5000万トランジスタを集積したATI Radeon HD 5800シリーズは2TFLOPSの演算処理性能を実現する

2011年。CPUとGPUをフュージョンさせた,ヘテロジニアス時代のプロセッサを,Fusionが実現する。最初の製品となるのが,現行のCPUとGPUを32nmプロセス世代でまとめたLlanoだ
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APUは毎年GPU機能を刷新へ


Llanoのダイイメージ
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 同社でCPUおよびGPUビジネスを統括するRick Bergman(リック・バーグマン)上級副社長は,2010年の製品戦略として,45nmプロセス技術を採用し,パフォーマンスと電力効率を引き上げたCPU製品をデスクトップPCやノートPCの市場に投入していく意向を表明。
 デスクトップPC市場では,6コアCPUの「Thuban」(トゥバンもしくはトゥーバン)を投入するほか,ミドルクラス以下の市場に向けて,「RS880P」チップセットを採用した「Dorado」(ドラド)プラットフォームを整備し,システムレベルでパフォーマンスを底上げすると予告した。

AMD 2009 Financial Analyst DayでアップデートされたデスクトップPC向けプロセッサロードマップ。2010年に6コアのThubanがされるほか,2011年にはBulldozerコアを採用する「Zambezi」(ザンベジ)と,初のAPUとなるLlanoが控える
画像集#006のサムネイル/AMD,次世代CPUアーキテクチャ「Bulldozer」「Bobcat」の概要を公開

 また,ノートPC市場に向けては,最大4コアを統合したCPU,「Champlain」(シャンプレイン)をパフォーマンス市場向けに投入する一方,薄型ノートPC市場に向けては,「Geneva」(ジェネヴァ,同)と呼ばれるCPUを採用した「Nile」(ナイル,同)プラットフォームを投入することで,省電力性とパフォーマンスの両面を強化する意向だ。

こちらはノートブック向けCPUロードマップ。OntarioのCPUコアに,新アーキテクチャであるBobcatを採用することが明らかにされている
画像集#007のサムネイル/AMD,次世代CPUアーキテクチャ「Bulldozer」「Bobcat」の概要を公開

 そして2011年には,冒頭でも紹介したとおり,CPUとGPUのFusion計画が,いよいよ現実のものになる。

AMDはFusionの方向性として“速さ”(Velocity)を重視。毎年,GPUコアを刷新することで,APUの性能向上を図っていく意向を表明した
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 AMD初のFusion製品となるLlanoは,Bergman氏いわく,「現行のStars Core四つと,DirectX 11世代のGPUコア,32nmプロセス技術でシングルダイに統合したもの」。
 ただし,LlanoはAMDにとって,Fusion/APU計画のゴールではない。Bergman氏は,「Fusionには“速さ”が求められる」として,「APUの革新性を保つためにも,毎年新しいGPUコアを統合していく方向で開発を進めていく」と宣言している。


BulldozerとBobcat,両アーキテクチャの概要が公開に


 そのAPUの進化を支えるCPUコアが,次世代アーキテクチャを採用するBulldozerとBobcatだ。

2011年に投入予定となっている次世代CPUアーキテクチャコアの棲み分け。BulldozerはデスクトップやサーバーCPU向けにパフォーマンスやスケーラビリティを重視。Bobcatは,低消費電力と低コストを追求した設計となる
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 ハイエンド市場へ投入されるBulldozerは,一つのCPUコアに二組の整数演算スケジューラを搭載し,Bergman氏をして「今までのCPUにおける概念で言えば,『デュアルコアを一つのCPUコアにまとめた』構成」と言わしめるコアである。
 デスクトップPCやサーバー向けCPUには,このBulldozerコアが複数個,搭載されることになる。

次世代デスクトップCPUの核となるBulldozerアーキテクチャ。二組の整数演算ユニットを実装する“デュアルコアデザイン”を採用し,32nm SOIプロセスで製造される予定だ
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 Bobcatは,省電力性と低コストを追求したデザインのプロセッサで,コア当たりの消費電力は1W以下に抑えられるとのこと。また,40nmもしくは45nmプロセス技術を採用し,現行メインストリーム(≒エントリー〜ミドルクラス)CPU比で90%の性能を,半分以下の半導体面積で実現可能だとされている。
 アーキテクチャはBulldozerと共通の部分も見受けられるが,整数演算ユニットや浮動小数点演算ユニットは専用設計になるとのこと。今回公開されたブロック図だと,整数演算ユニットと浮動小数点演算ユニットを個別に内蔵するという,これまでのCPUとは大きく異なったデザインが採用されているが,SSE1〜3や仮想化技術といった,現行のx86命令セットはフルサポートされる。
 Bobcatコアは,低価格&薄型ノートPC向けAPU,「Ontario」(オンタリオ)に搭載される見込み。筆者は10月17日の記事で,Ontarioには現行CPUコアが統合されるとしたが,ここはアップデートされていたようだ。

Ontarioに採用されるBobcatのアーキテクチャ。整数演算ユニットと浮動小数点ユニットを個別に実装する。コア当たりの消費電力は1W以下がターゲットだ
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 なお,今回公開されたアーキテクチャの詳細などについては,あらためてお伝えしたいと思う。
  • 関連タイトル:

    AMD FX(Zambezi)

  • 関連タイトル:

    AMD E-Series,AMD C-Series

  • 関連タイトル:

    AMD A-Series(Llano)

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