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[GDC 2010]Epic Gamesが,3GS世代のiPhone/iPod touchに向けたUnreal Engine 3を公開
まず,明確にしておきたいのは,このiPhone向けUnreal Engineは,「OpenGL ES 2.0」というAPIを利用したものだ。そのため,3GS世代のiPhoneもしくはiPod touchが必要であり,iPhone 3Gや2G,そして旧式のiPod touchでは作動しないという,かなり面食いなゲームエンジンなのである。Adams氏も,「プログラマーとしての興味がそそられたから」と,まずは実践ありきの胆略的なプロジェクトであったことを認めている。
元々,C++でプログラミングされたUnreal Engineを,iPhoneのOSに移植する作業は実にチャレンジングだったに違いないが,Adams氏は「90%のコードはまだ存在している」と誇らしげに語る。もっとも,オフライン・コンパイラのないiPhoneでは,常に5〜20種のシェーダを利用するUnreal Engine 3.0ゲームを動作させるのは至難の業だ。そのため,複数のシェーダーを自動的に1枚にしてしまうという,「Auto-Flattening」機能というものを新たに搭載し,これに対処している。Specular High-Lighting効果など演算コストの高いものは省かれているということだが,かなりの部分を表現できているのは,デモからも確認できた。
もっとも現在のところ,Epic Gamesとしては,実際にGears of War 2なりUnreal Tournament 3なりを発売する予定はないらしく,iPhone向けUnreal Engine 3のライセンスも,どういう形で行うのかは詳しく練られていない状況とのこと。安価で販売されるのが一般的なiPhoneゲームのために,ゲームエンジンを高額でライセンスしようと動くゲーム開発者は少ないと想定されているためだろうが,大きな企業向けに,複数利用の可能な一括ライセンスなどのオプションは考えられるだろう。
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Unreal Engine
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